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萱野葵『ダンボールハウスガール』

2007-06-13 16:25:52 | ノンジャンル
 吾妻ひでお氏が「読後感が重い」と言いながらも推薦していた萱野葵氏の「ダンボールハウスガール」を読みました。
 杏(あん)は会社員時代に爪に火を灯すようにして200万を貯め、1年何もしないで暮らせるよう、会社を辞めた途端、泥棒に入られ200万を奪われます。彼女は放浪生活を始めます。必需品をボストンバックに詰め、何日かはカプセルホテルに泊まり、昼間は図書館か公園で読書、ご飯はコンビニで買います。金が底をつくと大学の構内で野宿を始め、シャワーと洗濯は体育会の更衣室で済ませます。憂さばらしに図書館の本をトイレに言ってカッターでざくざく切り刻みます。本当に金が無くなると、ファストフード店のゴミ箱あさり。冬は大学に近い新宿駅の構内で寝て、水は公園で飲みます。ファストフードに飽きると、レストラン、コンビニのゴミ箱へ。やがてダンボールの家を作り、クラブのタダ券をもらい、クラブで食べ放題。ワンピース、ハイヒール姿なら高級ホテルのパーティー会場に侵入し、フォアグラ、キャビア食べ放題。やがてちょっとしたきっかけでダイヤルQ2で完全出来高制のバイトを始めます。月収30万になり、普通の食生活を送れるようになりますが、口の端を歪め鼻で笑う癖がつきます。女子高生を今縛っているという電話を最後にQ2のバイトは辞め、家庭教師をすることにします。金持ちの家で週5回、1回3時間、大学もついている私立の有名私立女子高をめざし、現在の偏差値45を60にする、という仕事です。恵美という子で、なぜか成績が上がり始め、授業料を上げるというマージン取り過ぎの紹介機関を通さず、直で契約することにします。放置自転車の山を蹴っとばした杏は警察に捕まり、窓から逃げ出します。そして寸借サギを始め、恵美には単なる風邪薬を彼女が欲しがっていた睡眠薬だと偽って12粒3万円で売り、効いたという恵美に売り続けます。万引きをした恵美を引き取りに行き、彼女を連れてトイレから脱出し、口止め料を取ります。恵美は第一志望に受かり、金一封をもらい、その後は田舎の古い看板が高く売れるのを知って看板探しをします。ある日、段ボールの中で寝ているのを恵美に見つかります。後で電話するという恵美は結局電話してこず、杏は嫌がらせの無言電話を恵美に何回もするのでした、という話です。
 最低の女の話です。性格が悪いし、言葉も下品で乱暴だし、金にしか興味がなく、何を望んで生きているのか分からない。こんな女に出会ったら、すぐに逃げ出さないと、何をされるか分かりません。本のカバーが米倉涼子なので、彼女を主演にテレビ化、もしくは映画化されたのでしょうか? どう演じたか興味あります。悪党の好きな人にはオススメです。