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イングマール・ベルイマン監督『不良少女モニカ』

2008-01-15 15:12:33 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、イングマール・ベルイマン監督・脚本の'53年作品「不良少女モニカ」を久しぶりに見ました。
 17才で青果倉庫で働くモニカは、レストランで自分から話しかけて、やはり勤労青年の19才のハリーと映画「愛の歌」を見に行き、2人は愛しあうようになります。子供がうるさい自宅と酔っぱらいの父にうんざりし、家を出たモニカはハリーのところへ行きます。やはり上司を衝突して仕事を辞めていたハリーは、父のボートに寝袋を持って行き、そこでモニカと暮らし始めます。川を下り、海辺にボートを停泊させ、自然の中で愛し合う2人。モニカが妊娠したみたい、と言うと、ハリーは町に戻って働くと言いますが、モニカは町に戻らず2人でいたいと言います。2人は将来の夢を語りますが、食料がなくなり、別荘に盗みに入ったところをモニカが捕まり、焼肉の塊を持って逃げ出して来ます。こんな生活は嫌だとモニカは言い、町にも戻りたくないと言いますが、夏は終わり、町に戻らざるをえなくなります。2人は結婚し、ハリーは仕事につき、女の子が産まれますが、赤ん坊の夜泣きに2人は悩まされ、モニカは育児にうんざりし、貧乏な生活にも飽き飽きしてきます。ハリーは出張中、働きぶりを評価され、正社員になりますが、家に帰ると、モニカは浮気をしていて、結婚後これまでにも何人もの男と寝たと言って、家を出て行ってしまいます。ハリーは家具を売り、赤ん坊を抱いて、町中で鏡を見ながら、モニカとの楽しかった夏を思い出すのでした。

 主人公のモニカの顔は覚えていましたが、ストーリーは全く忘れていました。ブレッソンの「少女ムシェット」とごっちゃにしている部分があったようです。夏の浜辺の自然は美しく、その中で過ごす若者の活き活きした表情がすがすがしく、気持ちのいい映画でした。モニカの我がままぶりは目に余るものがありましたが、ハリーの誠実さはこれまた気持ちのいいものでした。スウェーデンの自然が美しく撮られていて、水面に写る太陽の光が特に印象的でした。シーンのつなぎは、すべてオーヴァーラップで行われていて、これも独特のリズムを作っていたと思います。ベルイマン35才の時の作品で、若々しさにあふれた映画でした。まだ見ていない方にはオススメです。