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増村保造監督『妻二人』その1

2021-08-04 06:34:00 | ノンジャンル
 増村保造監督の1967年作品『妻二人』をDVDで観ました。

 サイト「映画ウォッチ」のあらすじに加筆修正させていただくと、

 婦人雑誌を出版する会社の事業部副部長である健三(高橋幸治)は、ある夜、乗ったタクシーが故障し、別のタクシーを拾うように言われる。疲れた体を休めようと入ったバーで健三は順子(岡田茉莉子)と再会する。
 大阪から最近出てきてこのバーで働き始めたと言うが、風邪で体がフラフラの彼女を家に送っていく。そこは今の恋人・小林の友だちのアパートだという、汚い部屋だった。健三は順子の首の包帯の下の首を絞められた跡のあざを見て、順子が小林に暴力を振るわれていることを知る。健三は、ちょうど酔っぱらってやってきて順子の名を叫んでいた小林を叩きのめして帰っていく。
 健三はかつて作家志望だった。会社勤めの順子は彼の才能を信じて彼の生活を支えていた。健三はそんな順子に母親の形見の指輪をあげた。作家として芽が出ない健三のために、順子は父親の幼なじみだったという縁のある、主婦と生活社社長・永井昇平に健三の小説を送る。
 小説は不採用だったが、永井の娘で社長秘書を務める道子(若尾文子)の意見により健三は編集者として雇われる。健三は道子と親しくなる。「好きな人はいるの」と道子にきかれて「いません」と答える健三。彼は順子に自分と別れた方がいいと言う。順子は「社長の娘さんと結婚したいのね。私を愛していないのね」と言って大阪に去って行き、健三は道子と結婚して、それから数年が経っていた。
 健三は会社員として業績をあげ、道子は結婚後も会社に残り、今は事業部部長として、経営拡大に走る父親と対照的に、清潔で社会問題に目を向ける社風を維持しようとしていた。
 翌日健三は再び順子の部屋を訪れる。小林もまた売れない小説家だった。順子は、小林の書いた小説の原稿を健三に託す。小林には才能があると言いつつも、順子は小林が健三の身代わりであることを認める。
 小林が会社に健三を訪れる。レストランで二人が話しているところに道子の妹で、奔放なせいで姉とそりが合わない利恵(江波杏子)が現れ、健三は小林を友人として紹介する。その後利恵と小林は急速に接近し、利恵は小林と結婚すると言い出す。
 道子は直感的に小林のうさん臭さに気づく。小林に利恵と別れるように迫るが、小林は順子の存在、道子が会社の事業として推進する障害児救済基金の会計係井上が基金を横領していること、さらに井上の妻が永井社長の愛人であること等をぶちまけて、その日の夜もう一度会って話をつけようと道子に言う。
 小林は順子から指輪と護身用の拳銃をもぎとって部屋から追い出す。順子は深夜公衆電話から健三に電話してからアパートを訪れ、お金を頼む。一晩安宿に泊まって母親の実家のある仙台に行くと言う。だが、健三が順子を抱き寄せるところを、たまたま目を覚ました住み込みの女中が見ていた。
 そのころ、出張で大阪にいると健三が思っていた道子は、順子が住んでいたアパートに行く。手切れ金として100万円の小切手をもっていくが、小林はあくまでも利恵と結婚すると言い張る。そればかりか道子を押し倒して犯そうとする。道子は小林の上着のポケットに入っていた拳銃を取り出し、小林を撃つ。
 翌朝、健三は永井社長からの電話で起こされる。小林の死体が発見されたのだ。その夜は利恵が、既成事実を作って小林との結婚を許可させようと考えて小林のアパートに泊まっていた。利恵に嫌疑がかかるのを恐れた永井は利恵が犯行時間に健三といっしょにいたことにするように健三に指示する。
 警察は犯行現場に残されていた指輪と拳銃の所有者である順子を容疑者として仙台で逮捕した。順子と健三の過去も警察は調べ上げていた。警察で健三と順子はあたかも2年ぶりに会ったかのように対面する。
 道子は差し入れをもって順子に面会しに行く。健三のことを愛しているのかと問う道子に順子は「一生一度の恋でした」と言う。

(明日へ続きます……)

増村保造監督『赤い天使』

2021-08-03 05:53:00 | ノンジャンル
 増村保造監督の1966年作品『赤い天使』をDVDで観ました。

 以下、サイト「映画ウォッチ」のあらすじに加筆修正させていただくと、

「昭和十四年、陸軍の看護婦である西さくら(若尾文子)は三年間の東京勤務の後、新任の看護婦の一人として天津の陸軍病院に赴任した。さくらは内科病棟の担当になる。婦長は、内科病棟の看護婦は偽病人を見つけなければならないとさくらたちに指示する。数日後、夜の巡回中、さくらは複数の患者に体を抑えられて犯されてしまう。さくらは婦長に報告し、首謀者の坂元一等兵は全快してはいなかったが、犠牲になった看護婦はこれが三人目ということで、前線復帰を余儀なくされる。
 二カ月後、さくらは分院に派遣される。岡部軍医少尉(芦田伸介)はトラックで次々と運ばれてくる兵士たちを、助からない者、弾丸を抜く者、足を切断する者等とてきぱきと仕分け、次々と手術をしていく。切断された手足がバケツにいっぱいになっていく。一人の兵士について、脈はしっかりしているが出血が多いので助からないと岡部が判断する。その兵士はあの坂元だった。さくらに許しを請い、命を助けてほしいと願う坂元に輸血することを岡部に頼む。一般兵士には輸血しないのが原則だったが、さくらが彼の部屋に夜来るなら、という条件で岡部は輸血を認める。しかし、輸血もむなしく坂元は死ぬ。さくらは自分がレイプを報告したせいで坂元を殺してしまったと悔やむ。
 三日三晩働き続けた後、さくらは岡部の部屋に行く。軍医として招集される前は大病院の外科医だったという岡部は、患者を助けるのではなく、兵士を死なせるものと不具にするものとに選別するのが仕事である分院の現実に精神を消耗させられていた。さくらにモルヒネを注射してもらい、同じベッドで寝る。目覚めた時にさくらは裸になっていたが、岡部は彼女に何もしてはいないと言う。
 天津に戻ったさくらは外科病棟の担当になる。そこには両腕を切断した折原という兵士(川津祐介)がいた。折原の体を拭こうとするさくらに、折原は特別に夜にしてくれるように頼んだ。夜、体を拭きに病室に行ったさくらは折原に自慰を助けることをお願いされる。折原はもう彼の妻には会えないと考えていた。国民の戦意を落とさないために、体に障害ができて戦えなくなった兵士でも陸軍は日本に返したがらないようなのだ。さくらは婦長の許しを得て折原を外出させる。さくらはホテルの一室を借り、折原を風呂に入れて体を洗ってやり、全裸になってベッドでいっしょに休む。しかし、その後、折原は病院の屋上から投身自殺をしてしまう。さくらは人を殺したのは二人目だと考える。
 再びさくらは分院に派遣される。再び地獄のような生活。今度はさくらも弾丸を抜く仕事を任される。さくらは岡部を愛するようになっていた。岡部はまた、眠るまでいっしょにいてくれるようにさくらに頼むが、いっしょに寝ても何もしないと言う。彼はモルヒネのために性的不能になっていたのだった。
 岡部は衛生兵三名、看護婦二名からなる看護班を率いて前線に行くことになる。岡部はさくらを連れて行きたくなかったが、さくらは無理に頼み込んで看護班の一員となる。看護班は敵の中で孤立する営林鎮集落に行くことになる。集落に到着するや否や、慰安婦の一人がコレラを発症していることがわかる。患者を隔離するが次々と発症者が出て戦闘可能な兵士は半減する。折悪しく無線機も故障していて本隊に連絡することもできない。敵の総攻撃を待つばかりとなる。
 夜、さくらは岡部の部屋に呼ばれる。岡部はまたモルヒネの注射を頼む。しかし、彼の不能を直したいさくらは注射をすることを拒否する。禁断症状を起こして暴れる岡部をさくらは必死になって押える。岡部の禁断症状がおさまった時、彼の男性としての能力が蘇った。外ではコレラを発症した少尉に代わって指揮を執る曹長が敵の攻撃が始まるのを待っていた。岡部は女の兵隊もかわいいと言ってさくらに自分の軍服を着せてみて楽しみ、二人は最後のぶどう酒を飲む。戦闘が始まる。曹長が戦死し、岡部が指揮を執る。さくらも銃を取った。
 夜が明けて、さくらは目覚める。彼女だけが生き残っていた。本隊から味方の兵士たちが来たが、コレラが発生していたので軍医と衛生兵をよこすようにさくらは指示し兵士たちは引き返す。さくらは死んだ兵士や看護婦が皆、身ぐるみを剥がれているのを見る。そしてついに岡部の亡骸を見つける。その体には夜に彼女がつけたキスマークがあるのだった。」

