ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

謎の庭掃除屋さん

2010年04月24日 | お家狂想曲
ただ今の時刻、お昼の1時20分。
我々郊外に住む者にとっては、許容しなければならない庭のお掃除騒音。
季節の変わり目の、お天気の良い日には、業者がやってきて、あちこちの庭の芝生の上に落ちた葉っぱや木の枝の大掃除をします。
が!
そういう業者を頼んで掃除をしてもらうのは、それなりに大きな庭を持つお金持ちの家が多く、わたし達の住む隣近所ではあまり見かけない光景です。
よって、音もまあ、少し離れた所から聞こえてくるモーターの音ぐらいで、それほど気にはならないのでした。

ところが……、

もうすぐお泊まりにやってくるあさちゃんと合わせる曲を焦って練習していると、ピアニッシモなんてちゃんと聞こえないほどのうるさい音が……。
珍しくお隣の家が掃除を頼んだのかなあ~と、とりあえず続けていると、
あぁ~~~もぉ~~~聞こえぇ~ん!!!

たまらなくなって、いったいどこで掃除してるんだと窓の近くにズカズカと近づいていくと、
うぎゃあ~!!!うちじゃ~!!!

あまりのことにびっくりして、尻もちをつきそうになりました。
なんでなんで??誰が頼んだ??知らんで~わたし!!掃除代払てって言われたらどうすんのよぉ~!!

しばらく窓のそばの壁にひっつくようにしながら、チラチラと外の様子を伺うわたし。スパイ映画やないんやから……。
前庭のチューリップさん達、ブォ~ブォ~と吹き付けられて花がもげそうです頑張れぇ~!!

うちの前庭とドライブウェイにパラパラと落ちていた松の葉っぱの細かい枯れ葉が、すっかり吹き飛ばされてきれいになりました。

これは盗撮記録。モウモウと埃がたっているのでかすんで見えます。



今は隣の元庭を掃除中。もしかしたら、隣の庭を買った不動産屋さんが、ついでにうちの庭も掃除してくれたのかな……

どちらにしても、わたしは家の中に潜んでいた方が無難っぽいような気がします。
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Tの四日間

2010年04月23日 | 家族とわたし
月曜日。
派遣された会社の会議室の前で待っていたら、いきなり部屋から出てきた上司らしき人に、「君、このプログラム言語を知ってるか?」と聞かれた。
その言語は知らなかったので「知りません」と答えると、「じゃあ、これを学んで、我が社のためのデータ整理のプログラムを金曜日までにできるか?」と聞かれ、「やってみます」と答えた。

火曜日。
必死でテキストブックを読み、新しい言語を頭に叩き込みながら、同時進行でプログラムに着手した。
けれども事態はやはり甘くは無かった。お手上げだと諦めかけていた時、シニアプログラマーでTに直接関わる男性が、偶然予定を変更して旅行から戻り、いろいろと手伝ってくれたり、とても参考になるアイディアを与えてくれた。

水曜日。
なんとかなりそうだと思ったのも束の間、やはりにっちもさっちもいかず、ごちゃごちゃの迷路の中へ。
誰も居ない会社に残り、10時頃まで残業をした。

木曜日。
これが猶予最後の日。完成するまで家には戻らない、と宣言して出かけて行ったT。
月曜からずっと寝不足が続いていて、ストレスも最高潮。
宿題を終えることができなくても、それに費やした努力と時間は決して無駄になることはないのだから。
そんな慰めなど一言も入らないほどに、彼の気持ちは悔しさと不甲斐なさでガチガチに固まっている。
もしかしたら会社に泊まるかもしれない、と言ったTに、そんなことをしてもなにもならない。とにかく家に戻りなさいと言ったものの、
あんまり遅い時間帯に、会社のあるアヴェニューを独りで歩いて欲しくもなく、心配でたまらなくなって電話をかけるとまだ会社だった。
時間は11時。声には疲れと失望がにじみ出ている。食事をする暇もなかったからと、食べてもいない。
「とにかくもう帰ってきなさい」と言うと、「そうするわ」と観念したT。

「わたしは明日早起きして演奏会に行かなあかんからもう寝るけど……やるだけのことやったやん。よう頑張ったな」
それぐらいのことしか言えない、コンピューターの世界にはてんで弱い母を許せ!

