大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

最近、朝鮮半島情勢は緊迫の度を増している。戦争勃発の可能性については、1%でもだめだ。

2017-04-30 | 世界を動かす中国・ロシア

朝鮮半島は中東ではない

人民網日本語版 2017年04月28日15:40
 

最近、朝鮮半島情勢は緊迫の度を増している。(文:賈秀東・本紙特約論説員。中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

トランプ政権は朝鮮の核・ミサイル計画について、米国への脅威が増していると何度も非難し、過去20年間の対朝外交努力は失敗であり、米国の「戦略的忍耐」も終ったと言明している。朝鮮は弱みを見せようとせず、「強硬には超強硬」の姿勢で、激しい言葉と様々な行動で米国に力を誇示している。国際メディアは衛星画像など様々な兆しから、朝鮮が4月のいくつかの重要な記念日に6回目の核実験を行う可能性が高いと推測。

朝鮮半島情勢は非常に緊張しているが、一触即発で戦争という段階にはいたっていない。軍事行動と先制攻撃を第一選択肢にするのは、それほど容易なことではない。総合的実力では、米韓は朝鮮に対して圧倒的優勢にあるが、勝算はない。朝鮮半島「非武装地帯」の両側は世界で最も軍事化の深刻な地区の1つだろう。どのような軍事的挑発も壊滅的打撃をこうむる可能性が高い。誰が戦争を引き起こしたのであれ、ひとたび本当の戦乱が生じれば、誰も勝者にはなれない。

こうした局面は朝鮮半島南北の「恐怖の均衡」と呼べるかもしれない。こうした「恐怖の均衡」の下、情勢はもろく危険なままだ。朝鮮の核保有は国際的な核不拡散体制を破壊し、国連安保理決議に違反する。朝鮮が独断専行で再び核実験を実施するのなら、国際的に一層厳しい制裁を招き、孤立を深めるだけだ。同様に、米韓が再三朝鮮に軍事的圧力を加え、対朝追加制裁と朝鮮の孤立化を図るのなら、朝鮮をより過激な対応措置へと走らせ、朝鮮半島情勢の交互エスカレートを招き、悪循環を形成するだけだ。個別の突発的事態、偶発的衝突も、小さな火花が広野に燃え広がるように、朝鮮半島及び周辺地域に破滅的な結果をもたらす恐れがある。中東地域の戦乱はすでに悲惨な状況にある。もし朝鮮半島で戦争や混乱が生じれば、北東アジア地域はさらに凄惨な様相を呈する恐れがある。もちろん、こうした状況が生じる可能性は低い。中国の王毅外交部長(外相)が述べたように「戦争勃発の可能性については、1%でもだめだ。朝鮮半島は中東ではない」のだ。

朝鮮半島核問題に一挙に解決する方法はない。地域の国々はいずれも自らの安全維持を望んでおり、平和的解決は全ての関係国にとって最大公約数だ。歴史が繰り返し証明しているように、武力で問題は解決できず、対話と協議こそが問題解決の唯一の正しい道だ。

 現時点でやや安堵できるのは、ここ数日、新たな核実験など懸念される重大な出来事が朝鮮半島で生じなかったことだ。王部長はこれについて「この局面はみなが共に努力し、関係する当事国が自制を保った結果だ。同時に、朝鮮半島の比較的安定した状態は大変もろく、いつでも異変が生じうることにも目を向けなければならない。したがって中国側は各国に対して、対立をさらに激化させる行為をこれ以上取らないよう呼びかける」と述べた。

中国側の示した「相互停止」提案を各国が真剣に検討することが喫緊の課題だ。現在、朝鮮半島核問題の解決については多種多様な論法がある。王部長は「中国が様々な論法に揺らぐことはなく、また自らが尽くすべき責任を放棄することもない」と明確に述べた。中国の出した「処方箋」は、「良薬は口に苦し」だといえる。朝鮮は核・ミサイル実験を停止すべきだし、米韓も同時に的を合わせた大規模軍事演習を停止すべきだ。これこそ国連安保理決議の精神に符合する。

米国の国務長官、国防長官、国家情報長官は先日連名で声明を発表し、朝鮮に圧力を加えることを重ねて表明すると同時に、朝鮮半島の平和的方法による非核化実現を追求し、交渉による目標達成にオープンな姿勢であることを強調した。このメッセージは重視に値する。

米朝が引き続き憎み合い、軍事的対立の色を濃くするのは、誰の利益にもならない。米朝共に積極的なメッセージを伝え、朝鮮半島上空に漂う暗雲を払うことを希望する。(編集NA)

「人民網日本語版」2017年4月28日

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「国があっての人ではない。国より先に民族があり、民衆がいる」

2017-04-29 | 市民のくらしのなかで

高麗美術館・企画展「上田正昭と高麗美術館」が開催中

「民際」の軌跡をたどる

企画展は4月3日から7月17日まで開催中

「国があっての人ではない。国より先に民族があり、民衆がいる」

古代史における「渡来人」研究の第一人者、故・上田正昭・京都大名誉教授が残した「民際」という思想。その言葉には、国益が優先される「国際」よりも「民衆同士の交流が大切」であるという上田氏の一貫した研究姿勢が反映されている。

いま東アジア、日朝の史実にどのように向き合うべきか―。同氏の70年に及ぶ研究軌跡からそのことを語りかける企画展「上田正昭と高麗美術館」が、4月3日から7月17日まで、京都市の高麗美術館で開催されている。

色褪せた参考書、めがね、万年筆、そして原稿用紙の束。88歳で生涯を閉じるその日まで、筆をはしらせた書斎の卓上を再現した展示物が、まるで訪問者を迎えるように館内へ入るとすぐに視界に入る。そこから歩を進めていくと、上田氏の研究業績と同美術館との関わりを辿った全4章からなるブースに約80点に及ぶ朝鮮の美術品が展示されていた。

書斎本棚の再現コーナー

自身の著書や執筆に携わった書籍が並べられた本棚の再現コーナーとともに展開される第一章「帰化人から渡来人へ」。ここは、日本神話や古代史、東アジア史、部落史など様々な研究分野を横断し、後に「民際」の思想から差別や人権問題へとたどり着く「上田歴史学」の研究の道のりが、まさに数々の著書を通じて伝わる空間だ。

なかでも、古代に中国、朝鮮からやってきた人々を、日本中心史観の「帰化人」ではなく、歴史的事実に照らし、学問的裏づけをしたうえで「渡来人」と呼ぶことを提唱した同氏の学問姿勢は、当時古代史研究において革命的な追求だったという。

生前持ち歩いた手帳には自身の思いを綴った歌を書き記していた

この日、解説をした同美術館の鄭喜斗事務局長は「古事記や風土記には『渡来人』と記載され、日本書紀には日本の権力者の視点から『帰化人』と書かれた。そのことを上田先生は『戸籍のない時代に、帰化人とするのは学問上おかしいと常々話していた』と話す。

また、第一章の映像ブースでは、70年代から2000年代まで延べ1万人が参加した「朝鮮文化をたずねる旅」で、上田氏が講師を務め、日本にある朝鮮文化の遺跡を巡った当時の様子が映し出されていた。

