モントクレア美術館の中にあるリアホールでの、生徒達の発表会が無事終わりました。
今美術館ではセザンヌの展示が行われているので、駐車場がいっぱいで大変でした。
でも、それにもメゲず、百名近くのお客さまが来てくださり、温かく会を盛り上げてくださいました。
ホールの写真を撮るような余裕がなかったので、グーグルの画像から拝借してここに載せておきます。
それにしても、自分の生徒ながら、みんなあっぱれでした!本当によく頑張ってくれました。
教師冥利に尽きるってのはこういうことだと思いました。
あんまりみんながすてきなピアノを弾いてくれたので、最後の〆として弾くわたしがコケてたまるか!と妙な気力がフツフツと沸いてきて、
そしてもちろん、みなさんの応援の気持ちも届いていたので、とても気持ちよく、ピアノを丸ごと抱っこしながら歌っているような感じで弾けました。
このリアホールのピアノは、とてもアンティークなシュタインウェイなんですが、静かな音(P)の表現の幅がすごく広いのです。
耳をすまさなければ聞こえないほどのピアニッシッシモだってお手のもの。指先次第でバラエティに富んだ音を奏でることができます。
わたしの大大好きなピアノのひとつです。
今日はショパンのエチュード3番『別れの曲』を弾きました。
実は、カーネギーで弾いた連弾曲をジェーンを一緒に弾きたかったのだけど、彼女の都合がつかなかったので、急きょエチュードの1番を弾いてみようかな~と思い、急いで仕上げようと練習に励んでいたのでした。
するとある日、「なあ、まさかそれ弾くつもりちゃうんやろ?」と、旦那がわたしに聞いてきまして、
「弾こと思てるから練習してんねんけど?」と言うと、「なんぼなんでもそりゃマズいんちゃう?」と旦那。
「なにが?」と、早くもふてくされて聞くと、「だってさ、練習丸出しやねんもん」と旦那。
「当たり前やん。練習曲やねんもん!」と反抗しつつも……とっくに旦那の言わんとすることが分かってたわたし。
要するに、人前で、しかもリサイタルの舞台上で弾くには、あまりにも未完成……ということを言いたかったんでありましょう。
それが今から2週間前なのでありました……しくしく……それじゃあどうするべか?といろいろ考えた挙げ句、
もうかれこれ30年も前に弾いた『別れの曲』を脳みそから引っ張り出してきて弾いてみようと思い立ち、練習開始。
テーマの部分はとにかく、真ん中の、頭を掻きむしりながら感情を爆発させるような激しい部分が、どうしても弾けずに困り果てていました。
これが年を取ったということか……とさすがに凹みましたが、焦るな!ゆっくり丁寧に、年の功風演奏で責めようと思い直し、
昨日お話ししたように、必死で、文字通り足掻いていたのでありました。
みんなからお花をいただいたり、みんなで写真を撮ったり、1部と2部の間の休憩時にスウィーツと飲み物で歓談したり、
遠くの州からこの日のために来てくれたご家族の皆さんとも懐かしい再会をしながら、大人も子供もなく、生徒達全員が、年ごとにぐんぐん上手になってきているのを目の当たりにして、それはそれは幸せな気持ちに浸ることができました。
みんな、本当によく頑張ったね!
ご家族のサポートにも心から感謝します!
みんなの心の中に、音を楽しんだ特別の日として、今日のことがまたひとつ、いい思い出として残りますように。
『Thanksgiving』が終わったらまた一緒に頑張ろ!本当にありがとう!