ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ありがとう、広島の中学生くん。

2011年03月11日 | 世界とわたし
今朝早くから、ここアメリカの東海岸の家の部屋の中に、ずっと流れ続けている地震のニュース。
それはNHK総合テレビのニュースです。
なぜこんなことができるのか、自分でも不思議な気持ちでいましたが、今、やっと、その理由がわかりました。

ブログ友の、ロンドン在住のKYOちゃんが、今日の記事で書いてくれています。

『前略……そんなときにTwitterで教えてもらったのが、テレビの前にカメラを置いてNHKの放送をミラーで流していた、個人の方のUSTREAMです。

NHKの公式放送は、こんな非常にあっても、国外にはブロックされていました(後に公開されましたが)。
国外の私もやきもきしていますが、それ以上に日本国内の津波の危険のある場所にいながら、停電のためにテレビも観られず、怖い思いをしていた人はたくさんいたと思います。

しかもNHKの国内の公式ストリーミングも、大変不安定だったようで、みんなが情報に飢えていたようです。

この個人でUSTREAMにNHKの放送を流し続けてくれていたのは、広島県の中学2年生の男の子だそうです。
ときどき、「xxxにお住まいの方は避難してください」といった報道の重要な部分を読み上げたりしている声が、幼いながらも真摯です。

ときどき曲がったりズームがうまくいかなかったり、いろいろありながらも、一時期は視聴者数が4万にもなり、NHKもこのミラーストリーミングを認めたそうです。

ストリーミングしているなかで、「NHKが認めてくれました。ありがとうございます」とか、
「僕は中学生なので、このくらいのことしかできません。でも役に立てば」とか、
「僕のお父さんとお母さんは阪神大震災の被災者です」とか、
「明日は卒業式なので、夜遅くなったら、音を小さくしますが」とか、
「iphoneで撮っているので、電話が入ってきたら、とぎれるかもしれません」なんてコメントも。

海外にいる私が、リアルタイムで情報を受け取れたのは、この彼の貢献のおかげでした。
そして、こういう中学生がいる日本は、なんてすばらしいところなんだろう、と思ったのです。日本の未来も、こういう若者がいるかぎり、決して暗くはない、と。……後略』


いつも、日本国内で大変なことが起こった時、しんとした部屋の中で、ただただネットの情報を読み漁るしか手段のないわたしでした。
けれども、今日は違いました。
今もニュースは流れています。
もちろん、このような大きな天災でしたので、ここアメリカのCNNも、ずっと臨時特別報道としてニュースを報道していますが、
やはりもっと細やかな、言葉がすべて理解できるニュースを得られるのはとてもありがたいです。
名前も知らない広島の中学生君、本当にありがとう。


今朝から今までの間に、多くのアメリカ人の友達から、お見舞いの電話やメールをもらいました。
誰もが皆、あんな恐ろしい映像は見たことがないと、見ず知らずではあるけれど、被災した日本の方々のことを心から心配しています。
世界中からの祈りが、日本に届きますように。
コメント (5)
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喪失と痛みと祈りと

2011年03月11日 | 世界とわたし
いつものように、のんびりと起き、寝ぼけ眼でパソコンをつけ、家猫の背中をポンポン叩きながらメールをチェックした。

「まうみ、日本に居るあなたの家族は大丈夫?今朝からずっとあなたのことを考えています」

友人のキャサリンからこんなメールが送られていて、何事が起こったのかと、慌ててニュースを読んだ。

想像を絶する地震と津波に、突然襲われた人々や町の、悲惨な状況を刻々と伝える記事と写真。
それらを読みながら、取り急ぎ、日本に居る家族や親戚、そして友達の安否を確認した。

実は、一昨日から突如、うちから日本に電話をかけてもかからなくなっていた。
向こうからだとかかるのに、うちからどうしてもかからない。
だから今回も、インターネットに頼るしかなかった。

ツィッターやYouTubeでの、生々しい現場の状況が伝えられている。
わたしが遭遇した阪神大震災の時には無かった現象。
「わたし、死ぬのかな」と打ち込んできた女性の無事を、モニターの前で手を合わせて祈った。

こちらでは、一昨日と昨日の大雨が、既に洪水被害の出ている町に、再び大きな被害をもたらした。
もともとニュージャージー州には、広大な湿地帯が現存しているのだけれど、
こともあろうに、その湿地帯の上を整地して、そこに巨大なモールを建てた町があって、
今回も、一年前の大洪水の時と同じように、モール全体が浸かってしまった。
わたしの友人知人の家も被害を受け、地下室が全滅したり、歩ける道に出るまではボートを使わないといけない状況になっている。

などという話を旦那としていたら、うちの裏庭から見える、ほんの50メートルほど先の家の地下室も浸水していると、旦那が言った。
「どういうこと?」と聞くと、「うちの家が建っている場所はかなり低くて、おまけにあの家の地下のすぐ近くに水路が埋まっている」などと言い出した。
うちの家が低地に建っているのは知っている。
疎水が歩いて数分の所を流れているのも知っている。
前に住んでいたモントクレア町から見てもかなり坂を下ってきた所にある町だし、その町の中でもまだ、更に坂を下りてきた所にうちの通りがある。
そして今年のドカ雪で水位が既にかなり高くなっているところに、大雨が何日も続いたのだから、水が流れている所に影響が出ないわけがない。

夜になると気温が零度だったり零度に近かったりする地域なのに、地震やら洪水やらで電源が切られ、避難する場所も満足に見つけられないでいる人達が居る。
わたしはそんな人達の様子を、ニュースで読んだり画面の映像を眺めたりして、心を痛めたり、手を合わせて祈ったりしているだけ。
そして今回も、わたしにできることは多分、ほんの気持ち程度の募金を送ることだけなんだろう。
意気地なしだなあ。



追記
USTREAMという、ネット新聞を見つけました。
そこで、NHK総合テレビのニュースがずっと流れています。
その画面をずっとつけたまま、家の用事をしたり練習をしたり、いつもの生活を続けています。

このブログを読んでくださっている方々の中にも、直接被災されたり、ご家族や、大切な人達が被災されている方がいらっしゃると思います。
その方々のために、わたしは全心をこめて祈りたいと思います。

今また、長野の方で大きな地震がありました。
そしてまた、千葉の方でも。
どうか神様、日本を守ってください!
コメント (2)
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