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W・サマセット・モーム『アシェンデン』

2010-01-05 18:28:00 | ノンジャンル
 山田宏一さんと和田誠さんが本「ヒッチコックに進路を取れ」の中で言及していた、W・サマセット・モームの'28年作品「アシェンデン」を読みました。
 まず序文で、スパイ小説は事実に即してあるがままに書くと退屈なものになるので、プロットを作って書いたと述べられます。そしてイギリスの作家であり、またR大佐からリクルートされて英諜報部のスパイになったアシェンデンはスイスで第一次世界大戦勃発の年に諜報活動を行います。スイスでは連合軍側とドイツ側のスパイが入り乱れていて、彼のいるホテルは外国人だらけです。ある日警官が訪ねてきますが、身元を聞いただけで帰っていきます。その直後同じホテルに滞在しドイツのスパイと思われる男爵令嬢からカードに誘われますが、そこで謎めいたエジプト人たちと出会います。その後もドイツのスパイらしき姉妹の召使いである英国婦人に臨終の際に呼ばれたりしますが、どれも確固とした事実には至りません。やがてR大佐の命令でドイツのスパイをイタリアで消すために、「毛なしのメキシコ人」と呼ばれる自称元将軍とともにローマ目指して旅立ちますが‥‥。
 ここまで読んだところで、先を読み進むことを断念しました。全体の4分の1強です。理由は話がなかなか前に進まずに、序文で書いていたことと全く逆のこと、つまりプロットなどなく、ただバラバラの事実だけが放り出されているだけで何の興味も引かないということでした。メキシコ人が出てきたところからやっとプロットめいたものが出てきたので、これからストーリーが始まるのかもしれませんが、ノロノロした話の進み方についていけないので読むのを止めました。ストーリーがゆっくり進む小説が好きな方にはオススメかも。