2023年2月28日(火)
京都府議選 現有12議席絶対確保
15議席以上に
議会動かす第2党の力
各党入り乱れ大激戦に
京都府議選(総定数60)で日本共産党は、現有12議席を絶対確保し、京都市右京区と同山科区の議席回復、長岡京市・乙訓郡区の議席奪還をはじめ15議席以上の獲得をめざしています。自民党は全員当選を掲げ、維新の会も「議席倍増が必達目標」と9人を擁立。国民民主党と立憲民主党は“共倒れ”を防ぐため候補者をしぼるなど、激戦に拍車がかかっています。(京都府・岡本大介)
![]() (写真)府予算案に対し、物価高騰対策などの要望を申し入れる党府議団=2022年11月2日 |
党府議団は、切実な願いに寄り添うとともに、調査にもとづく現実的提案を示し、「ゼロゼロ融資」(コロナ対応融資)の借り換えや子どもの医療費助成の拡充などを相次いで実現し、政治を動かしてきました。
請願すべて紹介
府議会に寄せられた請願1904件(2019年6月議会~22年9月議会)は、すべて党府議団の紹介で、府民の願いを議会に届けるのは党議員団だけとなっています。
このなかで、中小企業への直接支援と最賃改善を求める意見書や、加齢性難聴者の補聴器購入への公的支援制度を求める意見書が全会一致で可決されるなど、立場の違いを超えて議会を動かす第2党の力を発揮してきました。
子どもの医療費の無料化は、今秋から、ようやく小学校卒業まで拡充されます。これまで通院(月200円)の対象は24年間も3歳未満にとどまっていました。かつての知事が「絵にかいたモチ」などと背を向けるなか、保護者らが繰り返し請願を提出し、党府議団は粘り強く拡充を求めてきました。運動と論戦で選挙のたびに争点に押しあげ、拡充は今回で8回目です。
党府議団は「高校卒業までは府の予算の0・1%未満でできる。さらに高校卒業まで無料化を広げよう」と訴えています。
北陸新幹線の京都延伸や北山エリア整備計画など国いいなりの開発でも、市民の運動と力を合わせて中止へと追い込んでいます。
北陸新幹線の延伸は、大量の残土処理や地元負担などに懸念が高まり、地元紙の世論調査では「再検討」と「中止」を求める声が6割に。環境アセスメントの受け入れを拒否する地域が広がるなか、国は23年度当初の着工を断念しました。
党府議団は毎議会で「ムダと環境破壊の計画の行き詰まりは明らか。税金は暮らしに使え」と中止を迫ってきました。
「北陸新幹線京都延伸の環境アセスの一旦(いったん)停止を求める会」の石田紀郎さんは「府議会で正面から中止を求めて追及してきたのは共産党だけです。撤回に追いつめているいま、議会での共産党の役割はいよいよ大きい。前進を期待します」とエールを送ります。
党員を増やして
定数2の府議選・京都市下京区で6期目をめざす西脇いく子予定候補は今月、3人の入党者を迎えています。前回、無投票だった同区は今回、維新の会が初参戦し3人が争う大激戦に一変。西脇予定候補は、2期目の選挙で20人の党員を増やして勝利した経験を振り返り「あのときのような勢いがないと勝てない。大軍拡反対の宣伝に励まされたとの声も寄せられました。党の姿を広げ、『130%の党』づくりに挑み、勝ち抜きたい」と全力をあげています。
自民党大会
反省なき暴走政治 危険あらわ
自民党が26日、定期大会を開きました。決定した運動方針には、岸田文雄政権が閣議決定した安保3文書に基づく大軍拡や、自衛隊を9条に明記する改憲の推進を盛り込みました。
岸田首相(党総裁)はあいさつで「まず取り組まなければならない」課題として、「防衛力を抜本的に強化」することを挙げました。国民への説明もなく空前の軍拡を進めていることに、自民党閣僚経験者からも批判が出ています。「戦争国家づくり」に拍車をかける暴走を阻む世論と運動を広げることが重要です。
改憲への運動加速を強調
運動方針では、安保3文書を踏まえ、軍事力を5年間で抜本的に強めることを強調しました。「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の保有を進めるとして、「統合防空ミサイル防衛能力」などの強化も明記しました。
「統合防空ミサイル防衛」は、アメリカが地球規模で同盟国と一体で構築しようとしている軍事システムで、先制攻撃作戦が柱の一つになっています。米軍の指揮下で自衛隊が他国に攻撃を加えれば、日本は反撃され、国土は焦土と化します。「日本を守り、未来を切り拓(ひら)く」(運動方針の表題)どころか日本を破滅に導きます。こんな危険な道を許してはなりません。
「早期の憲法改正実現に向け運動を加速する」と打ち出したことも重大です。国会の憲法審査会で「9条自衛隊明記問題の議論を進める」ことに意欲を示しました。内閣に権限を集中し、基本的人権の侵害につながる「緊急事態条項」創設も進める姿勢です。
改憲を加速する「車の両輪」は「国民の理解の深化」と「国会での具体的な憲法論議」だとしました。党改憲実現本部を中心に「草の根」で研修会を開催するなどとしています。安倍晋三元首相が2017年に提起した自衛隊明記などの明文改憲を実現できないのは、国民が望んでいないからです。改憲の世論づくりを狙う自民党の企てを打ち破るたたかいが不可欠です。
運動方針では、原発の活用も明記しました。東日本大震災での東京電力福島第1原発事故の教訓を忘れた岸田政権の原発・エネルギー政策の大転換を後押しする立場があらわです。
一方、厳しい批判が広がった統一協会との癒着について、運動方針には一言もありません。首相もあいさつで全く触れませんでした。統一協会との関係や「政治とカネ」問題などで4閣僚が相次いで辞任したことへの反省も示しません。
首相秘書官の暴言で大きな問題になったLGBTQなど性的少数者の差別をなくす取り組みについても言及しませんでした。
声聞かない政治終わりに
岸田首相はあいさつで「おごりを捨て、虚心坦懐に、徹底的に国民の声に向き合う」などと述べましたが、文字通り言葉だけです。山積する疑惑の解明に背を向ける政権への国民の信頼は失われるばかりです。
運動方針は、統一地方選を「党の浮沈をかけた一大決戦」と位置づけ総力をあげるとしています。自民党に負けられません。平和・憲法・暮らしを壊す自民党に厳しい審判を下すことが必要です。