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クェンティン・タランティーノ監督『デス・プルーフ in ブラインド・ハウス』

2009-04-01 15:07:00 | ノンジャンル
 俳優の大木実さんが亡くなりました。享年85歳。膵臓ガンだそうです。大木さんの代表作は何といっても、マキノ雅弘監督の「日本侠客伝」シリーズでの絵に描いたような悪役でした。今でもその余りの憎々しさに、高倉健扮する主人公とともに怒りの込み上げるのを抑えながら映画を見たのを覚えています。貴重な役者さんでした。ご冥福を申し上げます。

 さて、WOWOWで、クェンティン・タランティーノ監督が共同製作・脚本・撮影を兼ねた'07年作品「デス・プルーフ in ブラインド・ハウス」を見ました。
 「テキサス州 オースティン」の字幕。3人の若い女性が車に乗り、恋愛談義、セックス談義をしながら酒場に着きます。そこで食事をしながら仲間を呼び出し、4人で別荘へ泊まりに行きます。すると酒場で酒も飲まずに長居していた男、スタントマン・マイク(カート・ラッセル)は一人の若い女性を誘って自分の車に乗せると、急停車を繰り返し、後部座席と前座席を仕切るガラスに女性の頭をぶつけて殺し、その後先程の4人の乗る車に正面衝突して4人を殺します。マイクは軽傷を負っただけで助かり、保安官は彼の殺意を見抜きますが、証拠がないため、見て見ぬふりをします。「テネシー州 レバノン」「14ヶ月後」の字幕。4人の女性が車に乗っているのを見つけるマイク。そのうちの一人が映画「バニシング・ポイント」に使われていた車を手に入れるため、売りに出している男のところへ向かい、男をうまく言い包めて3人で試乗します。1人が走る車のボンネットに乗ってはしゃいでいるところへマイクが現れ、3人は危うく殺されかけます。マイクが彼女らに近づいてきたところを、女性たちのうちの一人がピストルで撃ち、肩をやられたマイクは逃げ出します。女性たちは彼を追いかけ、先程とは逆に彼の車に自分たちの車を体当たりさせ、最後にはマイクの車を横転させて、彼を車から引きずり出します。そして3人で代わる代わるパンチを繰り出し、マイクが伸びたところを一人が頭を踏みつぶすところで映画は終わります。
 70年代風の音楽、故意に入れられたフィルムへの傷など、ノスタルジックに描かれていますが、携帯電話が出て来るので現代の話だということが分かります。延々と続く女性の雑談に辟易していると、突然暴力的な場面が現れ、血まみれの女性、ちぎれた足、車から放り出され宙を舞い地面に叩き付けられる女性といった画面が無造作に提示されます。日常における暴力というのがタランティーノ監督の嗜好なのでしょうか? ちょっとついていけない気がしました。血まみれの女性を見たい方にはオススメです。