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大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

「オブザーバー」として出席したパレスチナの代表は「パレスチナ人の死に世界は慣れてはならない」と強調。ガザでの停戦は「全てを解決するわけではないが、解決するための第一歩だ」と訴えました。

2024-11-22 | 市民のくらしのなかで

ガザ停戦案 米拒否権

国連安保理 人道状況悪化のなか否決

「集団殺害の許可」と非難

行使5回目

 【ワシントン=洞口昇幸】米ニューヨークの国連本部で20日、国連安全保障理事会は、イスラエルが軍事侵攻を続けるパレスチナ自治区ガザでの「即時かつ無条件の恒久的停戦」を求める決議案を採決しましたが、常任理事国の米国が拒否権を行使し、否決されました。日本など残りの14理事国は賛成しました。


 ガザの人道状況が悪化の一途をたどるなか、非常任理事国10カ国が決議案を共同で提案。ガザ住民のための支援物資搬入の増強や国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動継続を要請。イスラム組織ハマスに拘束されている人質全員の即時かつ無条件の解放も求めていました。昨年10月以降のガザでの戦闘に関する決議案に、米国が拒否権を使うのは5回目です。

 決議案が否決されたことについて、非常任理事国のアルジェリアの代表は、イスラエルに対する「ジェノサイド(集団殺害)を続けてもいいとするメッセージ」だと述べ、米国を非難。韓国やマルタなど各国代表から遺憾の意の表明が相次ぎました。

 「オブザーバー」として出席したパレスチナの代表は「パレスチナ人の死に世界は慣れてはならない」と強調。ガザでの停戦は「全てを解決するわけではないが、解決するための第一歩だ」と訴えました。

 米国のウッド代理大使は、「恒久的停戦は、無条件ではなく人質解放を伴わなければならない」と主張し、拒否権行使を正当化しました。

 常任理事国5カ国のうち、拒否権を行使したのは米国のみで英仏中ロは賛成。米メディアによると、イスラエル側は採決前に、可決すれば「裏切り」だとけん制していました。

 英国の代表は、ガザでの人道危機緩和のために「イスラエルは緊急の行動を起こさなければならない」と述べました。

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トランプ氏は6日未明、主要メディアが当選確実を報じる前にフロリダ州で「私は米国民に第47代大統領という栄誉を与えられた」と演説していました。

2024-11-07 | 市民のくらしのなかで

2024年11月7日(木)

2024米大統領選

トランプ氏当確の報道

共和党が4年ぶり政権奪還

 【ワシントン=洞口昇幸】米大統領選は5日、投開票されました。米メディアは6日未明(日本時間同午後)の時点で、共和党候補のトランプ前大統領(78)が選挙人(538人)の過半数の277人を獲得したとし、一斉に同氏の当選確実を報じました。共和党が4年ぶりに政権を奪還しました。


 勝敗を左右する七つの激戦州のうち、トランプ氏は南部のノースカロライナ州、ジョージア州、東部ペンシルベニア州、中西部ウィスコンシン州で勝利を確実にしました。残る3州でも軒並み民主党候補のハリス副大統領(60)を上回っています。

 トランプ氏は6日未明、主要メディアが当選確実を報じる前にフロリダ州で「私は米国民に第47代大統領という栄誉を与えられた」と演説していました。

 一方、ハリス氏の獲得選挙人数は224人にとどまっています。ハリス陣営は、ハリス氏が6日に国民向けに演説すると発表しました。

 トランプ氏は選挙戦で、生活費の高騰などをめぐってバイデン政権を批判。自らが大統領時代に導入した富裕層・大企業減税の恒久化を公約する一方で、「4年前と比べて生活はよくなりましたか」と語って国民に寄り添う姿勢をアピールし、怒りや不満をすくい上げました。

 また移民の増加で治安が悪化し、本来米国民向けに使われるべき資金が奪われているなどと主張し、分断をあおることで支持を広げる戦略をとりました。

 再選失敗後に復権を果たした例としては、1884年と92年に当選したクリーブランド大統領以来2人目となります。

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委員会は、皇室が男系男子に皇位を継がせることを規定した皇室典範についても、「男系男子だけの皇位継承を認めることは、(国連の)条約目的と趣旨に反する」と指摘した。

2024-11-04 | 市民のくらしのなかで
 

国連女性差別撤廃委、

日本政府に「慰安婦問題は未解決…被害者の権利保障に努力を」

登録:2024-11-01 11:24 修正:2024-11-01 11:25
 
女性差別撤廃委、夫婦同姓規定の見直しなども勧告
 
 
日本軍「慰安婦」被害者メモリアルデーを迎え、ドイツ・ベルリンのミッテ区にある「平和の少女像」の前で開かれた集会に参加した市民たちが、少女像の前に花を置いている=ベルリン/チャン・イェジ記者//ハンギョレ新聞社

 国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は日本政府に対し、日本軍慰安婦被害者の賠償請求など権利保障の努力を強化し拡大しなければならないと再度指摘した。

委員会は日本政府に向けて「戦争犯罪と反人道的犯罪の公訴時効排除」、「被害者の立場での賠償」が必要だという点を繰り返し強調した。

 29日(現地時間)、ホームページに公開した「国連の女性差別撤廃条約に対する日本政府の定期履行報告」で「慰安婦の権利問題解決に関する当事国(日本)の努力を評価する」としつつも「被害・生存者の真実と正義、賠償に対する権利保障のための努力を持続し、拡大する必要がある」と明らかにした。

 続けて、日本政府に向けて以前行なった勧告に再度言及し「国連経済社会委員会(ECOSOC)が国際法に基づいて採択した『戦争犯罪と反人道的犯罪には公訴時効がない』という原則を受け入れなければならないという点を繰り返し想起する」と強調した。

 委員会は2016年3月、日本政府に対する「定期履行報告書」でも第2次世界大戦時の日本軍慰安婦被害者の救済策が不十分だとし、強く批判した経緯がある。

 当時委員会は「われわれの最終見解は、慰安婦問題は(韓日政府間の2015年12月28日合意にもかかわらず)まだ解決されていない問題だということ」だと指摘。また、「(日本政府の)指導者や当局者が責任を軽んじる発言で被害者に改めて心的苦痛を与えている」とし、「慰安婦問題を『最終的かつ不可逆的に解決される』とする合意の発表は被害者中心のアプローチを十分に取らなかった」とも指摘した。「最終的かつ不可逆的解決に合意した」という一年前の2015年の韓日慰安婦合意の不当さを指摘したのだ。

 今回も委員会は、前回の勧告から8年がたっても依然として問題が残っているという点を再び強調した。委員会は女性差別撤廃条約に対する主要国家の是正を一定期間ごとに審査して報告書を出すが、拘束力はない。

 また、「選択的夫婦別姓」の導入も勧告した。日本では結婚後、主に女性が夫の姓を名乗る「夫婦同姓」を根幹に維持してきているが、性差別だという議論と共に、女性が社会的に受ける被害を改善する要求の声が大きかった。委員会は2003年、2009年、2016年に続き今年も日本政府に夫婦別姓導入を強く勧告した。委員会は前回の審査で「日本で結婚後に配偶者の姓に従う制度は、職場生活だけでなく私生活でも多くの日本女性に悪い影響を及ぼしている」と批判した。一方、日本政府代表団は審査で「夫婦別姓は国民の意見が分かれる事案であり、日本社会全体で家族の存在方式に関する重要な問題であるため、幅広い国民の理解を得る必要がある」として明確な答を避けた。

 委員会は、皇室が男系男子に皇位を継がせることを規定した皇室典範についても、「男系男子だけの皇位継承を認めることは、(国連の)条約目的と趣旨に反する」と指摘した。委員会は「この問題について委員会が指摘するのは権限範囲を外れるという当事国(日本)の立場に留意する」としながらも「皇位継承で男女平等を保障するために他国の事例を参考にするよう」勧告した。先の審査で日本政府はこの問題に関して「皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項であり、女性差別撤廃条約の趣旨に照らし(委員会が)取り上げることは適切でない」という立場を明らかにしている。委員会はこの他にも最終見解に、日本政府が同性結婚を認めることなどを含めた。委員会の審査は国際法上拘束力はないが、女性差別撤廃という理念実現のために国際社会で尊重されている。

東京/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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田村氏は、「親世代の収入が減る中で学費値上げを繰り返し、払えなければ奨学金を借りればよい、この自民党政治に一貫して立ち向かったのは日本共産党だけだった」と党国会議員団の活動を紹介。

2024-10-21 | 市民のくらしのなかで

2024年10月21日(月)

若者の声を政治に 京都・青年トーク

“もっと勉強したいがバイト漬け”
“奨学金返済 月2万5千円 大変”

田村委員長「教育無償化へ連帯を」

 日本共産党の田村智子委員長は19日、遊説先で訪れた京都市内で、学生・若者と、学費、働く現場の状況、若者の政治参加などで懇談し、選挙で政治を変えようと思いを交流しました。


写真

(写真)若者と意見交流する田村委員長=19日、京都市内

 京都の大学に通う男性が、「週2、3回、アルバイトをしないといけないぎりぎりの生活。もっと勉強したいけどあきらめざるをえない。この状況をどうしたら変えていけるのか」と口火を切りました。

 高い学費は社会人になっても若者に負担をかけます。580万円、有利子の奨学金を払い続けてきた女性は「月2万5000円の返済。返せなかったらとのプレッシャーがすごい」「これからの学生は、借金背負って社会にでたらあかん。なくしたい」と話しました。

 「(自身の)過去の教育費を負担し、未来の子どもの教育費を用意しなければいけないのが今の現役世代ですね」と応じた田村氏は、「親世代の収入が減る中で学費値上げを繰り返し、払えなければ奨学金を借りればよい、この自民党政治に一貫して立ち向かったのは日本共産党だけだった」と党国会議員団の活動を紹介。

 また国会での追及や運動で給付制奨学金を実現し、いま教育無償化が選挙の争点になっているとして、「今は、攻めの時代」「学生の運動に連帯してがんばりたい」と語りました。

 最後に田村氏は、共産党への期待について質問。社会人の女性は、「(政治に)あきらめさせられ、投票に行っていない人たちに、共産党の政策が届いたらいいなと思う」、大学生の男性は「共産党は、希望を伝えながら正面から問題を追及し、おかしいと声をあげている。このことを真っすぐに伝えるのが、大事だと思う」と答えました。

