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豊島ミホ『夏が僕を抱く』

2009-09-21 18:15:00 | ノンジャンル
 豊島ミホさんの最新刊「夏が僕を抱く」を読みました。6つの短編からなる本です。
 「変身少女」は、幼馴染みで片思いの相手・鞠男が中学入学と同時に不良になって口を聞いてくれなくなったことから、あたしも髪を染めスカートを短くして彼と話をしますが以前の距離感は掴めず、また元の姿に戻り周囲を安心させ、中学卒業時にまだ彼を好きだったらまた髪を染めようと思う話。
 「らくだとモノレール」は、幼馴染みであたしと同じく面倒くさがりのらくだが高校3年になり予備校通いを始めて、これまでのように一緒の時間を過ごせなくなるのを身に染みて感じたという話。
 「あさなぎ」は、幼い頃にお姉ちゃんとキスをしたことのある研吾くんと見合いをし、3度目のデートでわたしからホテルに誘ったのを断られたので、わたしは今はバカになったお姉ちゃんと会わせて幻滅させることに成功しますが、研吾くんはお姉ちゃんへの初恋の気持ちに整理をつけ、改めてあたしにプロポーズしてくれた話。
 「遠回りもまだ途中」は、大学に入ってかっこいい先輩の彼女となり不幸なクリスマスイヴを過ごしたあたしが、イジメに会っていた中学生の時に助けてくれた格好悪い幼馴染みに結局惹かれていることに気付く話。
 「夏が僕を抱く」は、夏休みに青森のじーちゃんちで一緒に遊んだミーちゃんと渋谷で出会った俺は、彼女にライブに来てもらうことでライブを乗り切る決心をし、彼女もそれを機会に元上司との間に続いていた不倫関係を終わらせることに決めた話。
 「ストリベリー・ホープ」は、人生を見失って東京から帰ってきた幼馴染みの護とともに、私が小さな幸せを感じるようになる話です。

 どれも幼馴染みとの絆を語った話でしみじみと感じさせるものばかりでした。はかない青春小説を書かせたら今は豊島さんの右に出る者はないのではと思わせる感じです。本好きの方には文句無しにオススメです。