アメリカ人、及び、アメリカで暮らすわたし達が読んでいるニュースです。
*New York Times/14日掲載記事より。
『日本の政府関係筋は、2つの発電所での炉心溶融は「部分的」であり、発電所外での放射能の測定値は、日本の安全基準値の2倍とはいえ比較的低いと思われると言っているが、
米国国防総省は13日にプラントから100キロメートル離れた地点を飛行したヘリコプターに少量の放射性の微粒子が付着していたと発表した。
セシウム137とヨウ素121が含まれていると思われ、これは環境汚染の広がりを示している。
1号機の設計に詳しい複数の専門家によれば、東京電力側にはいまや、冷却手段として放射性物質を含んだ水蒸気を定期的に放出する以外に選択肢はほとんどなく、この措置は核分裂が止まった後も1年以上続けられることになる可能性があるという。
ということは、数十万人の避難住民は長期間家に戻れないことになり、風向きが変われば、放射性物質が海方向ではなく日本の都市に向かって運ばれる可能性がある。
通常の原子炉冷却機能を回復するには、電力が必要であり――地震と津波で電力供給は停止中――発電所の技術者たちは、すでに放射能汚染が著しい場所で作業をする必要があるだろう。
米国政府は、不安を抑えるために、「ハワイやアラスカ、米国領および米国西海岸では、放射能が人体に悪影響を与えるレベルには達しないと予想される」との結論を出しているが、
日本に到着した専門家はこの3日間に起こったことを把握し始めており、その一人は「最良のシナリオをたどったとしても、これが近いうちに終わることはない」と述べた。
核分裂反応が止まって原子炉の運転が停止されても、燃料は運転時の約6パーセントの熱を出している。
通常は、電気ポンプによって熱水を抜き、それを冷却するのだが、今回の場合、電力供給が止まった後、このシステムが使えなかったため、海水を注入して燃料冷却を試みた。
だが、これによって、炉内の圧力が上昇して、大気中に蒸気を放出し、さらに水を注入するという手法をとらざるを得なくなっている。
燃料が無傷であれば、放出する蒸気に含まれる放射性物質はわずかであるが、燃料が損傷すれば放出される蒸気の汚染度は高まる。
もう一つの懸念材料は、日本の原子炉の中にはMOX燃料を使っているものがあり、MOX燃料には再処理したプルトニウムが含まれていることだ。
今回の原子炉がこのタイプであれば、放出する蒸気はより有害なものになる可能性がある。
問題の原因は、津波の後の一連の失敗にある。
津波は福島発電所の周囲にあった護岸堤防を軽々と越え、ディーゼル発電機が浸水した。
発電機は低いところに置かれていた--これは明らかに、護岸によって守られるだろうという誤った自信によるものだ。
大きな爆発は、炉心が冷却されない場合に原子炉格納器内で起きる可能性のあることを示す警告である。
IAEAによれば、「炉心の損傷を抑える手段として」東京電力は海水にホウ素(核反応を止める作用がある)を混ぜて注入することを計画し、12日午後10時20分にそれを開始した。
これは捨て身の行動である。海水を注入すれば発電不能になるので、廃炉を決心したということなのだ。
だがこの海水注入も簡単ではない。
格納器内の圧力がひじょうに高くなっているために海水注入が困難になっている。
問題をさらに大きくしているのは、原子炉内の計器が地震または津波で損傷しているようで、炉心にどのくらいの水があるかを正確に知ることができなくなっていることだ。
また、注水の作業にあたっている人々は放射能にさらされていると思われる。
放射能汚染の治療を受けた作業員も複数いるという。彼らの被曝の程度がどの程度深刻なものかは不明である』
*New York Times/16日掲載記事から、これは大事と思われることだけを少し。
『水位がいくらあるか、という問題ではなく、ほとんど無いか全く無い状態だと推測される。
米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は16日の上院公聴会で、火災が発生した福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールについて、大部分の水がなくなっているとの見解を示した。
同プール内の水が失われると燃料棒がむき出しになり、放射性物質の放出が加速される可能性がある。
政府と東電からのデータは、過小もしくは隠蔽に近い。
そこで、米軍より派遣される無人偵察機により、正確な放射能の数値を計ることに決定した。
委員長は原発事故に関し「非常に事態が悪化している」と指摘。
こうした認識が、原発から80キロ圏内に滞在する米国民への避難勧告につながったとした。
避難すべき範囲の20~30kmという数値の意味がわからない。80kmでも充分ではないというのに』
↑の記事の水位について、たった今(17日午後2時)掲載された新しいニュースでは、ヘリコプターからの散水作業を行った自衛隊員から、たっぷりの水を確認した、という報告があったそうです!