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現在の政党状況と日本共産党――頑張りいかんで躍進のチャンスがある

2024-10-01 | 市民のくらしのなかで

2024年10月1日(火)

第3回中央委員会総会・総選挙勝利をめざす全国決起集会

田村委員長の幹部会報告

 日本共産党が30日開いた総選挙勝利をめざす全国決起集会・3中総で田村智子委員長が行った幹部会報告は次の通りです。


写真

(写真)報告する田村智子委員長=30日、党本部

 中央役員のみなさん、全国でオンラインで視聴されているみなさん、こんにちは。連日の奮闘に心からの敬意を表します。

 報告に先立ち、石川・能登豪雨災害で犠牲になった方々に心よりお悔やみを申し上げ、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。

 地震と豪雨の例を見ない大災害の連続によって、能登地方のみなさんは、物理的にも精神的にも大きなダメージを受けておられます。地震からの復旧の遅れが、豪雨被害を大きくしたとの指摘もあります。国の責任はきわめて重く、災害復旧を急いで進めるとともに、能登で暮らしていくことに希望が持てる支援策をただちに示すことが求められています。

 日本共産党は、被災地での支援活動に取り組むとともに、政府に対してその責任を果たすよう強く求めていきます。地震・豪雨災害からの復旧・復興へ、全力をあげる決意を表明するものです。

 それでは、幹部会を代表して報告を行います。

 自民党総裁選挙で石破茂新体制がつくられました。石破氏は、衆院選について「10月27日投開票」の方針を固めたとの動きになっています。疑惑隠し、争点隠し、あまりの党利党略は許しがたいといわなければなりませんが、わが党は、解散・総選挙を迎え撃ち、躍進のために全力をあげようではありませんか。これからの一日一日が、勝利をかちとれるかどうかに直結する、歴史的時期に私たちは立っています。この会議の目的は、すべての党員が、後援会員・JCPサポーター・支持者のみなさんとともに、総選挙必勝に総決起することにあります。

一、日本共産党躍進のチャンスの選挙――総選挙をたたかう基本姿勢

現在の政党状況と日本共産党――頑張りいかんで躍進のチャンスがある

 現在の政党状況とのかかわりで、今度の総選挙は、次の三つの点で、これからの頑張りいかんでは、日本共産党の躍進のチャンスの選挙であることをしっかりつかんで奮闘することをよびかけるものです。

 第一は、自民党政治の行き詰まりがきわめて深刻だということです。岸田首相の政権投げ出しは、裏金問題への無反省、国民の生活苦への無為無策、憲法を破壊する大軍拡など、自民党政治に対して国民の批判が噴出し、追い詰められた結果でした。

 ところが、新総裁となった石破氏は、この行き詰まりをどう打開するのかを、何一つ示すことができません。裏金問題、統一協会との癒着への再調査を拒否し、真相解明に背を向ける姿勢をあらわにしています。経済では、岸田政権の経済政策を継承する立場を示しましたが、これは経済無策を引き継ぐことを宣言したのと同じです。安全保障では、「アジア版NATO」、「核共有」を掲げ、軍事同盟強化と大軍拡、憲法9条改憲で、これまでの政権を上回る軍事突出の危険な方針を公言しています。政権の表紙を替えても、国民の信頼回復も、切実な暮らしの要求、平和への願いにもこたえることはできず、国民との矛盾は広がらざるをえません。

 第二は、自民党政治の補完勢力の凋落(ちょうらく)です。維新の会、国民民主党などの補完勢力は、日米軍事同盟強化、大軍拡、改憲の旗を振り、原発再稼働・新増設でも、自民党政治を促進する役割を果たしてきました。前回の総選挙では、その役割を「改革」の名でごまかし、自民党批判の声の一部を、維新の会が吸収し、自公政権の延命に手を貸す結果となりましたが、いまやごまかしはすっかりはがれ落ちたのではないでしょうか。

 第三は、こうした政党状況のもとで、財界・大企業の利益最優先、アメリカいいなり・日米軍事同盟絶対という、自民党政治の二つのゆがみを大本から変える大改革をすすめる日本共産党の先駆的立場が際立っているということです。自公政権とその補完勢力に対して、正面から対決し、全国津々浦々で草の根の運動に取り組んでいる政党は、日本共産党をおいてほかにはありません。日本共産党がいま議席をのばさなくて、どうするか――これが今日の日本の政治情勢です。

総選挙をたたかう基本姿勢――「比例を軸に」を貫き、党づくりでも必ず前進を

 歴史的なチャンスを、現実の日本共産党躍進に実らせるために、次の基本的姿勢を貫くことをよびかけます。

 第一は、「比例を軸に」を貫くことです。「650万票、10%以上」の獲得、すべての比例ブロックでの議席獲得と議席増をめざしましょう。小選挙区では、沖縄1区の「オール沖縄」の「宝の議席」を必ず守り抜こうではありませんか。現時点で209人を擁立している小選挙区のすべてで、その勝利をめざすとともに、比例代表での躍進を、小選挙区のたたかいでも中軸にすえ、党の総力をあげて奮闘しましょう。

 第二は、この総選挙を、国民とともにたたかう選挙にし、党づくりでも必ず前進をかちとることです。総選挙で、私たちは、最も広く国民への働きかけを行うことになります。この選挙を広い国民とともにたたかう選挙にすることと一体に、党勢拡大の独自の追求をはかるならば、選挙戦のなかでこそ党を強く大きくすることができます。党大会で決めた党勢拡大の目標を、選挙戦のなかでも握って離さず、選挙で勝つことと、強く大きな党をつくることを、一体的に推進するかつてないたたかいに挑戦しようではありませんか。

二、日本共産党の躍進の国民的意義――要求から出発し、自分の言葉で語りぬこう

 総選挙で日本共産党が躍進することは、国民にとってどういう意味を持つのか。国民の切実な願いから出発し、日本共産党躍進の国民的意義を、自分の言葉で語りぬいていくことが大切になります。そのポイントを述べます。

腐敗政治を一掃して、政治に信頼を取り戻す

 第一に、日本共産党の躍進は、腐敗政治を一掃し、政治に信頼を取り戻す、もっとも確かな力になるということです。

 石破新体制の自民党は、裏金問題にも統一協会との癒着にもフタをし、腐敗政治の大本にある企業・団体献金にしがみついています。この党には腐敗政治の「改革」を1ミリも期待できないことはすでに明らかです。

 この問題での日本共産党の役割を二つの点で訴えていきましょう。

 一つは、裏金問題を暴露し、国会内外で追及し、自民党を窮地に追い詰めたのは、日本共産党と「しんぶん赤旗」だということです。日本ジャーナリスト会議は、今年のJCJ大賞に「赤旗」日曜版の裏金スクープを選び、その受賞理由に、「しんぶん赤旗」が、「公開されている膨大な政治資金報告書から、一つ一つを地道に積み上げ、検察の捜査までつなげ、それが大政治犯罪であることを明らかにした」ということをあげました。自民党の「大政治犯罪」を明らかにした党と「しんぶん赤旗」の役割に誇りをもって、この党をのばしてこそ腐敗政治の根を断てると大いに国民に訴えていこうではありませんか。

 いま一つは、日本共産党が、腐敗政治の大本にある企業・団体献金の禁止を一貫して主張し、自らも実践してきた党だということです。30年前、金権腐敗事件が相次ぐなかで「政治改革」が叫ばれましたが、この時、他党が問題を小選挙区制導入にすりかえ、企業・団体献金を温存するなかで、その全面禁止を主張したのは日本共産党だけでした。しかし、党がこの主張を一貫して掲げ、法案を提出し続けるなかで、いまや企業・団体献金の禁止は国民多数の世論となり、他の野党にも広がり、反対は自民党だけとなっています。この問題でもここまで追い詰めたのは日本共産党です。

 日本共産党の躍進こそ、腐敗政治の根を断ち、金で動く汚い政治をただす確かな力だと訴えぬいていこうではありませんか。

大企業・大金持ち優遇から、暮らし優先へと政治を変える

 第二に、日本共産党の躍進は、大企業・大金持ち優遇から、暮らし優先へと政治を変える最良の保障です。

 日本社会の貧富の格差拡大は、きわめて深刻です。一方で、物価高騰に賃金と年金が追いつかず、政府の調査でも「生活が苦しい」と訴える国民は6割にも及んでいます。他方で、大企業と大資産家には、空前の富が蓄積しています。これは、「異次元の金融緩和」、労働法制の規制緩和による非正規ワーカーの拡大、大企業・大金持ち減税と消費税増税を進めてきた、自民党政治による「人災」と言わなければなりません。

 大企業・大金持ち優遇を切り替え、暮らし優先で経済を立て直す、包括的な政策を明らかにしているのは、日本共産党だけです。総選挙では、「経済再生プラン」――(1)賃上げと労働時間の短縮……人間を大切にする働き方改革、(2)消費税減税、社会保障充実、教育費負担軽減……暮らしを支え、格差をただす税・財政改革、(3)気候危機打開、エネルギーと食料自給率向上……持続可能な経済社会への改革――を訴えの基本におき、国民の切実な願いを実現する希望を自由闊達(かったつ)に語っていきましょう。

 そのうえで、いくつかの新しい問題についてポイントを報告します。

賃上げと一体に労働時間の短縮を――国民の願いから出発して大いに語ろう

 日本共産党は、9月20日、「賃上げと一体に、労働時間の短縮を」を発表し、このなかで「自由時間拡大推進法」を提唱しました。「人間が大切にされる働き方改革」を大きくバージョンアップしたものとなります。総選挙で大いに語りぬくことをよびかけます。この新しい政策を語るうえで、次の点に留意してほしいと思います。

 一つは、「賃上げと一体に」ということをしっかり訴えるということです。この問題では、わが党は、大企業の内部留保の増加分に時限的課税を行い、中小企業への抜本的支援によって、最低賃金を時給1500円に引き上げる政策を訴えてきました。やはり「賃上げと一体に」ということを強調してこそ、労働時間短縮の訴えが生きてきます。これをぜひつかんでほしいと思います。

 いま一つ、労働時間の短縮そのものについては、国民の切実な願いから出発した訴えが大切になります。欧州と比較しても、日本の労働時間は年間約300時間も長く、「過労死」「メンタル疾患」などが、労働者の命と健康を脅かしています。「自由な時間が欲しい」という声は、長時間労働でヘトヘトにされている労働者にとっても、仕事と家事と育児で睡眠時間を削られている働く女性にとっても、まさに切実な要求として渦巻いています。「男は仕事、女は家事」というあり方をただし、ジェンダー平等を進めるうえでも、労働時間の短縮は不可欠となります。

 「自由時間拡大推進法」では、一つに、法定労働時間を「1日7時間、週35時間」に移行するために、国が、中小企業への支援、介護、教育、運輸、建設など人手不足の分野の対策をとること、二つに、「1日8時間労働」さえ崩されている現状をただちに改善するために、残業規制の強化、「サービス残業」など違法・脱法の長時間労働の根絶を求めています。

 「賃上げと一体に、労働時間の短縮を」という新しい訴えは、「人間にとって真に豊かな生活とは何なのか」を問いかけるものへと、わが党の政策を一段と豊かなものにする提案です。働く人が、人間らしい生活を営む「収入」とともに、余暇や趣味を楽しみ、豊かな教養を身につけ、家族との時間を楽しみ、さまざまな社会活動に取り組むための「自由な時間」を持つことができる社会こそ、本当に豊かな社会といえるのではないのか。そういう社会を日本共産党とともにつくろう。こういう訴えを大いに、自由闊達にのびのびと行っていこうではありませんか。

年金・介護・医療の緊急提言――社会の分断のりこえ、 高齢者の人権と尊厳を守る

 日本共産党は、9月26日、「年金削減、介護の危機、医療改悪をくいとめ、高齢者の人権と尊厳を守るための緊急提言」を発表しました。

 この「緊急提言」を発表したのは、物価高騰のもとでの年金の“目減り”、介護サービスが受けられない、命と健康を脅かす医療費負担増など、高齢者の暮らしを支える基盤の深刻な“崩壊”が起こっているもとで、高齢者の人権と尊厳を守ることが政治の重大な責任になっていることをふまえてのものです。

 「緊急提言」は、「物価高騰にふさわしい年金に引き上げる」、「介護基盤の崩壊を止めるために国庫負担割合を10%増やす」、「高齢者いじめの医療費負担増をやめさせ、負担を軽減する」ことを打ち出しています。

 わが党のこの提案は、政府や財界が、「高齢者優遇論」など「世代間対立」をあおる宣伝を繰り返しながら、社会保障の制度改悪を繰り返してきたこのことに対して、「年金・介護・医療の機能不全は若い世代にとっても大変な事態」だと訴え、社会の分断をのりこえ、社会的連帯の力で、高齢者をはじめ、すべての人々の人権と尊厳が大事にされる社会をめざす、日本共産党ならではの提案であり、大いに訴えていくことをよびかけたいと思います。

学費値上げを許さず、「学費ゼロ」をめざし、値下げに踏み出そう

 学費値上げが大問題になっているもとで、日本共産党は、10月2日、この問題での緊急アピールを発表する予定です。

 自民党政府は、大学予算を削りながら、「教育の質の確保」を理由に学費値上げを促進するという、恥ずべき議論を行っています。いま学生・若者たちが、値上げ反対の声をあげていることに連帯し、学費値上げ反対、「学費ゼロ」をめざしてただちに半額に踏み出すことを強く求めていこうではありませんか。

コメ不足・価格高騰――日本共産党をのばして国民の命の源を守ろう

 コメ不足と価格高騰が社会問題となっています。食料自給率の向上を投げ捨て、輸入自由化路線をひた走り、コメの減産を押し付け、農業を市場まかせにしてきた、自民党農政の責任はきわめて重大だと言わなければなりません。

 亡国の自民党農政と正面から対決し、食料自給率の向上、輸入自由化路線を止め食料主権を守る、価格保障・所得補償によって持続可能な農業をつくる日本共産党を伸ばしてこそ、国民の命の源を守ることができる、このことを訴えてたたかおうではありませんか。

日米軍事同盟絶対の「戦争国家」づくりを止め、外交の力で平和をつくる

 第三に、日本共産党の躍進は、日米軍事同盟絶対の「戦争国家」づくりを止め、憲法9条を生かした外交の力で平和をつくる一番の力だということです。

「日米同盟」の4文字で思考停止に陥る政治でいいのか

 この間、集団的自衛権行使容認、相手国の領土を攻撃する長射程ミサイルの配備、GDP比2%への大軍拡、武器輸出の解禁、日米の指揮・統制の一体化など、これまで憲法9条のもとで「できない」とされてきたことが、次々に強行されています。石破新体制のもとで、この暴走が加速する危険性があります。

 それらの唯一、最大の「理由」とされているのが「日米同盟の強化」です。「日米同盟」この4文字が唱えられると、思考停止に陥ってしまう政治が、日本の政界にまん延しています。唯一の戦争被爆国でありながら、核兵器禁止条約に背を向け、「核抑止」を強化する情けない姿勢の根本にも「日米同盟」絶対の政治があります。沖縄県民の民意を踏みつけにして辺野古新基地建設を強行し、ついに少女に対する性的暴行事件をはじめ米兵の性犯罪を隠ぺいするまで道義的にも堕落した根本にも、「日米同盟」絶対の政治があります。これでいいのかを正面から問う選挙にしていこうではありませんか。

 軍事同盟の強化は、軍事対軍事の悪循環を招き、世界を対立するブロックに引き裂きます。国民には、際限のない軍備の拡張と、戦争の危険と隣り合わせの日常を強いることになります。この道では決して平和はつくれません。日本共産党は、軍事同盟を“神聖不可侵”とみなし、その強化をはかることに、断固反対を貫きます。

 軍事同盟絶対で憲法を壊し、平和も暮らしも脅かす「戦争国家」づくりにストップの審判を日本共産党の躍進で、と訴えぬいていこうではありませんか。

アジアでもヨーロッパでも平和の連帯を広げる日本共産党をのばそう

 世界を大きく見るならば、軍事同盟にたよらずに、外交で平和をつくろうという動きがあります。日本共産党は、そうした未来ある動きと協力、連帯して、アジアと世界に平和をつくる活動に力をそそいできました。

 一つは、ASEAN(東南アジア諸国連合)との協力です。ASEANは、紛争の平和的解決を定めた条約を土台に、徹底した対話を積み重ね、かつて戦乱に覆われていたこの地域を平和の共同体に変えました。さらに平和の流れを域外に広げ、ASEAN10カ国に加え、日本、中国、アメリカを含む18カ国で構成される東アジアサミットを活用・発展させ、東アジアの全体をASEANのような戦争の心配のない平和な地域にしようという大構想を明らかにしています。4月17日、日本共産党は、ASEAN諸国との繰り返しの交流を踏まえて、ASEANと協力して東アジアの平和構築をすすめる「東アジア平和提言」を提唱し、国内外でこれを推進してきました。ブロック政治に反対し、包摂的な平和の枠組みを発展させることが、わが党の「提言」の核心となっています。

 ヨーロッパはどうでしょうか。ウクライナ侵略を契機に、この大陸でも、NATOの拡大・強化という大逆流が進んでいます。しかし、軍事同盟強化という大きな困難のもとで、これにキッパリ反対して奮闘している仲間も存在しています。8月末~9月、志位議長が欧州を歴訪し、欧州左翼党、ドイツ、ベルギー、フランス、イギリス、イタリア、スウェーデンなどの左翼・進歩諸党との会談・交流を行いました。「ユーラシア大陸の東と西で行われている軍事同盟強化に連帯して反対しよう」「核兵器禁止条約を共同で推進しよう」という、わが党の呼びかけに対して、どこでも固い一致が得られました。

 アジアでも、ヨーロッパでも、憲法9条を生かした平和外交を行い、平和の連帯を広げている政党が日本に他にあるでしょうか。日本共産党の躍進が、平和への希望を開くということを胸を張って訴えようではありませんか。

気候危機打開――試金石は石炭火力と原発への態度

 第四に、日本共産党の躍進は、気候危機から人類の生存を守り、日本国民の命と暮らしを守るうえでも、大きな力となります。

 気候危機の打開は、日本国民にとっても待ったなしの課題となっています。猛暑や豪雨災害が命を危険にさらし、農業や水産業にも大きな被害を与えています。

 この問題の試金石は、石炭火力と原発にどういう態度をとるかにあります。日本は、G7で、唯一、石炭火力からの撤退期限を明示しない国として批判をあびています。福島での大事故にもかかわらず、「クリーンエネルギー」などと称して原発回帰をすすめ、危険な老朽原発の稼働、原発の新増設まですすめようとしています。

 一方で、再生可能エネルギーは大きく立ち遅れ、電力の比率は24%です。イギリス45%。ドイツ54%。カナダ66%から大きく立ち遅れています。しかも、大手電力会社は、「電力供給が余る」として再エネ電力を抑制しています。石炭火力と原発に頼るために、再エネを「邪魔者」扱いするという逆行が起きていることは重大だと言わなければなりません。

 日本共産党は、「気候危機打開の2030戦略」で、2030年度までに省エネと再エネへのシステム転換で、二酸化炭素排出を50~60%削減(2010年度比)し、2050年度には実質ゼロという戦略を明らかにしています。「原発はすみやかにゼロ」、「石炭火力は30年までにゼロ」が、日本共産党の政策です。

 電力業界や財界からの企業・団体献金とは無縁で、利権政治に切り込んできた日本共産党の躍進こそ、石炭火力ゼロ、原発ゼロ、気候危機打開の政治に変える大きな力になる。このことを大いに訴えぬいていきましょう。

日本共産党をのばし、ジェンダー平等を求めるムーブメントをともに進めよう

 第五に訴えたいのは、日本共産党をのばし、ジェンダー平等を求めるムーブメントをともに進めようということです。

 この間、男女賃金格差の公表、「不同意性交等罪」を創設した改正刑法、同性婚を認めないのは違憲とする高裁判決、痴漢撲滅に向けた施策の前進、日本経団連が選択的夫婦別姓を政府に求めるまでになるなど、日本社会のさまざまな分野でジェンダー平等への大きな流れが広がっています。

