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安倍政権の暴走が続く限り、このうねりはさらに大きくならざるを得ないであろうことを指摘

2016-09-30 | 市民のくらしのなかで

市田副委員長の代表質問 参院本会議

 

 

 日本共産党の市田忠義副委員長が29日の参院本会議で行った代表質問は次の通りです。


写真

(写真)代表質問する市田忠義副委員長=29日、参院本会議

熊本地震、風水害の被害――住宅再建の支援拡充求める

 私は日本共産党を代表して安倍総理に質問します。

 まず、熊本地震の被災者のみなさん、一連の台風、大雨、洪水被害にあわれた各地のみなさんに心からお見舞いもうしあげるとともに、被害からの復旧と生活・生業(なりわい)の再建のために政治が全力を尽くすことを、強く政府に求めます。とりわけ、すべての復旧・復興の基礎である住宅の再建については、被災者生活再建支援法を抜本的に改正し、対象を広げ、支援額を500万円に引き上げることを求めます。

戦争法――自衛隊を南スーダンから撤退させ、非軍事の人道民生支援を

 今国会は、参院選後最初の論戦の場となります。

 今回の参院選は、戦後初めて、野党と市民が全国的規模で選挙協力をおこなうという歴史的な選挙となりました。この議場には、全国32の1人区のうち、3分の1をこえる11の選挙区で勝利された、市民と野党の共同の議員がおられます。

 この歴史的状況をつくりだしたのは、安保法制=戦争法に反対するたたかいをつうじて、多くのひとびとが主権者としての強い自覚をもって立ち上がり、「自分たちの政治だから、自分たちで担う」「野党は共闘」と主張した、昨年来、全国でわき起こった、日本の歴史でも初めての市民革命的な動きでした。そして総理、そのうねりを生み出す原因をつくったのが安倍政権がすすめる、立憲主義と憲法破壊の強権政治だったのです。

 安保関連法に反対するママの会の方は、「“安保関連法を廃止に”から始まったママの運動でしたが、与党・野党の議員と懇談を重ねる中で、安保法制が沖縄の基地問題やTPP(環太平洋連携協定)など本当にいろいろな問題とつながっていることに気づきました。選挙で勝って政治を変えることがすべての解決に向かう一歩だと気が付いたのです」と語っておられます。

 安倍政権の暴走が続く限り、このうねりはさらに大きくならざるを得ないであろうことを指摘しておきます。

 4野党は、党首合意の上に、(1)安保法制の廃止・立憲主義の回復、(2)アベノミクスによる国民生活の破壊、格差と貧困の拡大の是正、(3)TPPや沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない強権政治を許さない、(4)安倍政権のもとでの憲法改悪反対、という「共通政策」の柱を確認しました。

 総理は、「この道を前へ」が国民の声だと述べられました。しかし、野党と市民が国民的大義のある共通政策を掲げたのにたいして、選挙戦を通じて、「この道」がなにか、具体的には何も語られませんでした。語られたのは「アベノミクスのエンジンをふかす」ということと、野党にたいする「野合」批判ばかりでした。

 あなたが語らなかった、そして所信表明でも触れられなかったのが戦争法の具体化です。

 いま自衛隊が派遣されている南スーダンPKO(国連平和維持活動)は、首都ジュバでの大統領派と副大統領派による大規模な戦闘の発生など情勢の悪化の中で、その性格をさらに大きく変えてきています。国連安保理は8月、「地域防護部隊」4000人の増員を決め、この部隊の権限について、事実上の先制攻撃を認めました。いよいよ日本の自衛隊が参加する条件はなくなったというべきではありませんか。

 南スーダンが“内戦状態でない”などといっているのは世界の中で安倍政権ぐらいであります。ところが政府は、南スーダンPKOへ派遣する自衛隊に、「駆け付け警護」や「宿営地共同防護」の新たな任務を加え、その任務遂行のための武器使用も認めようとしています。そんなことになれば自衛隊員が「殺し、殺される」危険が現実のものになりかねません。すでに、11月に派遣予定の、青森市に駐屯する東北方面隊傘下の第9師団第5普通科連隊では、派遣準備訓練が開始されています。家族や関係者からは「息子がいつ戦地に行くかと思うだけでも気が狂いそうになる」「人様の童(わらし)さ犠牲にする安倍首相は絶対に許せねえ」などの悲痛な声が上がっています。

 総理はこの声にどうこたえるのですか。こんな「おどろおどろしい」ことを実行しようとしているのが安倍政権ではありませんか。

 南スーダン派遣部隊への新任務の付与と武器使用の拡大は、海外での武力行使を禁じた憲法9条に明らかに違反します。

 自衛隊を南スーダンから撤退させ、非軍事の人道支援、民生支援を抜本的に強化すること、これこそ憲法9条を持つ日本が世界に誇れる国際貢献ではありませんか。答弁を求めます。

経済と暮らしこそ危機に直面――暮らしを温める経済政策こそ

 総理は、所信表明で、「世界経済はいま大きなリスクに直面しています」と述べられました。しかし総理、いま危機とリスクに直面しているのは、日本経済と国民の暮らしではありませんか。

 そのことは、政府が総額28・1兆円もの大規模な経済対策を打ち出さざるをえなかったことによっても、みずから証明しています。

 しかもその中心をしめるのは、リニア建設への公的資金投入など大型開発事業へのバラまきです。こういうやり方は、経済効果が乏しく財政を借金漬けにするとして歴史的にその失敗が証明ずみのものではありませんか。

 日本経済の実態はどうなっているか。民間消費支出が名目で0・1%低下、家計消費支出は、ほぼ1年にわたって前年比マイナスが続いています。

 日本経済新聞の日本の主要大企業へのアンケート調査によると、日本経済は「横ばい」が78・9%。その理由として「個人消費の伸び悩み」を挙げた人は実に82・8%にのぼりました。

 問題ははっきりしているのです。大企業や大資産家が利益やもうけを増やしさえすれば、いずれ国民経済に回ってくる、というアベノミクスの破たんを認め、国民の暮らしを土台から温める経済政策にチェンジすることこそ唯一最大の経済政策ではありませんか。

 日本共産党はそのために、(1)所得や資産など負担能力に応じた負担の原則に立って、大資産家や大企業にその能力に応じた負担を求める改革をすすめる、(2)あつまった税金は、大型開発へのバラまきをやめ、社会保障、若者、子育てに優先して使う、(3)人間らしく働けるルールへとチェンジする、という三つのチェンジを提案しています。

 ところが安倍政権は、見当違いの経済対策を打ち出すだけではなく、社会保障の全面的な削減に踏み出そうとしています。これは国民への負担増と生活不安、将来不安を一層募らせ、民間消費・個人消費を活性化させるという求められる経済政策とは完全に逆行する最悪の政策と言わなければなりません。

まともな給付が受けられなくなる介護保険の改悪は国家的詐欺

 なかでも介護保険の改悪は許しがたいものです。

 総理が議長を務める経済財政諮問会議は介護保険の生活援助サービスについて「軽度者に対する給付の見直しや地域支援事業への移行を含め検討をおこなう」ことを打ち出しました。すでに、要支援1、2は介護保険の対象から外されています。加えて、要介護1、2まで保険給付の対象外としたり、給付を「薄く」すれば、「要介護・要支援」と認定された人の65%がまともな給付を受けられなくなります。まさに保険あって給付なし、国家的詐欺と言われても仕方ないではありませんか。

 切り捨てようとしている生活援助サービス、掃除、洗濯、調理などは、もちろんたいせつなサービスです。あわせて、このサービスは生活援助を通じて高齢者の状態把握を行うというきわめて重要な役割も果たしているのです。生活援助と状態把握、適切な介護の提供は一体不可分のものであり、介護保険制度の枠内でのサービスであってこその生活援助であります。日本ホームヘルパー協会などが「専門性の高いサービスこそ生活の再生、状態の維持・改善、悪化の防止につながる」と指摘しているのはきわめて当然であります。生活援助サービスなどの給付外し、保険給付の切り下げは決してやるべきではないと考えますが、いかがですか。

長時間労働なくすというなら「残業代ゼロ法案」を撤回すべきだ

 総理は「働き方改革」といって、「長時間労働をなくす」「同一労働同一賃金」を実現すると言われました。

 本気でそう思われるのなら、異常な長時間労働の規制こそ急務であります。なかでも、事実上青天井になっている残業時間の上限の法的規制は待ったなしと言わなければなりません。昨年、衆院予算委員会でわが党の志位委員長が明らかにしましたが、当時、日本経団連、経済同友会の役員企業35社のうち、33社が「月45時間」の大臣告示をこえる残業協定を結んでいました。さらに28社、80%は政府が過労死ラインとしている80時間をこえる協定を、13社は驚くべきことに月100時間以上の残業協定を結んでいました。

 こうした状況を放置することは断じて許されません。「残業は月45時間、年間360時間」という大臣告示を法定化するなど、厳格な法的規制を行うべきだと考えますが、総理にその意思はありますか。

 日本経団連は、「時間でなく成果で評価する労働時間制度の導入、裁量労働制の対象拡大などを求め」ています(「2016年度事業方針」)。これは、「残業代ゼロ法案」を成立させよというものです。政府がこんな要求に応じれば、より一層の長時間労働を強いることは明らかではありませんか。総理、長時間労働をなくすというのなら、財界の理不尽な要求をはねのけ、「残業代ゼロ法案」を撤回すべきであります。

 電機産業で働く労働者らでつくる電機労働者懇談会によると、電機大企業ではこの5年間に、27万人以上の正社員、非正規社員を含めると40万人をこす大リストラが行われ、ある生産ラインでは、正社員2人を除いてすべて派遣社員に切り替えられたそうです。総理は、「非正規」という言葉をなくそうといわれました。しかし、なくすべきは言葉ではなく、現実に進む職場全体の「非正規社員化」の実態ではありませんか。それとも総理は、派遣社員が派遣元に常用雇用さえされていれば、それはすべて正社員だというのですか。それこそ、非正規で働かせる実態は放置したまま、事実を覆い隠そうということにほかならないではありませんか。

TPP――各国で反対世論、あくまで日米多国籍企業に奉仕するのか

 政府は今国会でTPP協定案と関連法案をしゃにむに押し通そうとしています。しかし、先の通常国会では両案とも成立を断念せざるを得ませんでした。なぜか。

 農林水産品の82%、聖域とした農産物重要5項目でも約3割で関税撤廃を約束しておきながら、「聖域を守る」とした国会決議は「守られた」、という政府の強弁が通用しなくなったからであります。

 政府が、TPP協定案について国会に審議を求めるのなら、交渉経過、およびその全貌を示す資料を国会に提出することが不可欠の前提であります。ところが、政府は、標題以外はすべて黒塗りという完全な隠ぺいを行い、担当大臣であった甘利氏は、睡眠障害を理由に説明責任を放棄してしまいました。

 これでは、審議の前提すら欠いていたというべきです。そのことを認めますか。

 政府は、今国会で審議したいというのなら、交渉経過を国民の前に明らかにすること、交渉担当者であった甘利氏から十分な説明がなされることが不可欠だと思いますが、そういう措置をとられますか。

 TPP協定案は、重要5項目を聖域とした国会決議に真っ向から反しています。それだけでなく、日米の多国籍企業のために、食の安全をないがしろにし、医療、雇用、保険・共済、国・自治体の調達など、あらゆる分野の「非関税障壁」を撤廃するものです。さらにISD条項によって多国籍企業が政府や自治体の施策に介入・干渉する「権利」を保障するなど、わが国の経済主権、食料主権を投げ捨てるものにほかなりません。

 だからこそ、先の参議院選挙で、TPPの影響をとりわけ強く受ける東北各県で自民党は敗北したのではありませんか。

 TPPは日本だけでなく、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど、協定を結んだ各国でも国内産業と雇用を奪うものだとして大きな反対の世論が巻き起こっています。国際的にも国内的にも大きな矛盾が広がっているなかで、なぜあなたはTPP協定の批准を急ぐのですか。食料主権と国内産業を犠牲にして、あくまでも日米の多国籍企業に奉仕する安倍政権は、それこそ亡国の政権と断ぜざるをえません。

沖縄――総理がやるべきは建設工事中止と北部訓練場の無条件返還

 総理は、参院選で一度も沖縄にはいかれませんでした。そして辺野古新基地建設をすすめる担当大臣は、沖縄県民からノーの審判を受けて落選し、「オール沖縄」の伊波洋一氏が10万票以上の大差をつけて圧勝しました。県民の意思はこの上なく明確になりました。

 それに安倍政権はどうこたえたか。参院選から一夜明けた7月11日早朝、オスプレイが離着陸する着陸帯建設を強行したのです。反対する住民を力ずくで排除する安倍政権の強権的な振る舞いは絶対に許されません。

 総理は、0・96ヘクタールのヘリパッドを既存の訓練場内に移設することで、北部訓練場、4000ヘクタールの返還が可能となるとのべましたが、これほど国民を愚弄(ぐろう)する言葉を私は知りません。

 この「0・96ヘクタール」の周辺には、六つの着陸帯に囲まれ、昼夜を分かたぬ騒音と恐怖にさらされている高江の住民が住んでいるのです。その苦しみを総理はどのように受けとめているのですか。

 米海兵隊の報告書『戦略展望2025』には、4000ヘクタールの返還区域は「使用不可能」と書かれています。もともと米軍にとっては無用の長物とでもいうべき地域だったのです。

 在日米軍のさまざまな特権を認めている日米地位協定でさえ、「必要でなくなったときは、いつでも日本国に返還しなければならない」と定めているではありませんか。

 総理がいまやるべきことは、建設工事を直ちに中止し、アメリカに対して、北部訓練場の無条件返還を求めることであります。答弁を求めます。

原発再稼働の強行は深刻な矛盾――中止させるべきだ

 安倍政権が暴走する原発再稼働の強行は、さまざまな分野で深刻な矛盾に突き当たっています。

 ひとつは、福島第1原発の状況です。

 政府は、再稼働のために福島原発事故を「終わったもの」にしようと、避難指示をあいついで解除し、賠償・支援を打ち切ろうとしています。しかし、生活圏である地域の立て直しのめども立たないまま、避難指示を解除したから戻れと言われても、住民が安心して暮らしを成り立たせることはできません。地域で生活が成り立つようになるまで、賠償の延長と必要な支援を行うべきだと思いますがいかがですか。

 福島事故は終わっていません。その原因さえいまだに究明されてはいません。政府の「中期ロードマップ」によれば、汚染源に地下水を近づけないこと、今年度中に建屋内への地下水の流入を1日当たり100立方メートル未満に抑制するというものでした。その切り札とされていたのが凍土壁でした。ところが凍土壁は凍らず、政府の検討会でも「遮水能力が高いというのはほとんど破たんしている」(橘高義典・首都大学教授)と指摘されました。総理はかつて「完全にコントロールされている」といいましたが、その言い分は完全に破たんしているではありませんか。いまこそ汚染水対策の根本的見直しが必要と考えますが、総理にその意思はありますか。

 二つには、九州電力川内原発への不安が広がっていることです。前知事は再稼働に同意しました。しかし、熊本地震が発生し、あらためて原発事故への不安と、避難計画の不備が明らかになりました。それが争点となった7月の鹿児島知事選で県民は、川内原発の一時休止を公約に掲げた三反園知事を選びました。

 三反園知事は、深刻な事故が起きた場合、現行の避難計画では住民の安全は守れないとの判断をしています。政府は住民の避難計画は地元の自治体がつくると繰り返し言ってきましたが、前知事のつくった避難計画が不十分であると現知事が判断した以上、避難計画を抜本的に見直すべきであります。

 県知事の同意もなく、避難計画も存在しない川内原発は稼働を中止させるべきではありませんか。

 三つは、高速増殖炉「もんじゅ」の破たんです。まともに運転されたことがない「もんじゅ」の廃止は当然です。同時に、核燃サイクルの中核である「もんじゅ」の破綻は、核燃サイクルと使用済み核燃料処理方針の破たんをも示すものです。である以上、六ケ所村の核燃料再処理工場もきっぱりと廃止すべきではありませんか。

 処理しようのない使用済み核燃料をこれ以上ふやしてはなりません。どの世論調査でも原発再稼働反対は5割をこえています。いまこそこの国民の声にこたえて原発ゼロを決断し、原発再稼働を中止することを強く求めるものであります。

変えるべきは憲法をないがしろにする政治の方だ

 最後に総理の憲法観をお尋ねします。

 総理は、参院選挙で憲法改定については一切語りませんでした。ところが、投票日翌日の記者会見で「いかにわが党案をベースにしながら3分の2を構築してゆくか、これがまさに政治の技術と言っていい」と述べられました。「だまし討ち」ではありませんか。「政治の技術」=すなわち手練手管で国の在り方の根本を規定した憲法を変えるつもりなのか。立憲主義・民主主義否定の最たるものといわなければなりません。

 総理はあたかも、憲法は変えるのが当然で、どこをどう変えるのかがこれからの課題だ、と言わんばかりです。しかし、9条という、世界でも最もすすんだ恒久平和の条項を持ち、30条にわたるきわめて豊かな先駆的な人権規定が盛り込まれているなど、日本国憲法は世界でも先駆的な内容を持っています。

 変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにする政治こそ変えるべきであります。「自民党改憲草案」は、9条2項を変えて国防軍の設置を明記し、海外での無条件の武力行使を可能にしようというものです。さらに憲法97条、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利」と明記した条項をまるごと削除しています。ここにこそ、基本的人権を制約しようという、自民党と総理の本音がくっきりと示されているではありませんか。これらをベースにした議論など論外といわなければなりません。

 日本共産党は、綱領で「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的条項の完全実施をめざす」と明記しています。施行後70年余にわたって、憲法を守り、その内容を豊かに発展させてきた日本国民とともに、かけがえのない現憲法を守り抜くことを表明して、私の質問を終わります。

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自民案「ベース」に憲法審査会で議論 :「自民党改憲草案」を「ベース」に議論するのが自民党の方針。

2016-09-29 | 動き出した「戦争法」

戦争法 暮らし・経済 TPP 沖縄米軍基地 改憲

暴走政治阻止 転換の道示す

南スーダンからの自衛隊撤退を

志位委員長が代表質問 衆院本会議

 

 

 日本共産党の志位和夫委員長は28日の衆院本会議での代表質問で、国民に隠して進められる安保法制=戦争法の運用の危険を明らかにし、同法の発動中止、南スーダンPKO(国連平和維持活動)からの自衛隊撤退を要求。暮らしを応援し、経済を良くする具体的提案を示すとともに、環太平洋連携協定(TPP)、沖縄米軍基地、改憲などの問題で安倍暴走政治の転換を迫りました。


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(写真)質問する志位和夫委員長=28日、衆院本会議

 安倍政権が戦争法を強行してから1年。政府は、南スーダンPKOに派兵する自衛隊に「駆け付け警護」など戦争法に基づく新任務付与を想定し、訓練を開始しましたが、武器使用基準などを定めた「部隊行動基準」も訓練内容も一切、明らかにしていません。

 志位氏は、国民の理解を得ることなく戦争法を強行可決した上、運用まで「すべて国民に隠して事を進めるつもりか」と批判。内戦がいよいよ深刻となり、「PKO参加5原則」が総崩れとなっている南スーダンの実態を示して「『殺し、殺される』初めてのケースとなる深刻な危険がある」と指摘し、南スーダンからの自衛隊撤退、憲法9条に立った非軍事の人道・民生支援の抜本的強化へと転換するよう主張しました。

暮らし応援へ「三つのチェンジ」

税金の集め方のチェンジ

・10%への消費税増税は中止し、消費税に頼らない財源論へ

・「税金は負担能力に応じて」の原則に立った税制改革を

税金の使い方のチェンジ

・社会保障の切り捨て計画を中止し、社会保障拡充路線に転換

・月額3万円の給付奨学金を70万人の学生に支給する制度の創設、拡充

・30万人分の認可保育所の緊急整備、保育士給与を月額5万円引き上げ

働き方のチェンジ

・残業時間の上限を法律で規制する労働基準法改正

・「サービス残業」根絶する罰則強化

・「残業代ゼロ法案」の撤回

・労働者派遣法の抜本改正

 これに対し、安倍晋三首相は「PKO参加5原則は一貫して維持されている」などと強弁。自衛隊の新任務付与について、「現地の情勢や訓練の進捗(しんちょく)状況等を慎重に見極め、総合的に検討する」などと答えました。

 さらに、志位氏は「アベノミクス」の破たんについてふれ、安倍政権が参院選直後に28兆円を超える大規模な「経済対策」を打つこと自体、「日本経済の悪化を自ら認めるもの」と指摘。国民の暮らしを応援し、経済を良くする「三つのチェンジ」を提案(別項)しました。

 このなかで、残業時間の上限を法律で規制する労働基準法改正、「サービス残業」根絶のための罰則強化という二つの提案を行い、「労働者の命、健康、権利を守る本物の改革を」と主張しましたが、安倍首相はまともに答えず、「長時間労働の慣行を断ち切ることが必要」などと繰り返しました。

 また、志位氏は、輸入米の価格(SBS価格)の偽装が発覚した問題を指摘し、「TPPによる影響の『政府試算』の前提が崩れた」と真相の徹底究明と「政府試算」の撤回を要求。しかし、安倍首相は「撤回の必要はない」などと強弁しました。

自民案「ベース」に憲法審査会で議論

首相認める

 改憲問題では、志位氏が「『自民党改憲草案』を『ベース』に憲法審査会で議論するというのが自民党の方針か」とただしたのに対し、安倍首相は「憲法審査会で、自民党が草案として示したように、各党がそれぞれ考えを示して議論していくことが必要」などと述べ、憲法審査会で「自民党改憲草案」を「ベース」に議論するのが自民党の方針であることを事実上認めました。

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暮らしを応援して、経済を良くする「三つのチェンジ」を提案する=暮らしと経済の問題

2016-09-29 | 動き出した「戦争法」

志位委員長の代表質問

衆院本会議

 

 日本共産党の志位和夫委員長が28日の衆院本会議で行った代表質問は次の通りです。


風水害、熊本地震の被災者支援――「前例にとらわれない」支援を求める

写真

(写真)代表質問する志位和夫委員長=28日、衆院本会議

 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。

 この間、台風10号をはじめ風水害が相次ぎました。犠牲となった方々への哀悼とともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。農漁業への被害、大震災からの復興途上での中小企業・業者への被害が深刻であり、被害実態にふさわしい支援を求めます。32人もの命が奪われ、6人が行方不明となっています。風水害から命を守るために防災対策と避難計画の総点検が必要だと考えますがいかがですか。

 熊本地震から5カ月。住宅再建は切実な課題ですが、「一部損壊」と認定されると一切の支援策が絶たれることが大きな問題となっています。被災者生活再建支援法を改正し、「全壊」の場合の支援額を300万円から500万円に引き上げること、「半壊」「一部損壊」も支援対象にすることを強く求めます。総理は、熊本地震のさい、「前例にとらわれず、必要な支援を躊躇(ちゅうちょ)しない」と発言されました。いまこそ「前例にとらわれない」支援に踏み出すべきではありませんか。答弁を求めます。

安保法制=戦争法の発動に反対し、その廃止を求める

全面的な運用段階――すべて国民に事を隠してすすめるつもりか

 安倍政権が、昨年9月19日、安保法制=戦争法を強行してから1年。この法制は、全面的な運用段階に入ろうとしています。8月24日、稲田防衛大臣は、安保法制に基づく自衛隊の新任務の訓練に全面的に着手していくと表明しました。9月12日、総理は、自衛隊幹部を前にした訓示で「今こそ実行の時だ」と号令をかけました。

 ところが総理は、所信表明で、安保法制について一言も触れませんでした。安保法制は、総理も認めているように国民の理解を得ることなく強行可決されたものです。その運用まで国民に理解を求めることなく強行するつもりでしょうか。

 政府は、南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派遣する自衛隊に「駆け付け警護」や「宿営地共同防護」など、安保法制に基づく新任務を付与することを想定し、訓練を開始しましたが、武器使用基準などを定めた「部隊行動基準」も、いかなる訓練を行っているかも、いっさい明らかにしていません。すべて国民に隠して事をすすめるつもりでしょうか。当然、国会に報告すべきではありませんか。答弁を求めます。

南スーダンPKO――安保法制の発動を中止し、自衛隊の撤退を求める

 南スーダンでは、7月、首都ジュバで、大統領派と副大統領派による大規模な戦闘が起こり、民間人数百人が死亡し、副大統領が国外に脱出するなど、内戦の悪化が深刻になっています。自衛隊の宿営地の隣のビルで2日間にわたって銃撃戦が起こり、宿営地内で複数の弾痕が確認されるなど、自衛隊は危険と隣り合わせで活動しています。この事態にさいして、国連安保理は、8月、4000人のPKO部隊の増派を決め、この部隊には事実上の先制攻撃の権限が与えられました。

 総理は、今年1月の私の本会議質問に対して、「南スーダンPKOの活動地域において武力紛争が発生しているとは考えておらず、派遣の前提となるPKO参加5原則は維持されている」と答弁しました。しかし、いま起こっているのは紛れもない内戦そのものではありませんか。「紛争当事者間の停戦合意」をはじめとする「PKO参加5原則」はもはや総崩れではありませんか。安保法制に基づいて自衛隊に新任務を付与し、任務遂行のための武器使用を認めるならば、南スーダンが「殺し、殺される」初めてのケースとなる深刻な危険があると考えますがいかがですか。

 南スーダンにおける安保法制の発動は中止すべきです。自衛隊を南スーダンから撤退させ、日本の貢献は、憲法9条にたった非軍事の人道支援、民生支援の抜本的強化へと転換すべきです。総理の明確な答弁を求めます。

 日本共産党は、憲法違反の安保法制=戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻すために、他の野党、広範な市民の運動と協力し、全力をあげることを表明するものです。

暮らしを応援して、経済を良くする「三つのチェンジ」を提案する

28兆円の「経済対策」――日本経済の悪化を自ら認めるものではないか

 暮らしと経済の問題について質問します。

 総理は、所信表明で、「アベノミクス」によって「経済の好循環」が生まれていると自画自賛しました。しかし、日本経済の6割を占める個人消費は、2014年度、15年度と、戦後初めて2年連続マイナスとなりました。月ごとでみても、家計消費は、昨年9月以来、2月のうるう年効果を除けば、11カ月連続で前年比マイナスが続いています。「好循環」どころか、「アベノミクス不況」とも言うべき状況に陥っているというのが、ことの真相ではありませんか。

 安倍政権は、参院選直後に、28兆円を超える大規模な「経済対策」を打ち出しました。政権発足以来、最大規模となる「経済対策」=景気対策を打たねばならない。そのこと自体、日本経済の悪化を自ら認めるものではありませんか。

 しかも、この「経済対策」は、リニア建設への巨額の公的資金投入をはじめ、借金頼みの大型開発への「バラマキ」という、破たんが証明された対策が中心です。リニア新幹線は、それ自体が、巨額の建設費、採算見通しのなさ、環境破壊など、さまざまな問題点をもっています。だいたいこの事業は、JR東海が民間資金で行うとしていた事業であり、公的資金を投入しても工事量が増えるわけではありません。当面の「経済対策」として、いったいどのような効果が見込まれるというのですか。採算が取れなくなった場合に国民が負担を肩代わりする、国民にリスクを肩代わりさせるだけではありませんか。

「税金の集め方」――消費税頼みをやめ、「負担能力に応じて」の原則で税制改革を

 大企業がもうければ、いずれは国民の暮らしに回ってくるという「アベノミクス」の破たんは今や明瞭です。日本共産党は、国民の暮らしを応援して、経済を良くする、次の「三つのチェンジ」を提案するものです。

 第一は、「税金の集め方のチェンジ」です。消費税頼みの財源論が行き詰まっていることは、8%への増税が家計消費と日本経済への甚大な打撃となり、2度にわたって10%への増税を延期せざるを得なくなっていることからも明らかです。10%への増税は中止し、消費税に頼らない財源論へのチェンジが必要です。

 株取引にかかる税金が軽いため、所得1億円を超える富裕層ほど所得税の負担率が軽くなるという逆転現象が生まれています。研究開発減税などもっぱら大企業が使う優遇税制のため、法人税の実際の負担率は、中小企業の20%程度に対して、大企業は12%になるという逆転現象が生まれています。総理、これは誰がどう考えても不公平ではありませんか。この不公平をただし、「税金は負担能力に応じて」の原則に立った税制改革で、暮らしを支える財源を賄うべきだと考えますがいかがですか。

「税金の使い方」――大切な税金は、社会保障、若者、子育てに優先して使う

 第二は、「税金の使い方のチェンジ」です。国民からお預かりした大切な税金は、まず、社会保障、若者、子育てに優先して使う。これが日本共産党の提案です。

 社会保障をめぐって、医療、介護、生活保護などの大改悪案が、政府の審議会で出され、来年度の予算案や法案で具体化されようとしていることは、きわめて重大です。介護保険では、「要支援1、2」と認定された人の保険給付はずしに続いて、「要介護1、2」と認定された人のデイサービス、ホームヘルパー、介護ベッド・車いすなどの福祉用具貸与などの保険給付はずしが具体化されようとしています。全額自己負担となれば負担は10倍です。日本ホームヘルパー協会は、この動きに反対して次のようにのべています。

 「初期段階における、専門性の高い生活援助サービスの提供こそが、利用者の気力のおとろえの回復や交流不足を補い、生活の再生、状態の維持・改善、悪化の防止に繋(つな)がり、わずかな支援で、高齢者が自分らしく暮らす期間を長くすることができる助けになっていることを、介護の実践を通して確信しております。また、それは、将来の介護給付費削減につながると認識しております」

 総理、日々、介護の最前線で頑張っておられる専門家のこの声をどう受け止めますか。「要支援1、2」と「要介護1、2」をあわせれば、「要支援」「要介護」と認定された人全体の65%を超えます。高い保険料を徴収しながら、65%以上の人から保険給付を取り上げるというのは「国家的詐欺」というほかないではありませんか。

 社会保障の拡充は、何よりも憲法25条の要請です。社会保障の切り捨て計画を中止し、社会保障拡充路線に転換することを、強く求めるものです。

 総理は、所信表明で、「給付型の奨学金の実現」をはかるとのべましたが、どのような規模の制度にするかが問題です。日本共産党は、月額3万円の給付奨学金を70万人の学生に支給する制度を創設し、規模を拡大していくことを提案しています。制度をスタートさせるうえで必要最小限の提案だと考えますがいかがですか。

 総理は、所信表明で、「保育の受け皿整備を加速する」とのべましたが、規制緩和による「詰め込み」でなく、保護者が安心して預けられる保育が必要です。日本共産党は30万人分の認可保育所の緊急整備の提案をしています。野党共同で保育士の給与を月額5万円引き上げる法案を提出しています。「未来への投資」という総理の言葉が真実なら、これらの提案は、あまりに当然のものではありませんか。答弁を求めます。

「働き方」――労働者の命、健康、権利を守る本物の改革を

 第三は、「働き方のチェンジ」です。総理は、所信表明で、「働き方改革」を行うとして、「長時間労働の慣行を断ち切る」とのべました。本気でこれに取り組むというならば、二つのことをやるべきです。

 一つは、残業時間の上限を法律で規制する労働基準法改正です。「残業は月45時間、年間360時間以内」という大臣告示を法定化することを強く求めます。いま一つは、「サービス残業」=ただ働きを根絶するために、違法なただ働きが発覚したら残業代を2倍にして払わせる罰則を科すということです。ここに踏み込む意思がありますか。

 同時に、長時間労働をなくすというなら「残業代ゼロ法案」を撤回すべきです。この法案は、成果で賃金を払うことと一体に、労働時間規制をなくし、残業代支払い義務をなくしてしまおうというものです。そんな制度が導入されれば、とめどもない長時間労働が強制され、「過労死」をひどくすることは明らかではありませんか。この悪法はきっぱり撤回することを強く求めるものです。

 総理は、所信表明で、「『非正規』という言葉を一掃する」とのべました。しかし、一掃すべきは「言葉」ではなく「使い捨て」という働かせ方ではありませんか。改悪につぐ改悪を積み重ねてきた労働者派遣法を抜本改正し、非正規から正社員への流れをつくる雇用のルールの強化をはかるべきではありませんか。

 日本共産党は、財界のもうけのために働くものを犠牲にするニセ「改革」でなく、労働者の命、健康、権利を守る本物の改革を強く求めるものです。

TPP協定の批准に断固反対する――輸入米の価格偽装は重大

 安倍政権は、この臨時国会で、TPP協定(環太平洋連携協定)の批准を強行しようとしています。

 多国籍企業がグローバルにもうけるために、各国の国内産業・雇用・国民生活を犠牲にするTPPの矛盾は、他のTPP参加国の国内でも広がっています。

 アメリカでは、大統領候補がそろって現行のTPP協定案反対を公約にしています。参加国のGDP(国内総生産)の6割を占めるアメリカが承認しない限り、現行TPP協定は発効しません。総理は、協定発効へのどういう見通しをもっているのですか。当選を果たした大統領が、公約をたがえるとでも考えているのですか。

 TPPにかかわって、この間、新たな大問題が発覚しました。輸入米の価格=SBS価格が偽装されていたという問題です。政府はこれまで「輸入米の国内販売価格は国産米と同水準だから、TPPでコメは影響を受けない」と説明してきました。ところが、その輸入米の価格が偽装され、政府の公表より「60キロで最大3600円」も安く販売されていたという事実が明らかになったのです。TPPによる影響の「政府試算」の前提が崩れたのです。さらに農水省は、2年も前にこの価格偽装の情報を得ていたことを認めています。だとすれば、政府は真相を隠し、国民を欺いてきたことになるではありませんか。真相の徹底究明と、誤った前提に基づく「政府試算」の撤回を求めます。

 先の参議院選挙では、TPPが争点となった東北で、自民党は6県中5県で野党統一候補に敗北しました。総理は、この民意をどう受け止めていますか。日本共産党は、日本の食料と農業、食の安全、経済主権を、多国籍企業に売り渡すTPP協定の批准に断固反対してたたかいぬく決意を表明するものです。

沖縄への常軌を逸した強権――日本の地方自治、民主主義の根本が問われている

 安倍政権の沖縄に対する強権的なふるまいは、常軌を逸したものです。

 安倍政権は参院選直後、人口140人の東村高江地区に、全国から500人もの機動隊を動員して、反対する住民を力ずくで排除し、米軍オスプレイ着陸帯建設を強行しました。警察が生活道路を封鎖する、自衛隊ヘリが空から重機を運び込む、防衛局が無断で国有林を大量伐採する――どれも違法行為そのものではありませんか。

 辺野古の米軍新基地建設をめぐっても、安倍政権は、総務省の国地方係争処理委員会が、国と県との「真摯(しんし)な話し合い」を求めたにもかかわらず、話し合いによる解決を放棄し、県を一方的に提訴するという暴挙に打って出ました。これは国と自治体が対等・協力の関係であることを定めた地方自治法を根底から蹂躙(じゅうりん)する態度ではありませんか。

 参議院選挙では、辺野古新基地建設反対の「オール沖縄」の伊波洋一候補が、自民現職閣僚を10万票を超える大差で破って勝利し、沖縄選出の衆参6人の国会議員の全員が「オール沖縄」の議員となり、自民党議員はゼロとなりました。総理、選挙で、このうえなく明瞭な民意が示されているにもかかわらず、それを一顧だにしない態度が、民主主義の国で許されると考えているのですか。

 問われているのは日本の地方自治、民主主義の根本です。しかと答弁願いたい。

北朝鮮の核・ミサイル開発、「核兵器のない世界」について

 北朝鮮の核実験は、弾道ミサイル発射とともに、世界の平和と安定にとっての重大な脅威であり、国連安保理決議違反の暴挙であって、わが党は厳しく糾弾するものです。北朝鮮の核・ミサイル開発に国際社会がどう対応すべきか。二つの点が大切だと考えます。

 第一は、軍事対軍事の危険な悪循環でなく、対話による解決に徹することです。3月の国連安保理決議では、制裁措置の強化とともに、6カ国協議の再開を強く呼びかけました。核・ミサイル開発を放棄させるために、北朝鮮を6カ国協議という対話のテーブルにつかせる、そのために中国を含む国際社会が一致して制裁の厳格な実施、強化をはかることなど、政治的・外交的努力を抜本的に強めることが重要であります。

 第二は、より根本的には、国際社会が本気になって「核兵器のない世界」への具体的行動に取り組むことが重要となっています。すなわち、核兵器禁止条約の国際交渉開始という方向に進むことが、北朝鮮の核開発の口実を失わせ、核開発放棄を迫るうえで、急務となっています。国際社会が「われわれはもう核を捨てる。だからあなたも捨てなさい」と迫ることが、北朝鮮に対して、最も強い立場に立つことになるのではないでしょうか。

 いま「核兵器のない世界」の扉を開く画期的な動きが起こっています。8月、国連の核軍縮作業部会が、核兵器禁止条約の締結交渉を来年中に開始することを、国連総会に勧告する報告書を採択したのです。来年中の交渉開始を支持しているのは、国連加盟193カ国の過半数となる106カ国にのぼります。しかし、日本政府は、作業部会での採決で棄権しました。唯一の戦争被爆国の政府の対応としては、あまりに情けないものではありませんか。こうした態度を抜本的に見直すことを強く求めるものです。

憲法問題――立憲主義否定の「自民党改憲案」を「ベース」にした議論など論外

 最後に憲法改定問題について質問します。総理は、参院選投票日の翌日の会見で、「いかにわが党の案をベースにしながら3分の2を構築していくか。これがまさに政治の技術」と公言しました。

 しかし、「自民党改憲案」は、憲法9条2項を削除し、「国防軍」の保持を書き込み、海外での無制限の武力行使を可能にするとともに、「公益及び公の秩序」の名で基本的人権の大幅な制約を可能にするなど、憲法によって権力を制限するという立憲主義を根底から否定し、憲法を憲法でなくしてしまう恐るべき内容が満載されています。この案を「ベース」に憲法審査会で議論するというのが自民党の方針ですか。わが党は、憲法改定の発議をする憲法審査会を動かすことにはもともと反対ですが、「自民党改憲案」を「ベース」にした議論など、いよいよもって論外といわねばなりません。

 日本共産党は、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」という明確な対案を掲げ、それを綱領で明記しています。いま変えるべきは憲法でなく、憲法をないがしろにした自民党政治であることを訴え、代表質問を終わります。

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天皇の元首化や表現・結社の自由に対する「公益」による制約は、国民主権・民主主義の否定につながります。

2016-09-28 | 動き出した「戦争法」

立憲主義破壊の自民改憲案

衆院本会議で首相が撤回「拒否」

 

 

 安倍晋三首相は27日の衆院本会議の答弁で、自民党改憲案の撤回を求めた民進党の野田佳彦幹事長に対し、「撤回しなければ(憲法審査会で)議論ができないという主張は理解に苦しむ」と述べ、「拒否」する姿勢を明確にしました。

 安倍首相は「わが党の案をベースに」改憲論議を構築すると公言しています。しかし、自民党改憲案は、「個人の尊厳」を根本とする立憲主義と、日本国憲法の基本理念を全面破壊するものです。憲法の名に値しません。

 憲法の「改正」とはあくまで、憲法の基本理念を維持しつつ、その実現に必要な改良を図る範囲で許されるもの。基本原理を全面破壊するような「案」は論議のベースになり得ません。

 自民党改憲案の中身は、憲法13条の「個人の尊重」原理から、「個人」という根本概念を消し、97条の人権の永久不可侵規定は全面削除しています。99条の趣旨を曲げて「国民」が憲法を守るものとされており、国家権力を縛るという憲法の意味が自民案では百八十度逆転してしまいます。さらに自民案は、「公の秩序」による人権制約を認め(13、21条)、時の権力者の恣意(しい)的判断で人権制約が可能になります。個人を消し国家最優先の「憲法」へ逆戻りさせます。

 9条については、戦力不保持を定めた2項を全面削除し、世界中で無制限の武力行使を可能にします。前文にある侵略戦争への反省・不戦の誓い、平和的生存権の規定をすべて削除しました。平和主義の全面否定です。

 天皇の元首化や表現・結社の自由に対する「公益」による制約は、国民主権・民主主義の否定につながります。

 立憲主義を根本破壊するこうした自民党改憲案に固執する安倍首相と自民党自身に、憲法を論ずる資格がないというべきです。

(中祖寅一)

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事故機は26日、北朝鮮の潜水艦を識別・追跡・撃滅する対潜水艦訓練を行っていた。

2016-09-28 | 動き出した「戦争法」

韓米合同演習で韓国海軍のヘリが墜落、3人行方不明

 
韓米合同演習で韓国海軍のヘリが墜落、3人行方不明

 

 韓米合同海上演習に投入された韓国海軍の対潜ヘリ(リンクス)が26日夜、東海(日本海)に墜落した。韓国海軍は、ヘリのパイロットなど3人の捜索活動に乗り出した。

 韓国海軍によると、リンクス・ヘリは26日午後8時57分、訓練のため艦艇から発進した。それからわずか8分後の午後9時5分ごろ、救難信号を発信した後、通信が途絶え、レーダーから機影が消えた。韓国海軍の関係者は「通信が途絶し、レーダーから消失したことから考えて、墜落したものとみられる。救難信号を受信した後、演習に参加していた韓米の艦艇を動員して、事故が起きたと推定される海域を探索している」と語った。

 事故機は26日、東海の北方限界線(NLL)付近の海域で行われた韓米合同海上演習に投入され、北朝鮮の潜水艦を識別・追跡・撃滅する対潜水艦訓練を行っていた。26日の演習は、先月北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射試験に成功したことを考慮して、平常時よりも強硬な形で進められていたという。

 両国海軍はこの日、対潜訓練のほか、北朝鮮内部の主要な陸上目標を狙った艦対地ミサイルでの精密攻撃訓練も実施した。韓米両軍がNLL付近の海域で艦対地ミサイル攻撃訓練を行ったのは、今回が初めて。韓国海軍は、26日の演習について「繰り返される北朝鮮の挑発に統合対処するというメッセージを送るためのもの」とコメントした。

 26日の演習には、リンクス・ヘリのほか、イージス駆逐艦「栗谷李珥」(排水量7600トン)など水上艦3隻と1200トン級潜水艦1隻、海上哨戒機(P3)1機が参加した。米国側からはイージス駆逐艦「スプルーアンス」(9500トン級)、海上哨戒機(P3)が参加した。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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小池書記局長は「市民と野党が力を合わせ、“戦争する国には絶対にしない”と声をあげていこう」と訴え

2016-09-27 | 動き出した「戦争法」

“戦争する国にしない” 総がかり行動

 

 

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(写真)「戦争法発動を止めよう」とコールする人たち=26日、衆院第2議員会館前

 臨時国会が開会した26日、安倍晋三政権の暴走を止めようと、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会主催の「9・26臨時国会開会日行動」が国会議員会館前で行われました。800人が参加し、「戦争法は今すぐ廃止」「南スーダン派兵をやめろ」などと声をあげました。

 日本共産党の小池晃書記局長、民進党の福山哲郎幹事長代理、社民党の吉田忠智党首、参院会派「沖縄の風」の糸数慶子代表が連帯あいさつ。小池書記局長は「市民と野党が力を合わせ、“戦争する国には絶対にしない”と声をあげていこう」と訴えました。

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オバマ米政権の進める核兵器の近代化に反対し、その予算を医療や教育、住宅建設、賃金引き上げに!

2016-09-26 | アメリカの反応

核兵器近代化予算を生活に

米の平和団体 新たな運動へ

多様な組織と共同

 

 

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(写真)世界大会から持ち帰った横断幕を手にして発言するヘイリー・コプリーカニンガムさん(左から3人目)=24日、米マサチューセッツ州ケンブリッジ(島田峰隆撮影)

 【ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)=島田峰隆】米東部マサチューセッツ州ケンブリッジで24日、オバマ米政権の進める核兵器の近代化に反対し、その予算を医療や教育、住宅建設、賃金引き上げなど国民生活に使うよう求める新たな運動を始める集会が開かれました。

 地元の平和団体「マサチューセッツ・ピース・アクション」が呼び掛けた運動です。オバマ政権は今後30年間に1兆ドル(約101兆円)を費やして核兵器の近代化を目指しています。同日討議された方針書によると、現職議員への働き掛けに加えて、近代化に反対する連邦議員や地方議員を多く当選させることを目標にします。議会の「進歩議員連盟」を通じて国民の立場に立った予算案を対案として示す活動も強めます。

 マサチューセッツ工科大学教授で方針書の作成に関わったジョナサン・キング氏は核兵器予算が、がん研究費の4倍以上であることなどを指摘。「賃上げを求める運動、手頃な価格の住宅を求める団体など多様な組織と共同したい」と述べました。

 今年の原水爆禁止世界大会に参加したタフツ大学ピースアクション会長のヘイリー・コプリーカニンガムさんは「80歳を超えた被爆者の方が私よりはるかに元気に署名を集めていた。世界の活動家と交流し、日本の運動の強さに触れて、さらに力をもらった」と語り、ヒバクシャ国際署名の協力を訴えました。

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「沖縄は絶対に負けない。勝つまでたたかう」というのが県民のスローガンになっています。

2016-09-25 | 動き出した「戦争法」

臨時国会 安倍暴走政治と対決 党国会議員に聞く

沖縄 米軍基地 民意は明白、撤去を

赤嶺政賢衆院議員

 

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  ―安倍暴走政治の下での臨時国会となります。

 沖縄県東村高江へのオスプレイパッド(着陸帯)建設の強行や、話し合いを無視した一方的な裁判と不当判決、名護市辺野古への米軍新基地建設工事再開の動き、米軍伊江島飛行場での一方的な建設工事強行など、暴走が牙をむいて沖縄県民に襲い掛かっています。

 しかし、県民対安倍政権の対決は、2014年の名護市長選挙から始まった怒濤(どとう)の流れの中で、沖縄県知事選、総選挙、その後の県議選、参院選と、新基地建設を争点にした大きな選挙で、「新基地はつくらせない」という民意は一度も負けたことがありません。

 参院選では、現職大臣を追い落とし、「オール沖縄」の伊波洋一さんを押し上げました。「陸にも海にも新しい基地はいらない」という民意は、これ以上ないほどに明確です。

 こうした民意を顧みることなく、手を緩めることなく襲い掛かる安倍政権に対して、「沖縄は絶対に負けない。勝つまでたたかう」というのが県民のスローガンになっています。

 高江では、全国から500人もの機動隊員を動員して、抗議に集まる市民を強制的に排除するなど、民主主義や人権を踏みにじったオスプレイパッド建設が強行されています。

強固になる団結

 16日には、辺野古埋め立て承認取り消しの撤回を求めた“是正措置”に翁長雄志知事が従わないのは「違法」だとして国が県を訴えた裁判で、「是正指示に従わないのは違法」だとする不当判決が出ました。

 国と県の主張を比較検討することなく、「普天間飛行場の危険性除去のためには辺野古埋め立てしかない」という国の言い分そのままに、一方的に国が正しいとする、“唖然(あぜん)とする”判決でした。県民の反発はますます強くなり、団結はいっそう強固になっています。

 安倍政権のやり方、沖縄でいま起こっていること、その理不尽さに沖縄県民がたたかっていることを国民の前に明らかにし、国会の中で安倍首相を追及することが非常に大事になっています。

  ―民意に追い込まれる中での暴走ですね。

 だからこそ、安倍政権は、単に強権的、強硬的手段をとっているだけではなく、暴走の中身は、法律を全く無視した、無法になっているのです。

法的根拠示せず

 例えば、高江のオスプレイパッド建設に自衛隊ヘリを動員したことについて、防衛省は法的根拠をまったく示せません。辺野古への米軍新基地建設に向けての環境アセスメントでも、準備書から評価書に至るまで、まともに県庁に届けられたことはありませんでした。

 安倍政権は、新基地をつくることがどれだけ困難なのかを目の当たりにし、県民の反撃におびえています。民意に追い詰められた結果、より強硬に出ざるを得ないという姿です。

 同時に、いま、新基地建設反対の「オール沖縄」のたたかいが、日米安保への賛否を超えて、ゆるぎない団結、信頼関係に結ばれたものとなっているのは、祖国復帰のたたかいなど、この70年間の沖縄県民のたたかいの歴史の大きな到達点です。

 14年以来の一連のたたかいは参院選に影響を与えました。私たちが、どんな強権的なやり方にも屈しないでたたかい続けることが、次の国政選挙でも、野党と市民の共闘をさらに強化する道にもつながっていくと考えています。

 いま、沖縄県選出の国会議員は衆参両院で全員が「オール沖縄」の議員です。現場に足を運び、県民とともにたたかっている「オール沖縄」の議員の質問時間も増えました。6人の議員が力を合わせて、県民の民意、決意に応えていくような論戦に取り組みます。

 聞き手 山田英明

 写真 小酒井自由

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都の担当者は、工事中は排水ポンプ で水を排出していたが、工事が終了後に水がたまったと説明。

2016-09-24 | 自民党の常識は、国民の非常識

重機搬入口6カ所

豊洲新市場5施設 党都議団が調査

 

 

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(写真)豊洲新市場の加工パッケージ棟に隣接して設置された重機の搬入口=23日、共産党都議団撮影

 東京都が築地市場(中央区)の移転予定地にしている豊洲新市場(江東区)の施設地下に土壌汚染対策として行うはずの4・5メートルの盛り土をして いなかった問題で、日本共産党都議団(吉田信夫団長、17人)は23日、豊洲新市場の現地調査を行い、地下空間への重機搬入口が5施設に6カ所あり、加工 パッケージ棟の地下空間には最深30センチメートルの水がたまっていることを会見で明らかにしました。

 これまで青果棟、水産卸棟、水産仲卸棟の3施設に計3カ所の重機搬入口があることを確認していますが、新たに、管理棟内に2カ所、水産仲卸売場棟に隣接する加工パッケージ棟に1カ所搬入口があることを確認しました。

 加工パッケージ棟の地下空間は、底面をコンクリートで覆っているにもかかわらず、大量の水がたまっていました。都の担当者は、工事中は排水ポンプ で水を排出していたが、工事が終了後に水がたまったと説明。地下空間の内部を調査したところ、雨水が入った形跡は見られず、底のコンクリートにはヒビが 入っていました。

 また、管理棟の地下空間の床は鉄筋コンクリート施工されており、完全な地下室になっていたとしています。

 尾崎あや子都議は「採取した水の調査も行いますが、水の由来は地下水です」と語りました。

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日本共産党の自主独立の立場への確信であり、世界の大局の動きが平和と進歩の 流れにあるという確信

2016-09-23 | 日本共産党の機関決定文書

第6回中央委員会総会

志位委員長の結語

 

 第6回中央委員会総会で志位和夫委員長が21日に行った討論の結語は次のとおりです。


写真

(写真)結語を述べる志位和夫委員長=21日、党本部

 みなさん、2日間の会議、お疲れさまでした。私は、幹部会を代表して、討論の結語を行います。

 この総会では、52人が発言をしました。たいへん豊かで充実した討論となったと思います。全国での幹部会報告の視聴は8752人であり、612通の感想文が寄せられております。

 討論でも感想でも、幹部会報告はきわめて積極的に受け止められ、深められています。参議院選挙の教訓、総選挙に向けた方針について、「大局的な視 点からすっきりと胸におちた」などという感想が寄せられました。党の自力の問題と「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」の提起が正面から受け止め られ、討論でも感想でも、たくさんの決意が語られました。全国からの感想文を読みますと、「大運動」成功への決意とともに、「こうやって取り組む」という 具体的行動の中身を書いてあるものも少なくありません。

 幹部会報告が、アジア政党国際会議を通じて明らかになった中国の問題点の解明と、日本共産党の奮闘をのべたことにたいして、強い反響とともに、確信をもったという声が、たくさん寄せられました。これは、半世紀以上におよぶ日本共産党の自主独立の立場への確信であり、世界の大局の動きが平和と進歩の 流れにあるという確信でもあると思います。

 そのうえで、討論を踏まえて、3点についてのべておきたいと思います。

日本共産党自身が、野党共闘を通じて、政治的に大きく成長している

 第一は、討論を通じて、野党と市民の共闘が、今後に生きる大きな財産をつくりだしたことが語られたということです。

 他の野党、市民との新しい連帯と信頼の絆が広がっていることについて、参院選1人区はもとより、複数区からも、生き生きと語られました。さらに、二つの点を強調しておきたいと思います。

 一つは、日本共産党自身が、野党共闘を通じて、党機関も、党支部も、政治的に大きく成長しているということです。とりわけ参院選1人区の県委員長のみなさんの発言を聞きますと、県委員長のみなさん自身がそうした政治的成長を体現しているということを強く感じます。

 1人区での野党共闘を成功させるために、いろいろな障害があっても辛抱強く、苦労しながら、誠実に力をつくすなかで、共闘の相手に前向きな変化が 生まれ、市民運動のみなさんとも力を合わせて、野党統一候補を実現する。その後の選挙戦も簡単ではありませんでしたが、たたかいを通じて一歩一歩、情勢を 前向きに打開していった。こういう取り組みが語られました。

 この取り組みを通じて、わが党自身が多くのものを学び、成長している。本格的な“他流試合”――他の政党との話し合い、さまざまな市民団体との話 し合いを行い、共闘の流れをつくりだすことに貢献していく。そういう力量を身につけていったということでは、わが党自身も大きな成長をとげつつあるので す。これは、私は、野党と市民の共闘がわが党にもたらした大きな収穫だと思います。

 日本共産党の田辺健一さんが野党統一候補となった香川県からの発言で、「民進党の県連代表から、『どうですか? 1人区で野党共闘となって、選挙 たいへんでしょ』と言われた。彼らは、選挙は『勝つ』『負ける』、1人区であれ何人区であれ、そこに焦点をあてて活動する。その水準から考えて私たちはど うかと問われたなと思う」というものがありました。わが党自身も、他党のみなさんが1人区で勝利というところにかける気持ちや決意に学ばされるところが あったという発言でした。

 そうしたことも含めて、このたたかいを通じて、わが党も学び、鍛えられ、成長している。これは、今後につながる大きな収穫として確認できるのではないでしょうか。

野党と市民の共闘は、曲折があっても、後戻りすることは決してない

 いま一つは、参議院選挙の後も全国各地で、総選挙に向けて、「今後も野党共闘を発展させよう」という話し合いが行われていることです。

 それは、選挙の終わった後のご苦労さん会、総括会議、今後の協力についての会議など、いろいろな形で行われています。そして話し合ってみれば、実践を通じて、野党共闘という道に大義があり、たしかな威力がある。それは誰も否定できない。

 今後、野党と市民の共闘がどうなるか。私たちの立場は、幹部会報告でのべたように確固としたものですが、曲折もありうるでしょう。ただ、今後、曲 折があったとしても、大局でいえば、後戻りすることは決してないと、言い切っていいと思います。そこはぜひ全体の確信にして、今後もこの道を発展させてい きたい。

 当面、総選挙の選挙協力が問題となりますが、そのための政党間協議は中央段階で責任をもって行います。同時に、それぞれの地域で共通政策の実現の ためのたたかいとともに、野党共闘のための意見交換は進めていただきたい。全国で地域から大きな流れをつくりながら、中央でまとめていく作業を今後やって いきたいと思います。

新しい情勢のなかで、党綱領が大きな生命力を発揮している 

 第二は、討論を通じて、新しい情勢のなかで、党綱領が大きな生命力を発揮していることが語られたということです。

 党綱領が、統一戦線論、日本改革論、世界論など、どの問題でも、いまの激動的な情勢のもとで、躍動的な力を発揮している。そのことが発言でも語られ、感想でもたくさん寄せられています。

 発言では、たいへん印象深いエピソードがたくさん報告されました。

 京都府からの発言では、今度の参院選挙で初めて党を応援してくれた女性の社長さんが、選挙後、綱領の公開講座に参加した。その社長さんは、「野党 共闘の中核である共産党の綱領を学ばなくては」と考えてやってきたということでした。そして綱領と規約の話を聞いて、「綱領の話はすっきり分かった。党規 約の第2条には涙が出た」という感想文を寄せたとのことでした。党規約第2条の「(党は)つねに国民の切実な利益の実現と社会進歩の促進のためにたたか い、日本社会のなかで不屈の先進的な役割をはたすことを、自らの責務として自覚している」という部分に「涙が出た」という話でありました。初めて党を応援 してくれた方が、綱領に注目して公開講座に参加し、こういう感想をのべる。

 埼玉県からの発言では、選挙後、市民グループのみなさんが県委員会にこられていろいろな話をした。先方から「国民政党に共産党がなりきれていない 理由は綱領にあるのではないか」という質問がぶつけられた。県委員長が綱領の基本点を説明し、「綱領が国民と党を隔てているのではない。綱領は国民と党を しっかりと結びつけているものです」と懇切に説明した。そうしたら先方は「まいりました」と納得してくれた。これも綱領を通じて日本共産党の本当の姿が分 かったとの報告でした。

 それから、これも香川県からの発言ですが、民進党の県連代表が、「私は、3年前、旧民主党時代の綱領策定にかかわり、各党の綱領を勉強した。その とき、共産党の綱領が非常に現実的、柔軟な路線になっているんだなと感じた記憶がありました。しかし県内にはまだまだ共産党にアレルギーを持つ人がいるの も実情です。田辺(健一)候補にいいたたかいをしてほしいという立場から、共産党への誤解を解く努力をしなければと思い、確認書を共産党に提案させてもら い、ご理解をいただきました。私もお手伝いしますが、共産党にはさらにPRを強めていただきたい」と発言したことが紹介されました。他の政党の方が、綱領 に注目して、この内容をもっとPRし、誤解を解き、共産党の姿を広げてほしいと言っているというのは、たいへんに印象深いできごとでした。

 野党と市民の共闘が広がる激動の情勢のもとで、綱領が、党と国民を結びつける最良の文書として大きな力を発揮しています。今後のわが党の躍進とい うことを考えた場合、その根本にすえる文書は綱領です。党建設を進める場合にも根本にすえる文書は綱領です。党躍進と強大な党建設を進める最も根本的な条 件と可能性は、綱領が今日の情勢のなかで、大きな生命力を発揮しているという事実のなかにある。ここに確信をもって頑張りぬきたいと思うのであります。

「大運動」――「意義も必要性も分かる。でも自信がない」の声をどう突破するか

 第三は、「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」についてです。すべての発言者から「大運動」成功への決意と抱負が語られました。

 幹部会報告では、「大運動」の政治的意義について、「第26回党大会期の活動の総仕上げ」をはじめとする三つの点を訴えました。「大運動」の必要性にかかわっては、「党の自力」の現状を率直に報告しました。

 発言でも、全国からの感想でも、「大運動」の政治的意義はよく分かる。必要性もよく分かる。しかし、やり切れるかとなると大変だ。自信がない。率 直に言って、こうした声が少なくないわけです。ここを突破できるかどうかということが、「大運動」の成否を握っていると思います。

 1日目の討論を聞いても、そういう問題を感じましたので、党三役で相談して、2日目の冒頭に、執行議長の山下副委員長から、「ここに焦点をあて て、ぜひ討論で深めていただきたい」という問題提起をしました。その問題提起を受けて、2日間の討論で、この問題が深められ、ここを突破するいろいろなヒ ントがつかめたと思います。

 幹部会報告では、「『大運動』をどう推進するか」の冒頭で、「みんなが創意と自発性を発揮し、全国の知恵と経験を交流しながら、この運動を成功さ せたい」と強調しました。今度の「大運動」は、実践のなかで探求し、開拓しながら、成功させる。こういう精神で取り組みたいと思うのです。

「支部が主役」――支部に出かけ、支部から学び、一緒に知恵と力をつくす

 「大運動」を成功させるうえで、討論を通じて、三つの点が深められたと感じました。

 一つは、「支部が主役」で全支部、全党員の運動にしていくという基本に徹する。この方針をどうやって実践していくかということです。

 千葉県からの発言で、党支部に足を運び党員を増やしたという、自らの次のような経験が語られました。

 「ある支部の支部会議に出ると、議題に党員拡大の行動計画がなかった。しかし、支部の議論を聞いていると、いろいろな国民運動にさかんに取り組 み、結びつきを広げていることが分かりました。支部長さんから、『何かありますか』と最後に水を向けられて、『自力をつけて総選挙に勝ちたい。党員拡大を なんとしても』と訴えました。そうしたらその場で5人の名前があがり、3日後に働きかけを行おうと提案すると、『分かった』となって、さっそく40代の女 性を党に迎えることができた。支部は結びつきをもっている。支部に出かけ、支部から学ぶ。さまざまな活動に頑張る支部と党員へのリスペクト(敬意)が大切 です。これが『大運動』成功の機関活動の基本です」

 その通りだと思います。支部に足を運び、支部がどんな活動をやっているのか、支部がどんなたたかいに取り組み、どんな結びつきをもっているのか、 それらをじっくりと聞いて、そのなかから党勢拡大の条件をつかみ、支部と一緒になって増やす――こういう姿勢が大事だと思います。

 「支部が主役」といった場合、「車の両輪」の活動――国民の要求実現のたたかいに取り組みつつ、党建設・党勢拡大の独自の追求をはかるという活動の重要性も、討論で深められました。

 青森県からの発言で、「青森の青年を戦死者にしない」とのスローガンを掲げて頑張っているということが報告されました。地区委員会として独自のポ スター、署名ビラをつくって、広く働きかけている。発言では、このたたかいをやればやるほど、支部が草の根でもっているつながり、結びつきを生かし、「大 運動」を成功させる力にもなる、そういうたたかいにしていきたい、という決意が語られました。「車の両輪」は「支部が主役」というさいの根本の活動姿勢だ と思います。

 前大会以降、あらゆる分野で、切実な要求にもとづく「一点共闘」が広がっています。支部は、もちろん程度の差はあるでしょうが、さまざまなたたか いに取り組んでいるはずです。また、野党と市民の共闘が広がるなかで、それぞれの支部は、これまでの垣根を越えて、いろいろな協力を広げているはずです。 さらに、それぞれの支部は、地域・職場での身近な要求にもとづいた活動にも取り組んでいるはずです。

 激動の情勢のもとで、支部には、たくさんの可能性が豊かに蓄積されていると思うのです。支部に足を運んで、この「鉱脈」を発見して、一緒に知恵と力をつくして、党建設に実らせるという活動にぜひ取り組み、「大運動」を成功させたいと思います。

「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」を、文字通り日本列島津々浦々で

 二つ目に、幹部会報告では、「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」を、「大運動」を成功させる“推進軸”にしようということを訴えました。「集い」の重要性が、多くの発言で強調されました。

 和歌山県からの発言は、たいへん教訓的だと思って聞きました。二つの支部の経験が報告されました。

 一つは、和佐支部の経験です。「党大会に支部長が参加し、一念発起して『集い』をしようとなった。『集い』をずっと積み重ねて、2年半で6人を党に迎え、党勢を2倍以上にした。選挙の支持拡大は、目標の3・5倍を達成した」という報告でした。

 もう一つは、古座川町支部の経験です。「2013年の初めから『集い』を毎月1回やろうと進めてきた。42の区があるけれども、38回の『集い』 を行い、すべての区を一巡した。『集い』の取り組みを通じて、党員は4年前には12~13人だったのが、新たに16人を迎えて、倍以上にしている」という 報告でした。

 どちらも「集い」が大きな威力を発揮しています。和歌山県の発言では、「『集い』の効能」として二つの点が言われました。

 一つは、「『集い』を行うことは、その地域に共産党があることを示すことになる。本物の生きた共産党を見ることが少ない地域で、『共産党です』と 声をかけると『共産党という人間がおるんだ』と分かり、党への親近感が高まる。党支部の人も自分たちが党支部として共産党なんだという自覚が出て、『支部 が主役』の活動をおのずとするようになる」ということです。「集い」をやろうと思ったら、チラシをつくるなども含めて、共産党の“旗”を立てなければなり ません。そのことを通じてこういう変化が起こってくる。

 二つは、「『集い』をすると地域の要望がその場で出される。それを解決する道筋について話し合い、それが党勢拡大にもつながっていく」ということです。

 綱領を語り、日本をどう変えるか、地域・職場・学園をどう変えるか、このことを大いに語り合いながら、入党の呼びかけも大いに大胆に行う。「記念 講演」のダイジェストDVDも大いに活用し、気軽にどんどん開く。こういう取り組みとして、「集い」を、文字通り、日本列島津々浦々で網の目のように開 き、これを“推進軸”として、「大運動」を成功させたいと思います。

党機関の長がやり抜く構えを固める――ここに成否を分ける決定的カギが

 三つ目は、「大運動」を成功させようと思ったら、党機関の長がやり抜く構えを固める。これが決定的に大切だということが、発言でも浮き彫りにされました。

 福岡県からの発言で、直鞍地区委員会の経験が報告されました。この地区はこの3年間で現勢比で126%に党員を増やし、党費納入者も123%に増 やしたとのことでした。発言では「いろいろな教訓はあるが」としながら、最大の教訓として次のようにのべました。「最大の教訓は、地区委員長の党づくりに 対する構えが一貫していることです。党をつくって、自力をつけ、国民運動も発展させ、選挙で勝つという揺るがない姿勢を堅持している。この姿勢に学べば、 『大運動』を必ず成功させることができる」

 討論では、若い世代の中での党づくりについても、たくさんの先駆的な取り組みの報告がありました。職場での党づくりについても、今回の参院選で、 野党と市民の共闘に取り組むなかで、労働運動のナショナルセンターの違いを超えて、いろいろな新しい結びつきができるなど、党づくりの大きな条件が広がっ ているという報告がありました。そして、こうした若い世代、職場での党建設を前進させるうえでも、機関の長の姿勢が決定的だということが、強調されまし た。

 東京都からの発言で、南多摩地区の経験が報告されました。この地区委員会では2014年以降、民青同盟員を31人、28カ月連続で拡大し、青年党 員を12人、うち学生党員を4人迎えています。発言では、その教訓として、「地区委員長が『二大政治目標』として、都議選で定数2の日野選挙区と南多摩選 挙区で勝てる党をめざすことと、世代的継承の青年対策を軌道に乗せることを掲げ、目的意識的に追求してきた」ことが報告されました。

 「大運動」を成功させるためには、党機関の長が本当にやり抜く決意を、底の底まで固めることがいかに大事かということが、討論を通じても深められたと思います。

 討論のなかでは、率直な反省ものべられました。

 ある発言では、「この間の選挙での得票が実力以上の結果だと指摘されながらも、いつの間にか選挙で躍進を続けてきたことから、今度も躍進するだろうと、党づくりへの真剣な努力がわきに置かれてしまった」という率直な反省がのべられました。

 ある発言では、「党建設の根幹である党員拡大の課題は、いついかなる時も手放してはいけないといわれながらも、実際には後景に追いやってしまって いた。ほとんど独自追求がなくなっている。党員の成果がなくてもあまり問題にしない。これではいけない」という反省がのべられました。

 ある発言では、「いま党勢拡大というと、正直に言って、読者拡大だけになってしまっている。その読者拡大も月末対策でなんとか減らさなければよいとなってしまって、結局それもうまくいかないということになってしまっている」という反省がのべられました。

 こうした発言を聞いて、私たち党中央も、党員拡大の課題を、いついかなる時にも確固としてやり抜く構えを堅持する、そのためにイニシアチブを発揮するという点で、自己検討が必要だと痛感したしだいです。

 この「大運動」が成功するか否か、決定的なカギを握っているのは、党機関の長がやり抜く構えを固めることにある。そして党機関のなかで、私たち中 央役員が最も重い責任を担っているわけですから、私たち中央役員のすべてが、「大運動」の目標を必ずやり抜く構えを固めて、全党のけん引車になろうではあ りませんか。

この大会期の中央委員会の仕事を振り返って――党勢拡大で必ず高揚を

 この大会期の中央委員会の仕事を振り返ってみますと、まず2014年11月の2中総で、総選挙勝利のための緊急の意思統一を行い、その直後の12月の総選挙では大躍進をかちとりました。

 つづいて、2015年1月の3中総で、いっせい地方選挙勝利のための意思統一を行い、4月のいっせい地方選挙では全体として躍進をかちとり、党史上初めて県議空白をなくすという快挙をなしとげました。

 つづいて、戦争法案=安保法制に反対する国民的大闘争をたたかい、2015年9月19日の4中総で、「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」を打ち出し、この方針にもとづいて、野党と市民の共闘を大きく発展させ、情勢を大きく変えることに貢献しました。

 つづいて、2016年4月の5中総では、参議院選挙を、野党と市民の共闘の勝利、日本共産党躍進という二大目標を掲げてたたかうという方針を決め、7月の参院選では全体として大健闘という結果を得ました。

 こうして、一つひとつの中央委員会総会で確認した方針を、一つひとつやりあげてきた。全党のみなさんと心を一つにした奮闘によって、大きな成果を あげてきたと言えると思うのです。国政と地方政治におけるわが党の比重が大きく高まった。国民運動という点でも画期的な前進をつくりだした。統一戦線運動 でも新しい領域にふみこんだ。それをやるうえで、この中央委員会がやってきた仕事というのは大きなものがあります。一つひとつの中央委員会総会の決定が、 新しい歴史をつくってきたのが、この大会期だと思うんです。

 ただ、残念ながら、党建設ではまだ成功していない。いろいろな努力がありました。「躍進月間」にも取り組み、戦争法案反対の大闘争と結んだ「大運動」にも取り組みました。頑張ってやってきたけれど、ここは残された宿題、課題になっています。

 この課題を、第26回党大会で選出された中央委員会の最後の大仕事としてやり抜こうではありませんか。中央役員が先頭に立ち、全党の力を一つに集めて、必ず「大運動」を成功させようではありませんか。

 そしてこの9月が大事です。最初からのスタートダッシュが大事です。党員拡大を根幹にすえてみるべき前進を必ずかちとる。「しんぶん赤旗」読者の 拡大でも、日刊紙と日曜版で、それぞれみるべき前進を必ずかちとる。そして、10月、11月、12月、1月と、拡大の波を末広がりに発展させていく。そう した党勢拡大の大きな高揚をつくりだしていく先頭に立つ決意をお互いに固めあって、討論の結語とします。頑張りましょう。

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破綻した政策に どんなに異常な政策を積み重ねても効果は出ず、金融機関の経営に悪影響を及ぼすなど弊害が

2016-09-22 | 自民党の法律違反の金権腐敗

日銀金融政策検証

破綻した政策、固執し続けるな

 

 

 異常な金融緩和や「マイナス金利」の導入で「デフレ」からの脱却を図るとしてきた日本銀行が、効果が見えないため、金融政策を検証する会合を開き ました。しかし結論は、若干の手直しだけで金融緩和を続けることです。異常な政策が破綻しているのは明らかです。日銀が政策を転換しないのは、金融緩和が 安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の柱になっていて動きが取れないからです。政権発足から3年9カ月たっても「道半ば」を繰り返すしかない「アベノ ミクス」の破綻も明らかです。破綻した政策に固執するのはそれこそ国民にとって有害です。

もともと実現困難な目標

 日本銀行が2012年12月の安倍政権の発足後、13年3月に黒田東彦(はるひこ)氏を総裁に据えて始めた「異次元」の金融緩和は、日銀が銀行な どに貸し出す金利を低く抑えるとともに、銀行が持っている国債などを大量に買い上げ、市中に出回るお金の量を増やすという、量・質両面からの緩和策です。 出回る通貨の量を増やせば、物価が上がり、消費や投資も活発になるという筋書きで、年間の消費者物価上昇率を2年間で2%にするという目標を掲げました。

 しかし、経済活動が活発でないときに、いくら通貨の量を増やしても、お金はため込みや投機に回るだけです。実際、日銀の金融緩和後も、為替市場や 株式市場での投機が進み、一部の大企業と大資産家がもうけをため込んだだけで、消費や投資は活発になりません。達成期限を繰り返し延期しても、2%を目標 にした消費者物価の上昇は見られず、国際的な石油価格下落などで下がり続けています。

 日銀は金融緩和の効果が出てこないというので、日銀が買い上げる国債などの対象を広げたり、市中の銀行が日銀に預けている当座預金に利子を払うど ころか逆に利子を取って銀行に預金を減らすよう仕向ける「マイナス金利」を採用したりして、何とか効果を上げようとしてきました。しかし、破綻した政策に どんなに異常な政策を積み重ねても効果は出ず、金融機関の経営に悪影響を及ぼすなど弊害が目立つありさまです。

 そこで慌てて行ったのが金融政策の「総括的な検証」ですが、結論は金融緩和の抜本的な見直しには程遠く、消費者物価の2%上昇を実現する期限を事 実上放棄したぐらいです。金融緩和の強化と称した長期金利重視の対策も、日銀が買い上げる国債の年限基準を撤廃したなどで、「マイナス金利」の「深掘り」 と称した「マイナス」の利幅拡大は見送りました。政策を転換するどころか部分的な追加対策だけで効果が期待できるはずはなく、日銀が発表した途端、国債や 円・株が激しい値動きとなりました。

「アベノミクス」の転換を

 今求められるのは、日銀の異常な金融政策だけでなく、安倍政権の「アベノミクス」そのものを中止し、根本的に転換することです。日銀が国債を大量 に買い上げているため、安倍政権が発行する大量の国債が事実上日銀で賄われています。異常な金融緩和と「アベノミクス」の継続は金融と経済、財政のゆがみ を拡大するだけです。

 安倍政権に経済をかじ取りする能力がないのは明白です。異常な金融緩和と「アベノミクス」を中止し、暮らしを応援して経済を立て直す政策に転換すべきです。

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第27回党大会を党史に新たなページを刻む歴史的大会として大成功させよう」と総決起を訴 えました。

2016-09-21 | 日本共産党の機関決定文書

野党・市民の共闘、党躍進へ強く大きな党をつくろう

日本共産党が第6回中央委員会総会

党大会に向け「党勢拡大大運動」

志位委員長が報告

 
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 日本共産党は20日、党本部で第6回中央委員会総会を開きました。会期は21日までの2日間。志位和夫委員長が、参院選の教訓を明らかにするとと もに、総選挙に向けた取り組み、国際問題のいくつかの焦点、秋のたたかいの課題、第27回党大会をめざす党勢拡大の特別の取り組みについて、幹部会報告を 行いました。(国際問題詳報)


写真

(写真)志位和夫委員長が幹部会報告をする第6回中央委員会総会=20日、党本部

 志位氏は、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進という二大目標を掲げてたたかった参院選の結果について述べ、その政治的教訓を、(1)選挙戦の全体 像(2)野党共闘攻撃、日本共産党攻撃とのたたかい(3)安倍・自公政権の多数の議席をどうとらえるか―の三つの点で解明。党の宣伝組織活動の教訓につい て、5中総決定の「四つの構え」に照らして、多くの積極的教訓とともに、今後の課題を浮き彫りにしました。

 この中で志位氏は、「党の自力」の問題が最大の弱点であり反省点であるとして、「野党と市民の共闘、日本共産党の躍進という二つの大仕事をやり抜 くためには、党の自力の弱点を克服し、強く大きな党をつくることが絶対不可欠です。このことを参院選の最大の教訓として銘記し、この歴史的情勢を主導的に 切り開く党をつくろうではありませんか」と呼びかけました。

 総選挙に向けた二つの大目標として、野党と市民の共闘を本格的に前進させるとともに、「比例を軸に」の方針を貫き、比例代表で「850万票、 15%以上」を目標に日本共産党の躍進に挑戦することを提起。野党共闘のさらなる発展とともに、政党間の共闘の基本について述べました。

