7月30日同志社大学明徳館で次のような市民公開講座が開かれたので出席した。
2016とくほう・特報
変貌する米軍岩国基地 山口
東アジア最大級航空基地に 再編で130機体制
空母艦載機の移転受け入れに投票者の9割がノーの意思を示した山口県岩国市の住民投票(2006年3月)から10年余。米日両政府が「米軍再編」 で狙う米軍機約130機体制、米軍関係者10000人への増加がすすめられれば、岩国基地は東アジア最大級の航空基地へと変貌します。基地の現状と反対の 声を上げる市民の運動をみました。
(山沢猛)
![]() (写真)愛宕山の西工区、米軍将校住宅の建設現場(270戸程度)。屋外バスケットボール場3面、野球場、生活支援施設も予定。他に約790戸を岩国基地内で建設中 |
米兵犯罪 40年間に820件
市民不安 「米軍住宅造るな」
「沖縄だけの問題ではない。岩国でも市民がおびえる生活が続くことになる」。同市の市民団体は6月11日、沖縄の元米海兵隊員による20歳の女性の暴行殺人事件にたいする緊急抗議集会を開きました。岩国基地は米海兵隊の常駐基地です。
戦争の拠点に
![]() (写真)愛宕神社と愛宕山を守る会の岡村寛さん |
よびかけ人の一人、牧師で幼稚園園長の大川清さん(58)は、「海外で人を殺すための訓練をしている海兵隊自体が脅威なのです。しかも自分たちの まちが戦争の拠点にされ加害者にされる。軍事力で平和はつくれません。日米安保条約のために市民が犠牲になってもいいのかが問われている」といいます。
岩国市では過去40年で820件を超える米軍犯罪が起きています。
「ここが恩田さんが殺された現場だよ」。愛宕山を守る会代表の岡村寛さん(72)は同市牛野谷(うしのや)地域の事故現場で話します。2010年 9月7日、河川敷の畑から朝の作業を終えてきた恩田美雄さん(当時66歳)が見通しのよい道路上で米軍属の女性の車に衝突され、20メートルも吹き飛ばさ れました。
岡村さんは「恩田さんは錦南自治会の会長で、愛宕山に米軍住宅はいらないという運動を一緒にやっていました。事故のあとの米軍の対応があまりにひどすぎる」と怒ります。
米軍は加害者が通勤途上という理由で、地位協定にもとづき基地内での交通裁判にかけましたが、通勤をのぞく4カ月間の運転停止、交通ルールの学習という判決で事件を葬ってしまいました。
![]() (写真)シェルター下に駐機する米海兵航空団のFA18ホーネット戦闘機群=岩国基地 |
夜中まで騒ぐ
いま市内に住む米軍人・軍属が増加しています。
瀬戸内海を見渡す高台の住宅地。米軍用の「Yナンバー」の車が路上に目立ちます。住宅の自治会長は米軍居住者のあまりのふるまいに警察に通報しま した。仲間を呼び夜中まで音楽を鳴らし奇声をあげる、庭に炉を造ってバーベキューの火を屋根近くまで上げるということが続き、消防署も呼びました。
自治会長は「空中給油機移駐で一緒に移ってきた米兵でした。家賃補助が月10万円以上出ているから不動産業者は借家の紹介を米軍優先にしている」といいます。
現在、米軍人・軍属と家族で約5600人ですが、艦載機移転などが進むと10000人近くに膨れます。「合併前の旧市では10人に1人が米軍関係者になる。街がどうなっていくのか…」と自治会長は話します。
住民に懐柔策
「愛宕山に米軍住宅はいりません」―。愛宕山を守る市民連絡協議会の黄色いのぼりが牛野谷地域にはためきます。毎月「1の日」(月3回)には愛宕神社前で「見守りの集い」を開き、裁判闘争などのたたかいを継続しています。
市街地のほぼ中央部にある愛宕山。その開発で米軍専用住宅を押し付けるために、国と県、市は長年にわたり住民だましと懐柔策を続けてきました。
高さ120メートルで岩の多い愛宕山は滑走路の1キロ「沖合移設」という名の基地拡張のために土採り場にされ、半分の高さにされました。削り取ら れた跡地(75ヘクタール)の4分の3を防衛省が買収し、西工区に米軍将校住宅を、東工区にスポーツ施設をつくり米軍に提供し、条件付きで市民にも使わせ るとしています。