 このもとで、ジェンダー平等の最大の妨害者が自民党政治であることが、いっそう明らかになっているのではないでしょうか。選択的夫婦別姓が国民の圧倒的世論になりながら、自民党はこの課題を先送りにし続けてきました。明治憲法下の家父長的家族観に立ってこの課題に抵抗する勢力がその最大の妨害者となっています。女性が多い非正規雇用に対する差別、コース別人事制度などの間接差別をなくすことなしに、賃金格差の是正はできません。しかし、自民党政治は、間接差別の存在を認めないどころか、間接差別が何かを理解することもできません。

 差別と不公正に声を上げ、ジェンダー平等を求めるムーブメントをともに進めましょう。ジェンダー平等を妨げている自民党政治に審判をくだし、私が私を大切にできる世の中にしていくためにも、日本共産党の躍進をと大いに訴えていこうではありませんか。

 10月、ジュネーブで、国連の女性差別撤廃委員会による日本報告審査が、8年ぶりに行われます。日本が女性差別撤廃条約の選択議定書を批准していないことが焦点の一つとなります。すでに115カ国が批准し、ジェンダー平等を進める大きな力となっています。選択議定書には、条約が保障する権利が侵害されたときに、国連差別撤廃委員会に通報して救済を申し立てることができる「個人通報制度」がありますが、政府が批准しないために、日本の女性は差別撤廃条約に違反する差別を受けても国連に「通報」ができません。選択議定書の早期批准を求めていこうではありませんか。

三、市民と野党の共闘の現状と日本共産党の立場

 次に、市民と野党の共闘の現状と日本共産党の立場について報告します。わが党は、市民と野党の共闘の再構築のために、一貫して努力を重ねてきました。しかし、今回の総選挙では、立憲民主党によって共闘の基盤が基本的に損なわれているという状況があります。

安保法制廃止が明瞭でなくなるなら、共闘の土台が根本から損なわれる

 その最大の問題は、安保法制=戦争法に対する態度です。立憲民主党の野田新代表は、安保法制を「すぐには廃止できない」「違憲部分の検証が必要だ」などと、存続に道を開く発言をしています。しかし、市民と野党の共闘は、安倍政権による集団的自衛権行使容認と安保法制の強行を、立憲主義の破壊として批判し、安保法制を廃止し立憲主義を回復することを、共闘の「一丁目一番地」に一貫してすえてきました。立憲主義の破壊は、個々の政策課題とは次元を異にする重大問題であり、個々の政策課題で立場が異なっても、まずは立憲主義回復で力をあわせようと、これが市民と野党の共闘の論理でした。この立場が明瞭でなくなるならば、共闘の土台が根本から損なわれることになります。

 これは決して過去の問題ではありません。現在、「安保3文書」にもとづいて進められている軍事同盟強化と大軍拡は、安保法制の具体化・実践として位置づけられているものです。安保法制の存続を容認するならば、現在、石破新体制のもとで進められようとしている大軍拡と改憲に正面から立ち向かうことができなくなることを厳しく指摘しなくてはなりません。

 くわえて、野田代表が、「政権を共産党と一緒に担うことはできない」と発言していることも看過できません。わが党は、2015年9月に、「国民連合政府」を提唱していらい、一貫して連合政権の問題を重視してきました。それは、野党が連合政権をつくることなしに、安保法制の廃止、立憲主義の回復をはかることはできないからにほかなりません。2021年の総選挙で、「限定的な閣外からの協力」の合意を交わしたことは、積極的意義をもつものであり、立憲民主党との関係では、この合意が公党間の合意となります。それを一方的に覆し、政権協力から日本共産党を排除する態度をとることは容認できません。

 さらに、野田代表は、日本維新の会などとの協力を追求する姿勢を示しています。維新の会は、自民党政治の最悪の補完勢力であり、改憲をあおり立て、「日本共産党は日本からいなくなったらいい」とまで言う政党です。維新の会との協力の追求は、市民と野党の共闘と両立し得ません。

日本共産党の躍進で、市民と野党の共闘の新たな発展の流れをつくろう

 立憲民主党が、市民と野党の共闘が積み重ねてきた到達点、両党間の合意を否定しているもとで、今度の総選挙での両党間の共闘の条件は基本的には損なわれたということを、率直に表明しなければなりません。この立場から、わが党は、小選挙区にも最大限候補者を立てて、勝利のために奮闘することを表明します。沖縄は「オール沖縄」の全員勝利のために全力でたたかいましょう。また、地域によってはこれまでの経緯などを踏まえて対応することはあり得ますが、限定的にならざるをえないと言わなければなりません。

 全党のみなさん。この総選挙では、「比例を軸」に日本共産党を躍進させることに、あらゆる力を集中し、全国のみなさんが心を一つに、必ず躍進をかちとろうではありませんか。日本共産党の躍進の成否こそが、自民党政治を変えることができるかどうかのカナメであることを広く国民に訴えぬいていきましょう。

 日本共産党は、日本社会の民主的変革を統一戦線で進めることを綱領的立場にしている党です。この立場から、市民と野党の共闘の新たな発展の流れをつくろう、日本共産党の躍進こそその最大の力となるということを訴えて、この総選挙をたたかいぬいていこうではありませんか。

四、日本共産党綱領の生命力、未来社会の魅力を大いに語りぬこう

 総選挙の比例代表選挙は、政党名での選挙となります。選挙勝利のためには、政策的訴えとともに、日本共産党綱領の生命力、私たちがめざす未来社会の魅力を大いに語り、積極的支持者を増やし、「比例は日本共産党」を広げぬくことがどうしても必要となります。この点でも大会後の活動が大きなチャンスをつくりだしてきていることを強調したいと思います。

「共産主義と自由」を学び語り合う大運動に、大志とロマンをもってとりくもう

 第一は、大会決定にもとづき、「共産主義と自由」を学び語りあう大運動が始まり、このテーマで広く国民の願いと響きあう手ごたえをつかみつつあることです。

 志位議長の『Q&A 共産主義と自由』は、マルクスの未来社会論の一番の輝き――「人間の自由」、「人間の自由で全面的な発展」に光をあて、「共産主義には自由がない」というイメージを百八十度変え、「共産主義こそ『人間の自由』が花開く社会」であることを全面的に明らかにしています。そのさい、「自由に処分できる時間」(「自由な時間」)の意義を太くすえ、「資本主義的な搾取で奪われているものは、モノやカネだけでなく、『自由な時間』だ」「奪われている時間を取り戻し、拡大し、万人に十分な『自由な時間』を保障する社会こそ、社会主義・共産主義だ」というマルクスの理論に光をあてたことが、多くの人々の「自由な時間が欲しい」という実感にも響き合うものとして強く歓迎されています。それは未来社会になって初めて問題になることではなく、現在の労働時間短縮のたたかいとも地続きでつながっていることも重要な点となります。

 ここには、日本共産党の目指す未来社会の魅力を多くの人々に広げていく大きな鉱脈があります。この間、全党で「共産主義と自由」の学習をすすめるとともに、街頭宣伝、シールアンケートでの対話などが始まり、新鮮な反応がよせられています。街頭で本が次々に売れるなどの反応も相次いでおり、現在、『Q&A』の本は8刷・4万6000部の印刷となっています。この「大運動」を戦略的課題に位置付けて選挙戦をたたかうならば、日本共産党という名前に誇りと確信をもって「比例は共産党」と広げることができます。『Q&A 共産主義と自由』を全党員が学んで、大志とロマンをもって語る選挙にしていこうではありませんか。

欧州歴訪の成果をつかみ、選挙勝利に生かそう

 第二に、9月18日に行った志位議長の欧州訪問の報告が、世界の平和と社会進歩への前向きの動きをつかみ、日本共産党の国際政治における役割への確信、党綱領路線の生命力への大きな確信になっているということです。

 「欧州歴訪報告会」を視聴した全国の党員からは、「党の野党外交がこのように発展して生きていることに感激しています」(埼玉)、「東アジア平和提言や自由論など綱領路線が世界の流れと響きあうこともよくわかり、綱領への確信がいっそう深まった」(北海道)など、感動と確信に満ちた感想が多数よせられました。日本改革の事業、総選挙での党躍進への決意が躍動的に語られているのも共通する特徴となっています。

 私も報告を聴いて胸躍る思いでした。何より、軍事同盟強化に反対し、核兵器禁止条約を推進する国際連帯を、ユーラシア大陸の東と西で進めていることに、日本の変革の事業をよりダイナミックに国際的視野でとらえることができました。発達した資本主義国である欧州で、社会主義・共産主義を展望した真剣な理論交流が行われた、このことに感動しました。また欧州における社会的ルールが、労働者と国民の長年のたたかいによってつくられてきたことに、日本もこれに続いていこうじゃないかと決意を新たにしました。

 胸躍ること間違いありません。「欧州歴訪報告会」をぜひ時間を惜しまずに視聴してほしいと思います。その成果をつかんで、総選挙勝利の力として生かすことを心からよびかけるものです。

五、「比例を軸に」――「総選挙必勝大作戦」をよびかける

「比例を軸に」――得票目標達成を正面にすえつつ、議席を確実に積み上げる

 総選挙をたたかう方針として、重ねて強調したいのは、「比例を軸に」を貫くことです。

 そのさい、比例ブロックごとに、これまでの選挙でのわが党の比例票の到達点を、党と後援会の共通の認識にし、攻勢的なたたかいにしていくことが重要です。

 直近の国政選挙である2022年の参議院選挙では、わが党が比例代表で獲得した票は、361万8千票、得票率6・8%でした。今度の総選挙での定数の変動をふまえて、比例ブロックごとに、この比例票をあてはめて獲得議席の試算を行いました(配布資料)。22年の得票を固定的に見ることはできませんが、わずかな得票減で現有議席を失うところ、わずかな差で議席増となるところ、議席増のためにはかなりの奮闘が必要なところなど、比例ブロックごとの特徴をリアルにとらえることが重要です。

 比例代表選挙は、ブロック全体の得票目標が大きく見えるかもしれませんが、一支部あたりでみれば、数十票という僅差で勝負がわかれる文字通りの一票を争う大激戦です。各比例ブロックの得票目標、議席目標をやりきることを正面にすえつつ、22年参院選での到達点を党と後援会のリアルな共通認識として、議席を確実に積み上げるたたかいをやりぬくことを強く訴えるものです。

 「比例を軸に」を言葉だけでなく実際の活動のなかに貫いて、「650万票、10%以上」、全ブロックでの議席獲得・議席増にむけて頑張りぬきましょう。すべての支部が得票目標、支持拡大目標を決め、「全国は一つ」「ブロックは一つ」で、目標をやりぬくための宣伝・組織活動に全支部が立ち上がり力をつくすことを心からよびかけるものです。

「総選挙必勝大作戦」をよびかける

 総選挙の公示日までに躍進の流れをつくりだすことは、勝利にとって絶対不可欠となります。そこで、今日を新たな起点に、公示が予想される10月15日までに、選挙勝利に不可欠な諸課題をやりぬく「総選挙必勝大作戦」をよびかけます。

全有権者規模の大量宣伝に打って出よう

 第一は、全有権者規模の大量宣伝に打って出ることです。音が自由に出せる公示日までに、世帯比での目標をもって「声の宣伝」にとりくみましょう。ハンドマイク、宣伝カーをフル稼働させ、マイ宣伝カーの試みもおおいに広げて、党の元気な姿を列島のすみずみに届けましょう。党押し出しポスターを100%張り出しましょう。

 「しんぶん赤旗」10月号外を最大限のスピードで作成しています。号外が届いたら、ただちに読み合わせ、一枚残らず配布しましょう。

 労働者向けフライヤー、学生向けフライヤーがまもなく届きます。大学門前、職場門前、トワイライト宣伝、お帰りなさい宣伝など、労働者、青年・学生、真ん中世代に働きかけを強めていきましょう。

 一つ一つの演説会を成功させ、諸課題を飛躍させる跳躍台へとしましょう。

国民とともにたたかう選挙と一体に、党づくりでも必ず前進を

 第二は、この総選挙を、国民とともにたたかう選挙にし、それと一体に、党づくりでも必ず前進をかちとるということです。

 今日の政党状況のもとで、さまざまな市民運動・国民運動に参加していた人々の間で、日本共産党を自発的に応援する新たな流れが生まれています。「今度ばかりは共産党」という声ですね。これまでにない規模での「国民とともにたたかう選挙」への開拓的な挑戦をしようではありませんか。創意的な楽しい選挙、国民とともにたたかう楽しい選挙にしていく、ここにも挑戦していきましょう。

 支部が行う組織戦の基本は、「折り入って作戦」の発展、強化です。後援会ニュースを活用し、全国300万人の後援会員、85万人の「赤旗」読者に総当たりし、担い手を広げて、得票目標数を超える対話・支持拡大を公示日までにやりぬきましょう。分野別後援会との協力を重視しましょう。党員・読者がLINEでつながっている方々に、党の発信を広げてもらう協力を大規模によびかけましょう。中央として、「折り入って作戦・LINE活用経験交流会」を開催します。

 「折り入って作戦」と一体に党勢拡大の独自追求を進めましょう。「共産党の支持を広げてほしい」というよびかけと一体に、入党のよびかけを独自に追求しましょう。訪問先でのミニ「集い」、世代的継承を意識した取り組みなど、入党の働きかけを意識的にすすめていきましょう。見本紙を活用し、日曜版読者には日刊紙購読を、支持者、後援会員には日曜版の購読を訴え、「しんぶん赤旗」読者の上げ潮をつくって公示日を迎えようではありませんか。

 SNSの発信、ボランティアの組織、募金への協力を一体で強めましょう。各県でボランティアセンターを立ち上げて、担当者・窓口を決め、SNSや街頭宣伝でおおいにボランティアの協力をよびかけましょう。街頭演説の写真や動画を自分で編集して広げるなどSNSの自発的発信の広がりをつくることを重視して、ショート動画などで候補者の姿を発信してもらいましょう。また、募金は主権者としての意思表示であり大切な政治活動の一つと位置付けて、募金への協力を攻勢的に訴えていきましょう。

 民青同盟への援助を絶対に中断することなく強化し、政治を変える主人公として青年が輝く選挙にしましょう。青年・学生党員を増やし、党の未来を開く選挙にしていこうではありませんか。

小選挙区での積極的擁立の条件を生かし、日本共産党躍進のうねりを

 第三に、小選挙区での積極的擁立の条件をフルに生かし、日本共産党躍進の流れをつくりだすことです。今度の総選挙では、小選挙区に最大限候補者を擁立するとの方針のもと、30日現在209人の候補者を決定しています。さらに擁立を進める方針で、前回総選挙の約2倍となります。

 20代~70代、地方議員として奮闘してきた同志、医療・介護などのケア労働を担ってきた同志、女性運動や市民団体で活躍してきた同志、新たに入党して党の前進のためにと決意した若い同志など、個性豊かで多面的な力を発揮できる方々です。どの候補者も、国民に堂々と支持をよびかけることのできる政治家です。

 総選挙をたたかう基礎単位は小選挙区であり、小選挙区候補者が、それぞれの個性を生かして日本共産党を語ることが、比例での党躍進の大きな力となります。比例候補者とともにすべての小選挙区候補者が「比例は日本共産党」を全国津々浦々に届ける先頭に立つことを、心からよびかけるものです。そして、小選挙区候補のみなさんも有権者に堂々と、「私を国会へ」と訴えましょう。

 比例候補、小選挙区候補が「チーム日本共産党」となって、心ひとつに躍進をかちとる先頭に立つことを心からよびかけるものです。頑張りましょう。

支部・グループも、党機関・議員団も、ただちに強力な臨戦態勢を

 第四は、支部・グループも、党機関・議員団も、ただちに強力な臨戦態勢を確立することです。

 勝利の最大のカギは、すべての支部が得票目標・支持拡大目標を決め、総決起することにあります。3中総報告をただちに討議し、全支部・全党員が一気にたちあがることを心から訴えます。支部会議を毎週開催し、センターやたまり場を確保して連日結集、すべての党員との連絡・連帯網を強め、「たちあがらざる党員なし」の選挙にしていこうではありませんか。

 党機関の役員が小選挙区候補として奮闘するところもあります。党機関、自治体・行政区の補助指導機関は、臨時の選挙専従、選挙ボランティアなど、もてる力を総結集して、ただちに臨戦態勢をつくりあげましょう。

 9月7日に開催された全国地区役員講座が、地区役員が、支部に入り、支部のエネルギーを引き出すうえで大きな力となっています。講座を力に、8700人の地区役員が支部と一丸となってたたかう選挙戦にしていきましょう。全国2300人の地方議員・議員団が、総選挙候補者と心ひとつに、自らの選挙としてたたかいぬこうではありませんか。

党大会後の全党の努力をいまこそ総結集し、花開かせよう

 全党のみなさん。私たちは、第29回党大会後、大会決定にそって、強く大きな党づくりへと日々努力を重ねてきました。

 党大会決定の読了・討議、「東アジア平和提言」、「共産主義と自由」など、大会決定のさらなる政策的・理論的発展を学び語る努力は、日本共産党が今日の日本と世界でかけがえのない役割を発揮しているとともに、未来ある党だという確信を培っています。

 党大会後、目標には届いていませんが、新しい入党者は3700人を超えています。「しんぶん赤旗」が3代続けて総理大臣を退陣に追い込み、国民的な注目を集めていることも、全党の草の根の活動があってのことです。2中総の「手紙」は、8割を超える支部が討議し、5割近い支部が「返事」を寄せ、新たな決意で党づくりの挑戦に踏み出す流れをつくりだしています。

 党大会以来、みんなの大奮闘で培ってきた力をいまこそ総結集し、花開かせ、総選挙勝利を必ずつかみとろうではありませんか。私も先頭に立つ決意を申し上げて報告を終わります。ともに頑張りましょう。

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自民党の総裁交代は看板を替えただけだと批判し「総選挙で『戦争する国づくり』を進める自民党政治を大本から変えよう」と呼びかけました。

2024-09-29 | 市民のくらしのなかで

2024年9月29日(日)

平和な日本 実現しよう

母親大会開幕 和歌山で初

写真

(写真)第69回日本母親大会・全体会で全国のたたかいを交流する参加者=28日、和歌山市・県民文化会館

 「核兵器のない世界を」「ジェンダー平等を」と女性たちがさまざまな願いと運動を持ちより、学び、交流する第69回日本母親大会in和歌山(同実行委員会主催)が28日、和歌山市で始まりました。今年はビキニ水爆被災70年。第五福竜丸を建造した同県での開催は初めてです。

 この日はオンラインを併用して全体会が開かれ、「核兵器も基地も原発もない平和な日本の実現を」との決議とアピールを満場の拍手で採択しました。

 大会代表委員の舟橋初恵さんは主催者あいさつで、自民党の総裁交代は看板を替えただけだと批判し「総選挙で『戦争する国づくり』を進める自民党政治を大本から変えよう」と呼びかけました。

 東京都立第五福竜丸展示館学芸員の安田和也さんが記念講演しました。多くの漁船や市民生活に影響を与えたビキニ事件のあらましを述べ、2060回以上もの核実験で被ばくした世界のヒバクシャが人体実験の犠牲となったと告発。「第五福竜丸は核も戦争もない世界にいかりを下ろすとき、初めて航海を終えることができる。平和な港をめざして航海しよう」と結びました。

 「今日の運動」として、和歌山と全国のたたかいを交流。「改憲やめよ! 9条守る」運動の先頭に立とうとプラカードを高くかかげました。和歌山は原発建設計画やカジノ計画をはね返した運動などを構成劇で報告。石川の代表は、能登半島地震からの復興も進まない中での豪雨災害で「心が折れるような状態です」と述べ、支援を訴えました。沖縄の代表は、米兵による少女暴行事件と隠ぺいは許せないと述べ「全国で抗議の声をあげよう」と呼びかけました。

 岸本周平和歌山県知事のメッセージが代読され、和歌山県地評の武田正利議長が来賓あいさつ。第70回日本母親大会は来年9月28、29日、東京で開催すると発表しました。

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これは安徽省で同日開幕した、第2回深宇宙探査(天都)国際会議で発表された情報だ。

2024-09-09 | 市民のくらしのなかで

国際月科学研究ステーションに新メンバー加入

人民網日本語版 2024年09月06日10:30
 

国際月科学研究ステーションがグローバル協力の新たなメンバーを迎えた。中国国家航天局とセネガル宇宙局は5日、「国際月科学研究ステーションの協力に関する協定」に署名した。深宇宙探査実験室は、スイス、セルビア、アラブ首長国連邦、インドネシアなどの10の研究機関と「国際月科学研究ステーションの協力に関する了解覚書」に署名している。新華社が伝えた。

