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佐藤多佳子『一瞬の風になれ 3-ドン-』

2007-02-18 16:36:33 | ノンジャンル
 昨日に引き続き、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」の最後となる3巻目です。
 春の合同練習で、三輪先生は鷲谷高校の顧問であり、自分の恩師でもある大塚先生に、総体の4継で鷲谷に勝つと宣言します。4継はアンダーハンドパスの練習を始め、一気に鷲谷に勝つ気運が高まります。1年生に鍵山という優秀なスプリンターが入ってきますが、入部草々肉離れを起こし、県大会までは4継を根岸が替わりに走る事になります。県記録会では4継は1位。3000で必死のラストスパートを見せ県総体にいけるぎりぎりの16位に入った谷口は泣きながら主人公の新二を見つめ、新二は彼女をスタジャンで覆ってやります。周囲は「相手の気持ちに気付いてないのは、当人たちだけか」とあきれ顔。新二は100でも10秒台を出し、完全に自信をつけます。
 朝練で根岸が熱心にカーブ練習をするのを見て感激した4継のメンバーは、自分たちもその練習に参加し、迎えた県総体。4継では鷲谷に僅差の2位。南関東では順位を気にせず、最高のレースをしようと誓います。そして200で新二は初めて連に先着します。
 そして南関東選抜。鍵山の傷が治り、4継の1走に。予選では緊張してしまい、バトンパスのリズムがばらばらになりながらも、何とかタイムに救われて決勝進出。100は新二が連と勝負を誓い、結果は連の勝ちでしたが、新二も鷲谷のエース仙波と同着の2位。そして4継決勝。夢のようにスムーズにバトンパスが決まり、アンカー勝負で新二が仙波を抑えて優勝! 小説は全国大会を残して、ここでフィナーレを迎えます。
 いや~、素晴らしい小説でした。読んでいてこんなにドキドキし、感動し、笑った小説も珍しいと思います。詳しいあらすじは、一巻を書き直し、二、三巻は新たに書き足して、「Favorite Novels」の「佐藤多佳子」のコーナーに掲載しておきました。できるだけ小説の味を失わないように書きましたので、どうぞお読みください。まだ小説を読んでいない方が、これを読んで、小説を読みたくなれば、存外の喜びです。

佐藤多佳子『一瞬の風になれ 第二部-ヨーイー』

2007-02-17 16:58:38 | ノンジャンル
 「第一部-イチニツイテー」に続いて、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ 第二部-ヨーイ-」を読みました。
 Jリーグに入るほどサッカーが天才的にうまかった兄の影響でサッカーをやるも、足が速いだけでテクニックが身に付かず、高校から陸上に転部する主人公・神谷新二は陸上では無名の高校に入ります。そこには、新二の友人で、中学から注目されていたスプリンターながら数あるスポーツ推薦を蹴って入学して来た連、真剣に陸上に取り組むもニヤニヤ笑いが似合う根岸、生徒から「みっちゃん」と呼ばれる、ひょうひょうとし、情け深いが、優れた陸上指導者の三輪先生ら、個性あふれる面々が待っていました。第一部では、陸上を本格的に始めたばかりの新二は、連や強豪校の仙波、高梨に全く手が届きませんが、第二部では、新二も2年生になり、実力をつけ、彼らの姿がライバルとして見えてきます。
 一部と同じく、いじめなどのない、さわやかな良い意味での体育会系のノリで、同僚への気づかい、叱責、陸上への熱い思い、走ることの快感、ほのかな恋心など、青春まっしぐらの彼らの姿が見事に描かれて行きます。ただ、ケガの話が何度か出てきて、スポーツ選手にとってケガがいかに恐いものなのか、が描かれたりもします。
 第三部では、いよいよ主人公は3年になり、最後の年。三輪先生は、仙波や高梨を擁する鷲谷高に4継(100m×4の400mリレー)で勝つ気になっていますが、果たしてどうなるのでしょうか? 今から読むのが楽しみです。

ヴィム・ヴェンダース監督『アメリカ、家族のいる風景』

2007-02-16 16:30:51 | ノンジャンル
 昨日スカパーの275チャンネルで深夜の0~2時に放送された「みうらじゅん&安斉肇のなまはげ兄弟」で、「正しい『セックス敬語』」という新コーナーをやってました。セックス中に敬語で話そうという馬鹿な話で、結構笑えました。多分さ来週はこのコーナー終ってるでしょうけど‥‥。

