ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

カルロス・コレア氏のピアノ

2009年11月13日 | 音楽とわたし



来月の演奏ミーティングで一緒に演奏することになっているタイソンと、まだ曲決めのことでごちゃごちゃ話し合っていた時、
彼が突然、「あのさ、これからアルベルトと一緒にちょっくらピアノ見に行ってくるんだ~」と言い出しました。

「ペルー人のコンサートピアニストが最近亡くなって、一緒に住んでた姪がいるんだけど、マンハッタンのアパートは維持費が大変で引っ越すことになってね、けれども持ち主のいなくなったピアノまで移動することはできないからってんで、売りに出されたんだよ」

「それはそれは大切に使われてたピアノでさ、ボク、こないだ試し弾きしてきたんだけど、こっちのどんな要求にも即座に応えてくれる、歌えるピアノだったよ。ありゃいいよ。ニューヨークのアパートなんかに住んでなかったら絶対ボクが買ってた!」

「鍵盤はね、深過ぎず浅過ぎず、試しにスカルラッティのニ短調のソナタと、ベートーヴェンのピアノコンチェルト4番を弾いてみたんだけどね(ヴァイオリン弾きがそんなん弾けんといてよぉ~)、スカルラッティのあのしつっこい連打もばっちり、ベートーヴェンの重厚な和音の響きもばっちり、いいよ~!」

「サイズは7フィート。舞台用の練習にもちゃんと通用すると思うよ」

「あ~ボクも、こうなったらニュージャージーに引っ越して、このピアノ買うこと真剣に考えよっかな~。だってさあ、あんないいコンディションで3500ドルだよ?!今時アップライトの中古でもそんなんじゃ買えないっつうの……ブツブツブツブツ……」

タァ~イソォ~ンッ!!それ以上もう言うなぁ~!!
わたしの頭の中はそのピアノのことでパンパンにふくれあがってしまいました。

タイソンが携帯で撮って送ってくれたピアノの写真です。



LaPianaというのがこのピアノを作った会社なんだそうです。
聞いたことの無い名前だったので、ネットで調べてみましたが、それでも出てきません。
カルロス氏が手放したくなかったほどの逸品だったからか、それとも他の事情があったのか、
とにかくこうなったら、自分自身でアパートに出向き、弾かせてもらうしかない!と思えてきました。

ご縁があったらいいなあ。

コメント (7)
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