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XBB.1.5という名のこの変異株は、オミクロン株の下位系統の中でも最新のもので、11日現在、38カ国で感染例が保健当局に報告されている。

2023-01-15 | コロナから命を守るために
 

「最強の感染力」…オミクロン「XBB.1.5」どれほど危険?

登録:2023-01-14 03:46 修正:2023-01-14 08:32
 
米国を中心に急速に拡大…韓国はまだわずか 
最強の抗体回避力、細胞への付着力も向上 
症状がより危険かは未確認…改良ワクチンに効果
 
 
過去最強の感染力を持つオミクロン株の派生型が広がっている=ピクサベイ//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症の発生以降、最強の感染力を持つコロナウイルスの変異株が新年早々世界中の保健当局を緊張させている。

 XBB.1.5という名のこの変異株は、オミクロン株の下位系統の中でも最新のもので、11日現在、38カ国で感染例が保健当局に報告されている。XBB.1.5は、昨年8月にインドで発見されたXBBが、その後他国に拡散する過程で変化したもう一つの下位系統だ。米国で主に拡散しており、感染者の82%が米国で確認されている。

 米国のある研究チームは、昨年10月下旬に米国に上陸したこの変異株の実効再生産数を1.6と推定している。1人の感染者が1.6人を感染させることを意味する。韓国では昨年12月8日に初の感染例が確認されたが、感染者全体に占める割合はまだ0.2%と低い。

 米国疾病予防管理センター(CDC)によると、この変異株は現在、米国の新規感染者の28%を占めている。米国全体に占めるその比率は2番目。しかし北東部地域では新規感染者の70%を超える。

 問題は、一部の科学者がこの変異株に「クラーケン」というあだ名を付けるほど感染力が強いということ。クラーケンは北欧のスカンジナビア半島の神話に登場する恐ろしい海の怪物だ。世界保健機関(WHO)のマリア・ヴァン・カーコブ博士は、XBB.1.5はこれまでに発見されたオミクロン系統の変異株の中で最も感染力が高いと語った。

 XBB.1.5を集中的に研究している北京大学の曹雲龍研究員(免疫学)は国際学術誌「ネイチャー」に「この変異株が全世界で優勢になるということはほぼ確実だ」、「ただ一つのライバルも見あたらず、他のどの変異株も比較にならない」と語った。「ネイチャー」は昨年12月、コロナウイルスの進化を追跡することで変異の方向性を予測してきた同氏を「今年の10人」の1人に選定している。

 XBB.1.5が全世界のコロナ状況にどの程度の影響を及ぼすかは、現在のところは不確実だ。感染力が高くても、すでに広範な感染と予防接種を通じて多くの人がコロナウイルスに対する免疫力を持っているため、感染者や入院者が急増しない可能性もある。

 
 
      米国のXBB.1.5の割合の推移。12月3日~1月6日=nature//ハンギョレ新聞社

486番目のアミノ酸の変異が核心

 名前からも分かるように、XBB.1.5はXBBの派生型だ。XBBは昨年初め、BA.2系統の2つの系列が組み合わさって誕生した変異株だ。オミクロン株から派生したBA.2の表面にあるスパイクタンパク質に14の新たな突然変異が起きた変異株だ。スパイクタンパク質は、ウイルスが細胞に浸透する際に細胞壁にくっつくために使う道具だ。現在、市中で接種中のワクチンは、このスパイクタンパク質を標的にして作られている。

 ところがXBBのスパイクタンパク質は、一連の突然変異によってこれまでに登場した変異株の中で抗体を回避する能力が最も高くなっている。XBB.1.5はさらにアミノ酸にF486P変異が生じている。F486Pはスパイクタンパク質を構成する1270個のアミノ酸のうち、486番目のアミノ酸がフェニルアラニン(F)からプロリン(P)に変化したもの。

 曹研究員の研究チームは5日、事前出版論文集「バイオアーカイブ」に、コロナウイルスが細胞に浸透する際に細胞壁のACE2受容体タンパク質にくっつく力がこの変異によって強まったとみられるとする研究結果を発表した。抗体を回避する能力は弱まっていない状態で、F486P変異が細胞への結合力をさらに高めているわけだ。

 曹博士は「ネイチャー」に「XBB.1.5はF486Pのおかげで他の変異体よりはるかに感染力が高まっているため、現在のところはさらなる変異に対する進化圧力はほとんどない状態」だと語った。同氏はしかし、人体内に派生型に対する免疫力が構築されれば、XBB.1.5もじっとしてはいないだろうと強調した。

