WOWOWシネマで、サム・ペキンバー監督の1977年作品『戦争のはらわた』を見ました。ウィキペディアのストーリーより一部引用、改変すると、
第二次世界大戦中の1943年の東部戦線。クリミア半島東隣のタマン半島でソビエト軍と対峙しているドイツ軍のクバン橋頭堡。そこに西部戦線のフランスから、シュトランスキー大尉(マクシミリアン・シェル)が志願して着任してきた。プロイセン貴族であるシュトランスキーは名誉欲が強い男で、鉄十字勲章を得ることに執着していた。そんな彼は、上司であるブラント大佐(ジェームズ・メイスン)や同僚のキーゼル大尉らの信任の厚い小隊長、シュタイナー伍長(ジェームズ・コバーン)とソ連軍少年兵捕虜の扱いや行方不明となった部下の捜索をめぐり対立し、疎ましく思う。そのシュタイナーの直属上官となったシュトランスキーだが、鉄十字勲章を得るには有能なシュタイナーを味方につけた方が得策だと考え、ブラント大佐に推薦してシュタイナーを曹長に昇格させるが、彼の反応は冷淡だった。その後シュタイナーは捕虜の少年兵を独断で逃がそうとするが、ちょうどその時ソ連軍の攻勢が始まり、少年兵は味方に誤射され死亡してしまう。攻勢に直面したシュトランスキーは狼狽、本部への野戦電話にしがみつき地下壕から出ず、防戦の指揮を行わなかった。その一方、シュタイナー達との信頼も厚い第2小隊長マイヤー少尉が、塹壕での白兵戦で戦死する。シュタイナーは砲撃の爆発で脳震盪を起こし後方の病院へ送られるが、後遺症でフラッシュバックによる幻覚を見るようになる等、そのダメージは大きかった。病院で恋仲になった看護師のエヴァとドイツに帰って療養する話になっていたが、前線に戻る同僚を見て自分も帰隊することにする。
帰隊したシュタイナーは先の戦功により一級鉄十字章を得ていたが、シュトランスキーの前でそれをぞんざいに扱う。シュトランスキーは実際に防戦を指揮したマイヤー少尉の手柄を奪う形で、鉄十字章を得るための推薦をシュタイナーに求めるが無視される。その報復により、再びソ連軍の大攻勢が開始された時に連隊本部の撤収を知らされていなかった小隊は、最前線に取り残されてしまう。小隊はT-34戦車へ対戦車地雷を用いた肉薄攻撃を敢行するなど奮戦、工場跡での戦闘で敵歩兵の追撃を振り切り、なんとかその場から脱出する。一方、形勢不利と見たシュトランスキーは策を弄して人事に働きかけ、一週間後には安全なパリへ異動できるよう内定をとりつける。孤立したシュタイナー小隊は、敵の女性兵士部隊に遭遇、地図とソビエト軍の軍服を入手するなどしながら哨戒線を突破、味方部隊への復帰を図る。ようやく味方の前線へ到着したシュタイナー隊は、ソ連の軍服を着た隊員がいるため通信機で捕虜と帰還するとの連絡をする。敵味方識別の合言葉“境界線”と唱え、敵対の意思がないことを示しながら進む。しかしナチスの処刑対象であるホモセクシャルであることの弱みを握られてシュトランスキーの手下となっていた副官トリービヒ少尉が、ソ連軍の罠だとして発砲を命令。味方前面の障害物まで達していたシュタイナーたちは機関銃(MG42)で掃射され、次々に殺されてしまう。目の前で部下を殺されたシュタイナーは、トリービヒに迫るとPPSh-41で射殺。生き残った2人の部下に別れを告げると、シュトランスキーへの"借りを返し"に向う。
再開されたソビエト軍の大攻勢の中、戦後ドイツの復興を託してキーゼル大尉を脱出させたブラント大佐は、自らMP40を携えて潰走する歩兵を押し留め、防戦の先頭に立つ。逃げ支度をしているシュトランスキーの前に現れたシュタイナーはトリービヒ少尉の死を伝えるが、シュトランスキーは意に介さず、逆に部下を置き去りにしたシュタイナーをなじる。シュタイナーは「あんたが俺の小隊だ」と告げ、シュトランスキーを撃つことなく銃を与え、混戦の中に二人で飛び出して行く。そこで格好をつけてみせるシュトランスキーだったが、MP40の弾倉再装填法が分からずにあわてふためく。その光景を見てシュタイナーは大笑いする。しかし、その笑い声も、シュタイナーの「Oh…shit」という言葉と共に途切れ、ベルトルト・ブレヒトの言葉を引用して物語は締められる。
「諸君、あの男の敗北を喜ぶな。世界は立ち上がり奴を阻止した。だが奴を生んだメス犬がまた発情している。」
戦場のリアルさは見事で、爆音、マシンガンの音などすさまじい音の饗宴でした。全篇を通じ、灰色の画面が続き、戦争の不毛さを表しているようにも見えました。ジェームズ・コバーンの代表作の一本になる映画だと思います。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