初の一般公開となった広開土王碑拓本

第二章「日本古代から東アジアへ」へ歩みを進めると、上田氏が74年に訪中した際、中国の学者から託されたという高さ6メートルもの「広開土王碑拓本」(上田正昭所蔵)が一面に広がった。70年代中国では、その昔高句麗が中国を領土にした記念碑は中国の歴史観に反すると見なされたため「広開土王碑研究」は長い間タブーとされ、その学者は上田氏に研究を託したのだった。

雨森芳州への敬愛の念を込め書いた「芳州魂」

今回の企画展が初の一般公開となった拓本には、日本が朝鮮を侵略したことを証明する記述がなされており、鄭事務局長によると、公開された拓本は85年の「読売新聞主催・シンポジウム広開土王碑」まで内密に保管されたという。そのほかにも同展示スペースでは、東アジア全体を捉えたうえで日本古代史を研究し、後にアジア史学会を発足させるなど、古代史研究に新たな進展をもたらした上田氏の功績が随所で紹介された。

雨森芳州との出会いが描かれた「民際へのまなざし」と題された第三章の展示ブース。そこには、第9次の朝鮮通信使・渉外担当を務めた芳州の著書「交隣提醒」の複製や「雨森芳州肖像(複製)」、また現在、世界記憶遺産登録申請中の朝鮮通信使絵巻8巻や馬上才図など、朝鮮通信使の足跡を「友好・平和の証」とし、古代史を超え地方と東アジアをつなげる作業にまい進した上田氏の様子が、まるで展示品を通じて浮かび上がってくるようだった。

「互いの民族を思いやる魂の交流、心の交流」を唱え、日本の物理学者である湯川秀樹や日本の作家、随筆家、その外にも北南朝鮮や中国、在日の研究者など、まさに垣根を越え「民際」を実践しようとした上田氏。第四章「日本のなかの朝鮮文化」では、70年代から継続して同氏が試みた交流について紹介がなされた。

館内には約80点に及ぶ朝鮮の美術品が展示されている

「南へ2回行けば北にも2回行くという原則。南北の学者が中国の地から、鴨緑江を眺め肩を抱き泣いたのも、上田氏が実践した『民際』交流の場でだった」

朝鮮半島、中国など東アジア全体の中から日本の実像を捉え、差別に抗する歴史観を構築してきた歴史家・上田正昭。同氏の研究軌跡を辿った企画展は、次世代が『民際』思想を引き継ぎ歴史と向き合うことを呼びかけていた。

(韓賢珠)

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百済の25代王で、高句麗侵攻により滅亡の危機に処した国を再興した聖君、武寧王の王と王妃の棺が初めて完全な姿で展示された。

2017-04-28 | 日本と韓国・朝鮮・中国との友好

百済中興の祖、武寧王・王妃の木棺を復元公開

登録 : 2017.04.24 21:46 修正 : 2017.04.25 07:36

国立公州博物館、展示室改編に合わせて公開 
復元本体に残存板材など元の位置に戻す 
木棺の実体と全貌が一層実感できる

新たに復元され展示されている武寧王と王妃の木棺を国立公州博物館が24日、展示室の改編に合せて公開した=国立公州博物館提供//ハンギョレ新聞社

 1971年に盗掘されない状態で発掘された唯一の朝鮮半島の古代王陵がある。4~5世紀に錦江平野で花開いた百済文化の華麗な実体を、その多彩な副葬品で見せた忠清南道公州(コンジュ)松山里(ソンサンニ)の武寧(ムリョン)王(在位501~523)のレンガ造りの墓だ。百済の25代王で、高句麗侵攻により滅亡の危機に処した国を再興した聖君、百済中興の祖と評価される武寧王の王と王妃の棺が初めて完全な姿で展示された。国立公州博物館は最近、内部の熊津(ウンジン)百済室を改編し、新たに復元された武寧王と王妃の木棺を24日メディアに公開した。

 

新たに保存復元処理をして展示される王妃の枕。彩色顔料の安定化処理、各種模様の区画線となっている金箔の位置復元により一層生き生きしたイメージを鑑賞できることになった=国立公州博物館提供//ハンギョレ新聞社

 この木棺は全体の大きさと形を発掘結果に基づいて考証し復元された。墓の発掘当時に出てきた前縁、装飾版、側板破片などの残存板材、付属具などの遺物をグレーの木枠を中心に復元された本体の元の位置に戻した。したがって、武寧王の棺と装飾の実体と全貌をはるかに実感できるように見ることができる。木棺については、棺の覆い部分(蓋板)が武寧王のものは5枚の板材で作られていたが、王妃のものは3枚の板材で作られており、その格式に差異が見られる。棺を固定した前縁については、武寧王のものは金で覆われた金装だが、王妃のものは銀で覆われた銀装であり、測板の木口部分の両端装飾についても、王のものは銀になっているが、王妃のものにはそのような装飾がなく、差を付けてあることがわかる。発掘した墓の内部の配置状態どおり、王と王妃の木棺を一カ所に並べて展示し、木棺を組む接手の方式、順序、構造を映像にまとめ理解度を高めていることも特徴に挙げられる。

 

 博物館側は名品国宝である王妃の枕と足支えも新たに保存復元処理をして展示した。彩色顔料の安定化処理、各種模様の区画線になっている金箔の位置復元により一層生き生きしたイメージを鑑賞できることになった。枕と足支えに描かれた各種の文様、絵柄はデジタル拡大鏡で拡大し細かく観察できるようになっている。王妃の金銅靴は原型から3分の1程度が破損した状態だったが、武寧王陵の墓室内の残存物から破片を新たに捜し出し、相当部分を復元できたという。

 

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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米軍は、日本にある基地から出撃・補給、兵士は日本で休息・・・日本全体が米軍基地といっても過言ではない!

2017-04-28 | 戦争だけはやめてほしい

日本には、北海道から沖縄まで、全国各地に130か所の米軍基地(1024平方キロメートル)があります。

そのうち米軍専用基地は81か所で、他は自衛隊との共用です。


 日本の主な米軍基地は、三沢空軍基地(青森県三沢市)、横田空軍基地(東京都福生市など)、横須賀海軍基地(神奈川県横須賀市)、岩国海兵隊基地(山口県岩国市)、佐世保海軍基地(長崎県佐世保市)と沖縄の米軍基地群があります。
また基地以外に、訓練空域、訓練水域が米軍に提供されています(公海、公空を含む)。面積は、九州よりも広大なものです。
これらの米軍基地は、それぞれが軍事的に一体となって展開されています。在日米海兵隊は、地上部隊が沖縄に、航空部隊が岩国に、艦船部隊が佐世保に配備され、イラク戦争への出撃では、これらが「遠征打撃群」として編成され派兵されました。
いま、この在日米軍基地は、「米軍再編」の名のもとに大きな変貌を遂げようとしています。


ここで紹介するものは、主として小泉親司著『2013 日本の米軍基地』から掲載しました。

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日本でも起こるだろう?このようなパニック、軍事に使うエネルギーを「日朝」「朝米」会談や6者協議の再開に注げ!