 さて、先日W0W0Wで放映されたヴィム・ヴェンダース監督の'05年作品「アメリカ、家族のいる風景」を見ました。
 映画俳優のハワード(サム・シェパード)は、砂漠のまん中で行われている映画のロケから馬に乗って抜け出し、30年ぶりに母に会いに行きます。母(エヴァ=マリー・セイント)はびっくりすると共に歓迎し、彼は母のスクラップブックを開きますが、そこには、アル中、女たらし、ヤク中毒、逮捕と、彼の今までの過去を示す記事がスクラップされていました。やがて、映画のプロデューサーの使いが彼を捜しにやってきます。彼は逃れて、今度は自分の子供に会いに行きます。子供の母(ジェシカ・ラング)とはすぐに会え、笑顔で話しができますが、クラブで歌う息子は彼のことを父親とは認めません。遠くからじっとハワードの事を見ていた少女は、自分もあなたの子で母はこの壷の中にいる、と骨つぼを差し出します。最後には息子とも和解し、ハワードは街を去って行きます。
 母がエヴァ=マリー・セイントとは最後まで気付きませんでした。「北北西に進路を取れ」と「波止場」の彼女しか知りませんからね。それから映画監督役でジョージ・ケネディが出てました。これは、彼に違い無いと思いながら、まだ生きていたっけ?とちょっと弱気になりましたが、ラストのタイトルロールに彼の名前をはっきりと見ました。映画自体は可も無く、不可も無くといった感じでヴェンダースは東京でパチンコに夢中になってから、つまらなくなったというのが私見です。皆さんは、どうお感じでしょうか?

ナット・キング・コール&佐伯紅緒『エンドレス・ワールド』

2007-02-15 17:29:20 | ノンジャンル
 42年前の今日、歌手のナット・キング・コールが亡くなっています。非常に若く亡くなっているのですが、当時の黒人ミュージシャンの間で蔓延していた麻薬のせいです。非常に家庭を大切にする人で、娘のナタリー・コールも父親へのトリビュート曲を歌っていますよね。今日は彼を偲んで、往年の彼の歌声をCDで聞いてみたいと思います。

 さて、朝日新聞の特集記事「2006年 この一冊」の中で、八重洲ブックセンター汐留メディアタワー店の店員さんがエンターテイメント系として推薦している佐伯紅緒さんの「エンドレス・ワールド」を読みました。全部で21の章からなり、それぞれに単語の題がついています。
 同時多発テロの発生から始まり、派遣社員として大手の電話会社の本社で働くようになった主人公は2人の仲間とともに、社員の情報漏えい、ワイロの授受の事実をつかみ、決定的証拠を手に入れ、会社の中で危ない位置にいた自分たちの上司を助け、会社から膿をすべて出すことに成功します。
 完全な勧善懲悪の物語で、悪役はいかにも憎たらしく描かれ、主人公たちはいかにも堂々としていて、推薦されてる店員さんがいうように、すべての働く女性が読んで胸のすく思いをするかもしれません。
 しかし、敢えてケチをつけると、話ができすぎなんですよね。ピンチになると必ず助けが来るし、最後には主人公は株で儲けて大金持ちにまでなってしまいます。私はこれを読んで、そのあまりの絵空事ぶりにかえって落ち込む女性もいるんじゃないか、と思います。こんなに希望の持てる職場なんてありえないって。舞台が大手電話会社になってますが、以前日本一の電話会社と取り引きのある女性からそこのひどい内状を聞かされた事があります。それ以来、私はその会社が大嫌いになり、電話関係は専らauを愛用しています。実際もこの小説みたいにいけば、いいですね。

今年のグラミー賞授賞式

2007-02-14 16:19:19 | ノンジャンル
 おととい、WOWOWでグラミー賞の授賞式を生で放送していました。4時間30分の長丁場なので、毎年、録画しておいて、飛ばし飛ばし見るのですが、今年は飛ばす部分がはっきりしていて早く見られました。
 なぜなら、ゲストが木村拓也だったからです。湯川れい子さんや、今は亡きスキンヘッドの福田さんがゲストなら、コメントやいろんな情報を聞きたくなりますが、キムタクから洋楽に関して意義あることが聞けるとはとても思わないので、日本のスタジオからの放送は何の心配もなく、飛ばしてみられました。現場からの中継を見てのキムタクの第一声が「すげ~ですね」ですからね。WOWOWさん、もう少し呼ぶゲスト考えて下さい。
 さて授賞式の方ですが、知ってるアーティストなど皆無。授賞式の合間に演奏される様々なアーティストのパフォーマンスもどうってことなく、平凡な授賞式でした。ノラ・ジョーンズがデビューした年のグラミー賞は、彼女のパフォーマンスが終ると、スタジオが「今年は彼女が全部持って行くでしょう」と言い、事実その通りになったほど、彼女のパフォーマンスはずぬけていましたが、今年はそういうタレントはいませんでした。
 ただ、面白いと思ったのは、アフリカ音楽とラップが融合し始めてるということと、ノミネートされた主要5部門をすべて受賞したカントリーの3人グループが、'03年のライブでブッシュの悪口を言い、ラジオ曲は彼女たちの曲を放送禁止にし、CDの不買運動も起こしていたということです。政治的にどれだけ弾圧を受けていても、きちんといい曲に賞を与えるというグラミー賞の姿勢にアメリカの民主主義の底力を見た思いでした。