gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

浜なつ子『おおらかで、優しくて、いいかげんな 神様からの贈り物』

2009-04-11 16:18:00 | ノンジャンル
 アマゾンで買った、ロバート・サブダの「不思議の国のアリス」が届きました。究極の飛び出す絵本です。さっそく母に見せたところ、期待した通り驚いてくれました。おまけに読み聞かせをしたところ、声を出して笑ったり、微笑みながら食い入るように本を見ているので、ついおかしくなって「何、一所懸命聞いてるんだよ」と言うと、「何、一所懸命読んでんだよ」と返されてしまいました。私の通うデイケアにも持っていってみようと思います。まだ見たことのない方、是非一目見ることをお勧めします。とにかくすごい絵本です。

 さて、浜なつ子さんの'95年作品「おおらかで、優しくて、いいかげんな 神様からの贈り物―フィリピン路地裏の日比混血児―』を読みました。題名から分かるように、フィリピンで暮らす日比混血児を取材して書かれた本です。
 冒頭の部分を書き写してみましょう。「マニラ湾に赤いダリアのような太陽がゆっくりと落ちていった。橙色に染められた水面がしだいしだいに薄墨色に変わっていくと、湾内に浮かんだ外国の大型貨物船が三十三艘、黒いシルエットを描き出した。」これからも分かるように、ルポルタージュでありながら、文は限り無く散文的に流れ、必要以上の風俗描写に溢れています。フィリピンの風俗にあまり関心のない私にとっては、大部のこの本を最後まで読むのは至難の技でした。統計や家系図までが紹介されていて、学術的に日比混血児を調査しようという姿勢は理解できるのですが、それに収まり切れないエモーショナルな部分が多すぎて、どうしても最後まで読む気が起きませんでした。日比混血児に興味のある方にはオススメです。