→FACEBOOK(https://www.facebook.com/profile.php?id=100005952271135)
第二次世界大戦中の1943年の東部戦線。クリミア半島東隣のタマン半島でソビエト軍と対峙しているドイツ軍のクバン橋頭堡。そこに西部戦線のフランスから、シュトランスキー大尉(マクシミリアン・シェル)が志願して着任してきた。プロイセン貴族であるシュトランスキーは名誉欲が強い男で、鉄十字勲章を得ることに執着していた。そんな彼は、上司であるブラント大佐(ジェームズ・メイスン)や同僚のキーゼル大尉らの信任の厚い小隊長、シュタイナー伍長(ジェームズ・コバーン)とソ連軍少年兵捕虜の扱いや行方不明となった部下の捜索をめぐり対立し、疎ましく思う。そのシュタイナーの直属上官となったシュトランスキーだが、鉄十字勲章を得るには有能なシュタイナーを味方につけた方が得策だと考え、ブラント大佐に推薦してシュタイナーを曹長に昇格させるが、彼の反応は冷淡だった。その後シュタイナーは捕虜の少年兵を独断で逃がそうとするが、ちょうどその時ソ連軍の攻勢が始まり、少年兵は味方に誤射され死亡してしまう。攻勢に直面したシュトランスキーは狼狽、本部への野戦電話にしがみつき地下壕から出ず、防戦の指揮を行わなかった。その一方、シュタイナー達との信頼も厚い第2小隊長マイヤー少尉が、塹壕での白兵戦で戦死する。シュタイナーは砲撃の爆発で脳震盪を起こし後方の病院へ送られるが、後遺症でフラッシュバックによる幻覚を見るようになる等、そのダメージは大きかった。病院で恋仲になった看護師のエヴァとドイツに帰って療養する話になっていたが、前線に戻る同僚を見て自分も帰隊することにする。
帰隊したシュタイナーは先の戦功により一級鉄十字章を得ていたが、シュトランスキーの前でそれをぞんざいに扱う。シュトランスキーは実際に防戦を指揮したマイヤー少尉の手柄を奪う形で、鉄十字章を得るための推薦をシュタイナーに求めるが無視される。その報復により、再びソ連軍の大攻勢が開始された時に連隊本部の撤収を知らされていなかった小隊は、最前線に取り残されてしまう。小隊はT-34戦車へ対戦車地雷を用いた肉薄攻撃を敢行するなど奮戦、工場跡での戦闘で敵歩兵の追撃を振り切り、なんとかその場から脱出する。一方、形勢不利と見たシュトランスキーは策を弄して人事に働きかけ、一週間後には安全なパリへ異動できるよう内定をとりつける。孤立したシュタイナー小隊は、敵の女性兵士部隊に遭遇、地図とソビエト軍の軍服を入手するなどしながら哨戒線を突破、味方部隊への復帰を図る。ようやく味方の前線へ到着したシュタイナー隊は、ソ連の軍服を着た隊員がいるため通信機で捕虜と帰還するとの連絡をする。敵味方識別の合言葉“境界線”と唱え、敵対の意思がないことを示しながら進む。しかしナチスの処刑対象であるホモセクシャルであることの弱みを握られてシュトランスキーの手下となっていた副官トリービヒ少尉が、ソ連軍の罠だとして発砲を命令。味方前面の障害物まで達していたシュタイナーたちは機関銃(MG42)で掃射され、次々に殺されてしまう。目の前で部下を殺されたシュタイナーは、トリービヒに迫るとPPSh-41で射殺。生き残った2人の部下に別れを告げると、シュトランスキーへの"借りを返し"に向う。
再開されたソビエト軍の大攻勢の中、戦後ドイツの復興を託してキーゼル大尉を脱出させたブラント大佐は、自らMP40を携えて潰走する歩兵を押し留め、防戦の先頭に立つ。逃げ支度をしているシュトランスキーの前に現れたシュタイナーはトリービヒ少尉の死を伝えるが、シュトランスキーは意に介さず、逆に部下を置き去りにしたシュタイナーをなじる。シュタイナーは「あんたが俺の小隊だ」と告げ、シュトランスキーを撃つことなく銃を与え、混戦の中に二人で飛び出して行く。そこで格好をつけてみせるシュトランスキーだったが、MP40の弾倉再装填法が分からずにあわてふためく。その光景を見てシュタイナーは大笑いする。しかし、その笑い声も、シュタイナーの「Oh…shit」という言葉と共に途切れ、ベルトルト・ブレヒトの言葉を引用して物語は締められる。
「諸君、あの男の敗北を喜ぶな。世界は立ち上がり奴を阻止した。だが奴を生んだメス犬がまた発情している。」
戦場のリアルさは見事で、爆音、マシンガンの音などすさまじい音の饗宴でした。全篇を通じ、灰色の画面が続き、戦争の不毛さを表しているようにも見えました。ジェームズ・コバーンの代表作の一本になる映画だと思います。
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