ローマ字打ちの息子との会話です。(実際にローマ字で書いてしまうと読みにくくてしょうがないので、翻訳して書くことにしました)
「かかあ」
「なに」
「ボストンのジョブフェアの後、ボストンから来週の日曜か月曜に帰る」
「日曜は生徒の発表会があるから、疲れて死んでるかも」
「ほう。あのさ、Sも一緒に帰ってもええっけ?」
「もちろん」
「電車の駅まで迎えに来てくれる?」
「ええけど、チャイナバスにしたら片道5時間15ドルでマンハッタンまで帰れるで」
「なんですとぉ~!?」
「そしたらポートアーソリティからここまで電車乗って来れるやん」
「検討いたす」
中略
「また昨日丸々寝てない」
「なんで」
「プロジェクトやってたら寝れんかった。一分も」
「そんなことしてたら身体いてまうで」
「しゃーない。卒業かかってる」
「そらそやけど」
「卒業式、おじいちゃんもおばあちゃんも、ほんでおばちゃんまで来てくれるみたいやし、今更できませんでした、なんてシャレにならん」
「まあ、そりゃそうやけど」
「けど、それにしても眠過ぎ!拷問っぽい」
ここでハッと気がついたわたし。
「あんた、今なにやってんの」
「授業中」
「こんなことしててええん?」
「こんなことでもしてんと寝てまう」
親を眠気覚ましに使う息子……それにウホウホ喜んで付き合ってしまう母親……どっちもどっちです。
「ほな、眠気覚ましに一発」
「なんじゃ?」
「ピアノ買うた」
「なぬぅぅぅぅぅぅぅ?!グランド?」
「うん」
「かかあ、いつからカネモ(金持ち)になったん?」
「こんなご時世に家買うたお礼に言うて、政府からもろた8000ドルをちょいと使わせてもらう」
「そんなん、グランドやったら買えんやろ」
「いや、それが、かくかくしかじか……」とカルロス氏のことなどを説明しました。
「けど、その会社大丈夫なんか?」
「わからん」
「ちょっと調べてみる」
と言って1分もしないうちに、ブランカが最初に広告に出したサイトのページを見つけて送ってきてくれました。授業中にええんかいな?
http://newyork.kijiji.com/c-For-sale-Musical-instruments-SELLING-PIANO-LAPIANA-EXCELLENT-CONDITION-8000-W0QQAdIdZ151572925
そこには、もともと新品で買うと$40,000のピアノですが、$8000で売りたいと書かれてありました。
消えた会社のことなので、その数字が本当なのかどうかは全く分かりません。むしろ、本当ではない確率の方が高いでしょう。
でも、もうそんなことはいいのだ、とTに伝えました。
いい眠気覚ましになったのか、ちょっとまた元気になったT。
今週末にボストンである日本企業のジョブフェアに向けて、いろいろと準備している話をしてくれました。
ルームメイトのS君は、ずっと獣医さんになりたくて頑張っていたけれど、最近ついに断念、今回のボストンに懸けているそうです。
「Sも1週間ほど俺と一緒に泊まってもええ?」
「ええ子にしてるんやったら」
「言うとく。嘘つかんようにってのも言うとく」
「それと、一日一曲ギター演奏ノルマな」
「おっしゃ、それも言うとく」
「あかん、強烈な睡魔が襲てきた!」
「おい、こら、頑張れ!」
「けど俺、起きてるふりするのうまい」
「まぶたの上に目ぇ書いとき!」
「それ、ええかも。教授、おもろい思て許してくれるかも」
「おっしゃ、目の玉書いた紙くり抜いて、それに両面テープ貼ってくっつけろ」
「そら目立ち過ぎ!」
「どうせやるならとことんやれ!」
と……盛り上がったところで授業は終わったのでした。
どうしても日本でまず働きたい。その思いは変わらないようです。
休憩を入れて10時間近くかかったとしても、Tはまだ車で行ける所に居ます。
でも、大学を卒業したら、今度は飛行機で16時間はかかる所に行ってしまいます。
子供が小学校、中学校、高校を卒業するたびに、わたしも心の中で小さな卒業を重ねてきたけれど、
どうやら今回の卒業は本格的で、それなりの覚悟と気持ちの整理が必要になりそうです。
こんなことができるのも、あともう1ヶ月とちょっと……なんて、残り少ない落ち葉が揺れるの見ながら寂しくなりました。
「かかあ」
「なに」
「ボストンのジョブフェアの後、ボストンから来週の日曜か月曜に帰る」
「日曜は生徒の発表会があるから、疲れて死んでるかも」
「ほう。あのさ、Sも一緒に帰ってもええっけ?」
「もちろん」
「電車の駅まで迎えに来てくれる?」
「ええけど、チャイナバスにしたら片道5時間15ドルでマンハッタンまで帰れるで」
「なんですとぉ~!?」
「そしたらポートアーソリティからここまで電車乗って来れるやん」
「検討いたす」
中略
「また昨日丸々寝てない」
「なんで」
「プロジェクトやってたら寝れんかった。一分も」
「そんなことしてたら身体いてまうで」
「しゃーない。卒業かかってる」
「そらそやけど」
「卒業式、おじいちゃんもおばあちゃんも、ほんでおばちゃんまで来てくれるみたいやし、今更できませんでした、なんてシャレにならん」
「まあ、そりゃそうやけど」
「けど、それにしても眠過ぎ!拷問っぽい」
ここでハッと気がついたわたし。
「あんた、今なにやってんの」
「授業中」
「こんなことしててええん?」
「こんなことでもしてんと寝てまう」
親を眠気覚ましに使う息子……それにウホウホ喜んで付き合ってしまう母親……どっちもどっちです。
「ほな、眠気覚ましに一発」
「なんじゃ?」
「ピアノ買うた」
「なぬぅぅぅぅぅぅぅ?!グランド?」
「うん」
「かかあ、いつからカネモ(金持ち)になったん?」
「こんなご時世に家買うたお礼に言うて、政府からもろた8000ドルをちょいと使わせてもらう」
「そんなん、グランドやったら買えんやろ」
「いや、それが、かくかくしかじか……」とカルロス氏のことなどを説明しました。
「けど、その会社大丈夫なんか?」
「わからん」
「ちょっと調べてみる」
と言って1分もしないうちに、ブランカが最初に広告に出したサイトのページを見つけて送ってきてくれました。授業中にええんかいな?
http://newyork.kijiji.com/c-For-sale-Musical-instruments-SELLING-PIANO-LAPIANA-EXCELLENT-CONDITION-8000-W0QQAdIdZ151572925
そこには、もともと新品で買うと$40,000のピアノですが、$8000で売りたいと書かれてありました。
消えた会社のことなので、その数字が本当なのかどうかは全く分かりません。むしろ、本当ではない確率の方が高いでしょう。
でも、もうそんなことはいいのだ、とTに伝えました。
いい眠気覚ましになったのか、ちょっとまた元気になったT。
今週末にボストンである日本企業のジョブフェアに向けて、いろいろと準備している話をしてくれました。
ルームメイトのS君は、ずっと獣医さんになりたくて頑張っていたけれど、最近ついに断念、今回のボストンに懸けているそうです。
「Sも1週間ほど俺と一緒に泊まってもええ?」
「ええ子にしてるんやったら」
「言うとく。嘘つかんようにってのも言うとく」
「それと、一日一曲ギター演奏ノルマな」
「おっしゃ、それも言うとく」
「あかん、強烈な睡魔が襲てきた!」
「おい、こら、頑張れ!」
「けど俺、起きてるふりするのうまい」
「まぶたの上に目ぇ書いとき!」
「それ、ええかも。教授、おもろい思て許してくれるかも」
「おっしゃ、目の玉書いた紙くり抜いて、それに両面テープ貼ってくっつけろ」
「そら目立ち過ぎ!」
「どうせやるならとことんやれ!」
と……盛り上がったところで授業は終わったのでした。
どうしても日本でまず働きたい。その思いは変わらないようです。
休憩を入れて10時間近くかかったとしても、Tはまだ車で行ける所に居ます。
でも、大学を卒業したら、今度は飛行機で16時間はかかる所に行ってしまいます。
子供が小学校、中学校、高校を卒業するたびに、わたしも心の中で小さな卒業を重ねてきたけれど、
どうやら今回の卒業は本格的で、それなりの覚悟と気持ちの整理が必要になりそうです。
こんなことができるのも、あともう1ヶ月とちょっと……なんて、残り少ない落ち葉が揺れるの見ながら寂しくなりました。