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イングマール・ベルイマン監督『ファニーとアレクサンドル』

2008-02-06 17:04:42 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、イングマール・ベルイマン監督・脚本で彼にとって最後の映画作品、'82年の180分を超える(テレビ版は300分を超える)「ファニーとアレクサンドル」を見ました。
 「悩むより楽しめ」と書かれた劇場を経営するエクダール家。クリスマスの準備をする召使い達とそれを見て回る祖母で経営者のエレーナ。一家のメンバーも参加して、クリスマスの劇が演じられ、幕が下がると祖父のオスカルは舞台上で演技者にパーティーを催します。親戚が集まり、エクダール家のクリスマス・パーティが始まり、孫の少年アレクサンドルと仲のいい召使いのマイはもらったドレスを見せに来ます。
 「ハムレット」の練習中、祖父のオスカルが倒れ、アレクサンドルと握手をした瞬間に亡くなります。盛大な葬式。アレクサンドルは祖父の亡霊を見ます。アレクサンドルは司教に禅問答を挑まれるが、それは学校でついた嘘を認め、母に謝らせるものでした。そして母のエミリーは司祭にプロポーズされ結婚するつもりだと息子のアレクサンドルと娘のファニーに言います。そこへまた祖父の亡霊が現れます。司祭はエミリーに身一つで来てほしいと言い、エミリーは今までの人生を否定し、司祭の提案を受け入れます。結婚式で、アレクサンドルはまた亡霊を見ます。司祭の家には厳しい規則があり、唯一子供2人が心許せると思っていた召使いも司祭のスパイでした。アレクサンドルはむち打ちの刑罰を受け、2人は監禁されます。司祭の前妻と2人の子供も5日間何も与えられずに監禁され、逃げ出して川に落ち溺死した、とアレクサンドルは夢に見ます。エミリーは母を訪れ、司祭と離婚したいが、妊娠してしまい、また離婚すると子供を司祭に取られてしまうと悩みを打ち明けます。帰って来たエミリーは子供達が監禁されているのを発見し、商売人のヤコビが2人を助け出し、自分の家に匿ってくれると、深夜にまた亡霊が現れます。エミリーは司祭に睡眠薬入りの飲み物を飲ませ、司祭を捨てて子供たちのもとへ走ります。眠りこんだ司祭はランプの火が引火し、家ごと焼けてしまいます。エミリーは子供を産み、エクダール家のパーティーが行われます。祖母のエレーナは現役の役者に復帰することを決意します。

 コミカルな部分は召使いのマイの奔放さぐらいでしょうか。子供が主人公なのに、冷徹に大人の世界を見つめるアレクサンドルばかりが映され、かわいいファニーは仏頂面を見せるだけ。これがベルイマンの最後の映画になったのも頷けるような気がします。もう映画は飽き飽きしていたのでしょうね。技術的な事、面倒な編集作業、などなど。一流の映画監督は、死の床でも次の映画の構想を練っていた、という話はよく聞きますが、人生の途中で映画と離れてしまったという人は珍しいケースです。そこら辺にベルイマン映画の限界があったのかな、という気もしますが、みなさんはどうお考えでしょうか?

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