2017-04-27 | 市民のくらしのなかで

戦闘機の轟音に戦争? エアショー演習と知って安堵するソウル江南

2017年04月26日07時45分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

「ブラックイーグルス」
  25日午前10時20分ごろ、ソウル東南の上空で戦闘機9機が編隊飛行をした。轟音がソウル江南(カンナム)一帯に響いた。駅三洞(ヨクサムドン)江南ファイナンスセンターで勤務する会社員のイさん(29、女性)は「ついに来る時が来たと思ってすぐに事務室から地下の駐車場に向かった。先週からカカオトークで広まっていた『4月戦争説』が頭から離れなかった」と話した。イさんは家族に「地下に避難しているから心配しなくてもよい」というメッセージを送った。

  ソーシャルネットワークサービス(SNS)では#戦闘機、#戦争、#江南などのハッシュタグが急速に広まった。戦闘機の飛行場面を撮った写真もあっという間に共有された。米空母が北上中という海外メディアの報道と北朝鮮創軍節(4月25日)に関する報道も同時に伝えられた。「原子力潜水艦出現」などの偽ニュースも出始めた。ソウル松坡(ソンパ)警察署と江南警察署には市民からそれぞれ10件ほどの確認の電話があった。

  江南一帯とSNSに「戦争恐怖」を招いた戦闘機は空軍特殊飛行チーム「ブラックイーグルス」の飛行機(T-50B)だった。29日に蚕室総合運動場で開催されるソウル国際車椅子マラソン大会でのエアショーに向けた演習だった。空軍と大会組織委側は状況を認知し、SNSとホームページを通じて「編隊飛行は事前に計画されていたエアショーの演習」という内容の案内文を載せた。組織委の関係者は「事前にソウル市のホームページとSNSを通じて公示したが、広報が不足していたようだ」と話した。

  編隊飛行は20分で終了し、すぐに空軍側の説明があったが、混乱はしばらく続いた。ソウル地下鉄江南駅付近の保険会社に勤務するハンさん(31)は「今のように安保が危険な時に多くの税金を使ってエアショーの演習をする考えがよく分からない」とし「戦闘機のため午前の勤務は何もできなかった」と話した。蚕室女子高3年のイさん(18)は「朝から母が学校からすぐに出るようにと数十回も電話をしてきた。母の電話を受けてから怖くなり、昼食もまともに食べることができなかった」と語った。

  この日、オンラインコミュニティーでは「戦闘機」に関連して2次論争があった。「戦闘機が飛んだからといって戦争が始まるかのように大騒ぎするのは戦争危機をあおる政治工作だ」「空軍は予行演習だと釈明したが、状況からして単なる演習とは違うようだ」などの主張や憶測が次々と出てきた。

  ブラックイーグルスはこの日午後3時ごろにもエアショーの演習をする予定だったが、気象状況が良くないという理由で取り消した。
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アメリカは、韓国でも日本でも主権侵害続ける暴挙、国民無視。しかも大統領選挙中に!

2017-04-27 | アメリカの常識は世界の非常識

登録 : 2017.04.26 23:36 修正 : 2017.04.27 06:38

 

ニュース分析・THAAD速度戦、なぜ? 
明け方に2回にわたり8時間、軍事作戦のように 
エックスバンドレーダー、発射台など配備 
 
「大統領選挙前に既成事実化」新大統領に重荷 
黄代行に「大統領選介入」批判も

26日午前、慶尚北道星州郡の星州ゴルフ場にTHAAD(高高度防衛ミサイル)関連装備を積んだトレーラーが入ると、THAAD配備に反対する星州郡住民などが警察兵力の後ろ側でTHAAD反対横断幕を掲げている=星州/聯合ニュース
 在韓米軍が26日未明、慶尚北道の星州(ソンジュ)ゴルフ場に高高度防衛ミサイル(THAAD)システムの核心装備であるレーダーと交戦統制所、発射台などを奇襲設置したことが確認された。13日後には決まる韓国の次期大統領が米国・中国と追加協議する余地を遮断しようとする韓国と米国政府の「既成事実化」で、国民を欺瞞する行為であり、大韓民国の主権に対する暴挙だという批判が出ている。文在寅(<ムン・ジェイン>共に民主党)・沈相ジョン(<シム・サンジョン>正義党)大統領選候補は強い遺憾を表明し、慶尚北道星州郡の住民たちも抵抗し、大統領選挙の政局に波乱が予想される。

 

 軍消息筋によると、この日米軍は星州ゴルフ場に移動式発射台やエックスバンドレーダー(AN/TPY-2)、交戦統制所をはじめ、発電機、冷却機などTHAADシステムを構成するほとんどの装備を搬入した。この消息筋はハンギョレに「初期運用のための装備は全部搬入された」とし、「迎撃ミサイルだけが搬入されていないと聞いている」と話した。副次的な一部の装備も近く追加搬入が予定され、米軍が望むなら、装備の試験稼動も可能な状態にあるとされる。

 

 星州郡韶成里(ソソンリ)の住民たちの話を総合すると、軍はこの日午前4時43分と午前6時50分の2回にわたり計26台のトレーラーに装備を積んで運び入れた。現場に投入された警察官4000人あまりが、配備に反発する住民たちの接近を妨げ、住民10人あまりが負傷した。

 

 国防部はこの日午前、「THAADシステムの速やかな作戦運用能力を確保するために努力してきた」とし、「今回の措置は利用可能なTHAADの一部の戦力を供与された敷地に設置した」と説明した。米国防省もこの日資料を出し「THAAD配備完了が可能な限り早く実行できるようにするために、韓国政府とともに努力している」と明らかにした。

 

 手続きを無視して装備を先に配備したことに対し、軍当局は「環境アセスメントと施設工事など関連手続きはこれからも正常に進める」とし、問題はないという立場だ。国防部はこれまで、基本手続きを踏んだ後にTHAADを配備すると説明してきた。ムン・サンギュン国防部報道官は17日にも「短期間に終了するのは容易ではないだろう」と明らかにした。16日にはホワイトハウスの外交政策参謀が「(韓国の)次期大統領が決める事案」だと言い、トランプ行政府が速度調整に取り組みはじめたのではないかという観測を生んだ。奇襲配備は予見されなかった。チョン・ウクシク平和ネットワーク代表は「黄教安(ファン・ギョアン)権限代行もトランプ行政府も韓国国民を完全に欺瞞した。大韓民国の主権に対する暴挙だと考える」と話した。

 

 韓米がTHAAD配備を無理に急ぐのは、「大統領選挙前の既成事実化」のためと見られる。キム・ジュンヒョン韓東大学教授は「韓国で政権交代の可能性が高い状況で、米軍主導で(THAAD配備を)既成事実化するためと思われる」と話した。これに先立ち、ある政府筋は「(韓国)政府が要請して急いでいる」と述べた。

 

 トランプ政権にも急ぐ理由がある。就任100日(29日)を控えて支持率が歴代大統領の中で最低水準を記録し、「北朝鮮核問題解決」に突破口を見出そうとしている可能性もある。米中首脳会談以降、両首脳間である程度THAAD問題をめぐり調整がなされたか、両国が対立する状況でトランプが中国に対北朝鮮圧迫を要求する警告のメッセージを飛ばした可能性もある。“首謀者”が韓国政府なら、「明白な大統領選介入」という批判を免れないものとみられる。また米国行政府なら「カールビンソンの虚偽航路変更」論議に続き、トランプ政権の“マイウェイ”式政策決定が再び俎上に上がるだろう。

 

キム・ジウン、キム・イルウ記者、ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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中国を敵に回すようでは、今後の発展はない。韓国との問題を解決できない浅知恵では、外交を任せられない!