 リアルで強烈な戦争映画でした。

増村保造監督『刺青』

2021-08-02 06:17:00 | ノンジャンル
 増村保造監督、谷崎潤一郎原作、新藤兼人脚本、宮川一夫撮影、鏑木創音楽の1966年作品『刺青』をDVDで観ました。

 以下、サイト「映画ウォッチ」のあらすじに加筆修正させていただくと、

「今日は親類の不幸で両親が出かけ、他の店の者は早く眠らせた。質屋の娘・お艶(若尾文子)は、手代の新助(長谷川明男)と駈け落ちする。お艶の結婚相手は決まっていて駆け落ちするより他に二人が添い遂げる方法はない。
 迷っている新助は、雪の舞う橋の上で帰りましょうと言うがお艶は承知せず、船頭・権次(須賀不二男)の営む船宿へ行く。権次はお艶と新助には、お艶の両親と話をつけてあげると言いながら、お艶の両親にはお艶と新助を捜すと言って小金をもうけていた。
 何日もお艶と新助はろくに食べ物も取らず、愛欲の日々を送る。そんな時に船宿の奥の賭場の博打を見物するお艶の美貌に徳兵衛(内田朝雄)という男が目をつける。そして徳兵衛の下で働いている刺青師清吉(山本学)は、彼女の着物の下からのぞいている素足の肌の美しさに心を惹かれる。
 新助が不在の時に、権次がお艶を犯そうとする事件があり、権次の女房・お滝(藤原礼子)は腹を立てる。そこで、徳兵衛にお艶を売り飛ばし、新助は殺してしまえと定まる。土砂降りの晩、外で権次の手下の三太と酒を飲んで酔っ払った新助。帰りに三太は新助を刺し殺そうとするが、逆に三太の方が殺されてしまう。
 その間に、お艶は縛られて徳兵衛の家の蔵の中に閉じこめられる。清吉がお艶に眠り薬をかがせ、夢見てきた最高の肌の背中一面に、男を食い物にする女郎蜘蛛の刺青をほどこした。目覚めたお艶に清吉は鏡を二つ使ってその刺青を見せる。
 海の側の小屋である実家に行った新助は両親に最後の別れをする。一目お艶に会ったら自首するつもりだった。二カ月間捜して見つけたお艶は、今は芸者染吉と名を改めていた。美貌で芸事もできる彼女は次々と男を食い物にして金を儲け、徳兵衛への借金も既に返し、自分の家をもって奉公の少女を置いて暮らしていた。
 ある日、権次のお座敷に行く。お艶のためにお滝を追い出すつもりだと言う権次に、お艶はいっそ殺しなさいとそそのかす。新助に再会したお艶は自首も自死も許さない。自首したら実家に戻ってくれとも新助は言うが、それも断る。芸者になったけれども、男はお前しか知らないというお艶。再び愛欲の生活が始まる。
 お艶が新助を連れて権次の船宿に行くと、権次はお滝を殺したところだった。新助はお艶が仕向けるままに権次を殺してしまう。その顛末を隠れて見ていたのは清吉だった。清吉は自分の彫った女郎蜘蛛に恐れをなし、徳兵衛にもう刺青師はやめると話す。
 自首したら死刑になるのだから、今後も私のそばにずっといてくれ、と新助を説得するお艶。
 徳兵衛がお艶を呼び出す。お艶が惚れたと見せかけた男の前に徳兵衛が現れ、男から金をゆするということを繰り返して二人は大もうけしていた。
 今度の徳兵衛のターゲットは八百石の旗本・芹沢(佐藤慶)だった。お艶が芹沢の領地の屋敷に行き、そこへ徳兵衛が現れる手はずになるが、お艶は新助にも芹沢の屋敷の裏口に行くように言う。だが、徳兵衛が現れて二百両を要求した時、彼らの魂胆を知った芹沢は手討ちにすると言って徳兵衛を斬りつける。
 お艶は傷を負った徳兵衛を連れて逃げるが、途中で、剃刀で徳兵衛を殺そうとする。徳兵衛が反撃すると新助が現れ、太い木の枝で徳兵衛を何度も打って殺してしまう。「人を殺す癖がついてしまった。生きているのが嫌になった」と語る新助。そしてこの顛末もまた、木陰から清吉が目撃していた。
 江戸に戻ったお艶に昼間からお座敷がかかる。客はよりによって芹沢だった。お艶をどうしても自分のものにしたい芹沢は二百両を用意していた。徳兵衛が殺されたことを知らないからとはいえ、いっそ俺の寝首をかいてみろと言う豪胆な芹沢が気に入り、お艶は彼に体をまかせる。
 お艶が朝帰りする。奉公の少女に親孝行をしろと休暇を出した新助。二人で上方に行ってやり直そうと言う新助のことばに耳を貸さないお艶は、芹沢だけでなく他の男たちとも関係をもって肥しにしてきたことを告白する。
 お艶を殺して自分も死のうと新助はお艶に刃を向ける。しかし、雷鳴が鳴り響く中、自分を殺してもいいわと言って新助を油断させたお艶が、逆に新助を刺し殺してしまう。私じゃなく女郎蜘蛛がやってんだよと弁解するお艶。
 そこに現れた清吉にお艶は、百両で死体を処分してくれと言う。清吉は女郎蜘蛛の刺青を見せてくれと条件を出す。お艶がはだけた背中の女郎蜘蛛を見つめた後、清吉は女郎蜘蛛に刃を突き刺す。
 清吉はわが身にも刃を突き立て、新助、お艶、清吉の死体が折り重なるのだった。」

