ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国携帯電話事情

2011年01月18日 | 米国○○事情
今日の、ぽっかり空いた時間を、旦那はフルに使った。
自分の服の洗濯をしたり、ボルシチを作ったり、そしていきなりの携帯電話解約と契約?!
我が家の4人は、既に会社勤めをしている拓人も含めて、ファミリープランで携帯電話を使っている。
わたしはアメリカに引っ越してから携帯電話を使い始めたので、日本のそれを全く知らない。
けれども、日本の携帯電話がどれだけ発達しているかは、外から眺めていても充分にわかる。
そして多分、こちらの、日本より10年は遅れているであろう携帯電話会社のシステムのことも。

我が家の初めての携帯電話はTモーボ。
その時の、月々の支払いが、どこの会社のよりも安かったから。
けれども、同じ町の、普段よく通る道の上で、電波がプツンプツンと切れて、会話にならなかったので、契約期間の2年間を我慢して、AT&Tに替えた。
それから4年、再び契約更新の時期になった。
旦那はもう、ずいぶん前から、スマートフォンを持ちたいと言っていて、彼の場合それは、仕事上かなり必要な物だったので、iPhoneを彼だけ買うつもりでいた。
ところが、さあ買うぞ!という時になって、iPhone5が出る、というニュースが流れた。
それを待つかどうか、それなら息子達も欲しいかどうか、事がややっこしくなってきた。

結局、旦那はもう待てないというので、iPhone5がどうしても欲しいのなら、発売まで待って自分で買えるよう、息子達には貯金を勧めることにした。
で、iPhone4を買うくらいなら、他のスマートフォンでもええではないか?という疑問がムクムクと沸いてきた旦那は、それからネットでいろいろと検索し始めた。

どうしようどうしようと迷っている間に時はどんどん過ぎていき、タイムリミットだったクリスマスも年末も年始も過ぎ、なんとなく忘れてしまっていた今日この頃になって、「AT&Tから再びTモーボに戻ろうではないか!」と旦那が言い出した。
月々の支払いの金額の高さに辟易していた旦那は、初心に返ろうという気持ちになったらしい。
それに、あれからもう5年近く経ったのだし、Tモーボだってきっと、少しはマシになっているだろうという、かなり楽観的な想像もあった。

それで、息子達に、iPhoneは諦めるよう伝え(Tモーボでは使えないので)、Tモーボと契約しようとしていたところ、今日一日の限定(←ほんまかいな?)で、1台500ドルもするスマートフォン(アンドロイドシステム)G2とやらを、家族全員無料でもらえるキャンペーンをやっている、という情報を旦那がゲット。ネットで家族会議をした後、契約をした。
無制限のテキストメッセージ、3000時間の通話、2名のみ無制限のデータ使用、あとの2名はわたしと拓人で、制限付きでも全く問題無し。
で、肝心の月々の支払いはどうなったかというと……、
結局、税金やら、イボみたいにあちこちから出てくる小さい数字をなんやかんやと足していったら……えろう変わらんやん
まあ、元のAT&Tで家族4人が全員スマートフォンを使った時の料金と比べると、ほぼ半額にはなるんやけど……。
家族の中でただひとり、スマートフォンに全く興味の無かったわたし(あんなちっちゃい字が読めるかっ!)には、嬉しいような嬉しくないような……。

で、会社員をしている拓人には、月々の使用料の約4分の1を、スポンサーがついたゲーマー兼大学生の恭平には8分の1を支払ってもらうことにした。
彼らももう大人だもんね。いつまでも親におんぶに抱っこではいかん。


さて、Tモーボさん、話の途中でプツンプツン切らないでくれるだろうか?

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪+霙+雨=?