岡村さんは「滑走路の沖合移転も米軍住宅建設もすべて日本の負担。米軍は痛くもかゆくもないから何をやってもいいという態度だ。自民党衆院議員 だった福田良彦市長や市議会議長らは『基地と共存するまち』(市総合計画)を目標に、基地関係の補助金・交付金をふやすことを考えているだけ。こんな政治 はもう止めないといけない」と話します。
日本共産党市議団(大西明子団長、4人)は福田市政の基地強化容認の姿勢を市議会で厳しく追及しています。
二つの部隊が
米軍再編と戦争法のもとで、岩国基地はどう変わるのか―。
山口県平和委員会会長の吉岡光則さん(70)は「いま岩国にいるのは、沖縄の第3海兵遠征軍の傘下にある第1海兵航空団第12海兵航空群という戦闘機を中核とする部隊です。海兵遠征軍という名前のとおり、真っ先に海外で敵地に上陸する部隊だ」といいます。
そして「再編が強行されれば、基地所属の米軍機は130機近くになり、嘉手納基地をしのぐ東アジア最大級の航空基地になる。しかも、海兵航空団と 海軍の空母打撃群という米国の二つの『殴り込み部隊』が融合する出撃拠点に変わる。岩国が最も危険なまちになるということです」といいます。
米国は来年1月に、レーダーに捕捉されにくく垂直離着陸ができる最新鋭戦闘機F35Bを、海外の米軍基地では初めて岩国に配備することを決めました。
厚木基地から移転するのが、原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機FA18スーパーホーネットなど59機です。陸上基地での着艦訓練やNLP(夜間着艦訓練)が欠かせません。爆音をまき散らす訓練をどこでやるのか、明らかにしていません。
MV22オスプレイ24機が沖縄に移動する前に岩国基地に陸揚げされました(12、13年7月)。その後、本土や韓国での訓練の中継基地にされています。陸揚げは「沖合移設」に便乗し水深13メートルの岸壁を整備したためで、3万トン級艦船の接岸が可能になりました。
KC130空中給油機15機が沖縄から移駐しました(14年8月)。自衛隊鹿屋基地(鹿児島県)も使い訓練をしています。
被害は全国に
岩国基地には海上自衛隊の航空機部隊(37機)が置かれています。「情報収集、機雷掃海、海難救助などを任務にしており、戦争法下で米軍との連携が強まるだろう」と吉岡さんは言います。
中国・四国地方では以前から、岩国基地所属機の低空飛行訓練が住民に被害を及ぼしています。谷あいや河川の上を超低空、かつ猛スピードで飛び攻撃 する訓練です。11年3月に岡山県津山市で超低空飛行により民家の土蔵が崩壊する事件が起きました。島根県西部から山口県にかけた空域「エリア567」で は「ドッグファイト」(戦闘機同士の空中戦)を行っています。
吉岡さんは「艦載機移駐が強行されれば中国地方だけでなく、四国・九州・近畿など全国に爆音や事故の被害を及ぼすことになる」と警告します。
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年金資金に大穴あけた安倍政権の責任は重大
小池書記局長が会見
日本共産党の小池晃書記局長は29日、国会内で記者会見し、同日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年度の運用損益について 5兆3098億円にのぼる赤字を出したと発表したことを受け、「国民の大事な老後の財産である年金資金に大きな穴をあけた安倍政権の責任は極めて重大だ」 と厳しく批判しました。
安倍政権は株高を演出するため、GPIFの運用の基本となる「資産構成(ポートフォリオ)」を変更し、株式比率を24%から50%に倍増して株式運用を拡大しました。
小池氏は「ポートフォリオを変更したことによって損失が広がったのは明らかだ。従来どおりであれば、これほどの損失は出なかった」と指摘しました。
小池氏は、今年度に入って株価下落分の損失が5兆円を超えるとする民間シンクタンクの試算も示し、14年度のポートフォリオ変更後の累積損益はマイナスに転じている可能性が高いと強調しました。
小池氏は、安倍政権が株の運用比率を高めたのは、「年金をどうするのかということでやった改革でなく、株価を買い支えるためだ」と指摘。「安倍政 権は、アベノミクスの株価対策のために国民の大事な年金資金を流用し、株価暴落で大きな穴をあけた。国会のあらゆる場を通じて責任を徹底的に追及してい く。この問題をどう解決するのか、政府は今後の方針を示すべきだ」と批判しました。
“右翼改憲団体と深い関係”
「日本会議」会員の豊島区議らに小池百合子氏側が資金分配
東京都知事選に立候補している小池百合子元防衛相が代表を務める自民党支部の住所に自民党豊島区議が代表の別の政治団体が置かれ、これを通じて小池氏側から複数の自民区議に年数十万円の資金が分配されています。区議の大半が右翼改憲団体「日本会議」の会員とみられ、小池氏と日本会議の深い関係の一 端を示しています。
この団体は「JF豊島区議団」。代表は本橋弘隆自民区議で、会計責任者と事務担当者も自民区議です。
政治資金収支報告書によると、同団体は2012年と14年に、小池氏が支部長を務める「自民党豊島総支部」から計980万円を受け取り、自民区議 9人に計90万円ずつ分配。そのうち7人の名前が、日本会議の機関紙「日本の息吹」15年3月号と4月号に掲載された「地方議員として活躍する日本会議会 員」のリストに記載されています。
自らのホームページで「日本会議首都圏地方議員懇談会会長」を名乗る議員や同会の事務局次長を肩書に挙げている議員もいます。
団体の12年と14年の収入は「総支部」からの寄付のみ。同区選出の自民都議1人にも資金を提供していますが、この議員も前出のリストに登場します。
豊島区議会は15年7月、国会で審議中だった安保法案(戦争法案)の早期成立を強く求める意見書を自民、公明両党の賛成で可決しています。
日本会議は1970年代から改憲や元号法制化、夫婦別姓反対などの運動を進めていた右翼改憲団体が合流して97年に結成。改憲運動の中心を担っており、安倍政権とも密接な関係にあります。
鳥越事務所を激励
志位委員長・笠井議員が訪問
![]() (写真)鳥越事務所を訪問し激励する志位委員長(右から2人目)と笠井衆院議員(同3人目)。(左から)初鹿、柿沢両衆院議員、石毛都議(右端)=27日、東京都港区 |
日本共産党の志位和夫委員長は27日、東京・南青山の鳥越俊太郎事務所を訪問し、ビラ折りや支持拡大の電話かけに取り組むボランティアを激励し、事務所に詰める民進党、生活の党などの各党区市町村議らとエールを交わしました。笠井亮衆院議員が同行しました。
ほぼ満席の電話かけブースから「鳥越俊太郎事務所です」の声が聞こえる事務所。志位氏は出迎えたボランティアらとがっちり握手を交わし「最後まで頑張りましょう」と激励しました。
激励前に事務所内で民進党の柿沢未途、初鹿明博両衆院議員、石毛しげる都議と懇談した志位氏は、「今度の選挙は、4野党に東京・生活者ネットを加 えた5野党プラス市民の枠組みが発展し、たたかいが進んでいます」と強調。「鳥越候補は、『大型開発から福祉・くらし優先へ』という都政の転換と『憲法と 平和を守り、核のない社会を』という旗を旗幟(きし)鮮明にしています。大義の旗を掲げていることに自信をもって、最後の最後まで鳥越候補勝利のために力 を合わせましょう」と激励しました。
志位氏の訪問に、事務所で頑張っている人々から大きな拍手が起こりました。
米軍防犯巡回の職員、高江警備だけ従事 防衛省の沖縄派遣
【東京】防衛省が米軍属女性暴行殺人事件を受けた防犯パトロール要員として沖縄に派遣した職員60人を、東村高江のヘ リパッド工事現場の警備だけに当たらせていることが26日、同省への取材で分かった。事件再発防止策とうたわれたパトロール要員は、実際には市民の抗議行動を抑える業務に従事させており、派遣の正当性が問われそうだ。
同省担当者は、当初はパトロールと抗議活動の警備の両方に対応する予定だったとし「パトロールは地元の地理に精通している方がいいということもある」と説明した。ヘリパッド建設への対応も必要だとした。
同省は、政府が米軍属事件を受けて6月から県内で始めた防犯パトロールや、7月からのヘリパッド工事再開に備えて沖縄防衛局の人員不足を予想し、本省と地方防衛局の職員計約60人を7月13日以降、県内に派遣した。
パトロールは車両約20台で当たっており、同省は沖縄防衛局の職員で対応できているとする。車両が100台規模まで増やされれば、派遣職員を充てることもあると説明している。
