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井上荒野『切羽へ』

2009-04-28 18:36:00 | ノンジャンル
 ソニーのCD倶楽部の冊子に国連人口基金による2008年国別の平均寿命ランキングが載っていました。男性1位の国はアイスランドで80.3才、2位は香港で79.5才、3位が日本とスイスで79.1才。女性1位の国は日本で86.2才、2位は香港で85.2才、3位がスペインで84.3才でした。日本が突出して1位だと思っていましたが、意外な国が日本と肩を並べていました。厚生労働省による2005年の都道府県別ランキングでは、男性1位が長野で79.8才、2位が滋賀で79.6才、3位がわが神奈川で79.5才。女性は1位が沖縄で86.9才、2位が島根で86.6才、3位が熊本で86.5才、わが神奈川は86.3才で18位でした。これもちょっと意外な結果でした。これでいくと私の母は平均まで生きたとしてもあと9年は生きられる計算になりますが、できれば20年以上元気でいてほしいと思ったりしています。

 さて、朝日新聞の特集記事「2008年 感動と発見の一冊」で挙げられていた、井上荒野さんの「切羽へ」を読みました。2008年の直木賞を受賞した作品です。
 小さな島で小学校の保健室の先生をしている私は、画家の夫と暮らしています。学校には9人の生徒と、校長先生、教頭先生、唯一の教師である30過ぎの月江がいますが、新任の音楽の先生として、若い男性の石和が赴任してきます。夏休みに私たち夫婦が東京に滞在している間に、私がよく訪ねていた、一人住まいの老人のしずかさんが入院してしまいます。そしてある日、月江の不倫相手である本土さんの妻が島を訪ねてきて、月江とつかみ合いのケンカをし、その結果、本土さんは妻と一緒に東京に帰ってしまいます。一人になった月江は石和と肉体関係となり、結婚することにしたと私に言いに来ます。冬になり、今度は本土さんが島に戻ってきて、石和とケンカになり、石和は島を去ります。月江はまた本土さんと復縁し、結婚はあきらめます。そんな折り、入院して度々淫夢を見ていた老女のしずかさんが亡くなります。春になると、私は夫の子供を授かるのでした。
 文体はとても読みやすいのですが、淡々とした日常が描かれるだけで、事件が起こっても、それは何のカタルシスを感じさせるものでもなく、なぜこの作品が直木賞を受賞したのか、理解できませんでした。それよりも井上さんがあの井上光晴さんの娘さんであることを知って、ビックリしました。暇な時間のある方にはオススメです。