2017-04-26 | 科学的社会主義の発展のために

日本の外交青書、「中国の脅威」を再び誇張

人民網日本語版 2017年04月26日15:38
 

日本の2017年版『外交青書』が25日、閣議に報告された。青書は「中国の脅威」を再び取り上げ、海洋問題で中国に陳腐な言いがかりをつけた。青書は近隣諸国との関係強化を含む外交の三本柱を定めたが、竹島(韓国名・独島)の領有権をめぐる主張及び慰安婦問題に関する姿勢表明は韓国の強い非難を受けた。環球時報が伝えた。

日本外務省は毎年閣議に外交青書を報告し、過去1年間の国際情勢及び日本の外交活動を説明するとともに、今後の外交方針を明らかにしている。日本外務省国際報道官室関係者は25日、環球時報の取材に、青書がすでに内閣に報告され、メディア向けに具体的内容の公開も始まっていることを伝えた。だが現時点でメディアが得られたのは表紙のない印刷物のみであり、正式な文書は政府刊行物の形で6月に公表される。

日本外務省ウェブサイトを見ると、青書は国際情勢の新たな分析として、中国など新興国の台頭、パワーバランスの変化、領土主権や権益をめぐるグレーゾーン事態の増加を指摘し、安全保障環境は複雑化しているとした。また、保護主義や内向きの傾向が強まり、自由経済に影響を与えているとした。

青書は「厳しさを増す東アジアの安全保障環境」との項目を特に設けて、まず中国に言及。中国について、透明性を欠く形で軍事力を強化しており、一方的な現状変更を試みていると主張した。また、釣魚島(日本名・尖閣諸島)周辺海域で公船による日本「領海」への侵入を続け、東中国海で一方的な資源開発を行っていると非難した。さらに南中国海での中国の活動を列挙したうえで、自由で開かれた海洋を維持するため、国際社会の連携を呼びかけた。安保分野の対中記述は昨年の青書とほぼ同じだ。

だが毎日新聞によると、今年の青書は日中関係について、改善が続く1年になったと一定程度評価した。青書はまた、日中関係は最も重要な二国間関係の1つであり、戦略的互恵関係の下で両国が地域や国際社会における協力関係を築くことが重要だとした。

青書は日米同盟の強化、近隣諸国との関係強化、日本経済の成長を後押しする経済外交の推進という日本外交の三本柱を定めた。第1の柱について、共同通信社は環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する記述の変化に着目した。昨年版の青書はTPP署名について「日米同盟の一層の強化を意味する」と自画自賛したが、17年版はトランプ政権がTPP離脱を宣言したことから、「日米両国は公正な貿易の実現を目指すことにおいて見解が一致」としており、釈明に窮している印象をぬぐいがたい。青書はインフラ整備分野の対米協力にも言及。これはトランプ政権に根深い「日本の対米貿易は不公平」との印象を薄める狙いがあると指摘される。

近隣諸国との関係では、韓国について日本と共同戦略的利益を有する最も重要な隣国だと強調したが、竹島の領有権主張及び慰安婦問題に関する記述は直ちに韓国の強い抗議を受けた。青書は韓国議員による昨年の竹島訪問を「容認できない行為」とし、釜山の日本総領事館前の慰安婦少女像設置を「極めて遺憾」とした。韓国聯合ニュースは25日、日本が新外交青書で独島の領有権を引き続き主張したことで、韓日関係がさらに冷え込むのは確実だとした。

韓国外務省は25日午後、在韓日本大使館の鈴木秀生総括公使を呼び出し、強く抗議した。趙俊赫報道官も青書を強く非難し、歴史的、地理的、そして法理的にも独島が韓国「固有の領土」であることに疑いの余地はないと強調するとともに、独島の領有権に関する誤った主張を即時撤回するよう日本政府に促するコメントを出した。(編集NA)

「人民網日本語版」2017年4月26日

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「神風」と語る8・2億円の値引きの仕組みがつくられたことに触れつつ「面談を録音した音源があるとの情報がある」と強調。

2017-04-26 | 科学的社会主義の発展のために

森友問題 財務省「適正」根拠、ぼろぼろ

国有地格安売却の核心に迫る

衆院財金委 宮本岳議員が追及

 

 

写真

(写真)質問する宮本岳志議員=25日、衆院財金委

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地の格安売却問題をめぐり、値引きの根拠となってきたごみ処理費用は適正だと繰り返してきた財務省―。日本共産党の宮本岳志議員は25日の衆院財務金融委員会で、財務省のこれまでの答弁の矛盾を具体的な根拠を示して追及しました。

「記録」省保有か

 大量のごみの扱いをめぐっては、2015年9月に財務省近畿財務局が巨額の処理費用を理由に埋め戻しを指示していたことが、工事業者が作成した「打ち合わせ記録」ですでに明らかになっています。財務省はこれまで打ち合わせ自体は認めつつ、「記録」については知らないとし、埋め戻しの指示もしていないと否定してきました。

 ところが、この日の委員会で宮本氏が学園側から「記録」の提供を受けたことはないかただすと、財務省の佐川宣寿理財局長は「持っているかどうか承知していない」と同省が保有している可能性をにおわせました。

田村氏面談後に

 宮本氏はさらに、16年3月に行われた森友学園の籠池泰典前理事長と財務省の田村嘉啓国有財産審理室長との面談について追及しました。財務省による前年の埋め戻し指示を知った籠池氏が、事態打開のため上京したものではないかと指摘。首相夫人付の政府職員が籠池氏の要望を受けて財務省に問い合わせした際、回答した人物が田村氏であることも紹介しました。

 宮本 籠池氏は面談で埋め戻しに抗議したのではないか。

 理財局長 有益費(ごみ撤去費用)についても言及したかもしれない。

 宮本 夫人付を介したやりとりを思わせる話をし「紹介者に対して申し訳ない」「あの方自身が愚弄(ぐろう)されていると思った」などと、支持者に首相や首相夫人がいることを示唆しなかったか。

 理財局長 (田村氏は)記憶していないということだ。

 宮本氏は、面談直後に籠池氏が「神風」と語る8・2億円の値引きの仕組みがつくられたことに触れつつ「面談を録音した音源があるとの情報がある」と強調。引き続き追及していくと表明しました。

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米国が軍事的選択肢をとれば重大な事態になる、米国に対し軍事的選択肢をとるべきではないというべきだと主張。

2017-04-25 | 科学的社会主義の発展のために

「軍事的選択肢」評価は危険

対北 安倍首相の姿勢を批判 小池書記局長、日米電話会談で

共同訓練は北朝鮮への威嚇

 

 

 日本共産党の小池晃書記局長は24日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相が同日午前のトランプ米大統領との電話会談で、北朝鮮に対し「全ての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示すトランプ氏の姿勢を高く評価した」としていることについて、「軍事力の行使を含む選択肢があるというトランプ政権の姿勢を高く評価するもので、大変問題だ」と批判しました。


写真

(写真)記者会見する小池晃書記局長=24日、国会内

 小池氏は、米国が軍事的選択肢をとれば重大な事態になることは明らかだとし、米国に対し軍事的選択肢をとるべきではないとはっきりいうべきだと主張。「少なくとも支持・歓迎するという態度は改めるべきだ。軍事的選択肢を結構だとすれば、万が一米国が軍事力行使に踏み切ろうとする際に日本の手足を縛ることになってしまう」と強調しました。

 小池氏は、韓国の5人の大統領候補者全員が23日のテレビ討論会でも外交による核放棄を迫るべきだと主張していることや、中国も緊張を高める行動を避けるように呼びかけていること、「毎日」(24日付)の世論調査でも外交による解決が6割を超えていることを指摘しました。

 小池氏はまた、電話会談で首相が、米国のカール・ビンソン空母打撃群と海上自衛隊の共同訓練に触れて「引き続き米国と緊密に連携し、高度な警戒監視体制を維持し、わが国として毅然(きぜん)として対応していく」と表明したことを批判。「こういう状況のもとでの共同訓練は、北朝鮮の威嚇に日本も加担するという政治的な意思表示になる。緊張を高めることにしかならない」と強調しました。

 小池氏は、北朝鮮がミサイルを発射したらどうするかといった議論がでていることについて、「いま重要なのは、そういう状況にしないための外交努力をいかに強めていくかだ」と訴えました。

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未来社会への挑戦は若い皆さんの特権です。未踏の領域を拓(ひら)くチャレンジャーとして人生を歩んでほしい!

