ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

炉心溶融について

2011年03月14日 | 世界とわたし
美代子さんのブログに、彼女のメル友さんで長い付き合いのあるひろさんから、送られてきたメールが紹介されていました。
ひろさんはなんと、熱交換機を設計、納入された技術者で、最近特に過熱してきた原発についての報道の内容に、専門的で客観的な意見が欠如しているのを心配しておられた矢先、この文献を見つけて美代子さんに送ってくださったようです。

ここにその記事を丸々掲載させていただきます。


炉心溶融について

今朝、起きたら、友達からメールが入っていました。 
とても参考になるので、お時間がありましたら読んでみてください。 

福島事故の簡潔で正確な解説
http://bravenewclimate.files.wordpress.com/2011/03/fukushim_explained_japanese_translation.pdf


ただし、その後に以下のようなメールがありました。 
昨日までより危険が増したとのことではあります。
が、このひろさんは、俳句がご縁で知り合ったメル友で長いお付き合いですが、まさか、熱交換機を、設計、納入した当人とは知らず、びっくりしました。
交換機そのものはとても優秀な機械だと思いますが、ポンプが海水で止まってしまった為、性能発揮出来ず困惑しているとのことです。
またびっくりだわ。嘘みたいですね。

みよこさん(1)

今のTVのニュースだと、二号機がもっとひどいことになっているようだから、それを確認したほうが良いと想います。
あの解説の以上に変なことになりそうだから。

私は、原子力の熱交換器を設計した技術者です。(笑)
今のような事態は、誰も想定していなかったのだから、現場にいなかったら、またいたとしても、装置の傍に近づけないでしょうから、運転室からの推測しかできないのだと想います。

今の状態では、推測では何もいえないです。
昨日までより、危険が増したというのは、間違いないです。

ひろ


みよこさん(2)

あのね、水を循環して熱交換器で炉心を冷やすポンプが停止しているのです。
で、循環できないので、ただ海水を入れてでも、なんとかそれで冷やそうとしているのですが、炉内の水が温められて
蒸気圧があがると、海水を押し込んでも、ポンプの吐出圧力が低いと海水は入らないのです。
それで、炉内の蒸気や溜まったガスを抜くのです。
圧力を抜いては、海水を入れで、なんとか炉心を満水にしたいと必死の努力をしているということでしょう。
圧力抑制室の辺りで何か爆発?
普通は爆発なんてありえないですが、衝撃があって、内圧が下がったということは、漏れたということで、これは、格納容器の密閉機能が落ちたことを意味するので、昨日の二つの原子炉に比べて深刻です。
弁とかの問題であれば、止めればいいのですが、亀裂だとすると手に負えなくなります。
何処で漏れるかで、まったく、周りへの事象が変わるでしょう。
私には推測ができません。

ひろ


みよこさん(3)

兎に角、いろんな情報が飛び交ってしまうので、アメリカの人が、あんな風に書いてくれたのですが、普通の人たちには判りませんね。
運転員が何をしてくれているのかは、凡そ判りましたが、通常のものではなく、事故対応なので、対応している人たちがまったく初めての事象に四苦八苦しているのでしょうから、それを外からとやかく言える立ち場には、無いかも知れません。
運転員は自分を犠牲にしても、なんとかしようと頑張っていると想います。
東京にいて、発表をしたりしている人たちは、社会を気にしているようですが、それより、運転員の努力をちゃんと理解して
傍にいて、それを支援していないといけないと想います。

とにかく、1F2の事態は、予想を超えてしまいました。

ひろ



本当にそう思います。
今あの現場で、自分の命を犠牲にして、なんとか事態を改善しようと必死になってもがいている人達がいます。
その人達のご家族の気持ち、そしてもちろんその人達自身の心情を思うと、まったくもっていたたまれません。
天災が憎い。あんな酷い目に遭わせる天災が憎い。
誰ひとり予想も想像もできなかった巨大な自然の猛威を前に、人間は必死で闘っています。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国わたしが間違ってたん?事情

2011年03月14日 | 米国○○事情
気功のクラスに行こうと、車を走らせていた。
大通りから左折して、小さな通りに入ると、電話会社の修理を請け負う大型工事車が、家のドライブウェイからバックで出てくるところに出くわした。
彼がバックしようとしているのはわかっていたが、ブレーキランプが点灯したので、わたしが通り過ぎるのを待つんだなと判断してアクセルを踏み込んだ。
もう少しで通り過ぎるところに、バックしてきた大きな車体がジワジワ近づいてきた。
アッと思ったのは、すでにゴツンというショックを感じた後だった。
あ~、またぶつけられてしまった。
クラスに遅れる。
大好きな気功のクラスやのに……。
などと思いながら、相手の車の運転手と話をしようと車を道の脇に停め、彼の動きを見ていたら、
なんと彼は、そのまま走り去ろうとしていたので、慌てて車から降り、話をしたいのであなたの車を停めて欲しいと窓を叩いて言った。

