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誉田哲也『ヒトリシズカ』

2009-04-24 18:16:00 | ノンジャンル
 今日の朝日新聞の朝刊にジャック・カーディフさんの死亡記事が載っていました。イギリス映画の撮影監督で、その濃厚な赤の色彩(いわゆるビロードの赤)が印象に残っています。まだ健在だったのが驚きですが、何と94才での死去だったそうです。カラー映画の一時代を築いた偉大な一人でした。慎んでお悔やみを申し上げます。

 さて、誉田哲也さんの'08年の作品「ヒトリシズカ」を読みました。
 少女たちをシャブ漬けにして売春させていた男が、被害者の少女の恋人に刺されて殺されますが、殺人現場には警官の娘がいてとどめを刺したことが分かります。その娘・静加は、名前を変えてコンビニに勤め始めますが、同僚が元暴走族の男にレイプされ、その同僚の恋人がその男を殺した際、彼女をかばうために、別の男を犯人に仕立て上げようとします。その後、静加はまた姿を消し、今度は、自分の本当の父である、暴力団関係の男の愛人となり、対立している暴力団を使って、父たちを射殺させ、自分は、腹違いの幼い妹を連れ、また姿を消します。そして成長した妹は結婚し、娘をもうけますが、真相を知った警察に逮捕され、その際、母にすがる娘をダンプから身を挺して守り、命を落とすのでした。
 「武士道セブンティーン」で、すがすがしい青春小説にデビューした誉田さんでしたが、また警察ものに戻ってしまいました。非常に残念です。あらすじから分かるかもしれませんが、ストーリーは錯綜し、理解しがたく、また内容も暗くて、すすんで読もうという気にはなりませんでしたが、一方、文体はとても平易で読みやすいものでした。警察を舞台にした小説が好きな方にはオススメです。