ベッドに入ったものの、さっぱり眠れない。小さな子供達だけに演奏するのも初めてのことだけに、うまくいくのかも心配だったし。
けれども一番の心配はやっぱりT。布団の中で深呼吸をくり返したり、軽いストレッチをしながら眠ろうと頑張ったけどだめ!
12時過ぎにもう一度Tに電話をかけると、とりあえずペンステーションの構内に居ることがわかって少し安心した。
電車に乗り遅れて、最終の12時40分に乗ると言う。
突然「あ、ちょ、ちょっと、もしかしたらできたかもしれん!いや、できた!多分!」といきなり嬉しそうな声のT。
まだあきらめてなかったんか……でも、それがほんとやったらすごい!ここまで粘った甲斐もあるってもんや!
電話を切って、いいことだけを考えて、嬉しそうなTの声を思い出しながら、とにかく眠ろうと思った。
けれどもやっぱり無理だった。
Tが玄関ドアを開ける音を聞いて、ああ良かったと思ってすぐに、わたしはやっと少し眠った。

そして迎えた金曜日。
疲れ切った目をしたTが、それでもいつもの時間に起きてきた。
「やっぱりアレ、あかんかったわ」
クビを覚悟で行かなければならないのだけど、この四日間に学んだこと、果敢にトライし続けたことはきっと後々に宝になる。
旦那がTに、昼間と夕方に電話をかけていた。
別に特別なにも口には出さないけれど、彼もやっぱり心配している。
「Tはかなり疲れた、落ち込んだ声だった」、と聞いて、まあそれもしょうがないだろうと思った。

夜の8時に戻ったTに、「どうなった?」と声を揃えて尋ねるわたし達。
「あと一週間、首がつながった」

やったぁ~!!

大学に例えると、いきなり新しい科目を四日間で勉強し、その知識を応用させながら卒業プロジェクトを完成させるというような、常識では考えられない事を同時にこなす異常事態の中に身を置いて、ミスの無い完璧な成果を要求されるようなもの。

それを聞いてやっと、どれだけキツい四日間だったのかがぼんやりわかった。

手当てもなにもつかない残業だったけれど、きっとこの四日間のことは、Tの社会人としての初めての試練として、深く胸に刻み込まれるだろう。
会社は彼に、高額な新しいソフトを買い与えてくれたのだそうだ。
こいつ、なんかおもしろいな。
そう思ってくれたのかもしれない。ただ単に、もうちょっと使って様子を見てみよう、それだけのことかもしれない。
どちらにしてもT、わたしはあんたの頑張りを誇らしく思う。あきらめないしぶとさを頼もしく思う。

来週一週間、やれるだけやって、結果がどちらに転ぶにせよ、そんなことが気にならなくなるぐらいに弾けてみ!応援するぞ!



昨日まで渡されたビジター用の証明カード。月曜からは会社員専用のカードをもらえるとのこと。一歩一歩、やな!

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ちびっ子達のための音楽会

2010年04月23日 | 音楽とわたし
ピアノ弾きになってから数十年、初めての、ちびっ子達のための音楽会を企画し、演奏とお話をしてきました。
場所はコネチカット州スタンフォード。ここから車で1時間半ほど北上した所にある、とてもかわいい学校です。
生徒数が少なく、こじんまりとしていますが、3才から7才までの子供達に、勉強だけでなく、芸術面でもきちんとした教育を与えています。



