ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

新しいエネルギーへのドアを開く日本

2011年03月22日 | 世界とわたし
前回の記事で紹介した対談の中に、読めば読むほど胸がわくわくする事柄がありました。

『新しいYES』に向かって、日本が世界の水先案内人となれる気がします。

日本の各地、各大学で、自然エネルギーの研究と開発が、コツコツと続けられています。

『ジャイロ』
神戸大学院の先生方が開発された、波の力で発電する発電機。

『スパイラルマグナス』
秋田県にあるMECAROという小さな会社で開発された、低周波が出ない、そして鳥もぶつからない構造になっている風力発電機。
これを海に浮かべて使用できるようにもなっているようです。

四方を海に囲まれた日本だからこその、波や風を使った発電機。
畳8畳分のソーラーシステムを、各家の屋根に設備できるよう、政府が本気になれば、必ず実現できることだと思います。

日本は、世界中で、自然エネルギーの開発研究やバッテリー、電気自動車やITの分野において、トップに位置する国です。
そして省エネの意識が高いのもトップクラス。

多くの犠牲と痛みを無駄にしないためにも、本当に今こそ、今だからこそ、世界に向けて声を上げて欲しいと思います。
日本は、核廃絶と省エネ、そして自然エネルギーへの転換を実現し、地球の救世主になるべき国だと思います。
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送電線を返してほしい!

2011年03月22日 | 世界とわたし
「今だからこそできる話がある」「新しいエネルギーの未来」を、ぜひぜひ読んでみてください!

ついさっき、あさこのブログで紹介されているのを見て、読んでみました。
あさこのブログからちょいと拝借。


まずは田中優さんの話からの抜粋。

■省エネについて

私達の生活で電気を消費する四天王はエアコン、冷蔵庫、照明、テレビ。
これを買い替えるときに今ある省エネ商品に変えるだけで消費量を半分にする事が出来る。
努力、忍耐無しでこれだけ事が出来る。
努力、忍耐は最後の切り札のためにとっておきましょう。
さらにはこの消費量を現存の太陽光発電に変えたら
タタミ8畳の大きさのもので2キロワット発電出来て、
これで全てがまかなえてしまう。

もうひとつ。

実は家庭の電気料金というのは省エネを進めるために、使うにつれて単価そのものが高くなるようになっているんです。
それに対して、事業系の電気料金は使えば使うほど安くなる。
だから、省エネしても事業者は得にならない。
これを家庭と同じ設定にしてくれれば、企業はたちどころに省エネに取り組みます。
確実に3割は変わってくるでしょう。
日本全体の電力の4分の3は企業が使っているので、それが3割減ったら、発電所も直ちに4分の1は止めることができる。
つまり、全体の22%ほどである原子力発電所はすべて止めても問題はなくなるんです。
 

そしてあさこのブログより彼女の言葉。

私達日本人は原爆被害者。
原子力の恐ろしさを世界に、声を大にして言い続けなければならない国民なのに。

悲しい惨事のためだったけど、
でもこれで今、世界中が日本を注目している。

今こそ日本は、
安全な、地球に優しい、
みんなで分け合えるエネルギーをどんどん作って、世界に示す時なのだと思います。

エネルギーが自然の恵みから、みんなにどんどん与えてもらえるようになったら、
戦争なんて無くなると思いませんか。


被災地の皆様方に、一日も早く、
食べ物、着るもの、暖かいものが充分に届きますように。
笑いがもどりますように。

愛と元気なパワーを送ろう。
そして大げさな事でなくて、なにか自分にも出来る事を、
身近な所でひとつずつ探そう。

とにかく一歩動くこと、だね。

みんなが一歩動けば世界は変わるよ。



田中優さんの紹介。

「未来バンク事業組合」理事長。
地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などに取り組むさまざまなNGO活動に関わる。
 


田中さんと対談した小林武史からの言葉。

福島原発で復旧作業をされているのは東京電力の人たちだと思うので、
いまこんな時期に損害賠償とか担保だとか、そういった話をするのは少々きついなと思いました。

ですが、今回こんな事態を招いてしまったのは、国家であり国民でもあると思うけれども、
その先に電力会社があるのは間違いないことなので、
公的な領域(つまり国)に送電線を返して欲しいという思いは、対談を終えてより強くなりました。

今後も返せないということならば、
どういう理由なのか探ってみたいです。
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Japan NYC

2011年03月22日 | 音楽とわたし
フィラデルフィアへの遠足の翌日、21日の朝、目が覚めて窓の外を見ると、こんなことになっていました……。


雪印マークのような、どう考えても直径3㎝はある牡丹雪がバサバサと空から下りていました。

先日のオーディションの日、ディレクター仲間のマイケルが、「これ、まうみにあげる。もし都合がついたら行っておいで」と言って、カーネギーホールでのコンサートのチケットを二枚、いきなり手渡してくれました。
見ると、NHK交響楽団のコンサートでした。
え?え?え?なんで?と思ってあたふたしていると、
「ボクは都合が悪くなって行けないんだ。もしまうみも都合が悪かったら、知り合いの日本人の人達にあげて。こういう時だから、ぜひ、日本の人達に聞かせてあげたいと思って」とにっこり。
なんていい人なんだあんたは……

ありがたくいただいて、あさことふたりで聞きに行くことにしました。

仕事が終わってから、あさこにも手伝ってもらって、チャッチャと夕飯を作り、丁度タイミング良く家に戻ってきた旦那と三人で食べ、ひとり残されて寂し気な旦那にちょっぴり後ろ髪を引かれながら、電車の駅目指して急ぎました。

昨日とはうってかわっての、どんよりと曇った空と寒い空気。
それでも会場は満席でした。
我々の席は4階の、天井に限りなく近い席で、舞台がはるか遠くに見えました。
↓あさこに、携帯で内緒で撮ってもらいました。


演奏会のはじめに挨拶があり、そこで今回の日本の震災のこと、交響楽団のメンバーが北アメリカ公演に向けて飛び立ったのが震災の数時間後だったことなどが述べられ、犠牲者の方々への鎮魂、被災者の方々への想いを込め、プログラムに先がけて『G線上のアリア』が静かに演奏されました。
その、始まりの、柔らかであたたかいピッチカートの音色が聞こえてきて、続いてヴァイオリンの、それはそれは繊細で、優しい旋律が流れた頃には、そこかしこの席で、目頭を押さえる人達の姿が。
胸の中に熱いものを感じながら楽団員さんの方を見ると、後列に座っておられるトロンボーン奏者さんのひとりの方が、白いハンカチで何度も何度も涙を拭っていらっしゃるのが見え、いよいよ悲しくなってわたしも泣いてしまいました。



『カーネギーホールより』

この度の東北地方太平洋沖地震で被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

カーネギーホール、及びフェスティバルパートナースタッフ一同、皆様の安全と一刻も早い復旧を心からお祈り申し上げますと共に、JapanNYCフェスティバルを被災者および犠牲者の方々に捧げます。

「音楽や芸術を通して日本の文化の素晴らしさを世界にお伝えし、この困難な時期に少しでも皆様の心の癒しになることで、ささやかな応援が出来ましたらこの上なく光栄に存じます。」
-JapanNYC芸術監督 小沢征爾

カーネギーホールウェブサイトcarnegiehall.org/JapanNYCでは、被災地への金銭的なご支援をご紹介しております。どうぞご活用くださいます様、お願い申し上げます。


という用紙が、プログラムの中に挟まれていました。

その夜のプログラムは、武満徹さん、リヒャルト・シュトラウス、セルゲイ・プロコフィエフ。
指揮者は、世界で最も著名な指揮者の一人に数えられるアンドレ・プレヴィンさん。
そしてゲストプリマドンナに、これまた超有名なソプラノ歌手、キリ・テ・カナワさん。


プレヴィンさんは、杖をつきながら舞台に登場され、指揮台に上がる時に、それはそれは苦労していらした姿が痛々しかったです。
お年が多分、今年で82才を迎えられると思うのですが……けれども指揮が始まるともう、プレヴィン色満載。
とても繊細で色合い豊かな演奏を聞かせてくれました。
カナワさんも、残念ながら声の調子があまり良くなかったのか、オーケストラに埋もれてよく聞こえなかった部分が多く、もしかしたらこれは席の位置のせいかもしれないなどと思ったのですが……。

それにしてもNHK交響楽団のヴァイオリン奏者さん達が、あんなに緻密に、一分の隙も無く、それでいて美しく、表情豊かで、合奏することの醍醐味を見せてくれるとは思っていなかったので、とても驚いてしまいました。

休憩を挟んでいよいよプロコフィエフ、という時に、あさこが「一番前の席、空いてるみたいだね。座れるかどうかちょっと調べてくるよ」と言って偵察に。
「多分、大丈夫だと思うよ。なんか言われたらどければいいじゃん」と電話がかかってきたので、わたしもとっとと一階に降り、一番前のかぶりつきの席に着席。周りの様子を伺いながら、二部の始まりを待ちました。
もうそこはほんとに近くて、一番舞台寄りの奏者の楽譜が読めるぐらいです。
さすがに音のことが心配でしたが、やっぱりカーネギー、4階で聞いていた音と同じなのには驚きました。
そして……すぐそこで演奏している方達の生音も、全く聞こえてこないのです。
すべては完璧に織り込まれた響きとなり、最初から最後の音まで、心から楽しむことができました。

あさこはこのN響の中に数人の友達が居るようで、終わった後に懐かしのご対面。
彼女の、日本での立場が少し垣間見えて、やっぱりすごいんだなあ……などと思いながら眺めていました。

ああでも、本当に素晴らしい演奏でした。
「こんなの、日本のオケだったら普通だよ」とあさこ。
恐るべし日本のオーケストラ。

ロビーに出ると、八重桜が飾られていました。


今年の桜は、特別に美しく、特別に力強く咲いてくれるような気がします。




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