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中島らも『酒気帯び車椅子』

2007-05-24 15:46:39 | ノンジャンル
 吾妻ひでお氏が「エンタテイメントの王道を行くハードボイルド・バイオレンスで鬼畜系」と評した中島らも氏の遺作「酒気帯び車椅子」を読みました。あらすじは次のようなものです。
 私は商社で働き、妻と幼い娘と犬が家族です。現在、ゴルフ場を買い取り霊園にする計画を進めています。ある日、暴力団系の不動産屋がこの土地を買いたいと言って来ますが、取り合わなかったところ、刑事から昼間の暴力団の会長は自分が欲しいものは必ず手に入れる男だと聞かされます。ある晩、4人の暴力団員が自宅を襲い、犬は殺され、妻は輪姦された上に殺され、私はボコボコに殴られたあげく両足の膝下をミンチ状にされ、娘は誘拐されます。しばらくして発見された私は病院に搬送され、両足の膝下を切断されます。私は個人テロで暴力団を全滅させようと思い、暴力団との関わりは一切警察に話しませんでした。入院中、担当の美人看護士にフェラチオしてもらいます。その1週間後に退院し、1週間アル中生活を続けている間に、飲み仲間が私の車椅子を完全武装し階段も登れる車椅子に改造してくれます。猛特訓で自由自在に車椅子を扱えるようにし、暴力団員が一斉に集まる月寄りの日に殴り込みをかけます。飲み仲間2人も一緒に3人で暴力団員を皆殺しに行きますが、最後に残った社長は娘を人質にしていました。が、やはり飲み仲間の刑事が会長を射殺し、私の復讐は終わるのでした。
 読んでいて、登場人物の言動や行為がわざとらしいな、と感じました。特に家庭内での会話に強く。また、入院後の主人公が看護士相手に急にエロくなるのも、違和感がありました。話は確かに妻が犯されるところは鬼畜系でしたが、最後の皆殺しのシーンも割に呆気無く、主人公に感情移入することもあまりありませんでした。私は「エンタテイメントの王道を行くハードボイルド・バイオレンス」とまでは感じませんでしたが、皆さんはどうでしょうか? 一読の価値はあると思うので、ぜひご自分で判断されてみてください。