建物の中はこんな感じ。とても広々としていて、教室の中では子供達がのびのびと勉強したりお絵描きをしたりしていました。



音楽の授業にはこんな演奏もしているそうです。



この学校に通うふたりの姉妹の両親は、旦那とわたしの共通の友達、T子とT。ダブルTの夫婦です。
今年の芸術鑑賞に回せる予算が大幅に削られたため、急きょわたしがピンチヒッターとして?小一時間のピアノコンサートを引き受けることになりました。

初めての場所に車で行くということで、かなり早めに家を出て、車の中で、どんな話をしようかと、ブツブツ独り言を言いながら運転しました。
相手はなんといっても7才以下の子供達です。退屈させたら一巻の終わり。なんとか楽しく最後まで聞いてもらえるようにと、あれやこれやと知恵を絞ってプログラムを考えました。

*まずはリクエストのあったブラームスの『ハンガリア舞曲』
これはテレビの教育番組でいつも流れているので、子供達の耳に馴染んでいるそうです。この曲の、くるくると変化する雰囲気に合わせて、椅子の上で身体を揺らせてごらんと言ってみよう。

*次は『エリーゼのために』
テレーゼという名前の女性に求婚したベートーヴェン。敢えなくふられてしまい、未練たっぷりに、彼女に捧げる曲を作り、彼女の名前をタイトルにしたまでは良かったけれど、あまりの字のひどさに、後世見つけた人が名前を読み間違えて、エリーゼになっちゃった曲。意味が通じるかなあ……。

*そしてモーツァルトの『きらきら星変奏曲』
この曲に合わせて、ちびっ子達にABCの歌を歌ってもらおう。短調の変奏曲は静かに聞いてもらおう。

*その次は同じくモーツァルトの『トルコ行進曲』
行進しているつもりで足をバタバタしながら聞いてもらおう。

*そしてショパンの『子犬のワルツ』
子犬が自分のシッポを追いかけて、ぐるぐる回る様を見ていたショパンが、その様子をメロディにした、というお話をして、途中のなめらかな部分は、子犬の背中をやさしく撫でてあげているような気分で聞いてもらおう。

*同じくショパンの『雨だれ』
♯ソで延々と連打される雨だれの音を、目を閉じて、ショパンと同じように、窓際に立って窓の外の雨の様子を見ているような気持ちを想像してもらおう。そしてその時のショパンが、とても深刻な病気にかかっていたことに同情することができたらいいのだけれど……。

*最後にもう一曲、ショパンの『幻想即興曲』
8才でピアノを学び始めたわたしが、いつかこの曲が弾けたら死んでもいい!と夢見た曲(結局は13才の時に弾いたので、死ぬには早過ぎて、約束は撤回されたけれど)『幻想即興曲』を弾いて、これはただ、何も言わずに聞いてもらおう。

学校と併設されている教会の、きちんと調律されてあるグランドピアノを弾かせてもらうことができました。
ピアノの性質を知りたかったので、各曲の、音のバランスが気になる部分だけをチョイ弾きしていると、
「あぁ~、なんて素晴らしいピアニストが来てくれたんでしょ!これはもう、子供達には徹底的に静かにさせなきゃ!ちょっとでも動いたりしゃべったりする子がいたら、即座に外に連れ出しますからご心配なく!」と、いきなり興奮し始めた校長先生。
「いえいえ、そんなご心配には及びません。わたしは今日、子供達と一緒に音楽を楽しみながら、少しでもピアノの曲を知ってもらえるよう、と願いながらプログラムを組んできました。なので、そんなことは絶対にしないでください」と必死でお願いするわたし。

時々つっかえるわたしの英語の話も、みんなちゃ~んと聞いてくれて、ABCの歌も素晴らしく上手で、音楽を身体中で感じてくれたちびっ子達。
本当に素晴らしい聴衆でした!!