2011年01月18日 | ひとりごと
積もった雪が全く溶けないまま残っているところに、霙(みぞれ)が降り、雨に変わった。
朝起きて窓を見ると、雨に濡れた所が全部凍っていた。
雪だけならどうにかなることも、霙と雨が加わると、かなり状況が難しくなる。

うちの前の通りを、せっせせっせと雪かきしてくれる町の除雪車。
黄色くて四角くて、他の除雪車より断トツに可愛い。


こんな日でもピラテスに行く!と言い張る妻のため、車と道路の状態をチェックしに外に出る夫。


雪の深さはずいぶん低くなったけれど、シャーベット状になった道は見た目と比べ物にならないくらいよく滑る。

昼過ぎに、生徒の父親ふたりから電話がかかってきた。
どちらも、「道の状態がこんなだから、今日はまうみ、運転しない方がいいよ」という忠告電話だった。
はじめは、それでも教えに行かんかったら今日の稼ぎはゼロになるやん……とグズグズ迷っていたけれど、
生徒の親御さんに心配をかけてまで教えにいくのはいかがなものか……と思い直し、今日のレッスンをすべてキャンセルした。

さて、いきなり降って下りてきた自由な時間。
知らないうちに減っていくお金とは正反対の、たまりにたまった洗濯物を洗い、旦那(彼も今日はキャンセル続きでお休み)とスタバでお茶をして、これからガッツリ練習するぞぉ~!
「心配するな、今月のローンは払える
いいんでしょか?こんなギリギリの暮らしで……
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボケとツッコミ

2011年01月17日 | 友達とわたし
昨日の関西美人新年会が楽しく終わり、楽しかったな~、またやろな~、ありがと~、お疲れさぁ~んのメールがメンバーの間を行き来しておりました。
ホスト役を自ら引き受けてくれた恵子ちゃんはもちろんのこと、手料理持参で参加したメンバーそれぞれにお礼を言ったりしてたのですが……。

まずはここで簡潔に、状況説明なんかをさせていただきますと、

メンバーは5人。
わたしが断トツの年上。恵子ちゃん・恭子ちゃん・知子ちゃん3人が同い年。ちょいと若いけいちゃん。
それぞれ二人ずつの、兄弟、姉妹のお母さん。

若手けいちゃんの上の娘ちゃん6才は、ヴァイオリンを習い出しまして、今週の金曜日に発表会を控えています。
娘ちゃん本人より緊張している様子の母けいちゃん。
その日もヴァイオリンを持って来ていて、発表会のリハーサルのつもりで皆の前で演奏させようかどうしようか散々迷った挙げ句、娘ちゃんはサラリと、しかも堂々と弾ききって拍手喝采。
けれどもまだ、けいちゃんはなにか困っているような様子。
仕事柄、それが気になったので、彼女の気持ちが少しでも楽になるようにと話しかけるといきなり涙?!
おぉ~!かなりキテるんちゃうか~!

そんなこんなの、ちょっぴりシリアス?な話もあり~の、の会だったのですが、基本は天然ボケのけいちゃんに鋭いツッコミを入れる恭子姐、その痛快さに机をビシバシ叩いて笑い転げる我々、というパターンが多かったのでした。

そして一夜明けた今日、お礼のメールが飛び交っている中、

『……中略……Rもバイオリンの肝試しをさせてもらって、優しく暖かい大人の皆さんの前で、ほくほくした様子。出たがりで失礼しました。恵子さん、チューニング教えてくれてありがとう!これで安心です……後略……』byけいちゃんの、しみじみメールに、

『「Rもバイオリンの肝試しを。。。」って、あんた、それを言うなら「度胸試し」やろ!』by恭の字の、赤ペン先生もまっつぁおなツッコミが。

いや、ある意味、あの日あそこに居てた面々を思えば、「肝試し」は正しい表現やったとも言える、などと思いつつ、このツッコミの件をブログに載っけてもいいかどうかのお伺いを本人に立てたところ、こんな返事が送られてきました。

『因みに……手柄を焦りすぎてあの後ちょっと後悔が……。
「それを言うなら度胸試しやろ!」の前に「肝試しって、あんた、恵子さんの家はおばけ屋敷か!?」を入れればよかったかな……と』

やっぱええわ~カンサイッ
 
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブリブリッとな?

2011年01月17日 | ひとりごと
今日の気功では、丸と無限にこだわった動きを繰り返し学んだ。
陰陽のシンボルはまさにこの丸と無限の象徴。なぜだか惹かれる理由がわかるような気がする。

シャワーに入って準備を整え、あぁ~遅れてるぅ~いざ行かん!という時に、旦那が入れ替わりに帰宅。
そうして自信満々にこう宣った。
「え?今日は気功ないやろ?祝日やで。キング牧師の」
「いや、先週のクラスではそういうことは全然言うてはらへんかった」
「けど、普通無いやろ~」
「でも聞いてへんもん」
「センター(旦那のオフィスと同じ建物の同じ階)の受付に電話してみたろか?」
「でも、あると思うから行く!」
「いや、電話で確かめた方がええって」