伊波氏、糸数氏が新会派「沖縄の風」結成

【東京】10日投開票の参院選で当選した伊波洋一参院議員と糸数慶子参院議員は26日、新会派「沖縄の風」を結成し、 参院議員会館で記者会見を開いた。会派は名護市辺野古新基地建設、米軍北部訓練場の部分返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設計画、先島への自衛隊配備計画などに反対する立場を政策の核として国会で活動する。
記者会見で会派代表を務める糸数氏は「沖縄の声を国政に届けるために、沖縄の未来と、県民の命と尊厳、日本の民主主義を守るために、沖縄の民意を日米両政府に訴えることを目的として2人で活動していきたい」と語った。
【琉球新報電子版】
小池百合子氏の「政治とカネ」
収入の6割、税金とパーティー
大規模パー券透明度3.9%
公選法抵触の疑い 100万円の花代
東京都知事選(31日投票)は、自民、公明両党が推した知事が2代続けて「政治とカネ」の問題で辞職しただけに、クリーンな都政への転換が重要な 争点になっています。ところが、元防衛相の小池百合子候補は、自民党都連幹部として舛添氏を擁立した責任には知らんぷり。そればかりか、「調査費」名目で 政治資金を支出していた実態不明会社の正体は元秘書の会社で、都議補選に立候補していたという重大疑惑(23日付)が浮上しました。改めて、その政治資金 を調べてみると―。(藤沢忠明)
小池氏の政治資金の「財布」は、支部長を務める「自民党東京都第10選挙区支部」と、資金管理団体「フォーラム・ユーリカ」の二つです。2012年~14年の政治資金収支報告書を調べてみると、両団体あわせて、約1億7850万円の収入があります。
電通から40万円
選挙区支部の収入の大半は、国民の税金である政党助成金で、計4875万円。収入の27・3%、約3割を税金で賄っていることになります。企業・ 団体献金は、272万円ですが、広告最大手の「電通」から40万円の献金があります。東京都医師政治連盟、東京都不動産政治連盟など、業界団体の政治団体 からの寄付は、3年間で、886万円にのぼります。一方、政党支部なのに、党費を払った党員の数は、12年=178人、71万円、13年=7人、2万 9000円、14年=38人、14万7001円。
一方、「フォーラム・ユーリカ」は、政治資金集めパーティーの事業収入が計約6480万円。両団体の収入の36・3%を占めています。収入が 1000万円超の大規模パーティーは、「議員在職20年を祝う会」(12年)、「出版記念パーティー」(13年)の二つで、計4330万円の収入。収支報 告書に記載のある20万円超のパー券購入者は、1個人、4社の計170万円だけで、“透明度”は、3・9%です。
支出では、「組織活動費」の「渉外費」のうち、「花」という名目での支出が両団体であわせて37件、計100万3580円にのぼっています。支出 先は、葬儀社やセレモニーホールなどで、選挙区内の後援者の葬儀などに花輪を送っていたとすると寄付にあたり公職選挙法に抵触する可能性があります。
不透明な支出
選挙区支部は、12年、14年の総選挙の際、それぞれ700万円を「小池百合子選挙事務所」あてに支出しています。原資は政党助成金です。税金の私物化ともいえます。
小池氏の政治資金は、税金と、政治資金集めパーティーで6割以上を占め、不透明な支出も目立つだけに、とても「クリーン」とはいえません。
小池都知事候補 「調査費」210万円支出の実態不明会社
社長の正体は元秘書
都議補選(新宿区)に擁立
東京都知事選(31日投票)に立候補している元防衛相、小池百合子氏の政党支部が、実態不明の会社に「調査費」名目で210万円を支出していた問題で、同社の社長は、小池氏の元秘書だったことが、23日までにわかりました。まさに政治資金の“横流し”といえるもの。しかも小池氏は、この元秘書を 22日に告示された都議補選・新宿区に無所属で擁立しており、小池氏側に説明責任が浮上してきました。(しんぶん赤旗)
![]() (写真)都議補選に立候補した小池百合子知事候補の元秘書=東京都新宿区内の公営掲示板 |
