韓国医療スタッフ「新型コロナ軽症患者、退院基準緩和が必要」
登録:2020-04-29 21:15 修正:2020-04-30 07:05
登録:2020-04-29 21:15 修正:2020-04-30 07:05
1868例を追跡した結果、悪化した人は0.7%
「入院3日目、発症から8日目までに悪化しなければ退院後に隔離」提案
「遺伝子検査」では入院が長期化
1月27日午後、京畿道城南市盆唐区九美洞の盆唐ソウル大学病院の国家指定入院治療病床で、新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者が入った後、職員が出入口を消毒している=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の93%は軽症であり、入院から3~4日の間に特別な経過が見られなければ退院させる必要があるとの意見が、COVID-19患者を治療する医療スタッフから出された。重症に発展するケースが0.7%に過ぎないので、集中治療室を含む医療資源をより効率的に活用しようという趣旨だ。
陽性判定者を治療する医療スタッフで構成された「新型感染病中央臨床委員会」(委員長 オ・ミョンドン)は29日、ソウル市中区(チュング)の国立中央医療院で記者会見を行い、COVID-19患者臨床情報システムに登録された患者1868人を追跡観察した結果を発表した。発表によれば、入院2日目に軽症患者は93%(1737人)だったが、入院から2週間が過ぎて重症に悪化した患者は0.7%(12人)に過ぎなかった。12人中9人は酸素投与治療を受け、3人は人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)が必要だった。
パン・ジファン中央感染症病院運営センター長は「軽症患者が入院3日目、発症から8日目までに経過が悪化しなければ、退院して生活治療センター入所や自宅隔離をすれば、実際に入院が必要な患者が早く入院できる」として「臨床資料を集めて退院基準と隔離解除(完治)基準を早く設けなければならない」と話した。
こうした提案は、現在の退院と隔離解除を遺伝子増幅検査の結果により決めているために軽症患者の入院期間が過度に長くなっているという問題意識から出た。これに先立って先月2日、保健当局は対応指針を改正し(7版)、遺伝子増幅検査を24時間間隔で実施し2回陰性判定が出るなどの“検査基準”を充足しなくとも、「解熱剤を服用せずに発熱がなく、臨床症状が好転」するなどの“臨床基準”を充足すれば退院が可能だと話した。しかし、対応指針の退院基準が明確でなく、医療現場には“勧告”水準として受け入れられている。
ところが、遺伝子増幅検査は「極微量のウイルスでも検出され、ウイルスが死んだか否かも判別できないという限界があり、これを退院基準として適用すれば種々の問題が生ずる」と中央臨床委委のオ・ミョンドン委員長は説明した。症状がきわめて弱かったり事実上消えた患者が、遺伝子増幅検査では陽性判定が続き病床を占めることになるということだ。オ委員長は「スイスでは熱が出て少なくとも10日が過ぎた後に臨床症状を判断し、急性感染症状がないと判断されれば退院させている」とも紹介した。
一方、中央災害安全対策本部のキム・ガンリプ第1総括調整官はこの日、無症状・軽症患者を治療してきた生活治療センターを各地方自治体が速かに設置できるよう、人材、患者管理方法などを標準化したモデルを設けると明らかにした。
チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )