遅ればせながらWOWOWで、クリント・イーストウッド監督の'06年作品「父親たちの星条旗」を見ました。
硫黄島の戦争の悪夢に未だにうなされる老人。父は息子に写真の戦争への効果は大きいと話し、大平洋戦争では硫黄島に星条旗を立てようとする兵士たちの写真がそうだったと語ります。戦時下の硫黄島。腹が裂けた兵士。襲いかかる日本兵。1944年12月タワラ基地では登山と上陸の訓練が行われ、硫黄島を攻略する作戦が発表されます。島の全てを見下ろせるすり鉢山が目標です。兵士たちは硫黄島へ向かって出発します。1人船から落ちますが、船団の隊形が崩れるので、船を停めて助けることができません。そして硫黄島への艦砲射撃が始まります。1人の兵士が日本兵が捕虜を虐殺している写真を見せ、降伏するとこうなると言います。硫黄島への上陸が行われ、日本側からの発砲がないので無防備で前進する米兵に、トーチカに隠れていた日本軍の一斉射撃が始まり、米兵が次々に倒れていきます。トーチカを一つずつ攻略していく米兵。1945年4月エニウエトク環礁の飛行場では、旗を掲げた1人が負傷兵と替わって帰国します。旗を掲げた6人のうち3人は戦死していました。帰国した生き残りの3人はスタジアムでの盛大な歓迎を受けます。そして毎日歓迎のイベントが延々と続き、国債購買キャンペーンに利用され、3人は茶番だと思います。再び戦時下の硫黄島。延々と死体が並べられ、負傷兵が運ばれています。機関銃の弾の雨の中、負傷者を助けようとする衛生兵。敵を何回も銃剣で刺す米兵。すり鉢山に先発隊が出発し、頂上で星条旗を掲げます。全軍から拍手と歓声が上がります。が、上司の命令でもっと大きい旗が立てられ、そこが写真に写されます。抵抗がほとんど止んだ後、音のするトーチカに入ると、手榴弾で自決した無惨な日本兵の死体が散乱しています。国内で国債キャンペーンが終わると、3人は別れ別れになり、1人はテキサスからアリゾナまで歩き、戦友の父に会い、死んだ息子さんが本当は旗をたてていた1人だと伝えます。彼らが最後に会ったのは戦没者追悼記念日。その後、インディアンだった1人はアル中で死に、そのうちの1人の父は戦死した兵士の母に、戦死した息子さんが旗を捧げていたのだ、と嘘をつきます。父は生前、戦争のことは語りませんでした。明らかになったのは死後のことで、父は家族のために一生を捧げてくれました。そして父たちは何よりも仲間のために戦争を戦ったのでした。
姉妹作「硫黄島からの手紙」に比べて、戦闘シーンが圧倒的に少なく、硫黄島攻略がいかに困難でいかに無惨なものだったのかはあまり伝わって来ませんでした。それよりも星条旗を硫黄島のすり鉢山に立てた兵士たちの生き残りの3人が国内でいかに国債キャンペーンに利用され、またそのために事実がいかにねじ曲げられたかの描写に多くのフィルムが割かれていて、少しがっかりしました。時制の移動が多く、過去から急に現在になったり、そこからまた違う過去になったりと、理解するのが大変でした。それでも船団が出発してから上陸するまでの描写は圧倒的で迫撃砲の砲弾が飛び交う音のすごさに驚かされました。ラストのタイトルロールで実際の硫黄島での戦争の写真が写されていましたが、この写真を忠実に再現するような硫黄島の戦闘を全編を使って描いた映画が見てみたいと思いました。しかし、何と言ってもクリント・イーストウッド作品です。見ない手はありません。
硫黄島の戦争の悪夢に未だにうなされる老人。父は息子に写真の戦争への効果は大きいと話し、大平洋戦争では硫黄島に星条旗を立てようとする兵士たちの写真がそうだったと語ります。戦時下の硫黄島。腹が裂けた兵士。襲いかかる日本兵。1944年12月タワラ基地では登山と上陸の訓練が行われ、硫黄島を攻略する作戦が発表されます。島の全てを見下ろせるすり鉢山が目標です。兵士たちは硫黄島へ向かって出発します。1人船から落ちますが、船団の隊形が崩れるので、船を停めて助けることができません。そして硫黄島への艦砲射撃が始まります。1人の兵士が日本兵が捕虜を虐殺している写真を見せ、降伏するとこうなると言います。硫黄島への上陸が行われ、日本側からの発砲がないので無防備で前進する米兵に、トーチカに隠れていた日本軍の一斉射撃が始まり、米兵が次々に倒れていきます。トーチカを一つずつ攻略していく米兵。1945年4月エニウエトク環礁の飛行場では、旗を掲げた1人が負傷兵と替わって帰国します。旗を掲げた6人のうち3人は戦死していました。帰国した生き残りの3人はスタジアムでの盛大な歓迎を受けます。そして毎日歓迎のイベントが延々と続き、国債購買キャンペーンに利用され、3人は茶番だと思います。再び戦時下の硫黄島。延々と死体が並べられ、負傷兵が運ばれています。機関銃の弾の雨の中、負傷者を助けようとする衛生兵。敵を何回も銃剣で刺す米兵。すり鉢山に先発隊が出発し、頂上で星条旗を掲げます。全軍から拍手と歓声が上がります。が、上司の命令でもっと大きい旗が立てられ、そこが写真に写されます。抵抗がほとんど止んだ後、音のするトーチカに入ると、手榴弾で自決した無惨な日本兵の死体が散乱しています。国内で国債キャンペーンが終わると、3人は別れ別れになり、1人はテキサスからアリゾナまで歩き、戦友の父に会い、死んだ息子さんが本当は旗をたてていた1人だと伝えます。彼らが最後に会ったのは戦没者追悼記念日。その後、インディアンだった1人はアル中で死に、そのうちの1人の父は戦死した兵士の母に、戦死した息子さんが旗を捧げていたのだ、と嘘をつきます。父は生前、戦争のことは語りませんでした。明らかになったのは死後のことで、父は家族のために一生を捧げてくれました。そして父たちは何よりも仲間のために戦争を戦ったのでした。
姉妹作「硫黄島からの手紙」に比べて、戦闘シーンが圧倒的に少なく、硫黄島攻略がいかに困難でいかに無惨なものだったのかはあまり伝わって来ませんでした。それよりも星条旗を硫黄島のすり鉢山に立てた兵士たちの生き残りの3人が国内でいかに国債キャンペーンに利用され、またそのために事実がいかにねじ曲げられたかの描写に多くのフィルムが割かれていて、少しがっかりしました。時制の移動が多く、過去から急に現在になったり、そこからまた違う過去になったりと、理解するのが大変でした。それでも船団が出発してから上陸するまでの描写は圧倒的で迫撃砲の砲弾が飛び交う音のすごさに驚かされました。ラストのタイトルロールで実際の硫黄島での戦争の写真が写されていましたが、この写真を忠実に再現するような硫黄島の戦闘を全編を使って描いた映画が見てみたいと思いました。しかし、何と言ってもクリント・イーストウッド作品です。見ない手はありません。