 赤を中心とした鮮やかな色彩、コントラストのきいた黒、若尾文子さんの悪党ぶりなど、見所満載の映画でした。

増村保造監督『兵隊やくざ』

2021-08-01 06:42:00 | ノンジャンル
 増村保造監督の1965年作品『兵隊やくざ』をDVDで観ました。

 サイト「映画ウォッチ」のあらすじに加筆修正させていただくと、

「太平洋戦争真っただ中の1943年の満州国。ソ連との国境に近い孫呉の関東軍兵舎に、やくざの用心棒だった大宮貴三郎(勝新太郎)という男が他の新兵と共に入隊してきました。中沢准尉(内田朝雄)はこの危険分子の指導係として、名門生まれのインテリ上等兵・有田(田村高廣)を指名します。早速大宮は、新兵に難癖つけては殴っていた先輩砲兵と乱闘を演じます。中でも、元々拳闘の選手だった黒金伍長(北城寿太郎)からのしごきは凄まじく、キレた大宮は反撃して大乱闘となります。そこに駆け付けた有田が1年後輩の黒金に厳重注意すると形勢は逆転、大宮は黒金を気が済むまで殴り続けます。
 この出来事をきっかけに、大宮と有田との間に奇妙な友情が芽生え始めます。しかし、軍曹に昇進した黒金はその立場を利用して、師団演習の際に有田に制裁を加え、駆け付けた大宮を集団で襲撃、これが歩兵隊と砲兵隊の大乱闘にまで発展してしまいました。大宮は外出禁止令を言い渡されましたが、大宮は密かに兵舎を抜け出し、将校専用の芸者屋で音丸(淡路恵子)と遊んでいました。大宮は日本本土には仕事のあてはなく、給料をもらえる軍隊の方がいいと語ります。
 准尉から大宮の制裁を命じられた有田はこれまで人を殴ったことは一度もなく、仕方なしに竹刀で一回だけ叩いた程度で終わらせますが、大宮は自らレンガで自傷し、制裁を受けたと准尉に報告します。
 やがて戦局が悪化するなか、ある日脱走した新兵が自殺する事件が発生、大宮は新兵にリンチを加えた炊事班に乗り込み、石神軍曹(早川雄三)が砂糖などの物資の横流しをしていた事実を知ります。大宮は石神と大乱闘になり殴り倒します。
 やがて部隊に大宮の浪曲の師匠(山茶花究)を擁する慰問団が訪れます。大宮は師匠から、親分の死と、自分の身代わりに服役している男の家族が貧窮していることを知り、師匠に男の家族に渡してほしいと金を差し出します。
 ある日、部隊から一個大隊を選抜して南方に送ることが決定、その中に大宮も含まれていました。しかし大宮は南方行きを拒み、無断外出して音丸の元で遊んでいたところ、駆け付けた有田と喧嘩になり、懲罰を受け営倉入りします。この間に部隊は南へ送られていきました。やがて7日間の懲罰期間が過ぎると、今度は全部隊に動員令が下されました。バカな将校の下では死にたくないという有田を助けようと、大宮は脱走の計画を立てます。そして出陣の日、部隊は列車に乗って出発しますが、機関車に乗り込んだ大宮と有田は機関士を脅して連結器を外させ、部隊を乗せた客車と切り離します。そして大宮と有田は機関車に乗って遥かかなたへ向かっていくのでした。」

 勝新太郎と田村高廣の結びつきに好意を持つとともに、音丸の人生をはかなむ姿も印象的でした。