ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国ボクの電車はどこ?事情

2009年11月16日 | 米国○○事情
練習を終えて、マンハッタン行きの9時半の電車に乗るタイソンを送って家に戻り、旦那の機嫌を取っていた時、旦那が「今日はなんか変な感じがする日やった」と言い出しました。
確かに、運転している時、妙に遅い車や、車自体が酔っぱらっているような、なんとも奇妙な走り方をする車が多かったし、
旦那の患者さんも、ドタキャンをしたり、遅れてきたり、どこかハズレているような人が多かったそうです。
まあ、たまにこんな日ってあるよな、とか言って、無理矢理納得しながら、パソコンの所に行くと、タイソンからメールが送られてきました。

そろそろ着く頃だったので、ああ、もう着いたのかとメールを開けてみると、

「Where is this train?!?」の文字が……え?

なんのことかはじめは分からず、そのうち、もしかしてタイソン、まだ電車に乗ってないってこと?と大騒ぎに。
慌てて彼に電話すると、「ずっとホームで待っているのだけど、電車が全然来ない」と言うのです。声が震えています。身体が冷えたんでしょう。
なんでやねん!と呆れながら、そして、なんでもっと早くに電話してけえへんねん!とタイソンにも怒りながら、鉄道会社のホームページを開くと、
『別の会社の列車がトンネル内で立ち往生していて、15分から45分の遅れが生じています』のお知らせが……が~ん

こらあかん!駅に行こ!

多分あともうちょっと待ってたら来るやろから、と遠慮するタイソンを無視して、ホームに駆けつけ、5分ほど一緒に待ちましたがダメ。
ホームには、訳の分からない説明をくり返すコンピューターの音声が流れていましたが、それだけ……他はなんの対処も為されていません。
哀れタイソン、寒空の下、寝不足続きの夜に、40分も待たされていました。
こんな時間やったらマンハッタンの町中に入るのに30分もかからへんからと、彼を車に押し込んで送ることにしました。

助手席に座った旦那がキッチンの話の続きで、今日はやっぱり変な日だと言い出し、マーキュリーが悪さしてんのかな?と口走った時、
どっかぁ~ん!天文学を専攻したタイソン、いきなり理解不能(わたしだけですが……)の言葉でガンガン話し始めました。
やっぱこの若者、人離れしとる……

町に入った頃にはとうとう居眠りをし始めたタイソン。ごめんよぉ~、わたしのせいじゃないけどさ、アメリカの電車が悪いんやけどさ、などとブツブツ思いながら彼のアパートまで送り届けました。

ついさっき、戻ってきた息子Kが言うことにゃ、今夜は『獅子座流星群』が見える夜なんだそうな。
500年に一度とかいう大規模なものらしく、ヤツはこれから寝ないで見るつもりでいるそうな……テスト前はかっきり寝るくせに。

もしかして今日の変なことイロイロってのは、マーキュリーじゃなくて獅子座さんの影響だったのかもしれません。

って、そこに落ち着いたらいけません。アメリカの電車会社さん、流星群がやって来ようが来まいが、もうちょっとしっかり走ってくださいな
トンネルで止まった模様。で終わってしまわんと、だから○○してくださいとか、復旧までにどれぐらいかかるとか、なんかもうちょっとまともな説明をして、それなりの対処をしてくださいな
日本のように、なんて宇宙規模的希望は持ってませんけど、せめて、乗れんと困ってる人のこと、もうちょっと考えてくださいな
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タイソンがやってきた!

2009年11月16日 | 音楽とわたし
待ちに待った、普通に音を出してもいいリハーサルです!
初回はピアニッシモ限定?!やったようなやらなかったような、とてもモヤモヤとしたままだったので、この日が待ち遠しかったです。

週末はボストンに行っていて、今日からまた仕事というタイソン。
疲れているだろうし、ちゃんとまともな食事をしていないだろうし、もう完全に母のノリで夕飯を作ってあげることにしました。

彼が2人の仲間と一緒にファイナンシャルの事業を営んでいるビルからペンステーションは近いし、そこからものの30分で、うちから歩いて2分のブルームフィールド駅に着くってことで、彼がこちらに来てくれることになりました。

仕事を終えてから近所のチャイニーズマーケットまで野菜を買いに行き、あたふたと料理をしている最中にやって来たタイソン、
「あとちょっとでできるから、それまで好きなことしてて~」って言うと、いきなりピアノの音が聞こえてきました。
ショパンのスケルツオ、ラフマニノフのピアノコンチェルト第二番、ブラームス、シューマン……あのなぁ~……なんでそんなん弾けんねん?!
包丁を握る指に、思わず力が入ってしまいました……トホホ……ピアノ弾きはわたしやねんけど……。
お鍋がちゃんと煮えるまで、一練習ってことで、初のまともな強弱で弾く合わせが始まりました。

あぁ~気持ちいいったらありません
なんという心地良い表現、力強いフォルテ、胸がざわめくようなピアニッシモ、切ないカンタービレ……
この時をわたしはずっとずっと待っていたんだ!と心の中で叫びながら、至福の時を過ごさせてもらいました。
このままずう~っと弾き続けていたかったけど、お腹も減ってきたし、ちょっと中断して夕飯タイム。

食べながら、タイソンの家族や仕事のことを旦那がいろいろと質問をして、今までチンプンカンプンだったことが少しだけ明らかになりました。
アメリカはカリフォルニアで生まれ育ったタイソン。ご両親は台湾人。おとうさんは神経内科、おかあさんは宝石商、4才下の弟はチェロ弾きさん。
彼はヴァイオリンもピアノもあんなによく弾けるのに、大学で専攻したのは天文学。そして今はファイナンシャルの仕事をやってます。
東海岸の気候とマンハッタンの喧噪にかなり嫌気がさしてきてるみたいで、心はもうカリフォルニアに向かっているそうな……。
もっと早くに、一緒に演奏しよって言えばよかった……
でも、彼はACMAの超人気者で、ピアノ弾きなら誰でも、いっぺんでいいから伴奏させて欲しいと思うヴァイオリン弾きなので、なかなか勇気が出なかったのです。これでけっこう引っ込み思案なのであります、わたし……ほほほ
なので、やりたい曲をガンガン送って、無理矢理お願いしちゃえ~!と、おばちゃんは厚かましく計画を練っているのです……ほほほ

食後にもう一度、全体の構成の持って行き方やバランス、息の合わせどころを練って、そのあとは初見で適当にいろいろ遊びました。
ジェーンとの時も思ったけれど、音楽で気が合うっていうことは、こんなにも気持ちが良くて程よい興奮が得られるもんなんですね。

もうニコニコしまくりのわたしを見て、旦那はちょいと焼きもちをやいているようでした
ごめんよぉ~でもさぁ、こればっかりはどうしようもない。気にせんといて、としか言えない、練習の時だけの気持ちなんやもん。

次の合わせは感謝祭の後までおあずけです。今日ちゃんと弾けなかったところ、もっともっと練習せにゃ~

コメント (4)
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