まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

春風沈酔の夜

2010-12-10 | 中国・台湾・香港映画
 数ヶ月前に突然姿を消した、お気にのブーツ。私には珍しくブランドもので、買ってからまだ一回しか履いてなかったのに。盗まれたのか、老父母が誤って捨てたのか。後者の可能性が高かったけど(前科があるし)、老人を問責しても仕方がないとガッカリ黙って諦めてたのですが...先日仕事から帰宅すると、あ!?玄関に失ったはずのブーツが!な、な、何で!?どうーいうこと?!と、思わず上ずった奇声をあげてしまいました。そしたら、家の中から兄の内縁の妻がヒョッコリ現れて、おかえりなさ~い♪と私をお出迎え。そのブーツおしゃれじゃろ~?と、ノーテンキに笑ってるし。
 後の母による説明によると、兄が勝手に私のブーツを持ち帰って、内縁の妻に与えたらしい。何それ?!泥棒じゃん?!金なんかないはずの兄から無邪気にプレゼントをもらうほど、内縁の妻は純粋な年齢でも性格でもない。とんでもないカップルじゃわ。
 呆れてものも言えないけど小心者な私は、怒ることも返せと要求することもできず、泣き寝入りしたのでしたこんな私に、サンタさんはきっと素敵な贈り物をくれるはず...
 
 「スプリング・フィーバー」
 現代の南京。女教師のリンは、知り合いの青年ハイタオに夫ワンピンの尾行を依頼する。ワンピンにはジャンチェンという男の愛人がいた。リンとの夫婦関係が破綻したワンピンと距離を置き始めたジャンピンは、ハイタオと親密になってゆくが...
 中国で映画制作を禁じられているロウ・イエ監督が、ゲリラ的撮影を強行して完成させ、カンヌ映画祭で脚本賞を受賞した同性愛映画、だなんて、これを観ずにして何を観る的な要素を濃厚に揃えた作品。暗く甘美なスキャンダラスさに、私は誘蛾灯に吸い寄せられる蛾のように、フラフラと映画館へと向かったのでした。
 しかし。残念ながら、過大な期待は裏切られてしまいました。ミーハーなYAOIが狂喜垂涎するような、ときめき胸キュン系でも陶酔耽美系でもなかったからです。ぶっちゃけ、かったるくて退屈だった。
 
 男女5人の愛と憎しみ、欲望や絶望、虚無感や倦怠が激しくも不可解にせめぎ合うストーリーじたいは、悪くない。ドロドロ大好きなので。でも、画面が何だか薄汚く乱雑で、観ていて疲労感と不快感を覚えてしまった。YAOIは基本、キレイ好きなので(笑)。ホームビデオ的なブレた映像も苦手。リアルさはよく出てたのだろうけど、私は映画にはリアリティよりドリームを求めてるので(笑)。
 男3人が、ブサイクではないのだけど、リアルというかフツーすぎたところも残念なポイント。この点では、YAOIのみならずゲイの映画ファンにとっても期待ハズレだったのでは。ジャンチェンは、まあまあ美男だったかな?たまに渡辺いっけいに見えたけど。やっぱYAOI的妄願としては、♂×♂愛は顔もカラダも見惚れてしまうようなイケメン&男前でやってほしい。
 5人の関係や言動も、???だった。ワンピンが妻リンと、男の愛人であるジャンチェンを引き合わせるところとか。友だちだと思わせといたら会いやすくなるなんて発想は、女を甘く見すぎてる。ジャンチェンに捨てられたワンピンの悲しい選択も。あんなことするぐらいだったら、はじめっから女房と別れて男と一緒になればよかったのに。女の恋人がいるハイタオが、ジャンチェンとデキちゃうところとかもWHY?って感じでした。リアルに撮ってるけど、内容は非現実的で共感や感銘を得ることはなかったです。
 男同士のセックスシーンは、かなりガッツンガッツンで、本当にヤってるのでは?と思えわせるほどリアルで激しい。あんなの演技でできるなんて、俳優ってほんとにスゴよなあ。でも、繰り返しますが、激しくネットリ絡む男色シーンも、ファンタジーにエロくて美しくないとね。ゲイのリアルセックスなんて、見たくないもん。
 同性愛って、昔に比べたらかなり市民権を得てるけど、中国とかは発覚すれば死刑になりそうなほど厳しく、隠微に秘められた禁断なのかなと勝手に思い込んでたけど、意外とオープンで堂々としてたので驚きました。
 
 
 
 
 
コメント (4)
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