政治資金収支報告書によると、小池氏が支部長を務める「自民党東京都第10選挙区支部」は、2012年~14年に計210万円を「調査費」名目で「M―SMILE」に支出しています。
本紙の調べによると、このM―SMILEなる会社は、当該住所に存在しませんでした。本紙の「架空支出ではないのか」との問い合わせに、小池事務 所は「M―SMILEは現在、『ものづくり』という会社で、世論調査を発注、結果を受け取っていた」と文書で回答してきました。
今回、都議補選に立候補した小池氏の元秘書は、森口つかさ氏(34)。同氏のオフィシャルサイトによると、08年9月に「衆議院議員小池百合子事務所」に入所し、12年10月に「株式会社モノヅクリ設立」とあります。
登記簿やホームページによると、「モノヅクリ」は、東京都渋谷区広尾に「本店」を置き、資本金100万円のオーダースーツ専門会社。森口氏が社長でした。
元秘書のオーダースーツ専門会社に「調査費」名目で支出していたことになります。
第10選挙区支部は、12年~14年の3年間で4875万円の政党助成金を自民党本部から受け取っています。これは、同支部の収入総額(約9140万円)の53・3%にあたります。国民の税金が、「調査費」名目で自分の秘書の会社に流れていた可能性があります。
小池氏は、森口氏擁立にあたって、「都議会に私の仲間というか、方向性を同じくする者が存在するということは意義深いことだ」と語り、22日の告示日にも応援に立ちました。
小池氏は、知事選立候補表明直後に掲げていた「利権追及チームの設置」にいつのまにか言及しなくなりました。「しがらみなくクリーンな若い力で、 不透明な都政を変えます」と主張している森口氏ともども、不透明な政治資金支出について、明確な説明が求められています。(藤沢忠明)
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中国、米国債12億ドルを購入 5月
米国財務省がこのほど発表したデータによると、中国は5月に米国債12億ドルを購入し、引き続き米国の最大債権国になったという。新華社が伝えた。
5月末現在の中国の米国債保有残高は1兆2440億ドル(1ドルは約105.9円)。4月末は1兆2428億ドルだった。
米国の2番目の債権国である日本は、5月に米国債96億ドルを売却し、保有残高は1兆1332億ドルに減少した。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年7月22日
杭州初のエコ歩道橋が完成
このほど、浙江省杭州市初となる、景観と交通機能が一体化したエコ歩道橋「慶新天橋」が正式に開通した。フォルムがユニークな慶新天橋は「木の上の花園」 という設計理念のもと、デッキ幅はまちまちで、比較的広い部分には花壇が設けられている。花壇の後ろにある貝のような日よけには長いベンチが設置されてお り、歩行者は脚を止めて休むこともでき、また将来的に4つの交差点にはコーナーパークが設置される予定だ。高い場所から見下ろすと、歩道橋は4つの交差点 をつなげた回廊のような形をしている。新華網が伝えた。(編集JK)
「人民網日本語版」2016年7月21日
人間本位の都政を
市民連合 鳥越氏に政策提言
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)は19日夜、東京都内で東京都知事選候補の鳥越俊太郎氏と懇談しました。市民連合として鳥越氏を推薦したことを報告し、政策提言書を手渡しました。
市民連合を代表して山口二郎氏(法政大学教授)があいさつしました。政策提言書は、市民連合に参画する学者を中心にまとめたといいます。「シール ズやママの会のメンバーからも意見を募り、できる限り反映させました。都知事になった際にはぜひ実現していただき、人間本位の都政を取り戻してほしい」と 要請しました。
政策提言書を受け取った鳥越氏は「野党共闘ができ、さらに市民連合の推薦を受けました。大きな勇気を与えられている。力いっぱい最後までたたかい抜きたい」とのべました。
市民連合からの政策提言について鳥越氏は、「これからきちんと目を通さないといけないが、基本的に違いはないと思う。全力をあげて検討していきたい」と語りました。
中国指導者の外交戦略思想から中日関係の行方を見る
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中国指導者の外交戦略思想と中日関係に関する学術シンポジウムが16日に北京で開催された。出席した専門家らは中国指導者の外交戦略思想の継承と発展、特に習近平主席の外交戦略思想、及び中国指導者の対日外交戦略と中日関係などについて議論した。人民網が伝えた。
中国社会科学院元副院長の武寅氏、中国社会科学院日本研究所党委員会書記、所長代理の高洪氏、中国社会科学院科学研究局の馬援局長が相次いで講演した。
武氏は講演で「新中国成立以来、中国指導者は国の外交戦略について一連の重要な理論、方針、政策を打ち出してきた。その思想と理念及び終始一貫した立場、 観点はわれわれが深く理解すべきものだ。特に第18回党大会以来、習主席は国政運営に言及する際、外交を非常に重要な位置に据え、国内外を1つの大局と見 なし、国内外を統合的に考慮する考えを打ち出した。中国の近年の国際社会での全ての行ない、特に様々な場で繰り返し説明してきた中国の新たな外交理念は国 際社会で大きな反響を呼んだ。中国の打ち出した平和的発展、協力・ウィンウィンの国際関係の新たな理念及びその実践は、複雑で難題に苦しむ国際社会に斬新 な思考回路を提供したと言える」と述べた。
武氏は「中国の国際関係の新たな理念は中日関係にも適合する。中国と日本の関係は大国の関係であり、周辺関係でもある。したがって中国にとって最も重要な 二国間関係だ。近年、習主席は繰り返し重要談話を発表し、中国の対日政策の基本的な立場、原則、態度を明らかにしてきた。このうち中日関係の重視、対日関 係の発展に原則があること、民間外交を高く評価するといった3つの精神は重点的に理解される必要がある」と指摘した。
会議の基調発言で中国社会科学院の馮昭奎名誉学部委員と同済大学政治・国際関係学部の仇華飛副学部長はそれぞれ「中国指導者の外交戦略思想――中日関係の過去、現在、未来」「中国の特色ある大国外交と中日関係」について報告した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年7月19日
各国の専門家「臨時の仲裁裁判所は国際法違反の悪い典型」
香港で2日間にわたり行なわれていた海洋紛争解決国際法シンポジウムが16日に閉幕した。中国、米国、オーストラリア、フランスなど10数の国や地域の国 際法や海洋法の専門家や学者210人余りが出席した。出席者は南中国海仲裁裁判所のいわゆる裁定を受け入れず、認めない中国の厳正な立場への支持を表明 し、中国のやり方こそが国際法の尊厳を守るものであり、臨時の仲裁裁判所の越権、権限拡大は国際法に違反し、国際法の分野で悪い典型になるもので、政治的 に操られたいわゆる裁定は必ず唾棄されると指摘した。人民日報が伝えた。
中国国際法学会の李適時会長は「中国政府は最も早く、かつ持続的に平和的、有効に南中国海諸島に対して主権管轄を行使してきた。南中国海における中国の領土主権と海洋権益には十分な歴史的根拠、法理上の根拠がある」と指摘した。
清華大学のジョン・アンソニー・カーティ教授は「臨時の仲裁裁判所の問題は裁定を下す権限があるかどうかにある。審理と判決の過程で仲裁裁判所は国連海洋 法条約を乱用し、実質的に南中国海の領有権問題で境界を定めた。多くの国際法学者や弁護士は、これは実質的に法律のゲームだと考えている」と指摘した。
武漢大学法学部の易顕河教授は「臨時の仲裁裁判所の判決は重要な論拠多数を単純におろそかにしている。例えば中国とASEAN諸国が2002年に調印した 『南中国海における関係国の行動宣言』及び多くの二国間合意だ。こうした合意は二国間交渉が紛争解決の唯一の道であるとの共通認識を構成しているが、この 点は臨時の仲裁裁判所に受け入れられなかった。南沙(英語名スプラトリー)諸島は一体であり、領海と排他的経済水域(EEZ)と大陸棚を持つ。だが仲裁裁 判所は常識に反して、南沙諸島を分割して扱った」と指摘した。
カーティ氏も「島・礁の位置づけについて、臨時の仲裁裁判所は国連海洋法条約の規定を顧みず、越権して判定基準を示し、さらには南沙諸島を『延伸できない 海洋区域』と荒唐無稽にも推定した」と指摘。「もしそうならば、日本などの無人島・礁にも判定基準は適用されるのか?」と問題視した。
