宇治田原優駿ステーブル在厩のパンサラッサは、月曜日に体温が高めだったことから大事を取って小休止。15日朝よりトラック800m、坂路でのハッキング1本を消化しています。
◇乾主任のコメント
「火曜日にはもう平熱に戻っていましたので大きな心配は要りませんが、いちおう2日ほど休ませました。ここのところ寒暖差が激しいですし、それに目に見えない疲れなどがあったのかもしれません。もう何ら問題はありませんので、徐々に普通キャンターまで戻していきたいと思います」
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ごく軽い熱発とのことですが、すでに運動も再開しているぐらいですから心配はないでしょう。それよりも、何となく『まだ目に見えない疲れが残っているかも…』とも感じていましたので、パンサラッサがきちんとサインを出してくれたのは、却ってありがたいことかもしれません。個人的には先週時点で春競馬中の復帰は諦めていますし、もともと期待しているのはパンサラッサのもう一段の成長ですからね。
今は多少時間がかかってもOKな状況ですから、今回の休養が(ある程度長引くとしても)パンサラッサの成長を後押しするものなって欲しいと思います。夏競馬で古馬とやるのは楽ではないと考えがちですが、強い3歳馬は古馬条件クラスで普通に通用しますからね。慌てず焦らず着実に実力を蓄えて、堂々と次のステージに進んで欲しいと思います!
【宇治田原優駿ステーブル在厩のパンサラッサ:公式HP(3/27更新分)より】
「先週の金曜日に半マイルから速めを、14日は3Fから15-15を乗っており、球節は変わらず我慢が利いている状況です。先週もお伝えしたとおり、近々に獣医師に診てもらい、『そこでの見解も含めて今後のメニューや動向を定めていく』(厩舎陣営)ことになりそうです。動きそのものに問題はありません」
先週予告されていた獣医師チェックが終わっておらず、今週もこれまで同様のメニューで調整されています。3F15-15をやりながらでも「球節は我慢が利いている」ようなので、大きな問題にはならないと思いますが…。どうやら『2回東京(又は1回新潟)で復帰』との方針は、一旦、白紙になったと理解した方が良さそうです。
もちろん脚元の話はあまり軽く考えると良くないですし、きちんと診察をしてから慎重に判断するのは当然のこと。。獣医師チェックの結果によっては、きっぱり春競馬を休んで立て直し、夏のローカル開催をめざす作戦もありかもしれません。復帰初戦から『いきなり全開モード』を期待していたので残念ですが、先々を考えれば中途半端な状態で使う方が心配ですからね。まずはしっかり不安を取り除いてから、納得のいく状態で復帰戦に臨んで欲しいと思います。
テンコートレーニングセンター在厩のクレッシェンドラヴはトレッドミルでの調整を開始しています。
◇伊藤マネージャーのコメント
「リハビリの一環として今週からトレッドミルでダク1500m、ハッキングキャンター2000~2500m相当を消化。ここからは適度にトモを動かしつつ、芯から疲れを取ってあげたいと考えます。その後も歩様に異常はなく、触診反応もほとんど見られなくなりました」
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クレッシェンドラヴが身体を動かし始めました。先週の近況で「(疲れは取れたので)ここからは少しずつ動かしていった方がよい」との話がありましたし、予定通りの再始動ですね。まだトレッドミルでの運動とハッキングキャンターのみですが、再起に向けた第一歩を踏み出せたのは良かったです。
ただ、今月一杯は疲労回復の状況を見ながらの雰囲気ですから、次走は(先週の記事で書いた通り)宝塚記念直行か夏のローカル重賞路線かの二者択一になりそうです。早めに戻ってこられるなら、鳴尾記念から始動という手もありますが、今回は念には念を入れて時間をかけるような気がしますので…。にしても、年明け金杯の一戦のみで春競馬全休とは、改めて代償の大きさが身にしみます。。(^^;)
【美浦トレセン在厩時のクレッシェンドラヴ:公式HP(3/12更新分)より】
競走馬リハビリテーションセンター在厩のプライムラインは、現在は引き運動30分、トレッドミルでの速歩5分、ウォーターウォーキングマシン15分を消化しています。
◇青木獣医師のコメント
「どの馬も最初はトレッドミル(急に音を立てて動き出すため)に多少驚くようなところはありますが、一週間やってきたことで今はすっかり慣れてきました。今週からは速歩の時間を2分延長。その後も脚元に熱感はなく、順調に推移しています」
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トレッドミルが上手に出来るようになったのはイイことですね…。本当はそれだけで喜んではいけないのでしょうが、これも復帰に向けた小さな一歩だと思えば嬉しいニュースではありますからね。
速歩の時間が3分から5分に増えても熱を持たないのは想定の範囲内。やはり、駈歩に移行した時どうなるかがポイントになりそうですが、その段階へ進むには、さらに慎重な判断をしていくのでしょう。当然ながら油断できる状況にはないですが、臨床症状などから受ける印象は、当初からアレアシオンより前向きでしたから…。今後もとにかく順調に、一歩ずつ前進をして欲しいと思います。
競走馬リハビリテーションセンター在厩のアレアシオンは、今週はおもに騎乗しての常歩20分、トレッドミルでの駈歩1分、ウォーターウォーキングマシン15分を消化しています。
◇青木獣医師のコメント
「先週末より3月初旬時のリハビリメニューにまで戻し、トレッドミルでの駈歩を毎日行っているところ。近日中に予定している定期検査の結果などにもよりますが、ふたたび慎重に立ち上げ、さらに次のステップにつなげていければと思います」
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先週は週3回だったトレッドミルでの駈歩を毎日消化するかたちに。それだけだとピンとこない感じですが、「3月初旬時のリハビリメニュー」だと言われると、なるほどねぇと思います。遡れば3/11更新の近況で「駈歩を始めた段階より患部がいくらか熱を持つように」なったことが伝えられ、ペースを落とさざるを得なかったわけですが、要するに丸1ヶ月ほどの後戻り(ロス?)があったという事ですね。
後戻りについては(慎重にリハビリを進めた結果なので)致し方ない面はあるでしょうが、何度も繰り返して良いほど余裕はありませんし、かと言って急いで進めるわけにもいかず、厳しい状況が相変わらずなのはもどかしいです…。そんな中でも出来ることは全てやって頂いていると思いますので、何とか定期検査の結果が前向きであることを祈るのみです。