 国際問題では、北朝鮮問題とアジア政党国際会議を中心に報告しました。

 志位氏は、日本の情勢の特徴と秋のたたかいの課題として、平和、民主主義、暮らしを壊す暴走政治を加速しようとしている安倍政権の「だまし討ち」 の政治が、国民との矛盾を広げることは必至だと指摘し、各分野で暴走政治を包囲するたたかいを発展させようと強く呼びかけました。当面する安保法制=戦争 法、憲法問題、暮らしと経済、環太平洋連携協定(TPP)、原発再稼働、沖縄米軍基地の各分野のたたかいについて課題と展望を詳述しました。

 たたかいの構えについて、(1)日本共産党が、どんな問題でも、国民の立場にたった対案を明らかにしており、それを堂々と対置し、実現のために力をつくすこと、(2)野党と市民の共闘を発展させる原動力は、国民、市民のたたかいだということを強調しました。

 27回党大会成功をめざす「党勢拡大大運動」について、期間を6中総から党大会を開く来年1月末までの4カ月余とし、強く大きな党づくりのため に、全党があらゆる力をそそぐことを訴えました。党勢拡大を根幹にすえ、目標として、(1)すべての党支部・グループが新しい党員を迎え、全党的に2万人 の党員拡大に挑戦する(2)「しんぶん赤旗」の読者拡大では、すべての都道府県、地区委員会、支部・グループが、26回党大会時水準を回復・突破し、全党 的には日刊紙2万人増、日曜版10万5千人増をめざす―ことを掲げました。26回党大会の活動の総仕上げとして位置づけて取り組むことをはじめ、大運動の 政治的意義について述べ、「『党勢拡大大運動』を必ず成功させ、第27回党大会を党史に新たなページを刻む歴史的大会として大成功させよう」と総決起を訴 えました。

 最後に、来年6月の東京都議選について、国政選挙での党躍進をかちとるうえでも重要な意義をもつとして、勝利に向けて全国から支援を集中することを呼びかけました。

第27回党大会 来年1月15日から

 
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 第6回中央委員会総会は、第27回党大会の開催についての幹部会の提案を拍手で確認しました。

 招集日は2017年1月15日。会期は18日までの4日間。議題は、(1)大会決議と中央委員会報告(2)新中央委員会の選出(3)その他です。

 27回党大会は、野党と市民の共闘の前進、日本共産党の“第3の躍進”の発展、2010年代に「成長・発展目標」を達成することをめざし、内外情勢の分析と、この3年間の党活動の総括を行い、今後の方針を決定する歴史的な意義を持つ大会となります。

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福島産の食品について輸入中止など積極的な案を用意すべきだろう。  ・・・これは風評ではなく真実だ!

2016-09-20 | 韓国中央日報日本語版

「日本の原発事故」後、福島産の食品400トン以上輸入=韓国

2016年09月20日07時29分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

  2011年の日本の福島原子力発電所の放射能漏れ事故後、韓国内に輸入された福島産の食品が400トン以上であることが分かった。

  中国や台湾などが日本の福島で生産された全食品に対する輸入禁止をしたこととは違い韓国政府は農産物や飼料など一部の食品に対してのみ輸入を中止したためだ。

  19日国会保健福祉委員会のチェ・ドジャ議員(国民の党)は食品医薬品安全処が提出した「原発事故後の福島食品輸入現況」を分析した 結果、福島食品407トンが873回にわたり国内に輸入されたと明らかにした。水産物加工品が233トンで最も多く、2つ以上の食品添加物が混じった混合 製剤が51トンで後に続いた。そのほかにもキャンディ類41トン、清酒33トンなどが輸入された。

  これについて韓国政府は日本政府の放射能検査証明書と精密検査を実施しているため福島の食品は安全だという立場だ。だが食品医薬品安 全処によれば実際に2011年から2016年7月21日まで日本産の輸入食品から微量の放射能が検出されて返送された事例は187件、197.6トンに達 する。

  日本の放射能に対する国民の意識調査によれば、韓国国民は政府の放射能関連情報を不信に思っていることが明らかになった。韓国政府の放射能情報を信頼するという意見は2014年13.3%、2015年13.1%とあらわれた。

  チェ議員は「韓国国民は日本産の輸入食品を一層厳格に制限しなければならないと考えている」として「福島産の食品について輸入中止など積極的な案を用意すべきだろう」と話した。
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国民の年金を株式運用という形で、老後の安心を危険にさらすことは許されません。

2016-09-19 | なんでこんなあほなことが

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人) 筆頭株主にズラリ

大企業株価 年金で支え

三菱UFJ・三井住友・ホンダ・みずほ…

 

 

 公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有している株式(2037銘柄)のうち、時価総額ベースで1000億 円を超す銘柄が72社にのぼり、GPIFが、うち33社の実質的な筆頭株主になっていることが、本紙の調べで、わかりました。いずれも日本を代表する大企 業で、国民の年金で大企業の株価を買い支えている実態が浮き彫りになりました。


写真

(写真)GPIFが入居するビル=東京都港区虎ノ門

 GPIFは、7月末、2015年度の運用で5兆3098億円もの赤字を出し、最大の損失は国内株式で3兆4895億円だったことを発表しました。 同時に、14年度の保有全銘柄(15年3月末時点)の保有株数と時価総額を公表しました。これまでは、どんな銘柄に投資していたのか、完全に闇の中でした が、2037銘柄を保有、時価総額の合計は、31兆4671億2101万6796円にのぼることが明らかになりました。

 どんな株をどれぐらい持っているのか―。英語名によるアルファベット順に並べられ、46ページに及ぶ公開資料を調べると、時価総額1000億円を超す銘柄は、トヨタ自動車の1兆5499億円を筆頭に、72社(3・5%)をかぞえました。

 GPIFは信託銀行などに委託して間接的に株を保有しているので、各企業が公表する「大株主」名簿には登場しません。そこで、時価総額1000億 円を超す72社について、公開された資料をもとに、GPIFが仮に大株主として記載されるとしたら、株主順位はどうなるかを調べてみました。

 すると、トヨタ自動車は保有比率5・4%で、株主順位4位でしたが、時価総額2位(8229億円)の三菱UFJフィナンシャルグループは7・7% で堂々の1位。三井住友フィナンシャルグループ7・8%、みずほフィナンシャルグループ7・7%と、三大メガバンクはすべて筆頭株主となります。

表:GPIFの保有銘柄上位10社の保有比率と株主順位

 このほか、電機、不動産、運輸、自動車、機械、商社などあらゆる業界のトップクラスの企業に及びます。(表参照

 72社中、GPIFが筆頭株主になるのは、半数近い33社にのぼります。1社を除いてほかの38社もすべて5位以内でした。

 GPIFが保有株を初めて公開したことにより、GPIFが多くの大企業の大株主として“君臨”している実態が浮かびあがってきました。

 GPIFは政府の全額出資だけに、GPIFの株式保有比率が高まれば、政府による民間企業への介入が起こりかねません。株主によるチェック機能も失われてしまいます。

 GPIFは8月26日には、16年4~6月期の運用実績も5兆2342億円の赤字になったと発表しました。国民の年金を株式運用という形で、老後の安心を危険にさらすことは許されません。

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内戦が激化しているアフリカ・南スーダンPKO(国連平和維持活動)に参加している陸上自衛隊の任務を拡大

2016-09-18 | 動き出した「戦争法」

臨時国会 安倍暴走政治と対決 党国会議員に聞く

戦争法 発動許さず廃止でスクラム

笠井亮衆院議員

 

 

 26日から臨時国会が始まります。国民との矛盾を広げている安倍政権の暴走政治にどう対決するか。焦点問題について日本共産党国会議員に聞きます。


写真

(写真)インタビューに答える笠井亮衆院議員=14日、東京都千代田区

  ―安倍晋三首相は、 自衛隊幹部を前にした 訓示で、「今こそ実行 の時だ」(12日)と述べ 、安保法制=戦争法の 全面運用の開始を宣言 しました。

 自衛隊員が海外で「殺し殺される」事態が現実に起こる局面に入ったことに、身震いします。臨時国会では、この安倍政権の暴走を何としても食い止め る論戦が求められます。稲田朋美防衛相は、すでに8月24日の記者会見で、戦争法にもとづく自衛隊の新任務について、「準備作業に一定のめどが立った」 「今後必要な訓練を行う」と表明しています。戦争法にもとづく集団的自衛権行使や米軍等の兵たん支援を想定した共同訓練の危険、違憲性が国会で問われるこ とになります。

PKO任務拡大

 なかでも、真っ先に焦点になるのが、内戦が激化しているアフリカ・南スーダンPKO(国連平和維持活動)に参加している陸上自衛隊の任務を拡大しようとしている問題です。

 政府は、改定PKO法にもとづき、「駆け付け警護」や「宿営地共同防衛」のための訓練を開始するとしていますが、こうした新任務を自衛隊に付与することなど断じて許されません。

  ―笠井議員は、この 問題を国会でも追及し てきました。

 私は2月の衆院予算委員会で、防衛省の内部文書を示して追及しましたが、「駆け付け警護」では、自衛隊員の犠牲に加え、武装集団の「狙撃・射殺」まであり、「万が一、失敗すれば文民等を死亡させるリスク」も想定しています。

 戦争法では、従来の「自己防護」を超える「任務遂行」のための武器使用が可能になります。この11月、青森から派遣される自衛隊の部隊に戦争法にもとづいて、新たな任務が付与されれば、海外で違憲の武力行使に至る危険が格段に高まります。

 南スーダンでは、7月にも首都ジュバで大規模な武力衝突が発生し、数百人が死亡、自衛隊宿営地への着弾も確認されています。こうした中で、国連PKO自体も攻撃的な性格を強めています。

民生支援へ転換

 政府は、これまで「武力紛争は起こっていない」「ジュバは平穏」などと繰り返してきましたが、こうした言い訳はもはや通用しません。

 自衛隊派兵の前提そのものが崩れていることを厳しく追及し、憲法9条に立った非軍事の人道・民生支援への転換という対案を示して、論戦を繰り広げたい。

  ―「戦争する国づく り」に向けた明文改憲 も狙われています。

 安倍改憲の本丸は、海外での武力行使を無条件・無制限に可能にすること―「戦争する国づくり」の本格化にあります。

 しかし、そんな危険な改憲を悲惨な戦争を体験してきた国民は望んでいません。この11月3日で憲法公布から70年、平和憲法とともに歩んできた国民は、「戦争する国づくり」へと向かう道を決して許しません。

 戦争法の強行から1年、国民の怒りは静まるどころか、燎原(りょうげん)の火のごとく広がり、野党と市民の共闘は大きな前進を遂げています。9月 19日を中心にした全国各地での行動に呼応して、戦争法の発動を許さず、廃止と立憲主義回復を求める大義あるたたかいとがっちりスクラムを組み、秋の国会 論戦に全力をあげます。

 聞き手 佐藤 高志

 写真 小酒井自由

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