小石勝朗「法浪記」
第12回
やっぱり油断は禁物だった秘密保全法
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とかく、「難しい、とっつきにくい」と思われている「法」。
だから、専門家に任せておけばいい、と思われている「法」。
しかし、私たちの生活や、社会のルールを決めているのもまた、「法」なのです。
全てを網羅することは、とてもできませんが、私たちの生活や社会問題に関わっている、重大な「法」について、わかりやすく解説してもらうコーナーです。
今あるものだけなく、これから作られようしている「法」、改正・改悪されようとしている「法」、
そして改正の必要があるのに、ちっとも変わらない「法」について、連載していきます。
「法」がもっと身近になれば、いろんなことが見えてくる!
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民主党政権時代の昨年3月に、いったん先送りされた法案が、成立へ向けて本格的に動き出した。
その名は、「秘密保全法」(自公政権は「特定秘密保護法」と呼んでいる)。
今月3日、法案の概要が発表され、17日までわずか2週間の、パブリックコメント(意見公募)の受付が始まった。
政府は、10月中旬に、召集予定の臨時国会に提出する方針だそうだ。
秘密保全法の問題点は、1年半前の「マガジン9」で、どん・わんたろう氏が、2回にわたり取り上げている。
氏の許可を得て、まずは、主要部分を復習しながら、法案の内容がどう変わったのか、問題点が解消されたのかを見ていこう(引用は、どん・わんたろう「油断は禁物の秘密保全法」から)。
この法律の対象になるのは、「国の安全(防衛)」「外交」「公共の安全及び秩序の維持(治安)」の3分野だ。
その中で、「国の存立にとって重要なもの」を、当の行政機関が、「特別秘密」に指定する。
役所の思考・行動パターンの常として、少しでも自分たちに都合が悪そうな情報は、非公開にしようとするから、
特別秘密の範囲が、どんどん広がっていくであろうことは、想像に難くない。
ここが、第1の大きな問題点である。
法案概要を見ると、「防衛」「外交」はそのままだが、「公共の安全及び秩序の維持(治安)」は外れている。
代わりに盛り込まれたのが、「外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止」と「テロ活動防止」である。
特別秘密は、「特定秘密」に名前を変えている。
「治安」が入っていると、たとえば原発問題で、安全性や事故の原因、放出された放射線の量、健康への影響や環境汚染の実態といった情報までが、
「国民の不安をあおり公共の秩序を害する」として、特定秘密に指定されるのではないか。
そんな懸念が、日本弁護士連合会(日弁連)などから出されていた。
「治安」が対象から外れたことで、特定秘密の範囲が限定され、法案の危険性がなくなった、と受けとめられるのだろうか。
今月5日の日弁連主催のシンポジウムで、秘密保全法制対策本部の江藤洋一弁護士は、法案概要に対して、
「特定秘密を指定する要件の中に、さまざまな『主観的な要素』が含まれている」と指摘していた。
法案概要は、特定秘密指定の要件を、
「別表(上記4分野:筆者注)に該当する事項であって、その漏えいが、我が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの」と記している。
別表の記載も、
「テロ活動による被害の発生・拡大の防止のための措置、またはこれに関する計画もしくは研究」というように、抽象的な表現になっている。
特定秘密を指定するのが、当の行政機関であることを考えると、行政機関の主観的=恣意的な解釈がされて、
いたずらに特定秘密の範囲が拡大されるのではないか、という危惧は、依然として消えないわけだ。
たしかに、原発の情報にしても、「原発テロに使われるおそれがある」なんて理由で、特定秘密にされてしまう可能性を否定できまい。
公表された法案概要は、A4判で、6ページしかない(しかも、担当の内閣官房HPのトップページには見当たらない)。
そもそも、法律が施行されてしまえば、具体的に、どんな情報が特定秘密に指定されたのか、国民には検証のしようがないのだから、
その範囲をどう定めるかについて、事前に、詳細かつ丁寧な説明が、不可欠であることは言うまでもない。
もう1つの大きな問題点が、取材・報道の自由を制限することになって、国民の「知る権利」を侵害しかねない危険性だった。
「犯罪に至らないまでも、社会通念上、是認できない行為」によって、特別秘密を取得したと判断されれば、
「特定取得行為」という処罰対象になる。
教唆犯を罰することとともに、取材や報道の制約を意図している。
これが、第2の大きな問題点だ。
自民党の「インテリジェンス・秘密保全検討プロジェクトチーム」座長の町村信孝・元官房長官は8月27日、
「報道の自由を侵害することがあってはならないという規定は(法案に)書く。基本的人権を不当に侵害することはないと明記する」と述べたそうだ(8月28日付・朝日新聞朝刊)。
しかし、発表された法案概要に、
「報道の自由」のくだりはなく、代わりに「本法の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない旨を定める」との項目が入っている。
町村氏は、この規定を指して、報道陣に「みなさんの心配は相当程度解消できる」と語ったという(9月4日付・朝日朝刊)。
果たして、この規定があれば、取材や報道の自由を侵害することにならないのだろうか。
法案概要は、
「人を欺き、人に暴行を加え、または人を脅迫する行為、財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為その他の、
特定秘密の保有者の管理を害する行為による、特定秘密の取得行為を処罰する」と定め、未遂、共謀、教唆、煽動も、処罰の対象にしている。
刑罰は、特定秘密を洩らした公務員らと同じで、最高で、懲役10年と重い。
「第1の問題点」と同様に、違反かどうかを、主観的に決められるようになっているのが、とても気になる。
取材者が、特定秘密に当たる内容の入った役所の書類に触ったり、特定秘密の書類が保管された建物に入ろうとしたりしただけで、未遂罪が成立しかねない。
ここでの教唆(そそのかし)は、相手の公務員が応じなくても成立する、とされており、
取材者が、「あの秘密文書、見せてよ」なんて言うだけでも、アウトになりかねないから、
幹部公務員とは、うかつに会話もできなくなってしまう。
町村氏が、
「正常な取材活動は問題ないが、不当な方法に(よる取材に)関しては、罰則の除外にならない」と話しているだけに(8月28日付・朝日)、なおさら心配になる。
何が犯罪に該当するのか、何が「正常な取材活動」で、何が「不当な方法」なのかの線引きを決めるのは、警察・検察といった権力側だからだ。
法案概要に入った「基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない」との規定は、「不当に」の意味が曖昧だし、努力目標に過ぎない。
あくまで、取材の手段が適正かどうかは、その取材で明らかにしようとした内容の公益性によって、判断されなければならない。
仮に、特定秘密であったとしても、報道で公にされることによって、隠され続けるよりも国民にとっての利益が大きいのならば、
犯罪に当たりかねない取材行為も、是認されるべきだ。
それが何より、国民の「知る権利」に資することになる。
昨今の報道が、本当に、国民の目線に立って情報を伝えているかどうかは措くとして、
秘密保全法の制定が不可避ならば、少なくとも、「取材・報道の自由を侵害しないこと」をはっきりと約束する明文規定を置き、規制に歯止めをかけておくことが必要だろう。
その際に、「取材・報道」の定義を、「国民の知る権利に応えるために、情報を取得・発信する活動」といった具合に広くとらえ、
フリージャーナリストやネットメディアが、取材・報道を制限されないようにも配慮すべきだ。
国民の知る権利に、より多角的にアプローチするために。
最後に、なぜ秘密保全法が問題なのか、憲法の視点からまとめておこう。
5日の日弁連シンポで講演した、右崎(うさき)正博・独協大法科大学院教授(憲法)は、
①国民は、重要でない限られた情報しか持ち得なくなり、その限られた情報を基にして、主権者としての判断をせざるを得なくなる=国民主権の後退、
②特定秘密の範囲は、軍事・防衛だけでなく、外交の情報も含み、平和を築くために必要とされる、広範な情報の自由な流れを阻害する=平和主義と敵対、
③民主主義の維持のために不可欠な、国民の「知る権利」を支える報道・取材の、自由の保障をないがしろにする危険がある=基本的人権を侵害――と指摘した。
そして、「政府が保有するある種の情報を、『秘密』として国民の知り得ないところに置くような法制は、憲法の3つの基本原理と根本的に矛盾し、
憲法を実質的に否定するもの、つまり、必然的に、立憲主義そのものを破壊するものとならざるを得ない」と強調していた。
いま、秘密保全法が制定されようとしているのは、政府が、国家安全保障会議を設置するのに合わせて、
「同盟国」のアメリカと、情報共有を進めるためだそうだ。
漏洩を厳しく罰する法律をつくっておかないと、アメリカから重要な情報を教えてもらえない、と心配しているらしい。
守るべき国の秘密があるとしても、副作用として、憲法上の基本原理を損ね、国民への影響が極めて大きい法律を、
十分な議論も経ないまま、簡単に成立させて良いのだろうか。
主権者たる私たちが、しっかり向き合うべきテーマである。
↓以下は、日弁連が制作してくださった、それはそれはわかりやすい、『秘密保全法』についての質問と答です。
ここに書き起こそうと思いましたが、今夜はもう遅いので、明日またその作業をします。
下記の紫色の文字をクリックして、まずは読んでみてください。
エッ!これがヒミツ?