車を大通りに停め、外に居るわたしを運転席の窓から見下ろして、「なんの用?」という男。
「なんの用って……今あなた、わたしの車にぶつかったでしょ?」
「いや、ぶつかってない」
ぶつけた、ふつけてない、の言い合いが続き、じゃあ車を点検しようと言うので、二人して、彼の車のバンパーとわたしの車の右横の車体の様子を調べた。
確かに、彼の車はとても大きく、バンパーが柔らかいプラスティック製だったので、どちらの車にも目に見える傷も凹みも無かった。
「ほら、ボクの言った通りじゃないか。ボクはぶつかってないし、君はぶつけられてない」

車に傷がつかなくても、わたしの車は衝突のショックで横揺れし、わたしの首は妙な角度でひねられた。
半年ぐらい前に、信号待ちをしていた時、後ろからおかまされ、その時も相手の車がとても大きかったので、ショックの大きさに比べると車のダメージはさほど無かった。
それで、相手の女性が子供の習い事の送り迎えの途中で、お互いの車にも傷が無く、わたしにも目に見える傷を負っていないということで、その場でチャラになったのだけど、その後しばらくしたら、首の付け根がものすごく痛んで、眠れない日が続いた。
けれども、ぶつけた側の女性は、わたしが頼んでも名前も保険証も教えてくれなかったので、保険会社に連絡の仕様もなく、
まあ、鍼灸師の旦那がいるんだからと、その時は腑に落ちないままだったが、とりあえずうやむやに終わってしまった。

なので、今回はそういう状況に陥りたくなかったので、向こうが「そんなのあんたの虚言だ!」と言おうがどうしようが、とにかくしっかりと情報をもらおうと腹を決めた。

すぐ向こうで、速度違反だかの取り締まりで止まっていたパトカーが見えた。
「あんたがどうしてもって言うんなら、今からあそこまで行って話をしようじゃないか」
そう男が言うので、じゃあそうしようと、パトカーの近くまで車を走らせた。
すると、どうしたわけか、他のパトカーが二台三台と集まってきて、「なんだ?どうしたんだ?」とわたし達を囲み出した。
大通りはもう大混乱。
わたしはただ、相手の男の名前とナンバープレートと保険のナンバーを教えて欲しいだけなのに……。

「あのね~、この人おかしいんだよ。ぶつけてないのにぶつけたって言うしさ。だいたい、ボクがバックしてるのを知ってるのに、それを待たずに突っ走ったのは彼女で、ボクはどっこも悪くない」
「彼がバックしながら通りに出てきていたのは見ていました。けれどもブレーキランプがついたので、わたしが通り過ぎるのを待つんだなと思い、車を前進させました。彼は確かにわたしの車にぶつかりました。傷はついていないけれどそれは事実です。だからわたしもショックを受けたのです」

「でも、あなたは怪我をしていない。車にも傷がついていない。そうですね」
「はい」
「ではなぜ、あなたは我々に話をしようとしているのですか?」
「だから、今現在の事情ではなく、先に起こるかもしれない問題のために、相手の男性の名前と保険証のナンバーを知っておきたい。それだけです」
「もう一度、はっきりと確認します。それでないと後々我々が訴えられても困るので。今からあなたの言うことを録音します」
いったいどうしてわたしは、こんなふうに、詰問調で受け答えを録音されなければならないのか……頭がめちゃくちゃ混乱しながら大声で答えた。

その女性警官の車にまた新たなパトカーが近づいてきて、今度はその彼に、また一から事情の説明をしなければならなくなった。
図体のデカいサングラスをかけた男性警察官に、再び車の傷の有無、わたしの体の傷の有無などと尋ねられた。
「だから、わたしが言いたいのは、今はなにも問題が無いようでも、後々出て来るかもしれない首の疾患などの問題のために、念のために連絡先を聞いておきたいだけなんだってば!」
「でも、状況はどんどん変な方向に進んでいき、我々がこうやって関わり、リポートを作る限りは、あなたの体の状態を調べるために救急車を呼ばなければならない」
はぁ?

そして救急車がえらい勢いでやって来て、なんの怪我もしていないわたしを救急車の中に入れ、そこでまたいろいろな質問をした後、血圧と脈を計り、病院に行って精密検査を受けるかどうかと聞いてきた。
血圧は極めて正常なわたしだけれど、上が180ととんでもなく高く、まあそりゃ事故に遭ったんだからね、と慰められた。
救急車になんか乗って病院に行ったりしたら、後でどんだけ高額な請求書が送られてくることか……。
もちろんきっぱりとお断りした。

救急隊員の方々に、とりあえず今のわたしの状況を説明した。
「あなたの考えは間違っていない。後でどんな症状が出てくるか誰にもわからないからね」
そう言ってもらって少しホッとして、また自分の車に戻り、警官が手続きを終えるのを待っていた。

先に彼は、ぶつけた相手の車に近寄り、なにか大きなジェスチャーで話している。
まあいいわ、なんとでも言え。
そしてわたしの車の方に来て、「はい、これが彼の情報。名前も保険もすべてここに書かれてある。じゃ、これで」と黄色い紙を渡して去って行った。
その紙と一緒に、わたしの車の保険証、運転免許証、ほんでもって、え?え?これはなに?

なんと、不注意運転の違反チケットが混じっていた。
罰金130ドル。
なんで……?
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする