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イングマール・ベルイマン監督『悪魔の眼』

2008-01-27 16:07:21 | ノンジャンル
 昨夜のNHK・BS2で放送された「コンバット」に臆病であるいことを疑われる兵士の役で、何とジョン・カサヴェテスがゲスト出演していました。こうしたことが時々あるのが「コンバット」の魅力です。

 さて、スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、イングマール・ベルイマン監督・脚本の'60年作品「悪魔の眼」を見ました。
 男(グンナール・ビョルンストランド)が現れ、地獄について解説します。地獄は逆三角形。一番下の層は軽罪の者たちの刑場。上に行くにつれて重い罪の者が増え、地上に近いところは最悪のクズの溜まり場です。その頂点に君臨するのが悪魔です。さて、喜劇が始まります。悪魔の眼にものもらいができます。毒殺が得意なロシュフコー伯爵と性的倒錯であるマコパッツァ侯爵が呼ばれ、悪魔のものもらいの原因は地上に20才で処女の美しい娘がいることだと言い、結婚するまで処女だと天使は喜び、彼女に続こうとする娘が出る恐れもあると言います。悪魔は、1800人の修道女を犯したフランチェスコ、数千人の子を残したフェルゼンシュタイン伯らでも叶わない誘惑の達人ドン・ファンを地上に送ることにします。ドン・ファンは地獄でも多くの愛人を手玉に取ってしましたが、悪魔の提案を受け入れます。ドン・ファンは北欧の女の落とし方を教わり、従者パブロとともに地上に現れ、監視役も地獄からやってきます。まず牧師の車を故障させ、直したお礼に車に乗せてもらいます。牧師の招きで家に入り、ドンファンは妻のレナータと問題の娘(ビビ・アンデルセン)を紹介されます。パブロは妻を誘惑しますが、なかなか乗って来ません。娘は結婚に備えて内装工事をしながら結婚相手のヨーナスの話をドン・ファンにします。彼らはキスしますが、娘はキスした男の37番目だと言い、ドン・ファンをがっかりさせます。話は徐々にドン・ファンのペースになってきますが、そこへヨーナスが来てしまいます。冒頭の男がまた出て来て、ここから第2幕と言います。夕食の場で婚約者たちは口ゲンカを始め、仲直りしないままヨーナスは帰ってしまいます。ドン・ファンは自分の生涯のエピソードを語ります。夜、ドン・ファンの家に石像が訪ねて来て、握手すると炎が体に伝わり、胸を足が踏みにじり、ドン・ファンの体は溶けて地獄に落ちた、という話でした。妻は泣き出し、自室に向かいます。牧師の寝室を妻が訪れて話をしますが、やはり自分を理解してもらえない、と言い、不貞を働くことをほのめかします。妻の部屋にパブロが忍び込み、また誘惑し、ついに妻と寝ます。監視役は牧師に妻の不貞を伝え、妻の部屋の鍵を渡します。牧師は監視役の提案に従い、酒を飲もうと言い、酒の入っている棚に監視役を閉じ込めます。ここで、また冒頭の男が現れ、第3幕に移ることを告げます。娘の部屋にドン・ファンは忍び込み、娘は好きにしていいと言いますが、ヨーナスを愛しているので、傷付くのはあなたの方だと言います。牧師は妻の不貞の現場を目撃し、妻に話しかけて、これからうまくやって行こうと話します。ドン・ファンは娘を愛してしまい、結局純潔を汚すことができませんでした。悪魔は天国に負けたことを認め、怒り心頭です。悪魔はドン・ファンと2人きりで話し、ドン・ファンへの罰として、地獄耳の男が娘の初体験をしている様子をドン・ファンに聞かします。娘が嘘を言った瞬間に、悪魔のものもらいが消え、悪魔はドン・ファンを眠らせ、地上の楽園と愛の夢を見せろと命じます。また冒頭の男が現れ、喜劇の終わりを告げ、最後に偉大な真の愛を物語るシーン、つまり新婚初夜の幸福に満ちた若い2人の姿を見せます。

 公開当時、女性蔑視だとして批判され、ベルイマン本人も大嫌いな作品とのことですが、とても面白く見させてもらいました。ビビ・アンデルセンがかわいいし、彼女に振り回されるドン・ファンの様子が笑いを誘います。ストーリー自体、とても面白いと思いますし、劇の進行役も面白さに彩りを添えています。どこが女性蔑視で、どうしてベルイマンがこの作品が嫌いなのか、理解しかねます。私なら文句無しにオススメできますが、皆さんはどうでしょうか?