あれもヒミツ!
あなたも『秘密保全法』にねらわれる
Q&A
そして、なんちゅうこっちゃ!これはあかん!と、あるいは、そこまでは思わんけど、なんとなくいやな感じと思われた方は、早急に、
↓ここに、その感じたこと、考えたことを書いてください。
どうか、どうか、よろしくお願いします。
政府は、「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に対する意見募集を、
13/9/3から開始し、9/17まで受け付けています。
以下リンクからパブリックコメントを政府に送付できます。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060130903&Mode=0
〒100-8968 東京都千代田区1-6-1
内閣官房内閣情報調査室「意見募集」係宛
tokuteihimitu@cas.go.jp FAX03‐3592‐2307
「秘密保全法に反対する愛知の会」代表の中谷雄二弁護士、同メンバーの矢凬暁子弁護士が提出したパブコメを、以下掲載します。
参考にして下さい。
なお、日本弁護士連合会(日弁連)は、簡単なパブコメ文案を公表しています。
日弁連 秘密保全法パブコメ文例公表
http://nohimityu.exblog.jp/20725356/
☆9月17日まで☆
この拙ブログのみならず、全国の、世界のあちこちで、日本を思い、一所懸命記事を書いているブロガーが、こんなクソッタレな法に殺されないよう、
どうか、どうか、ひとりでも多くの方に伝えてください!
第12回
やっぱり油断は禁物だった秘密保全法
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とかく、「難しい、とっつきにくい」と思われている「法」。
だから、専門家に任せておけばいい、と思われている「法」。
しかし、私たちの生活や、社会のルールを決めているのもまた、「法」なのです。
全てを網羅することは、とてもできませんが、私たちの生活や社会問題に関わっている、重大な「法」について、わかりやすく解説してもらうコーナーです。
今あるものだけなく、これから作られようしている「法」、改正・改悪されようとしている「法」、
そして改正の必要があるのに、ちっとも変わらない「法」について、連載していきます。
「法」がもっと身近になれば、いろんなことが見えてくる!
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民主党政権時代の昨年3月に、いったん先送りされた法案が、成立へ向けて本格的に動き出した。
その名は、「秘密保全法」(自公政権は「特定秘密保護法」と呼んでいる)。
今月3日、法案の概要が発表され、17日までわずか2週間の、パブリックコメント(意見公募)の受付が始まった。
政府は、10月中旬に、召集予定の臨時国会に提出する方針だそうだ。
秘密保全法の問題点は、1年半前の「マガジン9」で、どん・わんたろう氏が、2回にわたり取り上げている。
氏の許可を得て、まずは、主要部分を復習しながら、法案の内容がどう変わったのか、問題点が解消されたのかを見ていこう(引用は、どん・わんたろう「油断は禁物の秘密保全法」から)。
この法律の対象になるのは、「国の安全(防衛)」「外交」「公共の安全及び秩序の維持(治安)」の3分野だ。
その中で、「国の存立にとって重要なもの」を、当の行政機関が、「特別秘密」に指定する。
役所の思考・行動パターンの常として、少しでも自分たちに都合が悪そうな情報は、非公開にしようとするから、
特別秘密の範囲が、どんどん広がっていくであろうことは、想像に難くない。
ここが、第1の大きな問題点である。
法案概要を見ると、「防衛」「外交」はそのままだが、「公共の安全及び秩序の維持(治安)」は外れている。
代わりに盛り込まれたのが、「外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止」と「テロ活動防止」である。
特別秘密は、「特定秘密」に名前を変えている。
「治安」が入っていると、たとえば原発問題で、安全性や事故の原因、放出された放射線の量、健康への影響や環境汚染の実態といった情報までが、
「国民の不安をあおり公共の秩序を害する」として、特定秘密に指定されるのではないか。
そんな懸念が、日本弁護士連合会(日弁連)などから出されていた。
「治安」が対象から外れたことで、特定秘密の範囲が限定され、法案の危険性がなくなった、と受けとめられるのだろうか。
今月5日の日弁連主催のシンポジウムで、秘密保全法制対策本部の江藤洋一弁護士は、法案概要に対して、
「特定秘密を指定する要件の中に、さまざまな『主観的な要素』が含まれている」と指摘していた。
法案概要は、特定秘密指定の要件を、
「別表(上記4分野:筆者注)に該当する事項であって、その漏えいが、我が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの」と記している。
別表の記載も、
「テロ活動による被害の発生・拡大の防止のための措置、またはこれに関する計画もしくは研究」というように、抽象的な表現になっている。
特定秘密を指定するのが、当の行政機関であることを考えると、行政機関の主観的=恣意的な解釈がされて、
いたずらに特定秘密の範囲が拡大されるのではないか、という危惧は、依然として消えないわけだ。
たしかに、原発の情報にしても、「原発テロに使われるおそれがある」なんて理由で、特定秘密にされてしまう可能性を否定できまい。
公表された法案概要は、A4判で、6ページしかない(しかも、担当の内閣官房HPのトップページには見当たらない)。
そもそも、法律が施行されてしまえば、具体的に、どんな情報が特定秘密に指定されたのか、国民には検証のしようがないのだから、
その範囲をどう定めるかについて、事前に、詳細かつ丁寧な説明が、不可欠であることは言うまでもない。
もう1つの大きな問題点が、取材・報道の自由を制限することになって、国民の「知る権利」を侵害しかねない危険性だった。
「犯罪に至らないまでも、社会通念上、是認できない行為」によって、特別秘密を取得したと判断されれば、
「特定取得行為」という処罰対象になる。
教唆犯を罰することとともに、取材や報道の制約を意図している。
これが、第2の大きな問題点だ。
自民党の「インテリジェンス・秘密保全検討プロジェクトチーム」座長の町村信孝・元官房長官は8月27日、
「報道の自由を侵害することがあってはならないという規定は(法案に)書く。基本的人権を不当に侵害することはないと明記する」と述べたそうだ(8月28日付・朝日新聞朝刊)。
しかし、発表された法案概要に、
「報道の自由」のくだりはなく、代わりに「本法の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない旨を定める」との項目が入っている。
町村氏は、この規定を指して、報道陣に「みなさんの心配は相当程度解消できる」と語ったという(9月4日付・朝日朝刊)。
果たして、この規定があれば、取材や報道の自由を侵害することにならないのだろうか。
法案概要は、
「人を欺き、人に暴行を加え、または人を脅迫する行為、財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為その他の、
特定秘密の保有者の管理を害する行為による、特定秘密の取得行為を処罰する」と定め、未遂、共謀、教唆、煽動も、処罰の対象にしている。
刑罰は、特定秘密を洩らした公務員らと同じで、最高で、懲役10年と重い。
「第1の問題点」と同様に、違反かどうかを、主観的に決められるようになっているのが、とても気になる。
取材者が、特定秘密に当たる内容の入った役所の書類に触ったり、特定秘密の書類が保管された建物に入ろうとしたりしただけで、未遂罪が成立しかねない。
ここでの教唆(そそのかし)は、相手の公務員が応じなくても成立する、とされており、
取材者が、「あの秘密文書、見せてよ」なんて言うだけでも、アウトになりかねないから、
幹部公務員とは、うかつに会話もできなくなってしまう。
町村氏が、
「正常な取材活動は問題ないが、不当な方法に(よる取材に)関しては、罰則の除外にならない」と話しているだけに(8月28日付・朝日)、なおさら心配になる。
何が犯罪に該当するのか、何が「正常な取材活動」で、何が「不当な方法」なのかの線引きを決めるのは、警察・検察といった権力側だからだ。
法案概要に入った「基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない」との規定は、「不当に」の意味が曖昧だし、努力目標に過ぎない。
あくまで、取材の手段が適正かどうかは、その取材で明らかにしようとした内容の公益性によって、判断されなければならない。
仮に、特定秘密であったとしても、報道で公にされることによって、隠され続けるよりも国民にとっての利益が大きいのならば、
犯罪に当たりかねない取材行為も、是認されるべきだ。
それが何より、国民の「知る権利」に資することになる。
昨今の報道が、本当に、国民の目線に立って情報を伝えているかどうかは措くとして、
秘密保全法の制定が不可避ならば、少なくとも、「取材・報道の自由を侵害しないこと」をはっきりと約束する明文規定を置き、規制に歯止めをかけておくことが必要だろう。
その際に、「取材・報道」の定義を、「国民の知る権利に応えるために、情報を取得・発信する活動」といった具合に広くとらえ、
フリージャーナリストやネットメディアが、取材・報道を制限されないようにも配慮すべきだ。
国民の知る権利に、より多角的にアプローチするために。
最後に、なぜ秘密保全法が問題なのか、憲法の視点からまとめておこう。
5日の日弁連シンポで講演した、右崎(うさき)正博・独協大法科大学院教授(憲法)は、
①国民は、重要でない限られた情報しか持ち得なくなり、その限られた情報を基にして、主権者としての判断をせざるを得なくなる=国民主権の後退、
②特定秘密の範囲は、軍事・防衛だけでなく、外交の情報も含み、平和を築くために必要とされる、広範な情報の自由な流れを阻害する=平和主義と敵対、
③民主主義の維持のために不可欠な、国民の「知る権利」を支える報道・取材の、自由の保障をないがしろにする危険がある=基本的人権を侵害――と指摘した。
そして、「政府が保有するある種の情報を、『秘密』として国民の知り得ないところに置くような法制は、憲法の3つの基本原理と根本的に矛盾し、
憲法を実質的に否定するもの、つまり、必然的に、立憲主義そのものを破壊するものとならざるを得ない」と強調していた。
いま、秘密保全法が制定されようとしているのは、政府が、国家安全保障会議を設置するのに合わせて、
「同盟国」のアメリカと、情報共有を進めるためだそうだ。
漏洩を厳しく罰する法律をつくっておかないと、アメリカから重要な情報を教えてもらえない、と心配しているらしい。
守るべき国の秘密があるとしても、副作用として、憲法上の基本原理を損ね、国民への影響が極めて大きい法律を、
十分な議論も経ないまま、簡単に成立させて良いのだろうか。
主権者たる私たちが、しっかり向き合うべきテーマである。
↓以下は、日弁連が制作してくださった、それはそれはわかりやすい、『秘密保全法』についての質問と答です。
ここに書き起こそうと思いましたが、今夜はもう遅いので、明日またその作業をします。
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エッ!これがヒミツ?
あれもヒミツ!
あなたも『秘密保全法』にねらわれる
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そして、なんちゅうこっちゃ!これはあかん!と、あるいは、そこまでは思わんけど、なんとなくいやな感じと思われた方は、早急に、
↓ここに、その感じたこと、考えたことを書いてください。
どうか、どうか、よろしくお願いします。
政府は、「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に対する意見募集を、
13/9/3から開始し、9/17まで受け付けています。
以下リンクからパブリックコメントを政府に送付できます。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060130903&Mode=0
〒100-8968 東京都千代田区1-6-1
内閣官房内閣情報調査室「意見募集」係宛
tokuteihimitu@cas.go.jp FAX03‐3592‐2307
「秘密保全法に反対する愛知の会」代表の中谷雄二弁護士、同メンバーの矢凬暁子弁護士が提出したパブコメを、以下掲載します。
参考にして下さい。
なお、日本弁護士連合会(日弁連)は、簡単なパブコメ文案を公表しています。
日弁連 秘密保全法パブコメ文例公表
http://nohimityu.exblog.jp/20725356/
☆9月17日まで☆
この拙ブログのみならず、全国の、世界のあちこちで、日本を思い、一所懸命記事を書いているブロガーが、こんなクソッタレな法に殺されないよう、
どうか、どうか、ひとりでも多くの方に伝えてください!