幸いなことにプログラムは成功して、先生方も涙ぐんだりしながらとても喜んでくださり、初めての体験にかなり神経質になっていたわたしもほぉ~っと一安心。
5才ぐらいの女の子がふたり、片付けているところにやってきて、「わたし、明日からピアノ弾く」と報告してくれたのもすご~く嬉しいことでした。
来年もぜひぜひ、必ずここに弾きに来てくださいね!と、予約依頼までいただいて、嬉しいやら恐縮するやら……。

最年長の子供達が、お礼の歌を歌ってくれました。今日は金曜日で制服を着なくてもいい日。みんなとってもリラックスしています。



嬉しい気持ちいっぱいに、ニュージャージーへと車を走らせました。

わたしの好きなTappan-Zee-Bridge。



季節は少し違うけれど、全景はこんな感じ。



すっかり春めいてきた高速道路脇の木々。おいおい、運転中になにしと~る?!



サービスエリアに車を止め、今日のお礼で一番嬉しかった、T子手作りのお弁当をいただきました。



目の前には満開の梨の木。やっぱり気温が5℃以上低いだけに、まだまだ花がいっぱい残っています。



子供達からもらったバラの花束と、今日のわたしの助っ人カーナビ君。




昨日の夜は、とうとう宿題の難問をクリアできなかったTが会社から戻って来ず、電車も一本乗り過ごしたために、無事に帰ってくるかどうか心配で、なんとも眠りにくい、旦那も同じように寝返りばかり打って明け方を迎えてしまった最悪の夜でした。

でも、今日のちびっ子達の楽し気な様子と、先生方、そしてT子が心から喜んでくれている顔を見て、いろんな疲れがいっぺんに吹っ飛んだ気がします。

みんなに感謝!!



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ヒップ・ヒップ・フレー!!

2010年04月22日 | 友達とわたし
あさちゃんのアパートメントが決まった。
今朝、旦那が契約の手伝いをしにマンハッタンに出かけて行った。
マンハッタン島の西側、ハドソン河沿いの公園のそばの建物で、環境もなかなか良く、家賃も安くはないけど高過ぎることもない。

最初に紹介してもらった、日本人のあさちゃんでさえ胸がキュッと締めつけられるほどに狭苦しかった部屋に比べたらもう、天国のようなアパートメント。

大家さんが隣のビルディングに住んでいて、これはこちらでは珍しいケースで、なにか不測なことが起こった時に苦手な電話で話さなくてもいい。

週末は、気晴らしに我が家に遊びに来て、もちろん歌の練習もして、ほんでもってわたしも、ピアノの伴奏の弾き方をあさちゃんから学んだりして、
これからの1年、思いっきりわたしも楽しくやろう!とワクワクしている。
夏(6月中頃)に入ると、どこもかしこも休みになるし、レッスンだってかなり減るし、今年は海やら山やらにガンガン出かけよう~と企んでいる。

とりあえず、やっと暮らしの拠点が決まったね。
うちで暮らしたら、なにもかもが楽だったろうけど、それだとついつい日本語に甘えてしまったり、わたし達に甘えてしまったりする恐れがあるからと、厳しい方を敢えて選んだ女前のあさちゃん。
応援すっからね~!!
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燃える男

2010年04月22日 | 家族とわたし
Tの、社会人一年生としての最初の難関、超~難問の宿題を解決する期限が迫ってきました。
昨日も残業して、夜の10時頃に帰ってきたT。
「今日は、解決するまで会社に残る」、と言うので、「世の中にはどないに頑張っても解決できひんこともある」と言うと、
「それでは俺のプライドが許さん」と返してきたので、「プライドは問題を解決するどころか邪魔することが多い」と心の中で思いながら黙っていました。

大学を出て数年、風来坊をしながらふらふら海外旅行をしていた旦那には、突如モウレツ会社員になったTが信じられないようなまぶしいような……。

けど、わたしも23才というと、ヤマハの講師になって間もないのに、いきなりとんでもなく難儀なコースを任されて、そこに農家の嫁という立場も加わって、新しいだけじゃなくてチンプンカンプンな世界に自分から飛び込んで、かなり四苦八苦していた年でした。

あの頃の、すっかり困り果てていた、けれども自棄自暴にさえならなければ、いつかきっとなんとかなる日が来る、と信じていた、若かった自分を思い出しながら、「今夜は会社で泊まることになるかもしれない」と言って出かけて行くTを見送りました。

「けど、会社もいきなり泊まられても、警備の人間に迷惑がかかるかもしれんで」と、非常に現実的なことを言う旦那。
このふたりは、日頃よく反発し合うけれど、実はなかなかに良いコンビなのかもしれません。
すぐに熱くなるTに、適度に冷たいシャワーを浴びせ、世の中には全く違う考えを持ち、行動する人間が居ることを見せるいい役目をしてくれています。

さて、Tは今夜、何時に家に戻ってくるのでしょうか。

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ライオンの牙

2010年04月22日 | ひとりごと
たんぽぽの葉をいただく朝。



英語ではダンディライオン(dandelion)。フランス語で「ライオンの歯」を意味するダン=ド=リオン(dent-de-lion)に由来しています。
これはギザギザした葉がライオンの牙を連想させるから、ですね。
日本人は花の感じから名付け、欧米人は葉の形から名付ける。目のつけどころが違うのがおもしろいです。

今晩から旦那はまた、漢方の講義をカリフォルニアに住む先生から受けます。
毎週木曜日の夜8時から9時半まで。5、6人の生徒さん達と同時会話ができる携帯電話のシステムを使って行われる講義です。
旦那は一所にじっと座って長い時間過ごすことが大の苦手男。これなら、自宅で、好きな場所で、ワインとか飲みながらでも受けられるとお気に入り。

最近、たんぽぽの葉の効用についての記事が載っていて、オタク男は意気揚々と我が家のたんぽぽの葉を摘んできたのでした。

今朝は玉ねぎをよく炒めて甘みを出したところに、しいたけとたんぽぽの葉を刻んで炒め、卵とじしたのをいただきました。
たんぽぽのほのかな苦みと玉ねぎの甘みがとてもよい相性の、おいしいおかずになりました。
今日はおしっこが良く出るかな~!
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米国ティーンの携帯メール事情

2010年04月21日 | 米国○○事情
練習と仕事とリハーサルと家事、練習と仕事とリハーサルと家事、練習と仕事とリハーサルと家事……これらの事がぐるぐると続く毎日。

今はただただ、抱えている何種類かのコンサートの最終にあたる、5月14日の高校のコンサートを終えて、翌日JFK空港から飛び立つ時(ただ寝て食べるだけ!)を楽しみに、ひとつひとつの事柄をギリギリの状態で終えていっている。

だんだん楽しみになってきた日本。
この10年の間に、たった3回しか行けてない日本。
行くといつも、よぉ~し、毎年行けるようにするぞぉ~!と盛り上がるけど、やっぱり遠い祖国日本。

ほぼ3年毎に行っているのだけれど、毎回新しくびっくりさせられることがある。
それは、車の種類だったり、電車の中の無言の親指運動だったり、標識の韓国語だったり、若い女の子達の全然似合わないロングブーツだったり。

あさちゃんがポツリとこぼしていた。
「今年の、教えた生徒達の合格のお知らせ、とうとう一人も電話で直接言ってこなかったよ」
「そういう報告をしてこない子もいる中で、携帯メールで報告してくるのはまだマシなのかもしれないけれど、『先生、合格しました。ありがとうございました』って、本人の嬉しい声を聞きたい、と思うのはもう古い時代になってしまったのかなあ」

先日のCNNのニュースに、アメリカのティーン達の75%が携帯電話を持っていて、それは6年前の45%に比べると驚異的に増えた、と書いてあった。
そのうち女子は、一日に平均80通、男子は平均30通、携帯メールを送受信しているのだそうな。
直接会話するのは親との連絡のみ、という子が多く、携帯電話はもはや電話ではなく、どこでもいつでもメールができる携帯器具と化しているそうだ。