だからどうなのか、ということはわたしにはよくわかりませんが、無くなると危険なのだから、きっと良いことなんでしょうね。
少しホッとしました。
そしてアメリカは、救援活動にあたる米兵に対しても、福島第一原発の半径約80キロ以内への立ち入りを禁止しましたが、
日本政府側から原子炉冷却作業への米兵の参加要請があれば、立ち入り禁止範囲の例外を検討するという意向だと述べました。
こんな状況下において尚、救助のために我が身の危険を冒してまで貢献してくださるすべての方々に、心からの敬意と感謝の気持ちを伝えたいです。
さらに、地震が起こってからの経過をまとめた、こういう記事も見つけました。
①米軍は、ホウ酸を空輸し、原子炉に注入することを提言。
②しかし、東電は、ホウ酸注入で原子炉の復旧が難しくなると注入を拒否し、軽水注入での冷却に固守。
③ところが、配管ラインの一部が損傷のため冷却水が十分に供給できず、水位があがらないことが判明。
④そこでやむを得ず、11日未明に政府に蒸気放出の要請を出す。
⑤ところが、管総理が視察に行くため、政府は蒸気放出をやめるよう指示。
⑥蒸気放出は、結局、菅総理の視察が終わった夜明け以降に実施。
⑦この遅れのため、原子炉外部容器内の圧力が既定値の2倍以上に高まる。
⑧蒸気放出作業は2時過ぎに実施できたが、3時半には爆発事故を起こしてしまう。
⑨東電は、1号機の運用維持をようやく破棄し、廃炉覚悟の海水とホウ酸注入を決定。
これはもう、人災としか言い様の無いことだと思います。
現実を知らない素人が、寄ってたかって大騒ぎをし、肝心の知識と技能を持つ人間に真摯に従おうとしなかった……。
己の会社の損益にこだわり、己の評価にこだわった馬鹿者どもが、新たに作り出した地獄なんではないでしょうか?
*New York Times/14日掲載記事より。
『日本の政府関係筋は、2つの発電所での炉心溶融は「部分的」であり、発電所外での放射能の測定値は、日本の安全基準値の2倍とはいえ比較的低いと思われると言っているが、
米国国防総省は13日にプラントから100キロメートル離れた地点を飛行したヘリコプターに少量の放射性の微粒子が付着していたと発表した。
セシウム137とヨウ素121が含まれていると思われ、これは環境汚染の広がりを示している。
1号機の設計に詳しい複数の専門家によれば、東京電力側にはいまや、冷却手段として放射性物質を含んだ水蒸気を定期的に放出する以外に選択肢はほとんどなく、この措置は核分裂が止まった後も1年以上続けられることになる可能性があるという。
ということは、数十万人の避難住民は長期間家に戻れないことになり、風向きが変われば、放射性物質が海方向ではなく日本の都市に向かって運ばれる可能性がある。
通常の原子炉冷却機能を回復するには、電力が必要であり――地震と津波で電力供給は停止中――発電所の技術者たちは、すでに放射能汚染が著しい場所で作業をする必要があるだろう。
米国政府は、不安を抑えるために、「ハワイやアラスカ、米国領および米国西海岸では、放射能が人体に悪影響を与えるレベルには達しないと予想される」との結論を出しているが、
日本に到着した専門家はこの3日間に起こったことを把握し始めており、その一人は「最良のシナリオをたどったとしても、これが近いうちに終わることはない」と述べた。
核分裂反応が止まって原子炉の運転が停止されても、燃料は運転時の約6パーセントの熱を出している。
通常は、電気ポンプによって熱水を抜き、それを冷却するのだが、今回の場合、電力供給が止まった後、このシステムが使えなかったため、海水を注入して燃料冷却を試みた。
だが、これによって、炉内の圧力が上昇して、大気中に蒸気を放出し、さらに水を注入するという手法をとらざるを得なくなっている。
燃料が無傷であれば、放出する蒸気に含まれる放射性物質はわずかであるが、燃料が損傷すれば放出される蒸気の汚染度は高まる。
もう一つの懸念材料は、日本の原子炉の中にはMOX燃料を使っているものがあり、MOX燃料には再処理したプルトニウムが含まれていることだ。
今回の原子炉がこのタイプであれば、放出する蒸気はより有害なものになる可能性がある。
問題の原因は、津波の後の一連の失敗にある。
津波は福島発電所の周囲にあった護岸堤防を軽々と越え、ディーゼル発電機が浸水した。
発電機は低いところに置かれていた--これは明らかに、護岸によって守られるだろうという誤った自信によるものだ。
大きな爆発は、炉心が冷却されない場合に原子炉格納器内で起きる可能性のあることを示す警告である。
IAEAによれば、「炉心の損傷を抑える手段として」東京電力は海水にホウ素(核反応を止める作用がある)を混ぜて注入することを計画し、12日午後10時20分にそれを開始した。
これは捨て身の行動である。海水を注入すれば発電不能になるので、廃炉を決心したということなのだ。
だがこの海水注入も簡単ではない。
格納器内の圧力がひじょうに高くなっているために海水注入が困難になっている。
問題をさらに大きくしているのは、原子炉内の計器が地震または津波で損傷しているようで、炉心にどのくらいの水があるかを正確に知ることができなくなっていることだ。
また、注水の作業にあたっている人々は放射能にさらされていると思われる。
放射能汚染の治療を受けた作業員も複数いるという。彼らの被曝の程度がどの程度深刻なものかは不明である』
*New York Times/16日掲載記事から、これは大事と思われることだけを少し。
『水位がいくらあるか、という問題ではなく、ほとんど無いか全く無い状態だと推測される。
米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は16日の上院公聴会で、火災が発生した福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールについて、大部分の水がなくなっているとの見解を示した。
同プール内の水が失われると燃料棒がむき出しになり、放射性物質の放出が加速される可能性がある。
政府と東電からのデータは、過小もしくは隠蔽に近い。
そこで、米軍より派遣される無人偵察機により、正確な放射能の数値を計ることに決定した。
委員長は原発事故に関し「非常に事態が悪化している」と指摘。
こうした認識が、原発から80キロ圏内に滞在する米国民への避難勧告につながったとした。
避難すべき範囲の20~30kmという数値の意味がわからない。80kmでも充分ではないというのに』
↑の記事の水位について、たった今(17日午後2時)掲載された新しいニュースでは、ヘリコプターからの散水作業を行った自衛隊員から、たっぷりの水を確認した、という報告があったそうです!
だからどうなのか、ということはわたしにはよくわかりませんが、無くなると危険なのだから、きっと良いことなんでしょうね。
少しホッとしました。
そしてアメリカは、救援活動にあたる米兵に対しても、福島第一原発の半径約80キロ以内への立ち入りを禁止しましたが、
日本政府側から原子炉冷却作業への米兵の参加要請があれば、立ち入り禁止範囲の例外を検討するという意向だと述べました。
こんな状況下において尚、救助のために我が身の危険を冒してまで貢献してくださるすべての方々に、心からの敬意と感謝の気持ちを伝えたいです。
さらに、地震が起こってからの経過をまとめた、こういう記事も見つけました。
①米軍は、ホウ酸を空輸し、原子炉に注入することを提言。
②しかし、東電は、ホウ酸注入で原子炉の復旧が難しくなると注入を拒否し、軽水注入での冷却に固守。
③ところが、配管ラインの一部が損傷のため冷却水が十分に供給できず、水位があがらないことが判明。
④そこでやむを得ず、11日未明に政府に蒸気放出の要請を出す。
⑤ところが、管総理が視察に行くため、政府は蒸気放出をやめるよう指示。
⑥蒸気放出は、結局、菅総理の視察が終わった夜明け以降に実施。
⑦この遅れのため、原子炉外部容器内の圧力が既定値の2倍以上に高まる。
⑧蒸気放出作業は2時過ぎに実施できたが、3時半には爆発事故を起こしてしまう。
⑨東電は、1号機の運用維持をようやく破棄し、廃炉覚悟の海水とホウ酸注入を決定。
これはもう、人災としか言い様の無いことだと思います。
現実を知らない素人が、寄ってたかって大騒ぎをし、肝心の知識と技能を持つ人間に真摯に従おうとしなかった……。
己の会社の損益にこだわり、己の評価にこだわった馬鹿者どもが、新たに作り出した地獄なんではないでしょうか?