これは安徽省で同日開幕した、第2回深宇宙探査(天都)国際会議で発表された情報だ。

中国が提案・発起した国際月科学研究ステーション大科学プロジェクトは、「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う」という基本原則に基づき、グローバルパートナーと共にプラン論証、技術開発、プロジェクト建設、運用保守、科学研究、人材育成などを行う。そして開放された共に分かち合う科学プラットフォームと、共に話し合い、共に建設する協力プラットフォームの構築に取り組む。

中国深宇宙探査重大特別プロジェクトの呉艶華チーフデザイナーは会議で、国際月科学研究ステーション6大協力イニシアティブを世界各国に呼びかけた。そして世界各国のパートナーがプロジェクトの各段階及び任務の各レベルで国際月科学研究ステーションの開発・建設に参加することを歓迎するとした。これには共同論証、任務レベル、システムレベル、サブシステムレベル、設備レベル、地上施設、科学応用、教育訓練という8つのプロジェクト協力が含まれる。中国はさらに国際協力委員会の設立や国際協力本部の建設といった10大措置を講じ、グローバル協力パートナーに向け、積極的に良好な条件を整えていく。

説明によると、中国国家航天局は2017年に国際社会に向け、国際月科学研究ステーション協力イニシアティブを掲げ、広く注目を集め、積極的な反応を得ている。現在まで10以上の国(国際組織)及び40以上の国際機関が中国の関係当局と国際協力文書に署名している。国際月科学研究ステーションは、中国が各国と共同で月面・月軌道・地上で建設し、月と地球をつなげ、長期的には独自に稼働し、短期的には人が滞在する拡張と維持が可能な総合性科学実験施設となっている。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年9月6日

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スペイン大使は感謝を込めて、こう語りかけました。「私たちは未来を見据えながら、かつてない地理的、文化的、精神的な航海が両国を結びつけたことに思いをはせることでしょう」

2024-08-26 | 市民のくらしのなかで

きょうの潮流しんぶん赤旗

 スペイン南部の町、コリアデルリオには「ハポン」の姓をもつ人たちが多くいます。スペイン語で日本を意味するハポン。その理由は410年前にさかのぼります

▼1614年(慶長19年)、仙台藩・伊達政宗の家臣支倉常長が率いる慶長遣欧使節がスペイン南部の港に入港し、この町に滞在しました。その際に来訪したまま現地にとどまった団の一員たちの子孫だといわれています

▼支倉一行はその後、首都マドリードでスペイン国王フェリペ3世に謁見(えっけん)。ローマにも足をのばし、教皇パウロ5世に会うこともかないました。そして1620年(元和6年)のきょう、仙台に帰還したと伊達家の記録にあります

▼仙台市にある青葉城資料展示館の大沢慶尋(よしひろ)主任学芸員の研究によると、使節派遣は直接貿易を求めたもので、1611年に起きた慶長三陸地震・大津波からの復興が背景にあったといいます。当時世界が大航海時代にあったなかで欧州の一方的な利益ではなく、対等な双方向の関係に変えようとした試みだったと

▼今年6月にはスペイン大使館が「慶長遣欧使節がスペインに遺(のこ)したもの」と題した講演会を開催。使節を乗せた船サン・ファン・バウティスタ号の廃材でつくられたギターによる演奏や、東日本大震災の被災者による合唱で交流しました

▼スペイン大使は感謝を込めて、こう語りかけました。「私たちは未来を見据えながら、かつてない地理的、文化的、精神的な航海が両国を結びつけたことに思いをはせることでしょう」

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韓国の海域と水産物、船舶のバラスト水のいずれも安全基準から外れた事例はなかった」と発表した。日本の東京電力はこれまで5万5000トンの汚染水を海に流しており、7日から8回目の放出を行っている。

2024-08-23 | 市民のくらしのなかで
 

核汚染水投棄から1年

「中国・太平洋諸国とともに日本を提訴すべき」

登録:2024-08-23 06:15 修正:2024-08-23 06:54

 

22日、「汚染水の海洋投棄を阻止するための共同行動」の国会討論会
 
 
22日午後、ソウル汝矣島の国会本庁階段前で「日本の放射性物質汚染水の海洋投棄を阻止するための共同行動」のメンバーたちと国会議員らが日本の放射性物質汚染水の海洋投棄から1年を迎え記者会見を行っている=共同行動提供//ハンギョレ新聞社

 日本政府が福島原子力発電所(原発)の放射性物質汚染水の海洋投棄を始めて1年になる24日を控え、「周辺国と協力して国際提訴をするなど対応すべき」という声があがった。核汚染水の海洋投棄は朝鮮半島だけの問題ではないため、太平洋島しょ国などと協力して問題を提起しなければならないという主張だ。

 22日、韓国国内の市民・環境団体で構成された「日本の放射性物質汚染水の海洋投棄を阻止するための共同行動」(共同行動)と「民主社会のための弁護士の会」(民弁)などは22日午前、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議員会館で討論会を開き、日本の核汚染水投棄に対する法律的争点と今後の課題について話し合った。

 討論者を務めたキム・ヨンヒ弁護士(脱核法律家の会「ひまわり」)は「投入された物質とその影響間の因果関係を証明する決定的証拠がなくても、廃棄物投棄による環境保護のために適切な事前措置を講じなければならない」というロンドン条約の「事前主義原則」をに触れ、「福島原発汚染水に対しても適用されるべきだ」と強調した。

 さらに、「日本の核汚染水の放出問題は、韓国だけの問題ではなく、地球に住むすべての人たちの問題だ」とし、「韓国政府単独で国際海洋法裁判所に提訴すれば、韓国の直接的な被害を立証しなければならないが、中国政府や太平洋島しょ国の一部の国と共同で提訴すれば、『公海上の海洋汚染』に対する問題提起ができる」と説明した。日本の核汚染水の海洋投棄が、地球に住むすべて人々の海洋環境を損ねるためだという説明だ。キム弁護士は「現政権で難しくても、政権が変わればこれも考えられる方法になる。事前に準備をしなければならない」と付け加えた。

 
 
昨年8月24日、日本の福島県大熊にある福島第一原子力発電所で空中撮影した写真。放射性物質が含まれた水の入ったタンクが並んでいる/EPA・聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権はこの問題について解決の意志がないため、野党が乗り出して国民保護に向けた立法に努力を傾けなければならないという声もあがった。同じく討論者を務めた「共同行動」のクォン・ジョンタク共同運営委員長は「新たに国会が始まっただけに、中国、香港、ロシアのように日本産水産物の輸入を全面禁止する措置をしたり、学校給食に放射性物質汚染の可能性のある食材を使用できないようにするなど、関連法案を作る野党の努力が切に求められる。法制定前でも、地方自治体レベルで条例を作るなどの方法で、速やかに進めてほしい」と語った。

 核汚染水による被害問題は、十分な時間をかけて長期間にわたり確認すべきとの指摘もあった。韓国と日本の原発問題を長い間研究してきた日本の松山大学の張貞旭(チャン・ジョンウク)名誉教授は「汚染水投棄問題は長期的被害を調べなければならないのに、韓国政府は『1年間何の問題もなかった』とし、汚染水に関する懸念を怪談だといって切り捨てている」とし、「この事案の原因をちゃんと理解していない。チェルノブイリ原発爆発当時にも即死した人は多くなかった」と指摘した。

 さらに張教授は「いま重要なのは、輸入水産物に対してストロンチウム89・90を測定した結果を必ず添付するよう日本政府に要求すること」だとし、「これまでは測定に一週間かかるとか、水産物の鮮度に影響を及ぼすという口実で日本政府が避けてきたが、最近は短い期間(2~3日)で測定できる方法が見つかったという報道が日本国内で出た」と語った。ストロンチウムはカルシウムと似た性質で、体内に入ると骨に簡単に蓄積され、骨髄がんと白血病の原因になりうる。

 チュ・ジェジュン共同運営委員長は「昨年10月には(核汚染水浄化設備の)ALPSの配管を清掃していた労働者が事故に遭っており、12月には2号機の廃炉作業をしていた作業者が被ばくするなど、核汚染水の放出以降、日本では事故が相次いでいる。日本のマスコミも『安全ではない」と問題提起をしているにもかかわらず、韓国政府は『安全だ』と主張し、日本政府がやるべきことを代わりにやっている」と批判した。

 一方、国務調整室は21日に資料を出し「昨年8月24日から今年8月19日まで4万9633件の放射能検査を実施した結果、韓国の海域と水産物、船舶のバラスト水のいずれも安全基準から外れた事例はなかった」と発表した。日本の東京電力はこれまで5万5000トンの汚染水を海に流しており、7日から8回目の放出を行っている。

ユン・ヨンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 「これ以上海を汚すな!市民会議」など、日本の市民団体は汚染水の放出開始から1年となる今月24日、汚染水放出中止に向けた国際連帯行事「グローバル行動2024」を開くことにした。

2024-08-22 | 市民のくらしのなかで
 

【現場】

「汚染水その後の30年」を嘆く福島の漁業者、

その海には避暑客らが

登録:2024-08-22 06:10 修正:2024-08-22 18:17

 

福島第一原発の汚染水海洋放出から1年…25日まで8回目の放出
 
 
18日、福島県南相馬市では、市が運営する北泉海水浴場で避暑客が遅い避暑を楽しんでいる=ホン・ソクチェ記者//ハンギョレ新聞社

 「日本政府と東京電力はこの1年間、処理水(汚染水)の放出で今は人々の体に異常がないと言うが、10年、20年、30年後にどんな影響があるのか誰も断言できない」

 18日、福島県の漁村の新地町で会った漁師の小野春雄さん(72)は、日本政府が昨年8月24日に始めた福島第一原発の汚染水放出についてこのように嘆いた。父親と祖父が漁師で、自身も15歳から海で仕事を始めた。3人の息子も家業を引き継いだ。孫たちも福島県に住んでいる。しかし、2011年の福島第一原発の放射性物質漏れ事故で、小野さんの人生は大きな変化を迎えた。

 事故後、福島の漁業は大打撃を受け、中断された。日本政府は2020年にすべての魚種に対する出荷制限を解除し、福島沿岸の漁業者たちも期待に胸を膨らませたが、昨年には汚染水放出という事態に見舞われた。日本政府は放射能汚染水を多核種除去設備(ALPS)を通して、水と似た性質を持つ「トリチウム」を除く放射性物質を基準値以下に除去した後、海水で薄めて海に流すため被害はないとし、福島の漁業者の反対を押し切って汚染水の放出を強行した。

 日本では、福島産の水産物を買わないのは、デマによる被害を意味する「風評被害」と主張されている。しかし、小野さんは「汚染水を数十年間(海に)放出するのに、トリチウムなどによる海の被害を本当に予測できるのか」と語った。

 「これ以上海を汚すな!市民会議」の活動家、片岡輝美さんはハンギョレとの電話インタビューで、「子どもたちにこの近くで獲れたどの魚を食べさせたらいいのか、心配は尽きない」と話した。また、「漁業者の中には、自分たちが怒れば怒るほど水産物が売れなくなるという矛盾した状況で、声をあげづらいという人も多いようだ」と語った。

 
 
                                               福島第一原発の汚染水放出の現況//ハンギョレ新聞社

 元東京海洋大学教授の濱田武士さん(水産学)ら専門家8人は、著書『どうするALPS処理水?科学と社会の両面からの提言』で、現地の漁業者たちは処理水の放出を認める場合は「海を売った」、反対する場合は「国益を損ねる」と批判されるとし、(日本政府が)政治的責任を漁業者に転嫁していると批判した。

 一方、新地町から南に25キロメートル離れた福島県南相馬市では、市の運営する北泉海水浴場で避暑客が海水浴を楽しんでいた。わずか25キロメートルの距離の福島第一原発では7日から「8回目の汚染水放出」が行われているが、避暑客は海水浴に余念がなかった。ここを訪れたある避暑客は「水質が良くて2人の子どもと泳いできた。放射線は全くない」と日本政府の発表を完全に信頼しているようだった。

 東京電力は昨年8月24日以降、すでに7回にわたり汚染水の放出を行った。1回の放出に約17日かかり、一日約460立方メートルずつ、計7800立方メートルの汚染水が排出される。これまで計5万4734立方メートルの汚染水が海に流れた。7日に再び8回目の放出が始まり、25日に終了する予定だ。

 汚染水は2011年の東日本大震災の福島第一原発爆発事故後、原発に雨水などが流れ込み、放射性物質と接触したことで発生している。東京電力は事故後、汚染水を水タンクに保管してきたが、福島第一原発の廃炉作業のため、これ以上水タンクを増やすことはできないとし、2021年4月に汚染水の海洋放出を決めた。東京電力は19日現在、タンクに保管されている汚染水は131万立方メートルで、タンクの収容限界の96%を占めていると発表した。

 日本政府はALPSでトリチウムを除く放射性物質のほとんどを基準値以下に除去するため、汚染水ではなく「処理水」だと主張する。放出前に汚染水を海水に混ぜて薄めた後、福島沿岸へと続く1キロメートルの海底トンネルを通じて流している。

 
 
昨年8月24日、福島県の福島第一原発で、海水で薄めた放射性物質汚染水が海底トンネルに流れていく様子を関係者たちが見ている。日本は同日午後1時3分頃から福島原発敷地内の水タンクに保管されていた汚染水を福島沖合へと続く海底トンネルを通じて放出し始めた=福島/共同通信・聯合ニュース

 日本政府は汚染水が海の環境と人体に及ぼす悪影響が極めて微々たるものだと主張している。安全性を示すとしてALPSで濾過されたいわゆる「処理水」の中でヒラメなどを育て、これをソーシャルメディアのX(旧ツイッター)などで3~4日おきに公開している。

 東京電力はこの1年間の汚染水の排出過程で出たトリチウムの総排出量は8兆6千億ベクレル(2023年4.5兆ベクレル、2024年8月現在4.1兆ベクレル)になるとみている。韓国の古里(コリ)原発から出るトリチウム(1年に49兆ベクレル)より低い数値だと主張する。日本は汚染水の放出前からこのような論理を掲げているが、事故で水素爆発が起きた福島第一原発と正常稼動中の他の原発をトリチウムの排出量だけで比較するのは無理があるという批判が多い。

 少なくとも数十年間続く福島原発の汚染水の放出が、いつ終わるのかも分からない。日本は2051年までに福島原発を廃炉することを目標に掲げ、廃炉が完了すれば、これ以上汚染水も発生しないと期待している。

 だが、日本は廃炉のために最も重要な作業である「燃料デブリ」(核燃料が溶けて周辺構造物と絡まった塊)の取り出しにはまだ手をつけられずにいる。福島原発1~3号機の原子炉の床に残っている計880トンに達する燃料デブリは、人が近づくと1時間以内に死ぬほどの高線量の放射線を放出する。そのため、人の代わりにロボットが入って作業をしなければならないが、ロボットアームの性能に立て続けに問題が生じている。

 東京電力は22日、パイプを遠隔操作する方式で試験的に3グラム以下の燃料デブリを取り出すことにした。事故後13年も経ってから始まったこの試みが成功したとしても、880トンにもなる燃料デブリをいつ全部取り出せるかは不明だ。燃料デブリを除去できなければ、1日80トン程の放射性物質汚染水が発生し続ける。

 日本は国際原子力機関(IAEA)を前面に立てて国際世論戦を繰り広げているが、直接影響を受ける周辺国の多くは納得していない。中国は先月30日にも呉江浩駐日大使を通じて「日本が汚染水の海洋放出を一方的に進め、核汚染の危険を全世界に拡散させている」とし、「中国はこれに断固反対する」という立場を示した。

 ロシアも、日本政府は日本産水産物の安全性を立証する情報を開示すべきだと主張する。中国は昨年8月24日に日本が汚染水の海洋排出を始めたことを受け、日本産水産物の輸入禁止措置を取り、ロシアも昨年10月、同じ措置を取った。

 
 
日本の福島原発から50キロメートルほど離れた漁村の新地町で、並んでいる漁船の隣で住民が釣りをしている=ホン・ソクチェ記者//ハンギョレ新聞社

 日本の汚染水管理のミスも批判を呼んでいる。9日、福島原発2号機内部の使用済み核燃料プールから放射性物質を含む汚染水25トンが流れた。東京電力は、汚染水が排水口を通じて建物の地下に流れ込んだものと推定されるとし、外部への流出はなかったと発表したが、管理の甘さに対する批判は免れない。

 今年2月には福島沿岸に放出されている汚染水浄化装置から5.5トンが漏れる事故があった。閉まっているはずのバルブが誤って開き、配管に残った汚染水と洗浄用水が混ざって排気口から流れ出たという。昨年10月にも配管を掃除していた職員2人が汚染水を浴びて治療を受けたことがある。

 2011年の福島原発事故の責任を問うため、事故当時の東京電力の経営陣を告訴した「福島原発告訴団」の原告団長、武藤類子さんは、ハンギョレに「東京電力は汚染水の放出後、海の放射性物質は大きく増えていないと主張するが、放出によってどんな影響が発生するかは誰も分からない」とし、「APLSの処理過程で汚染水が漏れたことまであるのに、汚染水の放出を直ちに中止してほしい」と語った。

 「これ以上海を汚すな!市民会議」など、日本の市民団体は汚染水の放出開始から1年となる今月24日、汚染水放出中止に向けた国際連帯行事「グローバル行動2024」を開くことにした。

福島/ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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一方、核兵器禁止条約発効から3年が過ぎ、条約への批准は70カ国、署名は93カ国と国連加盟国(193)の半数に迫ります。

2024-08-06 | 市民のくらしのなかで

2024年8月6日(火)

広島 きょう被爆79年

写真

(写真)平和記念公園の原爆碑に献花に訪れる人たち=5日、広島市中区

 広島は6日、米国による原爆投下の惨禍から79年を迎えます。広島市中区の平和公園では市主催の平和記念式典が開かれ、原爆投下時刻の午前8時15分に原爆死没者を追悼し、黙とうします。

 ウクライナ侵略を続けるロシアが核の威嚇を繰り返し、ガザ攻撃を激化させるイスラエルの閣僚が核使用を「選択肢」と発言するなど、世界は核兵器を巡り緊張を強いられています。

 一方、核兵器禁止条約発効から3年が過ぎ、条約への批准は70カ国、署名は93カ国と国連加盟国(193)の半数に迫ります。

 松井一実広島市長は昨年の平和宣言で、核抑止力論からの脱却を主張しましたが、核抑止に固執する岸田政権に同調する動きに被爆者や市民から、不安の声が上がっています。

 昨年から第2次「黒い雨」訴訟が始まりました。2021年、広島高裁判決は幅広く被爆者と認めることを国に求めました。しかし、国は「新基準」をつくり、さまざまな口実で高齢化した「黒い雨」被害者を選別、被爆者健康手帳申請を却下しています。第2次原告はこの新基準の撤回を求めています。

 広島で被爆し、この1年に死亡が確認された原爆死没者は5079人で、合わせて34万4306人となりました。広島・長崎で被爆し、被爆者健康手帳を持つ人は3月末時点で全国に10万6825人。前年より6824人減りました。平均年齢は85・58歳です。

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米国大統領選は驚くべきことにあふれている。陰謀論者や冷笑主義者などの無視とは異なり、人々は投票という簡単な行為で歴史を変えることができる。

2024-08-04 | 市民のくらしのなかで
 

驚きの連続の選挙【寄稿】

登録:2024-07-29 08:23 修正:2024-08-04 08:08
 
ジョン・フェッファー|米外交政策フォーカス所長
 
 
2020年8月12日、米国のジョー・バイデン大統領候補がカマラ・ハリス氏を副大統領候補に指名した直後に、デラウェア州ウィルミントンで記者会見をしている/ロイター・聯合ニュース

 冷笑的な人たちや陰謀論者は、すべてのことは舞台裏で決められると信じている。そのような人たちは、おかしくなって孤立した人による行動に見えることでさえ、実は陰謀を企てる組織の仕業だと考える。彼らにとっては驚くべきことは何もない。しかしこの数週間で、フランスをはじめとし選挙に関する非常に驚くべきことが3件発生した。

 フランスでは、欧州議会選挙で極右の国民連合がほぼ3分の1の票を獲得し、1位になった。国民連合は、エマニュエル・マクロン大統領が欧州議会選挙の結果に反応して議会を解散し、早期に実施した総選挙の第1回投票でも1位になった。しかし本当に驚くべきことは、決選では左派と自由主義者が協力し、極右が3位に落ちたということだ。

 2つ目に驚くべきニュースは、イランで改革主義者が大統領に当選したことだ。マスード・ペゼシュキアン新大統領は西側との核交渉の再開を公約し、社会問題においても寛容だ。

 最も衝撃的なことは、米国のジョー・バイデン大統領が大統領選挙から撤退したことだ。カマラ・ハリス副大統領がすぐにその後を継いだ。副大統領としてハリス副大統領がやったことは多くない。ハリス副大統領は、移民問題の根本的な原因を解決する役割を与えられ、中米諸国を訪問した。昨年12月にピークに達した無断越境者の数は減ったが、努力に比べて特に良い成果を示すことはできなかった。また、ハリス副大統領は、投票権や妊娠中絶を擁護する役割を果たしたが、重要な成果を上げることはできなかった。

 ハリス副大統領は内気なタイプではない。かつては非常に有能な検事だった。ジョー・バイデン大統領の陰に隠れることは、ハリス副大統領には似合わなかった。すでにハリス副大統領は、萎縮していた筋肉をほぐしはじめている。潜在的な大統領候補になった初日、民主党の主要な関係者らの支持を得るために、10時間で100人に電話をかけた。注目を集める演説を行い、9月に予定されるドナルド・トランプ前大統領との討論での正面対決の準備を進めている。検事や上院議員の経歴を考えると、ハリス副大統領はトランプ前大統領とのどんな論争でも手強い相手となるだろう。

 ハリス副大統領はバイデン政権の記録を持って戦うことが避けられない。ハリス副大統領は経済を化石燃料時代から脱却させるインフレ抑制法(IRA)などの政策の施行を続けると約束した。また、気候正義と再分配政策については、バイデン大統領以上に一貫した支持者だ。

 また、対外政策の分野ではいくつかの挑戦に直面している。ハリス副大統領はガザ地区の戦争を進めるイスラエル政府に対しては、バイデン大統領よりも批判的だ。これは若年層の信頼を回復するうえで多少なりとも役に立つだろう。ハリス副大統領はワシントンを訪問したイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に会った直後、ガザ地区の苦しみについて「沈黙しない」と述べた。

 ハリス副大統領とバイデン大統領は、中国に対する関税賦課についてトランプ前大統領を批判した。その後、2人は立場を変えて、追加の関税賦課を支持した。ハリス副大統領は上院議員だったとき、香港、新疆ウイグル、台湾問題をめぐり中国を厳しく批判した。ハリス副大統領は、結果的には米中対立を緩和するためにも同じ努力をするだろう。

 ハリスが政権を取った場合、バイデン政権と大きな違いはないだろう。ただし、雰囲気と強調点は多少異なる。ハリス副大統領は女性の権利と人種的な正義を中心に据えてきた。バイデン大統領よりも民主主義と人権にさらに焦点を当てるだろう。しかしハリス副大統領は、多くの有能な検事と同様に、必要であれば取引をする実用主義者だ。ハリス副大統領は若く、鋭敏で、もう少し進歩的であるためバイデン大統領とは明らかに異なるが、バイデン政権が始めたことを忠実に進めるだろう。

 先月とは違い、米国大統領選は驚くべきことにあふれている。陰謀論者や冷笑主義者などの無視とは異なり、人々は投票という簡単な行為で歴史を変えることができる。投票だけが民主主義のための活動ではない。投票が最も重要な政治事案でもない。しかし投票は、全体的にみれば今でも驚くほど強力だ。

 
//ハンギョレ新聞社

ジョン・フェッファー|米外交政策フォーカス所長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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志位氏は「蓮舫さんが知事になれば、都政も日本も必ず変わる」と力を込め、最後の最後まで支持の輪を広げようと呼び掛けました。

2024-07-06 | 市民のくらしのなかで

2024年7月6日(土)

あす投票 都知事選・都議補選 大激戦

蓮舫知事誕生へ最後まで

志位議長・野田元首相ら応援 有楽町

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(写真)蓮舫都知事候補(奥左から2人目)の必勝を訴える志位和夫議長。その右に野田佳彦元首相=5日、東京都千代田区

 大激戦のまま、最終盤を迎えた東京都知事選・東京都議補選(7日投票)で、蓮舫(れんほう)知事候補を支援する市民と野党は5日も総力をあげて宣伝や対話を広げました。蓮舫氏の支持は、SNSや「ひとり街宣」など創意的な行動も加わり日に日に広がりを見せています。蓮舫氏は同日、千代田区有楽町のイトシア前では日本共産党の志位和夫議長や立憲民主党の野田佳彦元首相と、大田区蒲田駅前で共産党小池晃書記局長や立民小川淳也衆院議員と訴え。志位氏は「蓮舫さんが知事になれば、都政も日本も必ず変わる」と力を込め、最後の最後まで支持の輪を広げようと呼び掛けました。都議補選で小池氏、山添拓、吉良よし子の両参院議員も街頭から訴えました。

小池書記局長が応援 蒲田駅前

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(写真)聴衆の拍手に応える蓮舫都知事候補(右)と小池晃書記局長=5日、東京都大田区

 「蓮舫さんが勇気をもってチャレンジし、激しく追い上げている。何としても都知事に押し上げていただきたいと、矢も盾もたまらず駆けつけた」―。志位氏は、選挙戦の論戦を通じて、政治姿勢でも政策の対決点でも「小池(百合子)都知事と蓮舫さん、どちらが都知事にふさわしいか、もうはっきりした」と強調。「蓮舫さんが勝てば東京が変わる。日本が変わる。7月7日にはそういう素晴らしい結果をみんなでつくろう。日本共産党も最後まで総力をあげる」と訴えました。

 野田氏は「志位さんと私はたたかいの歴史もあるが、今回は『反自民、非小池都政』を実現するためにそれぞれの立場で全力を尽くす」と訴えました。小池知事を支援する自民党東京都連は幹部らが裏金事件に深く関わっていると批判。「裏金事件に反省のない彼らにペナルティーを与えなければならない。東京から、蓮舫さんを中心にして変えていこう」と力を込めました。

 蓮舫氏は「小池都知事は光に光を当てるのは得意だ。私は豊かなものをより豊かにするのではなく、広がる格差―伸びる長い影、影に光を当てる都知事になりたい」と訴え。選挙戦の中で、「期日前投票に行こう」などのポスターを街中で掲げアピールする街宣は2500人、620駅を超えたと紹介し、「こんなに力強いことはない。どうかみなさん一緒にたたかってください」と呼び掛けました。

 一方、他陣営も最後まで必死の運動を展開。小池知事も街頭宣伝の回数を増やすなど激しい動きをしています。宣伝の現場では、小池氏に批判的なカードやボードを持って声を上げる市民の姿が、回を追うごとに増えています。5日夕方のJR新宿駅前街宣にも多数が集まっていました。

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小池氏は、読売新聞の調査(24日付)で内閣支持率が23%、毎日新聞(同日)で同17%になっていることをあげ、「低空飛行の状態が長期にわたって続いている」と指摘。

2024-06-25 | 市民のくらしのなかで

2024年6月25日(火)

岸田政権支持率低迷

「退場せよ」が国民の声

小池書記局長が会見

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(写真)記者会見する小池晃書記局長=24日、国会内

 日本共産党の小池晃書記局長は24日、国会で記者会見し、各社の世論調査で岸田内閣の支持率が低迷していることについて問われ、「上向く要素は何もない」「(国民の意思は)政権に退場せよということだ」と強調しました。

 小池氏は、読売新聞の調査(24日付)で内閣支持率が23%、毎日新聞(同日)で同17%になっていることをあげ、「低空飛行の状態が長期にわたって続いている」と指摘。岸田政権の政策への評価についても、改定政治資金規正法を「評価しない」「解決につながらない」が多数となり、定額減税についても「評価しない」が多数だと述べ、「この間の政策が全く評価されていないし、国民は全く期待していないことが、どの世論調査にも共通している」と主張しました。

 「自民党に『お灸(きゅう)をすえる』必要があるということか」と問われた小池氏は、「自民党は、裏金問題であれだけ批判されながら、何の反省もなく裏金を合法化するような法案を通した。“お灸をすえる”ことですむような話ではなく、退場せよというのが国民の声だ」と述べました。

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「同姓の強制により、圧倒的に女性が個人の尊厳を傷つけられ、不利益を被っている。これが事実だという認識はあるか」とただしました。

2024-06-20 | 市民のくらしのなかで

2024年6月20日(木)

選択的夫婦別姓阻む理由ない

田村委員長、早期実現迫る

首相、女性の不利益「重く受け止める」

初の党首討論

 日本共産党の田村智子委員長は19日、委員長就任後初となる国会での党首討論に立ち、「長年にわたる女性たちの訴え、ジェンダー平等を求めるムーブメントがついに経済界も動かした」と強調し、選択的夫婦別姓の早期実現に踏み切るべきだと岸田文雄首相に迫りました。(詳報)


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(写真)岸田文雄首相との党首討論に臨む田村智子委員長=19日、衆院第1委員室

 田村氏は、選択的夫婦別姓の早期実現を求める声は経団連からも上がり、女性の人権の問題とともに「ビジネス上のリスク」だともされていると指摘。憲法で女性の人権が認められて77年たつが、夫婦の95%で女性が結婚後に改姓し、アイデンティティーの喪失、キャリアの断絶などに直面している実態を示し、「同姓の強制により、圧倒的に女性が個人の尊厳を傷つけられ、不利益を被っている。これが事実だという認識はあるか」とただしました。

 岸田首相は「女性に大きな不利益が生じていることは重く受け止める」と述べる一方、「さまざまな角度から議論を深める必要がある」などと後ろ向きの姿勢を示しました。

 田村氏は、岸田首相が選択的夫婦別姓は「家族の一体感に関わる」問題だとの認識を示しているが、「そういう捉え方自体が特定の価値観の押し付けに他ならない」と指摘。「選択的夫婦別姓の早期実現を求める合理的な理由はたくさんある。しかし、それを阻む具体的で合理的な理由は何もない」と強調し、一日も早く法案を国会で審議するよう強く求めました。

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