前回行った日本の、あちらこちらの公共の場で、うつむいて親指を素早く動かしている人達がどれだけ多かったか。
それがレストランなどの、向かえ合わせに座っている4人組の、わたしと同い年ぐらいの女性達の間でも見られた現象だったのが一番ショックだった。
楽し気におしゃべりしているのだけれど、突然「あ、ちょっとごめん」と言って、携帯の画面に目を通し、素早く一言返事を打ち、また会話に戻る。
「なあ、こういう時ぐらい、携帯やめよ~な」と言い出す人などいない。

CNNの記事の終わりに、この無言の、機械仕立ての、無制限のコミュニケーションは、携帯電話業界の無制限メールサービスが原因だと書いてあった。
起きている間中、誰かとつながっている。
いったいいつ、独りになって、自分の心の中を覗いたり考えたりする時間があるのだろう。
目の前に居る人の目の中に宿る気持ちを読んで、それを思いやれる言葉を探して応えるチャンスが作れるのだろう。

隣や、隣の部屋に居る人とぐらい、直接息と喉を使って話そうよ。
目の前に話せる人が居る時ぐらい、携帯電話を携帯しないか、電源をオフにしようよ。

なぁ~んて、日本で言っちゃった日にゃ~、まるで宇宙人に遭遇したような目でしげしげと見られてしまうんだろうか……。




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春ボケ?

2010年04月20日 | ひとりごと
朝一番に高校の合唱の合わせ練習に行き、
次の用事までにちょいと時間があったので、古い餌に飽きた家猫がハンストを決行しているので、新しいドライフードを買いにスーパーに行き、
そこから、先週全く行けなかったピラテスをしにYMCAに行き(駐車場の車の中でエクササイズ用のパンツに着替えた?!)、
家に戻ってすぐに1人、生徒さんを教え、ご飯を食べ、少し練習してると時間が迫ってきて、
しょうがない、今日はシャワー抜きで出張レッスンに出かけようと、慌てて着替えて車に乗り、もうすぐ生徒の家に着くという時、

あれ?なんで3時なん?
車の時計を夏時間にしてなかったかな?
あれれ?腕時計も3時やし……。

レッスンは4時からなのでした……。

かなり虚しい気分で、もと来た道を戻りました。
そういや道の様子がいつもとなんか違う感じがしたような気もしていて……。
懐かしの家に着いて、台所のシンクにあった洗い残しの食器を洗い終え、忘れてった充電中の携帯電話もバッグの中に。ボケるのもええことやん(←負け惜しみ)


さて、ここ数日、起きがけに片方の足全体がしびれていて、おまけに足の裏がつったりします。
起きたすぐはとても怠くて、多分これは運動不足も原因のひとつだろうと思うのですが、なかなかに不快な朝を過ごしています。
やっぱり疲れは確実に、ひたひたと積もっているのかもしれません。


話は変わって……昨日の晩のTの緊張が伝染したのか、旦那もわたしも夜中に何度も起きてしまいました。
さすがに今朝は、無事に起きて、バタバタと出かけて行ったT。
結局電車の駅よりバスターミナルの方がうんと近いということで、行きだけはバスで通勤することにしました。
会社は『オグルヴィ』という広告の会社らしく、世界各地のかなり広範囲に支社を持っているそうですが、わたしは全く知らない会社でした。
なんでも、「こんな仕事をいきなり任されるなんて気の毒だけどめちゃくちゃラッキーでもある」と、先に入社している人達から言われたそうで、
Tのポジションを狙っている新人が、外部に100人以上いるらしく、どうしてTがポコンとそこに入ってこれたのか、すごくミステリーなのだそうです。
なのでTは、それがミステリーではなく、自分が選ばれた理由を見せるべく、与えられた問題を解決してみせなければなりません。

正直言って、かなり無理っぽかったのだけれど、今日のお昼近くに、予定を変えていきなり旅行から戻ってきた、風来坊だけど切れ者の先輩社員さんが、
とんでもなく親切に、彼の取り組んでる仕事の助言をしてくれたそうで、もしかしたら間に合うかもしれない、という可能性も出てきたようです。
この、なんともありがたい偶然……感謝!!


母のボケが伝染しないよう、ちょっと離れていようと思います。
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歌い笑うチューリップ

2010年04月19日 | ひとりごと
にぎやかに咲いている我が家のチューリップさん達。
緑色のかたいつぼみの時には想像もできなかった鮮やかな色の花を、次々に咲かせています。



その中でも一番遅咲きのチューリップはこの方々。



風が強くて揺られっ放しだけれど、それさえも楽し気に見えるチューリップ。



さて、これは、うちの相方がせっせと刈り揃えてくれている垣根。葉っぱが出そろいモコモコと太りました。



垣根のすぐ後ろで、歌い笑うチューリップの花が、小さな隙間からチラチラと見え隠れしています。





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過信することなかれ

2010年04月19日 | 家族とわたし
Tの勝負週間が始まった。
彼はこの1週間のことを先週始めから何度も何度も言っていた。
すごく大きな会社から、彼を試しに使ってみたい、という申し出があり、その働き次第では正社員として雇ってもらえるかもしれない、ということだった。
今日はその第一日目で、だからいつもより一本早い電車に乗らなくてはならなかった。

Tは起きるのが苦手で、目覚ましを3つ使っている。
それでもたまに起きられなくて、電車を見逃すことがある。
けれどもさすがに今日のような日は、気が張っているのも手伝ってか、ちゃんと起きて行っていた。

昨日の晩遅くに、わたしがもうそろそろ寝ようとパソコンを消しかけた時に、Tがどこかに出かけようとしているので驚いた。

「今頃からどこ行くん?」
「高校の時のポーカー仲間んとこ」
「明日のこともあるのに大丈夫なん?」
「大丈夫、ちゃんと考えて早めに帰る」

早めにって……もう夜中やん。
ちゃんと考えてって……ちゃんと考えてたら、そもそも今頃から友達の家なんか行かへんのとちゃうん。
まあええわ、23才の大人に言うことなんかなんも無い。

そして今朝、Tは3つの目覚まし攻撃にもマケズ、見事に寝坊して、どうしても乗らなければならなかった電車に遅れた。
血相変えて三階からドタバタと下りてきた時に、その電車はプラットホームに着いていた。
旦那もわたしも、もちろん起こしてやらなかった。
急きょ、電車より15分後に来るマンハッタン行きのバスに乗ることにして、飲まず食わずで駆け出して行った。
まあ、間に合わないだろう。
こちらのバスは、定刻には絶対来ないし、朝の渋滞でさらに遅れるのが常。
これでその、大きなチャンスを掴み損なったとしたら、それはそれでいい勉強になるだろう。

けどなあTよ、子供が見事にこけるのを、目の前で見なあかん親の気持ち、あんたにはわからんやろ。
わたしらはもう、転ばぬ先の杖にはなってあげられへん。ぐっと我慢してただ見守ることに徹すること。これもなかなか辛いんやで。

Tよ、自信を持つことはいいこと。けれども過信することなかれ!

追記

遅刻6分で会社に着いたT。なんとか許していただけたようです。
彼にどんな働きができるのか、それを試すべく、かなり難しい宿題をもらったT。
いつもより遅く帰ってきて、今台所のテーブルで仕事をしています。
内容はわからないけれど、金曜日までにその問題を解決できるかどうかが鍵になるそうな。
今までの百倍難しい……とかなり真剣に困っているようですが、当たって砕けろ!成せば成る、成さねばならぬ何事も!がんばれT!
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