で、あっさり「もうそろそろ始まりますよ~」の返事をもらい、脱兎のごとく出発。
もう既に始まっている教室のドアをそぉ~っと開け、薄暗い部屋の中を忍び足で歩き、列の一番後ろの空いている場所を確保。
今日のクラスは人が多くて、新しい人もひとり加わっていた。
そして、さも最初っから参加してるみたいな顔して、はじめの18の基本動作を学んでいるときに、それは起こってしまった。

ブリブリッ

まさに、闇をつんざく、いや、もとい、静寂に響き渡る完璧なまでの放屁音。
それがまた、わたしのすぐ前のお方(新人の中年女性)のだったからたまらない。
どうやって息を吸い込めばいいか、どれぐらいの間、ソレは空中を漂っているのか、そんなことに気が向いてしまってすっかりアウト!
ご本人の様子をそれとな~く伺いながら、皆と同じ動作を続けていると、

ブリブリッ

わたしの動揺に追い討ちをかけるように、まさかの二度目。これがトドメとなった。
笑ってはいけないっぽい場面で笑いたくなった時の苦しさをご存知だろうか。
喉に物が詰まって息が吸えなくなった時も苦しいが、ふふふふっと息がコマメに、けれどもすごい勢いで出てこようとするのを止めるのも、なかなかに苦しい。
口はいい。無理矢理にでもギュッと閉じてしまえばなんとかなる。ところが鼻の穴がいけない。小鼻がパツッパツに広がって、そっからフフフンと空気が漏れる。
その漏れに伴って、横隔膜だの肩だのがビクビクと痙攣を起こしたみたいに揺れてくる。

わたしから遠く離れた所に居るマリアムにはきっと、わたしがなぜ苦しんでいるかの事情など、まるでチンプンカンプンだったろう。
けれども彼女はわたしと向かい合わせに立っていて、生徒達の出来具合や様子を注意深く観察しながら手本を見せているので、
いきなりけったいな、苦しいのか楽しいのか悲しいのか困っているのか、それが全部ごちゃ混ぜになったようなわたしの様子に驚いているようだった。


今日の瞑想は、だからとても深いところまで到達できたような気がする。
マリアムが「息を吸って~、吐く息と一緒に、あなたの過去も一緒に吐き出して~。また息を吸って~、吐く息と一緒に、あなたの未来も一緒に吐き出して~。また息を吸って~、吐く息と一緒に、あなた自身も吐き出して~」
三回目の息を吐き出した時、自分が液体になったような気がした。
液体といっても透明なのではなく、すごく濃い、真っ黒なインクのような液体に。

あれはいったいわたしにとって、どういう意味があったんだろうな。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

関西美人妻新年会

2011年01月16日 | 友達とわたし
年にいっぺんの関西美人妻会。
朝の9時半に元気に出発っ!のはずが、なぜか胃(みぞおち辺り)が痛んで起きて、しばらく旦那に治療を受けた。
なにが楽しみって、関西弁丸出しの弾丸トークと、皆で持ち寄る料理の数々。
胃なんぞを痛めている場合ではない!
気合いを入れて治れ~治れ~と自分の内臓にプレッシャーをかけた。

ほとんど痛みが無くなったので出発。
道はどこも混んでいなくて、スイスイと好調にドライブ。
大好きな橋、タッパン・ジー・ブリッジが見えてきた。全長4,880m。鉄橋部分は369mで、海面からの高さは42m。


この橋はハドソン川にかかる橋で、ロックランド郡 とウエストチェスター郡を結ぶ交通の要。
この変な名前の由来は、この地をかつて統括していたインディアンのTappanという人物名と、オランダ語で海を意味するZeeをつなげたものなんだそうな。

ハドソン川の水面が凍っていた。


この道は、片側二車線の、これまた景観のすばらしいパークウェイ。いろんな橋がかかっている。


工事中のもあった。


「この木陰の線が延々と続いてると、なんか催眠術にかけられたみたいな気分……」などと、めちゃんこ恐ろしいことをつぶやきながら運転する旦那……。


と……いきなりの渋滞?!おぉ~のぉ~!!


もうこうなったら写真や写真っ!暇やもぉ~ん!


ガードレールと同じぐらいの高さに積もった雪。さすが北国コネチカット!


これも大好きな景色のひとつ。ずっと向こうにトンネルがある。


恵子&ジャスティン家に到着。話には聞いていたけれど、とんでもない雪、雪、雪!


デッキのテーブルの上に積もった雪でかまくらを作り、そこで飲み物を冷やす。ナイス!


裏庭にウッドストーブの薪を取りに行くジャスティン。歩くとこないし……。


一緒に飛び出て大はしゃぎで遊ぶコア。まさに「いぃ~ぬは喜び庭駆け回り♪」のお手本のような仔。あっぱれ!


すっかり食べ散らかした後の写真撮影。

写真に撮れなかった野菜寿司、味のしみ込んだおでん、焼豚などなど。みんな~、美味しかったよぉ~、わぁ~ん

わたしは出張でお好み焼き屋さん。


恭子ちゃんから、肉の上に天かす、ニンニクのスライス、乾燥エビなんかを置いてひっくり返す新しい技を教えてもらった。

デザートはコリアンマーケットで買ってきた冷凍のたい焼きとこれ、ホストファミリー恵子ちゃんが買ってきてくれたカノーリ!
このカノーリを一昨年食べてから、他んちのカノーリが食べられなくなっちゃった、という伝説のブツ。



うちのつららなんか相手にならないコネチカット産つらら。真ん中のぶっといのは、今朝割って落とした後らしい……恐っ!


寒~い冬にはやっぱりコレでんなあ。



帰りの道中、家から持参したティーバッグでお茶を作るため、マクドナルドに寄って無料のお湯をもらいに行った旦那。
暇なのでまたつららの撮影。二枚目のは斜めに傾斜していた。どうやったらそんなことになるのやら……。


助手席で退屈していた旦那の、アバンギャルド(本人がそう主張している)写真の数々。



共通点は、関西出身の日本人妻とアメリカ人夫(若干一名、日本人夫がいるけど、変な日本人なので問題無し)ということのみ。
あとは皆バラバラ、こちらに腰をどっしり落ち着けている個性豊かな家族ばかり。
まあ、小さな子供を育てている最中ということでは、うち以外は共通している。
いやしかし、関西でどっぷり大人になるまで育ったもんが集まると、ふふふ、やっぱオモロいわ~。わたしだけ一世代違てるけど……。

恵子、ジャスティン、今日はほんとにありがとう!






コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夫婦

2011年01月15日 | ひとりごと
今日は昼からソプラノのポーレットと3曲合わせ、その後すぐに家を出て、ケリー&ウーヴェ夫婦の家に遊びと治療を兼ねて行った。
ウーヴェはもう6週間も腰を痛めていて、別の鍼灸師の治療を数回受けたのだけど改善せず、痛み止めの薬もいまいちで、そもそもそういう錠剤が好きではない彼なので、じゃあボクが、と今度は旦那が名乗り出たのだった。
ケリーとウーヴェは、2才半の可愛い坊やハンスのおかあさんとおとうさん。
本当はここにハンスの写真を載っけたいのだけど、彼らの了承をまだ得ていないので、今はやめておこう。
それはもう可愛い、クルクル巻き毛の、ひとり遊びがとても上手で利口な男の子で、機関車トーマスのことについてはなんでも聞きたまえ、と言わんばかりの熱中ぶりを見せてくれた。


ウーヴェが作ってくれた美味しいパスタ料理とサラダ、それからソムリエの資格を持つ彼ならではの飲み心地の良いワインをいただきながらいろんな話をしていたのだけど、退屈してきたハンスがむずかり出したので、彼と一緒に木の積み木でタワーを作って遊んだ。
家の中を走り回ってしっかり運動できたハンスは、眠くなってグタグタになり、いつもよりも早くベッドに。
ケリーが彼を寝かしつけている間に、その、なんとも驚くべき話が出てきたのだった。

ケリーは旦那がモーガン・スタンリーでバイトしていた時の元同僚。旦那がクビになってからも彼女は長いこと残り、責任のある仕事を任されていたのだけれど、出産と同時に退職し、今はおかあさん業に専念している。
ケリー達は5年前にスタテン・アイランドに家を買い、マンハッタンのアパートからそこに引っ越した。
引っ越してからの彼らは、古い家の改装に精を出したのだけど、ケリーの、すべてにおける細部への強いこだわりのすごさは半端ではなく、作業をする誰もが根を上げたくなるほどの徹底的なダメ出しの伝説は数えきれないほど。
旦那もある時バイトで、部屋の中の壁塗りを引き受けたのだけど、その時そのすごさがうわさ通りであったことを身を以て体験したらしい。
で、その話をわたしにしながらしみじみと、「ボクには到底受け入れられることとちゃう」と言い、その後ケラケラ笑い飛ばしていた。

で、今夜、また新しい伝説を聞いた。
彼らの地味でアンティークな色だった家の外壁が、鮮やかで暖かな山吹色に、枠は少しくすんだ緑色に塗り替えられていた。
その壁塗りの作業中、業者が彼女にちゃんと確認しないまま、色は同じなのだけど、サテンタイプのペンキを前から半分ぐらいまで塗ってしまったらしい。
塗り終わったのを彼女に見せたところ、「サテンではなくマットタイプのペンキの方がいい」と彼女が言い出し、そこに居た誰もが(夫のウーヴェも含む)、「いや、サテンもマットも見た感じ違わないよ。それにもう、家の半分以上を塗ってしまったしね。これでいいんじゃないの?」と思ったらしい。
けれども、彼女ひとり、頑として認めず、とうとう塗り直すことに。
その頃の彼女は、色やタイプや形をどうするかで頭がいっぱいになり、ネットで調べ尽くし、見尽くし、考え込んだあまり眠れなくなっていたのだそうだ。
ある晩、仕事と幼児の世話でぐったり疲れて寝ていたウーヴェは、夜中の2時ぐらいに、「ねえウーヴェ、ちょっとこの色がいいと思うのよ。起きて一緒に見てくれない?」とケリーに起こされ、そのまま2時間ほど、パソコンの画面を妻と一緒に眺めなければならなかった。
絶句しながらその話を聞くわたし達に、さらにウーヴェは、「もちろんその時はもうクタクタに疲れていたんだけど、彼女は家のことに集中するあまり、眠れない夜が続いていたし、もしボクが起きて彼女と一緒に考えてあげることで、彼女が少しでも安心できるならと思って」と言い切った。
そしてさらに、「あの時はもう、ほんとにえらいことだったけど、そして彼女のあの病的なまでのこだわりと妥協をしないしつこさには相当困ったけれど、でも、彼女のおかげで、今の快適で心地良い空間を得られたと思ってる。彼女が居なかったらきっとボクは、この家を買った5年前と全く同じ状態の部屋で暮らしているはずだからね」と、二階で息子を寝かしつけている妻に感謝を込めて語った。

なんというポジティブ思考!なんという愛情!

感動でワナワナと心を震わせながらふと横の旦那を見ると、「なんやねん、なんか言いたいことでもありまんのか?」と、早くも牽制の態勢に入っている。

いや、マジで、もしわたしが夜の夜中に、「なあちょっとちょっと、今思いついてんけどさ、あそこの窓にはこの色のカーテンがええと思うねん。ほんでな、その写真、見つけたから、あんたも寝てんと起きて、わたしと一緒に見て考えてくれへん?」なんてなこと言うたらどないする?

「アホちゃうか?今ボクが何してんのか見てわからんか?寝てんねん!上瞼と下瞼をほれ、こんなふうにピタッとくっつけてんねん。これを人は眠ってるって言うねん!ほんで、寝てる人にアホみたいなことで話しかけたらあかんねん!おやすみ!」と言ふ。

なんという簡潔なお答え。まああんたの相方20年近くもやってきて、そんなこと聞こうとも思わんし、ましてや寝てるあんたを起こそうなんて……くわばらくわばら。

ほんま、夫婦の数だけありまんな、いろいろと。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

母娘そろいもそろって

2011年01月15日 | 家族とわたし
昨日の晩、すご~く久しぶりに、母とスカイプした。
相変わらずののっぺらぼう人形を見ながらのスカイプ(母は自分の姿を見せるのがイヤなので、カメラをつけていない)。
だからわたしの声は、パソコンの前に座ってイヤホンをつけている人だけにしか聞こえない。

