「いじめ 自殺の大きな要因」 大津調査委、報告書に明記へ
産経新聞 1月30日(水)14時39分配信
大津市で平成23年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、実態解明を目指して市が設置した外部有識者による第三者 調査委員会が、男子生徒の自殺は「同級生によるいじめが大きな要因だった」という内容の表現を盛り込み、自殺といじめの因果関係を事実上認める調査結果を まとめたことが30日、関係者への取材で分かった。31日に越直美市長に提出する予定の報告書にも明記される見通し。
第三者委は在校生や教職員、遺族ら40人以上から聞き取りを進めたほか、男子生徒の自室や飛び降り現場の視察など調査を進めてきた。関係者によると、第 三者委は、同級生が男子生徒にしたさまざまな行為のうち、「いじめ」だったと認識できるエピソードを複数例挙げたうえで、いじめを自殺の「大きな要因」と 結論づけた。
一方で市教委が「自殺の要因だった可能性がある」と指摘した、男子生徒の自殺と家庭環境との関連性については、「自殺につながる大きな要因ではなかった」という内容の検討結果も同時にまとめ、自殺の要因に“軽重”の差をつけた。
第三者委は昨年8月の発足当初から、「いじめと自殺との因果関係の最終結論は司法判断を待つ」としており、関係者によると、自殺といじめの間に「因果関 係があった」などとする直接的な表現は避けることになるという。また報告書にはこのほか、男子生徒の自殺をめぐる学校や市教委の対応についての問題点や、 再発防止のための提言なども盛り込まれる見込み。
滋賀県警は昨年末、自殺した男子生徒をいじめたとされる同級生を暴行容疑で書類送検するなどしたが、いじめと自殺の因果関係については「直接結びつけるものがない」としていた。