子や孫の命かかっている” 汚染水 抜本対策を
福島県民 政府・東電と交渉
復興共同センター
東京電力福島第1原発事故から2年半。放射能汚染水が海に流出する深刻な事態のなか、ふくしま復興共同センターは20日、汚染水の抜本対策をはじめ福島県民の切実な要求を政府と東電にぶつける「怒りの総行動」を東京都内でくりひろげました。

(写真)政府と東電の担当者に、実情を訴える交渉参加者=20日、衆院議員会館
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交渉の会場となった衆院議員会館には、「安心して住み続けられる福島を!」の横断幕が張られました。同センター代表委員の斎藤富春氏(福島県労連議長)をはじめ、県内全域から代表80人が参加しました。
汚染水問題では、汚染水を海に放出しないこと、専門家集団をつくることなど、政府の全責任で汚染水問題への抜本的な対策をとることを求めました。
原子力災害対策本部の廃炉・汚染水対策チーム事務局の課長補佐は、政府の汚染水対策の基本方針(3日)に沿って、「政府が前面に出て英知を結集す る体制をとった」と説明しました。このため県労連の野木茂雄事務局長は、「地下水がどこで、どれだけ漏れて、海にどれだけ流れ出しているのか。全ぼうがわ かっているのか」と質問しました。
課長補佐が「完全に把握しているわけではない。全ぼうがわからないのでモニタリングしている」と答えたため、野木氏は「『全ぼうがわかって初めて対策が抜本的なものになるのではないか。全ぼう解明のためにこそ英知を結集すべきだ」と指摘しました。
交渉参加者は、「『人と金を投入する』といいながら、現地事務所にたった10人だけか」「汚染水が最も緊急というなら『再稼働』にかける陣容を汚染水対策に振り向けるべきだ」などと思いをぶつけました。
原発が立地する大熊町から会津若松市の仮設住宅に移って避難生活をする女性(57)も、切々と訴えました。
「大熊町に一時帰宅した。除染したけど放射線量は高い。海も陸も放射能で汚され続けている。食べる魚も心配。子どもや孫の命がかかっているんです」
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が同席しました。
再稼働より汚染水対策
官邸前抗議行動

(写真)「原発を廃炉に、再稼働するな」と抗議行動する人たち=20日、国会正門前
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首都圏反原発連合(反原連)は20日、「原発なくせ」と訴える首相官邸前抗議行動を行いました。前日、東京電力福島第1原発を視察して、“放射能 汚染水は完全にブロックされている”といった安倍晋三首相。2800人の参加者(主催者発表)から「汚染水がコントロールされているなんて口先だけ」「危 機的状況で再稼働なんてもってのほか」と怒りの声があがりました。
「再稼働より汚染水対策をしろ」「このまま全廃炉」などのプラカードが揺れる官邸前。反原連のミサオ・レッドウルフさんが「原発がなくても日本の電気はまかなえています。再稼働する理由はない。私たちは二度と再稼働は許しません」と訴えました。
さいたま市の女性(41)は「2年半たっても何も収束してないなんて世界に対して申し訳ない。汚染水をコントロールできるというならしっかりやってほしい」といいます。
東京都千代田区の女性(70)は「今朝の地震のときも福島と女川(の原発)のことが本当に心配でした。原発はすべて廃炉にしなければいけません」。
東京都墨田区の男性(55)は「汚染水を海に流すようなお粗末な国に、原発を動かす資格はない」と語りました。
塩川・吉良氏スピーチ
官邸前

(写真)スピーチする塩川鉄也衆院議員(右)と吉良よし子参院議員あ=20日、国会正門前
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日本共産党の塩川鉄也衆院議員と吉良よし子参院議員は20日、原発に反対する首相官邸前抗議行動に参加して、スピーチしました。
塩川氏は、衆院経済産業委員会での調査を報告し、「東電に汚染水や原発の問題を処理する当事者能力はすでにない」と指摘。「東電を破たん処理し、国の責任で事故処理に総力をあげるべきだ」とのべました。
吉良氏は、安倍首相が東電福島第1原発5、6号機の廃炉を求めたことについて「福島原発に限らず、日本にあるすべての原発を廃炉にすべきです。全原発をなくすまでともに声をあげ続けましょう」と訴えました。