「昨日の晩な、なんやあれやこれや考えてしもて、あんまり寝れへんかってん」
「けど、前やったらそれでも無理して早起きしてたのに、えらいやん、ちゃんとゆっくり寝られるようになって」
「いや、おっちゃんに『もう9時過ぎてんで』って言われへんかったらもっと寝てた」
「それやったらもっとえらかった。けど、あれやこれやってなに考えてたん?」
「それがな、わたし、自分でもびっくりするぐらい怒ってな」(心の声→いや、おかん、それは別に珍しいことやないやん)
「なんで?」
「今また日本の政治がえらいことなってて、その番組観ながらおっちゃんと話してたら、わたしと違う意見言うて、それが猛烈に腹立ってしもて、めちゃくちゃ怒ってん。自分でも抑えられへんねん」
「なるほど……」
「でな、後から、なんでわたし、あんな怒らなあかんかってんやろ?政治のこと一所懸命考えてるのは同じことやのに、ほんで、意見が違ても別にそれはそれでええことやのに、なんであんねん腹立ってしまうのやろって考えたら止まらんようになってしもてん」
「……(←感動で言葉が出ない娘)」

なんたる変化。なんたる進歩。なんたる成長。母76才。

こんなことをしみじみと語る母の近くにはきっと、だ~れも居ないに違いないと思っていたら、なんとなんと、すぐ横に、その反省の元になったおっちゃん(義父)が座っているではないかっ!
まあ、それでも「悪かったわ~あんねん怒ってしもて」という謝罪の言葉は無かったけれど、おっちゃんにしてみたらもう、すすり泣き級の感慨だったに違いない。

などと思いながら眠ったのが夜中の3時前。
そんな時間までなにしてたん?
拓人がもしかしたら夜中に戻ってくるかもしれん……と旦那が言っていたので、三階の彼の部屋にヒーターを入れたりしながらついつい待ってしまってたわたし……。
結局何の連絡も無く、ほんとは一緒にスノボに行くはずだったガールフレンドと大げんかした彼は、家に帰って来なかったのだった……。
で、母と同じように9時過ぎまで寝て、ボォ~ッと起きて台所に行くと、
「おはよう!美味しいパンとスモークサーモンのちょい焼きと、ほんで鍋の中には」
じゃじゃ~ん「まうみの大好きな栗!もうできてると思うで!」
おぉ~昨日コリアンマーケットで一粒一粒厳選して買うてきた、500g2ドルの栗!めっちゃ楽しみにしとってん!ありがとう旦那!
勢い込んで鍋のフタを開けると、が~ん……蒸し栗ちゃうし……思いっきりお湯ん中に浸かってるし

「なんで蒸さへんかったん?ほんでこの栗、茹でる前によぉ~く洗たん?」

わたしが喜ぶやろと思て作ってくれた旦那に、開口一番、非難がましい声で文句を並べたアホ妻
すぐに「ごめん、イヤな言い方してしもた。せっかく作ってくれたのに」と謝ったけど、傷ついたやろなあ~。

朝から反省しまくっている。遅いけど……。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カモの呪

2011年01月14日 | ひとりごと


カモさん、あんさん、ほんまにあの時はなに考えてはったんですか?
そらね、今年はほんまにサブい!雪もめちゃんこ降りまくる。残り少ない餌かて雪の下に埋もってしもて、掘り起こそうにもくちばし凍ってまう。
腹立って、自棄自暴になって、もうどうにでもなったらええねんっ!ちゅう気持ちやったんですか?

それでも、あんなとこフラフラ歩いとったら危ないですやんか!
ニュージャージーって、全米でも屈指の、荒っぽいドライバーが多いっちゅうんで有名な州ですねん。
そんな輩がビュンビュン飛ばしてる高速の、路肩の、しかもあそこは、わたしが出たかった出口のど真ん中やったし……。
 
あんさんを必死の思いで避けて、ドキドキしながらルームミラーであんさんの様子を確認したら、あんさん、わたしの車の風圧でヨロヨロっとしてはったけど、ヨロついた方向がガードレールの方やったから、後続の車にも撥ねられんと、無事に土手の方に歩いて行かはった。
ホッとしたのも束の間、そんなことしてるうちに出口はしっかり越えてしもて、他の出口使たらヤバそうやったから、一旦高速降りて、元の場所に戻ったら、なんでか行きたいとこにどうしても行けんと、グルグルぐるぐるグルグルぐるぐる……。
30分もかかってしまいましたわ。なんとかわかる道に出るまで。

これってカモの呪ですの?
なんでわたしがカモに呪われなあかんのです?
そら、去年の年末から最近までの間に、もう当分食べるのも匂い嗅ぐのもいやなほど、七面鳥やの鶏やのお肉をいただきました。はい。
けど、それはあんさんのお仲間であって、あんさんやおまへん。
あ、こないだちょこっとだけ、あんさんをジュウジュウとローストしてブツブツッと切ったん乗っかっためちゃウマのラーメン食べたけど……。

ほんま、あそこまでしっかりすっかり迷たんは久しぶりでしたわ。
さすがに途中から腹立ってきて、「おいカモ、もういっぺんやってみやがれ!カモ~ン!」とか、虚しいこと口ずさみながら走ってましてん。
後でこの話を旦那にしたら、「あそこらへんはほんまにイヤラしいほどややっこしいとこや」て。
カモさん、あんさん、なかなかやるやん
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

当たり前にあることが当たり前になかったら

2011年01月12日 | ひとりごと
今回のストームは、どうもここより北の地域がすごかったようです。
こちらは、朝にはもうすっかり降り止んでいて、カランカランに晴れていました。
昨日の夜、雪下ろしをしてから寝た車は、まあこの程度なら全然オッケー、今回の雪かきは旦那がひとりで全部してくれました。


庭続きのお隣さんのバックヤード。ポールとピンキーの家は、今はもう誰もいないので、雪はいつまでたっても真新しいままです。


そのお隣のケリーとブルースの家。ハンモックのポールもすっかり埋まってしまいました。


でも、やっぱりチビッ子は元気いっぱい!こんな雪の中でもブランコや滑り台で遊んでいます。
楽しそうな声が雪にこだまして、少し柔らかな響きになります。なんだか雪山の中の家に居るみたいな気分。


旦那が見ている前で、雪の上をジャンプしては潜り、またジャンプしては潜っていったリス君の遊んだ跡。


いつも思うのだけど、どうしてこうも美しい形に積もるのでしょうか?



さて、今日はきっちり7曲、今月中に仕上げないといけない曲の練習をしました。
去年あたりから、誰かと一緒に演奏する、ということが増えてきて、そのたびにその楽譜を取り寄せなければならないのですが、時代は変わりましたねえ、もう楽譜屋さんに行って探したり注文したりする必要が無くなりました。
楽譜を無料で1ページごとにプリントアウトできるサイトがあって、そこでほとんどの楽譜が手に入るようになりました。
ただ、その楽譜というのは、どこかの誰かが自分の楽譜をスキャンして載せてくれた物なので、すごく傾いていたり、たまに最後の部分が完全に読めなかったり、全体に色が薄かったり、なので当たり外れがあります。

今日プリントアウトした楽譜が、ほぼギリギリで読めるのだけど、五線が途切れていたり、音符が欠けていたりしていました。こんな感じです。


一度初見で弾いてみて、つくづく思い知りました。
当たり前にあると思っていることが、ほんの少しいつもと違うだけで、こんなにも脳みそが疲れてしまうのだということに驚きました。
それで、すご~く面倒くさくてやりたくなかったのだけど、脳みそが無駄に疲れるのがもっとイヤだったので、仕方なくぼんやりしている部分(ほぼ全体がそうだったので全部と言える)を、ボールペンでなぞりました。


ほんと、こんなちっちゃなことの中にも、小さな真理が隠れているんですねえ。


窓に防寒フィルムを貼る作業中、床の上に置いたランプが、どうもこの方のお気に入りになったようです。


雪の日は特に、猫はまぁるくなりますね。




コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国おパンツ姿で地下鉄に乗ろう!事情

2011年01月12日 | 米国○○事情
いや、ほんま、この寒い季節にこんなことするやなんて、この国は……というよりマンハッタンの連中は……、


そらね、みんなでやってたら恥ずかしい気持ちも失せるのかもしれんけど、やっぱりそれでも……、


日本みたいにギリギリに詰め込みの席やったらどないなってたことか……肌と肌がくっついてしまうがな……。


そら、新聞でも読んで気ぃ紛らわせなねえ……前のお姉さんのおパンツがそれでのうても目に入ってくるし……。


ほんま、みんな、真面目な顔してなにするやら……。来年、ちょっと参加してみたろかしらん……
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする