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南信長『やりすぎマンガ列伝』

2015-11-14 06:44:00 | ノンジャンル
 朝日新聞で紹介されていた、南信長さんの’15年作品『やりすぎマンガ列伝』を読みました。
 本文から引用させていただくと、「1959年(昭和34年)3月17日、『週刊少年サンデー』(小学館)と『週刊少年マガジン』(講談社)が同時に創刊された。月刊誌から週刊誌へ-------。それは、単に発売サイクルの違いからくる量的変化のみならず、作品づくりや漫画家という職業のあり方といったマンガ界全体の構造をも変えるものだった」、「そんなやりすぎマンガの歴史のなかから、カルトな珍品ではなく語り継がれるべき名作をジャンルごとにピックアップし、解説したのが本書である」、「大リーグ打倒の夢を抱きながら戦場に散った大投手・沢村栄治。その遺志を受け継ぎ、体のどこかに野球ボール形のアザを持って生まれた超人たちによって結成されたアストロ球団がプロ野球界に殴り込みをかける」、「まず目を引くのは、双子の兄弟・球七と球八による外野守備だ。身の丈3メートルはあろうかという巨漢の弟・球八が、小柄な兄・球七を上空高く放り投げ、どんな大飛球も捕ってしまう。それに対抗して編み出されたのが、球一のジャコビニ流星打法(中略)。あらかじめヒビを入れたバットを使い、打球といっしょに砕けたバットの破片を飛ばすことで、どれがボールかわからなくするという、すごいんだかせこいんだかわからない技である。元レーサーの球三郎は事故で一度死んだのに生き返り、視力を失いながら『盲目の貴公子』として華麗なプレーで女性ファンを魅了。手術を控えた少女にもらったバラの花を口にくわえて打席に入った彼は約束どおりホームランを放つが、打った瞬間、その打球にバラをプッと吹き刺すという神業的パフォーマンスを披露する。敵方の選手も超人級のプレーを惜しげもなく繰り出す。ブラック球団の無七志(ななし)が投げるのは殺人Lボール。一見、何の変哲もないヘナヘナ球だが、バットに当たると、そのままバットを這うように打者の手元に向かい、跳ね上がって顔面を直撃するという恐怖の魔球だ。この球の犠牲となり、初代・球二(超人のふりをしていた一般人)は死亡する。とにかく一投一打が命がけで、敵も味方もバタバタと倒れていく。強烈な打球を体で受け止めたロッテの助っ人モンスター・ジョーは、そのまま吹っ飛ばされてスコアボードの電光掲示板に激突、感電。過酷な特訓の末に開発したスカイラブ投法で渾身の一球を投げたエース・球一は、体に負荷がかかりすぎて鎖骨を骨折。打球を体で止めては落下して地面に激突を繰り返した球七は、血へどを吐いて昏倒……」、「ツノの付いたヘルメット(という時点でおかしいが)で突進してくるビクトリー球団の巨漢選手をカポエイラのような華麗な足技で迎撃する球三郎。特攻隊の生き残りである氏家慎次郎は、こめかみの血管がブチ切れるほど全身全霊を込めた一球を投げ終えると同時に一気に年を取って白髪の老人に。古武術の使い手である大門(実は球三郎の兄)はヌンチャク型のバットで強烈なライナーを放ってショートの球六を昏倒させ、守ってはわざとボールを落として足の甲で拾い、駆け込んでくる打者走者の球五にタッチならぬキックを浴びせて肋骨8本をへし折る」、「その姿勢は作者も同様で、中島いわく〈大体、俺ぐらいだよ、長野編集長に血判を押させられたのは。「『アストロ球団』で人気トップを取るよう頑張ります」って。目の前で指を切って、血を出して〉って、本当だったらすごすぎる」、「約4年にわたって連載されたにもかかわらず、作中ではわずか3試合しか戦っておらず、その中で3人が死亡というのも記録的」(以上、『アストロ球団』)、「まず登場したのはハイ・ジャンプ魔球。突進してくるバイクを飛び越すなど命がけの特訓の末に身につけた、高く飛び上がって空中から投げ下ろすという投法だ。作中では〈ざっと1.5メートルも助走ぬきでプレートからジャンプします ! ! 〉と解説されているが、絵ヅラ的には3メートルぐらいは飛び上がっているように見える。(中略)ところが、着地してすぐ守備態勢に移れない欠点をライバル・眉月光のバント戦法に突かれる。サードから長島がカバーに入る作戦も着地時の土煙でボールが見えず失敗。そこで蛮が取った行動がすごかった。なんと、足ではなく腹から落ちることで着地時の土煙を抑えたのだ。むしろそっちのほうが 土煙が立ちそうな気がするが、蛮はハイ・ジャンプ魔球を投げるたびに腹から地面に激突。川上はそのガッツに感服しながらも〈番場はいずれマウンドで死ぬかもしれん…〉と悲痛な表情を浮かべるのだった」(以上、『侍ジャイアンツ』)……。
 他にも『リングにかけろ』、『プロゴルファー猿』、『ハレンチ学園』、『男組』、『炎の転校生』、『ドーベルマン刑事』、『スケバン刑事』など、そのやりすぎぶりが詳細に語られ、楽しめました。公共図書館には置いていない本ですが、買って読む価値はあると思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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