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スタンリー・ドーネンさん、逝く

2019-02-25 10:03:00 | ノンジャンル
 今朝の朝日新聞と東京新聞に、アメリカの映画監督だったスタンリー・ドーネンさんの訃報を見つけました。
 ここでは東京新聞における訃報を、そのまま掲載します。

「『雨に唄えば』監督 スタンリー・ドーネンさん(米映画監督、振付師)
 21日、心不全のため東部ニューヨークで死去。94歳。米メディアが23日報じた。
 24年、南部サウスカロライナ州生まれ。10代でタップダンスのレッスンを受け、ニューヨークのブロードウェイで認められ映画界に。『踊る大紐育』で映画デビュー。『雨に唄えば』『略奪された七人の花嫁』『くたばれ!ヤンキース』などの傑作ミュージカルを手掛け「ハリウッドミュージカルの王様」と呼ばれた。
 オードリー・ヘップバーンさん主演の『パリの恋人』『シャレード』『いつも2人で』などでも監督を務め、卓越した業績を残した映画人に贈られるアカデミー名誉賞を98年に受賞した。(共同)」

 記事にも書いてある映画監督としてのデビュー作『踊る大紐育』は、初めてロケもしたミュージカルとして記憶に残る映画で、ジーン・ケリー、フランク・シナトラ(!)が踊り歌う、それはもう楽しい映画として記憶に残っています。『雨に唄えば』はあまりにも有名になって、特に雨でずぶ濡れになりながら恋の素晴らしさを歌って踊るシーンは、YouTubeでも見られるので、興味のある方は是非ご覧ください。『くたばれ!ヤンキース』については私は未見ですが、調べたところアマゾンで中古が手に入るので、今がチャンスだと思います。
 オードリー・ヘップバーンさん主演の映画ではテレビで再三見たミステリー映画『シャレード』がやはり記憶に残っていて、相手役のケーリー・グラント、ウォルター・マッソー、そしてヘンリー・マンシーニの素晴らしい音楽(これもまたYouTubeで、映画の映像付きのヘンリー・マンシーニ楽団演奏の音楽を聞くことができます。)が特に印象的でした。ウィキペディアで調べたところ、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディも出演していたのですね。すっかり忘れていました。(また何と、『シャレード』は全篇YouTubeで見ることもできます!!)
 ということで、とにかく楽しいだけでなく、怖がらせることもできる卓越した才能の持ち主だった監督さんでした。改めてご冥福をお祈り申し上げるとともに、素晴らしい映画を数々残していただいたことを感謝したいと思います。

『新装版 日本国憲法』(講談社学術文庫)

2019-02-25 08:00:00 | ノンジャンル
 今日は朝からビッグなニュースが2つ入ってきました。
 一つはもちろん沖縄の県民投票で、有権者の4分の1を超える方々、投票に行った方々の7割超が辺野古基地建設に「反対」したこと。今日の本の紹介のところでも書きましたが、日本国憲法では「第九五条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」という条項があり、今回の辺野古の基地建設に関しては、本来は法律を作って工事を進めるべきで、その場合、辺野古の埋め立てに対する住民投票の結果により、国は埋め立て工事を中止しなければならないことになります。ところが今回の辺野古移設に関しては、内閣は法律を作らず、政令でことを済ませているため、今回の県民投票も空振りに終わってしまう危険性があります。安倍内閣、卑怯この上ないと思います。

 もう一つの記事はドナルド・キーンさんが亡くなったこと。享年96歳ということなので、天寿を全うされたのだと思いますが、日本の文学がお好きで、その翻訳を海外に広めてくれた方で、それ以外にも藤井章雄さんとの共著で『米英俗語辞典』を執筆するなど、米英の文化を日本に紹介する仕事にも積極的に参加された方のようでした。新聞記事によると、新潟県柏崎市に「ドナルド・キーン・センター柏崎」という施設があり、キーンさんが持っていた蔵書や資料をそこで見ることができるそうなので、近くに行く用事がもし将来できるとしたら、是非訪れたいと思います。


 さて、あつぎ9条の会に入っておきながら、日本国憲法の全文に目を通していないことに気づき、講談社学術文庫の『新装版 日本国憲法』を読みました。読んでみて特に印象深かったところを書いておきます。
 まず「第三六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」という部分。これは「死刑」を絶対に禁じると書いているのと同じであり、死刑を定めている刑法は憲法違反ということになります。これには驚きました。
 それ以外にも、
・「第一三条 すべての国民は、個人として尊重される。(後略)」は、LGBTの方々を尊重すべきであると読めること、
・「第一四条 すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的において、差別されない。(後略)」は、在日韓国人の方々へのヘイト行動はただちに禁止すべきだとも読めます。また、
・「第二一条の二項 検閲はこれをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」は、人(たとえ家族であっても)宛てに出された手紙・メールなどを盗みみることは憲法違反であること、
・「第二四条 婚姻は、両性の合意によってのみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本にして、相互の協力により、維持されなければならない(後略)」では、家事や育児には夫も協力しなければならないこととも読めます。
・「第三四条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人にいらいする権利を与えられなければ、抑留又は拘禁されない。(後略)」は、現在の警察の拘置所での取り調べの方法が違憲にあたること、
そして何よりも
・「第九五条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」からは、辺野古の埋め立てに対する住民投票の結果により、国は埋め立て工事を中止しなければならないことになります。

これ以外にも読みどころ満載で、安倍政権がいかに憲法違反をしているかが、よくわかる本でした。「まだ日本国憲法をちゃんと読んだことのない」という方には是非一読されることをお勧めします。