国際司法裁判所の元判事、Abdul Koroma氏は人民日報の取材に「南中国海仲裁裁判のいわゆる裁定は争いが多く、少なからぬ問題において国際法と矛盾している」と指摘。歴史的権利につ いてAbdul Koroma氏は「歴史的権利は領有権を確認できる」と表明した。
カーティ氏は人民日報の取材に「いわゆる仲裁の結果は南中国海問題の解決にとってみじんも意義がない。二国間交渉こそが南中国海問題解決の唯一の有効な道 だ。南中国海仲裁裁判は国際法学界において悪い典型となった」と指摘した。ドイツ・ボン大学の国際法専門家、Stefan Talmon氏は「臨時の仲裁裁判所は領土紛争に対して管轄権がない。したがって南中国海領土紛争の解決には役立たない。臨時の仲裁裁判所のいわゆる裁定 は問題解決にマイナスの影響を与えすらする」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年7月18日
しんぶん赤旗・主張
政治的中立「調査」
“密告”の奨励はあまりに異常
自民党が公式ホームページで「学校教育における政治的中立性についての実態調査」を呼び掛けていることに批判が広がっています。教師の授業や言動 が「政治的中立性を逸脱」していないか“監視”、“密告”することを奨励するものだからです。自民党は一部削除しましたが「調査」を継続しています。この ような調査は政権党による教育への異常な介入であり、許されません。
平和主義まで“密告”対象
「調査」では当初、「子どもたちを戦場に送るな」という主張を、「中立性を逸脱した教育」の例としていました。「再び戦争の惨禍が起ることのない やうにする」決意を示した憲法のもとにある日本の教師たちにとって、「教え子を戦場に送るな」の思いは当然のものです。そもそも憲法の平和主義は社会科の必須事項です。“密告”のすすめには、「戦争する国」への狙いが透けて見えます。
ネット上をはじめ「もはや戦争反対が偏向教育になったのか」などの批判が集中したため、自民党は該当箇所を削除しましたが、“密告”の呼び掛け自体はやめようとしていません。自民党のやり方に理解を示す馳浩文部科学相の姿勢もきびしく問われます。
自民党の「調査」は、「中立性を逸脱した教育を行う先生方がいる」「模擬投票等で意図的に政治色の強い偏向教育を行うことで、特定のイデオロギー に染まった結論が導き出される」などとして、教師の「政治的中立を逸脱するような」言動について「いつ、どこで、だれが、何を、どのように」行ったかを、 生徒や保護者、同僚教師などに事細かに“密告”させるものです。
教師にとっては、何がやり玉にあげられるか不安で、のびのび授業をすることができません。18歳選挙権の実施ともあいまって、いま各地の学校で、 主権者教育を積極的に進めようと、多くの創意工夫をした授業が行われています。自民党の「調査」はそうした努力を一斉に自粛に追い込もうというものです。
学校や個々の教師は党派的な教育をしてはならないという意味で、「教育の政治的中立性」は大切です。日本共産党はかねてより、あらゆる偏向教育に反対する立場を明らかにしてきました。
同時に、意見の対立を前提とする現実政治を授業で扱う場合、教師が自分の見解を、押し付けない形で述べることは、海外では教授方法の一つとして確 立されています。政治について自主的に思考し、自由に意見を表明し、他人の意見に偏見なく耳を傾ける市民を育てることこそ、主権者教育の眼目の一つです。 教師が自由にものを言えない教室で、どうして自由な市民が育つでしょうか。
自民党は直ちに中止せよ
教師が教室で自由に意見を言えない状態は、「政治的中立性」の維持どころか、政権党への批判を認めず政権党の意見で教育を染め上げようとする点で、「政治的中立性」の最悪の破壊です。
教師がものを言えなくなる時、社会全体の自由もなくなります。秘密保護法、メディア統制はすでに始まり、自民党改憲草案には9条改悪ともに国民の基本的人権の制限が明記されています。「自民党は『調査』を直ちに中止せよ」―そのために力をあわせましょう。