2017-04-24 | 若者が自分の問題として考えだした。

世界と日本をどうとらえ、どう変えるか 民青が「共産党綱領セミナー」

未踏の領域のチャレンジャーに 志位委員長が講演

 

 

 日本共産党の志位和夫委員長による日本共産党綱領セミナー「世界と日本をどうとらえ どう変えるか」が23日、日本民主青年同盟(民青)の主催で開かれました。会場となった党本部大ホールは1、2階席とも若者でいっぱいになりました。全国各地で同時視聴会が開かれ、インターネットでも視聴されました。


写真

(写真)志位和夫委員長の講演を聞く党綱領セミナーの参加者=23日、党本部

 主催者あいさつした民青の小山農(みのる)委員長は「世界と日本を変える道筋をみんなで考えたい。日本共産党綱領を学ぶ楽しさを、たくさんの青年に知っていただきたい」と呼びかけました。

 講演した志位氏は、党綱領について、(1)いま日本が必要としている変革は何か(2)21世紀の世界をどうとらえるか(3)日本における未来社会の展望について―の三つの角度から解き明かしました。これまでの国会論戦や核兵器禁止条約の国連会議の参加など自らの体験や、マルクス、エンゲルスの著作など豊富なエピソード、さまざまな資料を交えての講演に参加者は聞き入りました。

 講演の最後に志位氏は、安倍政権打倒を掲げて取り組んでいる野党と市民の共闘や、核兵器禁止条約を締結する世界的動き、資本主義を乗り越える未来社会を展望するたたかいをあげて、「日本も世界も戦後初めての未踏の領域に踏み出しています。発達した資本主義国で未来社会に踏み出すのは、文字通り人類未踏の道への挑戦です。そういう時代に若いみなさんが活動しているのはとても素晴らしいことであり、未来社会への挑戦は若い皆さんの特権です。未踏の領域を拓(ひら)くチャレンジャーとして人生を歩んでほしい」と呼びかけると、参加者は大きな拍手で応えました。

写真

(写真)演する志位和夫委員長=23日、党本部

 最前列で聞き、小さな字でびっしりメモを取っていた徳島県の栄養士の女性(25)は、「志位さんが野党共闘について『多様性は強み』といった言葉が一番印象に残りました。日々の活動でも、お互いをリスペクト(尊重)することを大事にしたい。“未踏の領域を拓くチャレンジャーとして生きてほしい”という言葉に励まされました」と話しました。

 東京都内の大学生(20)は、「トランプ政権や欧州での右派勢力の台頭でどうなるのかと思っていたので、核兵器問題でも禁止条約を締結する世界の本流の動きがよく分かり、希望が持てました。日本で政治を変えることがその流れを強くすることになると思います。大学で『ヒバクシャ国際署名』を広げるなど活動を広げたい」と語りました。

世界と日本をどうとらえ、どう変えるか――日本共産党綱領セミナー(レジュメ)

2017年4月23日 志位 和夫

1、いま日本が必要としている変革――民主主義革命について

 (1)アメリカの従属国から、本当の独立国へ

 ・在日米軍基地の異常――四つの「殴り込み」部隊

 ・アメリカの戦争に「何でも賛成」――ベトナム戦争とイラク戦争をめぐる国会論戦

 ・安保法制=戦争法廃止は急務、国民合意で日米安保条約をなくし日米友好条約を

 (2)大企業の横暴勝手をおさえ、「ルールある経済社会」を

 ・異常な長時間労働――日本とヨーロッパとの三つの根本的な違い

 ・「大企業の民主的規制」の意義(1)――「大洪水」を防ぐために避けて通れない

 ・「大企業の民主的規制」の意義(2)――国際的視野でも、必要で、必然的な方針

 (3)民主連合政府と統一戦線――野党と市民の共闘について

 ・民主主義革命をどうやって進めるか――「多数者革命」と統一戦線

 ・野党と市民の共闘――戦後初めての流れを実らせよう

 ・成功のカギ――「多様性」を尊重し、リスペクトの精神で力をあわせよう

2、21世紀の世界をどうとらえるか――「核兵器禁止条約の国連会議」から見えた世界

 (1)世界の本流と逆流が鮮やかに浮き彫りになった

 ・国連加盟国の過半数の政府代表と市民社会代表――本流の姿が力強く示された

 ・「立場が入れ替わってしまったね」――逆流の追い詰められた姿が世界に示された

 ・日本政府の不参加と、日本共産党代表団の活動

 (2)大国中心の時代は終わり、国の大小で序列のない世界に

 ・「小さな国」が「大きな存在感」を発揮している

 ・綱領の世界論――「世界の構造変化」という角度から世界史をとらえる

 ・「世界の構造変化」が生きて力を発揮しだした――国際政治の「主役」が交代した

 (3)軍事同盟に縛られない、非同盟・中立の流れにこそ未来がある

 ・ASEAN(東南アジア諸国連合)とCELAC(中南米カリブ海諸国共同体)の活躍

 ・ヨーロッパ――オーストリア、アイルランドなど中立国の自主的立場が輝いた

 (4)歴史上初めての核兵器禁止条約が今年中にも誕生する可能性が

3、日本における未来社会の展望について

 (1)資本主義という制度の是非が、根本から問われる深刻な矛盾が

 ・格差と貧困の拡大――統計史上で過去最悪の格差に

 ・投機マネーの暴走――「投機市場が、企業の活殺の権限をにぎっている」

 (2)「人間の自由で全面的な発展」――これこそが未来社会の最大の特質に

 ・「生産手段の社会化」――社会主義にすすむ変革の中心

 ・「各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件であるような一つの結合社会」

 ・労働時間の抜本的短縮こそ「人間の自由で全面的な発展」の保障

 (3)日本における未来社会の豊かで壮大な展望

 ・中国をどうみるか――日本共産党第26回、27回党大会の決定

 ・日本の展望は(1)――「浪費型の経済」を一掃することの意義について

 ・日本の展望は(2)――自由と民主主義が豊かに花開く

 ・人類未踏の領域にふみだそう

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閣僚らの暴言は、政権トップの首相の姿勢や安倍政権の政策と深く結びついています。国会運営も異常ずくめ!!

2017-04-23 | 科学的社会主義の発展のために

安倍政権 相次ぐ暴言・問題行動

モラル崩壊どこまで

トップから内閣全体へ

 

 

 安倍政権の閣僚らの暴言・問題行動が日替わりメニューのように相次いでいます。厳しく任命責任が問われる安倍晋三首相はまったく問題視せず、「(対応は)本人が決めること」(菅義偉官房長官)と、まるで人ごとのようです。「モラル崩壊がトップから引き起こされて、内閣全体に及んでいる」(日本共産党の志位和夫委員長)異常事態です。


 学校法人「森友学園」との関係をめぐる稲田朋美防衛相の虚偽答弁、金田勝年法相の「共謀罪」法案についての審議封じの文書の配布など、安倍政権下で閣僚の資質が問われる事態が噴出。今月に入ってからだけでも、今村雅弘復興相、鶴保庸介沖縄北方相、山本幸三地方創生相が、原発事故の自主避難者や沖縄県民、学芸員らを突き放し、侮蔑し、居直る暴言を繰り返してきました。政権を構成する大臣政務官も女性問題などで辞任しています。

 格安の国有地売却をめぐる「森友」疑惑で安倍首相夫人・昭恵氏の関与が濃厚になっているにもかかわらず、安倍首相をはじめ政府・与党は昭恵氏の説明や証人喚問を拒否し、疑惑隠しに躍起になっています。

 閣僚らの暴言は、政権トップの首相の姿勢や安倍政権の政策と深く結びついています。

 自主避難者に「自己責任」と言い放った今村復興相の暴言の背景には、政府と東京電力の責任逃れと原発再稼働推進があります。

 「学芸員はがん」という山本地方創生相の暴言の背景には、経済戦略優先で文化財保護の軽視の姿勢があり、閣僚個人の資質の問題だけでは済まされません。

国会運営も異常ずくめ

 閣僚らの暴言が相次ぐ安倍政権のモラル崩壊は、国会審議や運営にも表れています。

「森友学園」疑惑

 学校法人「森友学園」疑惑の真相究明はまったなしです。

 衆参両院の予算委員会で行われた同学園の籠池泰典理事長(当時)の証人喚問から23日で1カ月。国有地の格安での売却をめぐって安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与や、通常ではありえない財務省・国土交通省の手続き、小学校設置認可をめぐる国会・地方議員、大阪府の関与などの疑惑が浮上しました。

 ところが、安倍首相と与党は野党が求める昭恵氏ら関係者の証人喚問をかたくなに拒否。12日の衆院厚生労働委員会では驚く対応をとりました。野党議員が昭恵氏の公の場での説明を安倍首相に求めたところ、自民党は「議案と関係ない」と反発し、引き続き審議することになっていた介護保険等改悪法案を強行採決したのです。

 露骨な「森友」疑惑隠しでは、政府当局も同類です。野党の資料提出要求に“与党の許可がなければ出せない”と拒む事例が頻発しているのです。

 20日の参院国交委員会で日本共産党の辰巳孝太郎議員が「与党による事実上の検閲であり、国会審議の形骸化だ」と批判すると、大塚拓財務副大臣は「相当政治的な問題になっているから、与党の理事に相談するのは普通のことではないか」と与党による不当な資料の“検閲”を当然視する姿勢を示しています。

「共謀罪」法案審議

 異常な事態を引き起こしているのが、「共謀罪」法案審議の舞台となっている衆院法務委員会です。

 法案が審議入りした19日に続き、21日の委員会審議の冒頭でも、野党議員が要求していない法務省の林真琴刑事局長を政府参考人として出席させる議決を与党の多数で強行しました。「前代未聞」(国会職員)の事態です。

 1999年に改定された国会法と衆院規則では、政府への質問は原則として大臣、副大臣、政務官に行い、刑事局長など官僚が政府参考人として出席するのはあくまで例外。官僚の委員会出席は全会一致で認めるのが慣例となっており、いずれの点でも与党はルール破りを強行したのです。

 この姿勢にメディアも「質問者が法相を指名しているのに、法務省刑事局長が答える。局長の後、ほぼ同じ説明を法相が繰り返す――。見過ごせないのは、そんな金田氏をかばい、数の力で法案成立を図る与党の姿勢だ」(「朝日」22日付社説)と批判しています。


相次ぐ閣僚らの暴言、不祥事

山本幸三地方創生相 観光振興に関して「一番のがんは学芸員だ。この連中を一掃しないとだめ」(16日・滋賀県大津市での地方創生セミナー)

今村雅弘復興相 福島原発事故による自主避難者の帰還で「どうするかは本人の責任」「(不服なら)裁判でも何でもやればいい」(4日の記者会見)

稲田朋美防衛相 自ら森友学園の訴訟に出廷したことを示す資料が判明しても「まったくの虚偽だ」(3月13日の参院予算委員会)と虚偽答弁。その後、撤回

金田勝年法相 「共謀罪」法案について「国会提出後に議論すべきだ」と質問封じの文書を配布(2月6日)。法案審議に入ると法務省刑事局長の答弁を繰り返す

鶴保庸介沖縄北方相 辺野古新基地建設に反対する沖縄県の動きを「ポジショントーク(自身に都合のよい発言)をするような向きも、ないではない」(11日の記者会見)と侮蔑

中川俊直前経産政務官 週刊誌で女性問題が報じられ辞任し、自民党離党(21日)。自身のフェイスブックに「不徳の致すところ」と投稿するも、公の場での説明はなし

務台俊介前内閣府政務官 台風被害視察の際に水たまりで職員におんぶさせた問題に絡めて「長靴業界はもうかった」(3月8日の自身の政治資金パーティー)。その後辞任

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日本が侵略の歴史と向き合い、深く反省して軍国主義とは一線を画するよう求める! 隣国と国際社会の信頼を!

2017-04-23 | 科学的社会主義の発展のために

外交部、安倍首相の靖国神社への真榊奉納について

人民網日本語版 2017年04月22日11:19
 

日本の安倍晋三首相が21日、靖国神社の春の例大祭に合わせ、真榊(まさかき)を奉納したことに対し、中国外交部(外務省)の陸慷報道官は21日の定例記者会見で、「中国は、日本が侵略の歴史と向き合い、深く反省して軍国主義とは一線を画するよう求める」と表した。

安倍首相の奉納のほか、河井克行補佐官や高市早苗総務相、さらに国会議員90人以上が靖国神社を参拝したことに対する、中国の見方について聞かれた陸報道官は、「靖国神社は侵略戦争の責任を負うA級戦犯をまつっており、中国は日本の政界要人の間違ったやり方に一貫して反対している。中国は日本に対し、両国間の4つの政治文書の精神を遵守し、両国間の4つの原則的共通認識を確実に実行し、侵略の歴史と向き合い、深く反省して、軍国主義と一線を画し、実際の行動でアジア隣国と国際社会の信頼を得るよう求める」と答えた。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年4月22日

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アメリカは、国が誕生して以来、平和だったのはわずか21年間に過ぎない。

2017-04-22 | 市民のくらしのなかで

アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の、239年中、222年間が戦争

WashingtonsBlog

2015年2月23日

アメリカは、国が誕生して以来、平和だったのはわずか21年間に過ぎない。

2011年に、Daniosはこう書いた

     下記のとおり、年ごとの、アメリカ戦争年表を作成してみたが、大変に興味深いことがわかる。アメリカ合州国が1776年に建国されて以来、235年の存在のうち、214年間、戦争をしてきた。言い換えれば、アメリカがいかなる戦争もしなかったのは、わずか21年に過ぎないのだ。

    これを見やすく並べてみよう。

    * 1776年以降のどの年でもとりあげてみれば、アメリカがその歴年のうち何らかの戦争を行っている可能性は91%だ。

    * 本当に平時の大統領といえるものは一人もいない。それどころか、アメリカ大統領全員、厳密に言って、“戦争大統領”と見なすことができる。

    * アメリカが10年間、戦争をしなかったことはない。

    * アメリカが5年間、戦争をせずにすごした唯一の時期(1935-40)は、大恐慌の孤立主義時代だ。

    *  *  *

    アメリカの戦争を図にするとこうだ。

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戦後できた「日本国憲法」は国民主権です。教育勅語は国民主権の憲法と相いれないのです」。

2017-04-22 | 科学的社会主義の発展のために

2017とくほう・特報・・しんぶん赤旗

戦争は教室から始まる。軍国少女・少年を再びつくってはいけない

教育勅語“教材否定せず” 戦争体験者ら批判

 

 安倍政権が行った「教育勅語を教材にすることを否定しない」との閣議決定(3月31日)に批判が広がっています。1890年(明治23年)に発布した教育勅語がなぜ、21世紀のいまなのでしょうか。戦争体験者や研究者から告発が相つぎました。(阿部活士、武田恵子)


写真

(写真)1938年当時、福岡県久留米市の小学校の教室。黒板の右上には伊勢の「皇大神宮」の写真入りの額が、左上には、皇居「二重橋」の写真入りの額が掲げられている。両方をつなぐ形で「國史年代表」が貼られ、年代表の始まりは神代となっている(北村小夜さん提供)

 「戦争は教室から始まります。私のような軍国少女を再びつくってはいけない」

 こう話すのは、元教員の北村小夜さん(91)=東京都大田区在住=です。

国語の授業も「忠孝」「愛国」

 生まれ育った福岡県久留米市の小学校を1938年(昭和13年)に卒業。卒業時にもらった授業風景の写真を見せてくれました。

 黒板に、「我が國民性の長所短所」「長所 忠孝の美風」「國土 島國 擧國一致 熱烈な愛國心」などの文字が書かれています。

 「これ、修身の授業じゃないですよ。国語です。戦前・戦中の教育の目的は、教育勅語に基づいた愛国的な国民を育てることでした。それを育てるための国語であり、数学であり、理科でした」

 教育勅語は、「朕(ちん)惟(おも)フニ我カ皇祖皇宗(こうそこうそう)(天皇の先祖代々)」という神話で権威づけ、「臣民」(君主に支配される人民)に向けて指図したものです。「朕」とは天皇の自称です。

 北村さんは、「国民が臣民とされた時代の教えです。どこが悪いのかをはっきりさせることが大事」と前置きし、「たとえどんなに真理を語っていようとも、君主に指図をされるいわれはない。戦後できた日本国憲法は国民主権です。教育勅語は国民主権の憲法と相いれないのです」といいます。

“不敬事件”がたちまち拡大

 なぜ、明治政府は教育勅語をつくったのか。

 「自由民権運動で高揚した人民のたたかいに対抗するためにもつくられたが、天皇の名前で勅語にしたので、当時の社会では神聖不可侵のものとなりました。たちまち“それは教育勅語に反している。不敬だ”と不敬事件が広がりました。人を陥れる材料に使われました」

 日本近代史を専門とする岩井忠熊立命館大学名誉教授の指摘です。

 教育と宗教の衝突として有名なのが、クリスチャンとして教育勅語を拝むことを拒否した内村鑑三の不敬事件(1891年)でした。信教・信仰の自由がなく、彼は一高の教職を追い出されました。

 東洋大の前身である哲学館で倫理学を教えていた中島徳蔵の「事件」(1902年)がありました。イギリスのムイアヘッドのテキストを使いました。そのなかで、“皇帝が不正を働いた時には、これを殺すことは倫理的に間違っていない”とありました。“教育勅語からみてテキストとしてふさわしくない”と、中島氏は哲学館を排斥させられました。

 教育勅語が日本社会にもたらした弊害について、岩井さんは語ります。「欧州で普及されていた学説の紹介も『不敬』事件とされて事実上禁止になるのです。日本人の多様な思想形成は、教育勅語を軸にした教育を通じてタブーを抱えてしまい、世界的な視野を失ってしまいました」

 さらに、「教育勅語は、臣民にたいし天皇のために忠誠を誓い、命を捨てろというものです。外に向かっては、“中外に施してあやまらず”と世界に広めようという意志を示します。のちの太平洋戦争に至る八紘一宇(はっこういちう)の思想に通じるものです。日本が世界の中心であって、天皇の意向を世界に広めることが八紘一宇。侵略戦争に突き進むうえでの精神的な考えです」。

 過去の侵略戦争と植民地支配に無反省な安倍政権のもとでの教材化は、新たな火種を抱えることにもなります。

少女みずから「戦争をした」

 教育勅語で育てた軍国少年は、国がおこす戦争に疑いを持たない兵士となっていきました。戦死を前提にした特別攻撃隊(特攻)に志願させられた青少年が続出しました。さきの岩井さんもその一人です。

 少女の場合は―。

 冒頭の北村さんは自ら「戦争をした」と語ります。強烈な記憶があります。久留米市の工兵隊から中国に出兵した3人が爆弾筒を抱えて上海の鉄条網を突破した「爆弾三勇士」の「栄光をたたえる」旗行列が32年にありました。旗につられ参加し、おとなに抱き上げられた上から見る「日の丸」の旗の波に魅せられました。

 海軍予備学生に行ったボーイフレンドが「この世で会えなかったら靖国で会いましょう」と書き置きしたときには、「どうしたら靖国で会えるだろう」と考えて、「戦死」を覚悟して、日本赤十字社の救護看護婦養成所に入ります。

 「教育勅語は、天皇が言ったから、神がつくった国だからこうしなさいということですね。そして、最後は、『朕のために命を差し出せ』ですよ。また再び、そんなことをするのか、安倍政権に問いたいですね」と話します。

道徳の教材に使えない代物

 岩井さんは、教育勅語は道徳の教材としても失格だったといいます。

 日清戦争(1894年~95年)後に、第二の教育勅語をつくる動きがありました。

 公家の西園寺公望が2度目の文部大臣になった時です。「日本も産業革命期に入り、市民社会ができつつあった。これからの時代、今までの教育勅語は力を失う。新しい教育勅語を出さないといけない」と主張しました。

 「西園寺という当時の支配階級のなかでも、それまでの教育勅語にかえて、新しい市民社会の道徳をつくる必要があるというのです。西園寺の病気辞任で新教育勅語は挫折しましたが、教育勅語ができてから10年たらずで使えない代物と思われていました。それを今ごろになって教材にするなど時代錯誤も甚だしい」と岩井さん。教材化の動きを警告します。

 「当時、子どもたちは教育勅語で育てられ、国がおこす戦争に積極的に参加する、私のような特攻隊に行くような子どもをつくりだしたわけです。日本の国家社会を支える青少年をつくりだそうという力が教育勅語の賛美として働き、戦前をよみがえらせようとしていると思います。絶対に許してはいけない」

写真

(写真)学校で実際に使われた巻物仕立ての教育勅語の謄本(提供・沖縄県平和祈念資料館)

教育勅語の謄本

 『教育勅語の研究』の著者・岩本努さんによると、文部省が当初作成し、手元にあった教育勅語の謄本原版は、関東大震災の火災でなくしました。その後、字体を変えて再発行したといいます。

 一枚の紙きれの教育勅語の謄本は、学校現場では読み上げたり、保管するために巻物に仕上げていました。

 「1行17字、19行」の形式です。岩本さんは、「この形式は写経と同じ。お経を唱えるように覚えやすくしたと思います」といいます。

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戦後できた「日本国憲法」は国民主権です。教育勅語は国民主権の憲法と相いれないのです」。

2017-04-22 | 科学的社会主義の発展のために

2017とくほう・特報

戦争は教室から始まる。軍国少女・少年を再びつくってはいけない

教育勅語“教材否定せず” 戦争体験者ら批判

 

 安倍政権が行った「教育勅語を教材にすることを否定しない」との閣議決定(3月31日)に批判が広がっています。1890年(明治23年)に発布した教育勅語がなぜ、21世紀のいまなのでしょうか。戦争体験者や研究者から告発が相つぎました。(阿部活士、武田恵子)


写真

(写真)1938年当時、福岡県久留米市の小学校の教室。黒板の右上には伊勢の「皇大神宮」の写真入りの額が、左上には、皇居「二重橋」の写真入りの額が掲げられている。両方をつなぐ形で「國史年代表」が貼られ、年代表の始まりは神代となっている(北村小夜さん提供)

 「戦争は教室から始まります。私のような軍国少女を再びつくってはいけない」

 こう話すのは、元教員の北村小夜さん(91)=東京都大田区在住=です。

国語の授業も「忠孝」「愛国」

 生まれ育った福岡県久留米市の小学校を1938年(昭和13年)に卒業。卒業時にもらった授業風景の写真を見せてくれました。

 黒板に、「我が國民性の長所短所」「長所 忠孝の美風」「國土 島國 擧國一致 熱烈な愛國心」などの文字が書かれています。

 「これ、修身の授業じゃないですよ。国語です。戦前・戦中の教育の目的は、教育勅語に基づいた愛国的な国民を育てることでした。それを育てるための国語であり、数学であり、理科でした」

 教育勅語は、「朕(ちん)惟(おも)フニ我カ皇祖皇宗(こうそこうそう)(天皇の先祖代々)」という神話で権威づけ、「臣民」(君主に支配される人民)に向けて指図したものです。「朕」とは天皇の自称です。

 北村さんは、「国民が臣民とされた時代の教えです。どこが悪いのかをはっきりさせることが大事」と前置きし、「たとえどんなに真理を語っていようとも、君主に指図をされるいわれはない。戦後できた日本国憲法は国民主権です。教育勅語は国民主権の憲法と相いれないのです」といいます。

“不敬事件”がたちまち拡大

 なぜ、明治政府は教育勅語をつくったのか。

 「自由民権運動で高揚した人民のたたかいに対抗するためにもつくられたが、天皇の名前で勅語にしたので、当時の社会では神聖不可侵のものとなりました。たちまち“それは教育勅語に反している。不敬だ”と不敬事件が広がりました。人を陥れる材料に使われました」

 日本近代史を専門とする岩井忠熊立命館大学名誉教授の指摘です。

 教育と宗教の衝突として有名なのが、クリスチャンとして教育勅語を拝むことを拒否した内村鑑三の不敬事件(1891年)でした。信教・信仰の自由がなく、彼は一高の教職を追い出されました。

 東洋大の前身である哲学館で倫理学を教えていた中島徳蔵の「事件」(1902年)がありました。イギリスのムイアヘッドのテキストを使いました。そのなかで、“皇帝が不正を働いた時には、これを殺すことは倫理的に間違っていない”とありました。“教育勅語からみてテキストとしてふさわしくない”と、中島氏は哲学館を排斥させられました。

 教育勅語が日本社会にもたらした弊害について、岩井さんは語ります。「欧州で普及されていた学説の紹介も『不敬』事件とされて事実上禁止になるのです。日本人の多様な思想形成は、教育勅語を軸にした教育を通じてタブーを抱えてしまい、世界的な視野を失ってしまいました」

 さらに、「教育勅語は、臣民にたいし天皇のために忠誠を誓い、命を捨てろというものです。外に向かっては、“中外に施してあやまらず”と世界に広めようという意志を示します。のちの太平洋戦争に至る八紘一宇(はっこういちう)の思想に通じるものです。日本が世界の中心であって、天皇の意向を世界に広めることが八紘一宇。侵略戦争に突き進むうえでの精神的な考えです」。

 過去の侵略戦争と植民地支配に無反省な安倍政権のもとでの教材化は、新たな火種を抱えることにもなります。

少女みずから「戦争をした」

 教育勅語で育てた軍国少年は、国がおこす戦争に疑いを持たない兵士となっていきました。戦死を前提にした特別攻撃隊(特攻)に志願させられた青少年が続出しました。さきの岩井さんもその一人です。

 少女の場合は―。

 冒頭の北村さんは自ら「戦争をした」と語ります。強烈な記憶があります。久留米市の工兵隊から中国に出兵した3人が爆弾筒を抱えて上海の鉄条網を突破した「爆弾三勇士」の「栄光をたたえる」旗行列が32年にありました。旗につられ参加し、おとなに抱き上げられた上から見る「日の丸」の旗の波に魅せられました。

 海軍予備学生に行ったボーイフレンドが「この世で会えなかったら靖国で会いましょう」と書き置きしたときには、「どうしたら靖国で会えるだろう」と考えて、「戦死」を覚悟して、日本赤十字社の救護看護婦養成所に入ります。

 「教育勅語は、天皇が言ったから、神がつくった国だからこうしなさいということですね。そして、最後は、『朕のために命を差し出せ』ですよ。また再び、そんなことをするのか、安倍政権に問いたいですね」と話します。

道徳の教材に使えない代物

 岩井さんは、教育勅語は道徳の教材としても失格だったといいます。

 日清戦争(1894年~95年)後に、第二の教育勅語をつくる動きがありました。

 公家の西園寺公望が2度目の文部大臣になった時です。「日本も産業革命期に入り、市民社会ができつつあった。これからの時代、今までの教育勅語は力を失う。新しい教育勅語を出さないといけない」と主張しました。

 「西園寺という当時の支配階級のなかでも、それまでの教育勅語にかえて、新しい市民社会の道徳をつくる必要があるというのです。西園寺の病気辞任で新教育勅語は挫折しましたが、教育勅語ができてから10年たらずで使えない代物と思われていました。それを今ごろになって教材にするなど時代錯誤も甚だしい」と岩井さん。教材化の動きを警告します。

 「当時、子どもたちは教育勅語で育てられ、国がおこす戦争に積極的に参加する、私のような特攻隊に行くような子どもをつくりだしたわけです。日本の国家社会を支える青少年をつくりだそうという力が教育勅語の賛美として働き、戦前をよみがえらせようとしていると思います。絶対に許してはいけない」

写真

(写真)学校で実際に使われた巻物仕立ての教育勅語の謄本(提供・沖縄県平和祈念資料館)

教育勅語の謄本

 『教育勅語の研究』の著者・岩本努さんによると、文部省が当初作成し、手元にあった教育勅語の謄本原版は、関東大震災の火災でなくしました。その後、字体を変えて再発行したといいます。

 一枚の紙きれの教育勅語の謄本は、学校現場では読み上げたり、保管するために巻物に仕上げていました。

 「1行17字、19行」の形式です。岩本さんは、「この形式は写経と同じ。お経を唱えるように覚えやすくしたと思います」といいます。

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