 
 
オミクロン株の粒子(オレンジ)に感染した細胞(紫)の電子顕微鏡写真=NIAID/NIH//ハンギョレ新聞社

2価ワクチン、最近の変異株にも高い効果

 XBB.1.5がいつ世界で優勢になるかは予測が難しい。ドイツのがん研究センターのモリッツ・ゲルストゥング研究員(コンピューター生物学)は、米国では1週間で2倍に増加しているが、その他の国では増加速度が相対的に遅いと語った。同氏は「拡散速度は非常に速いが、オミクロンの初期拡散速度よりは遅く、2022年秋のBQ.1とBQ.1.1の拡散速度と似ている」と語った。

 保健当局と科学者たちは、XBB.1.5は感染力はより強まっているものの、症状がより危険になったわけではないとみている。WHOは11日に発表した危険評価報告書で「XBB.1.5株は、他のものより感染力は強いとみられるが、感染者をより危険にするいかなる特性も確認できていない」と述べている。

 疾病管理庁は、コロナの2価ワクチンはXBBをはじめ、このところ猛威を振るっている変異株に対しても高い効果を示しているとし、積極的なワクチン接種を勧告している。

 国際学術誌「セル」に発表された研究によると、ワクチンを3回接種したグループと3回接種した後に2価ワクチンを追加接種したグループの中和抗体を比較したところ、2価ワクチンを接種したグループの中和抗体の方が1.5~2.8倍多かった。別の研究では中和抗体が3~12倍にのぼっている。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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オミクロンの下位系統であるBA2は、それ以前に登場した元祖オミクロン(BA1)より感染力が30~40%強い。これは、エアロゾル排出量がより多い変異体が生き残るという自然選択仮説とも一致する。

2022-08-29 | コロナから命を守るために
 

感染力を高めるコロナ変異株…いつになったら終わる?

登録:2022-08-26 03:37 修正:2022-08-26 07:5
 
オミクロン排出量、最大でデルタの1000倍 
日増しに複製が活発な変異が出現も 
インフルエンザウイルスの排出量より少ない 
感染力の強い変異株出現の可能性を示唆
 
 
新型コロナウイルスは変異を重ねるほど感染力が高まっている=ピクサベイ//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス(SARSコロナウイルス2)は変異を繰り返しつつ、感染力のより高い3つの変異株(アルファ、デルタ、オミクロン)が優勢になるという特徴を示している。

 元祖のウイルスよりアルファ株(B.1.1.7)の感染力の方が、アルファよりデルタ(B.1.617.2)が、デルタよりオミクロン(BA1=B.1.1.529)が強いと推定される。例えば、オミクロンはデルタに比べ感染力が3倍。またオミクロンの下位系統であるBA2は、それ以前に登場した元祖オミクロン(BA1)より感染力が30~40%強い。これは、エアロゾル排出量がより多い変異体が生き残るという自然選択仮説とも一致する。

 米国メリーランド大学の研究陣は、これら3つの変異株の感染力を他の変異株の感染者と比較したところ、一部の感染者からオミクロン株の量がアルファやデルタに比べ最大で1000倍検出されたと、事前出版論文集「メドアーカイブ(medRxiv)」に発表した。しかしインフルエンザ感染者のウイルス排出量と比べると、はるかに少なかった。

 研究陣は、これはウイルスの複製が今より活発な方向へとコロナの変異がさらに進む可能性があることを示唆すると述べた。事前出版論文とは、まだ査読を経ていない論文のこと。

 
 
ある実験参加者が拡声器に似た形をしたエアロゾル収集器具に顔を突っ込んでしゃべっている=ネイチャー提供//ハンギョレ新聞社

実際の状況で排出される可能性のある標本の収集

 研究陣は2020年6月から2022年4月にかけて、93人のコロナ感染者から、息を吐く際に排出されるエアロゾルを集めて分析した。エアロゾルが収集された時期は感染後1~13日の間で、感染者の症状は軽微(97%)か無症状(3%)だった。

 彼らが感染したウイルスはアルファ株、デルタ株、オミクロン株にまたがっていた。デルタとオミクロンの感染者は、全員がワクチン接種を完了していた。

 研究陣は彼らの口に拡声器の形をした器具を当て、30分間歌を歌ったり大声をあげたりしてもらった。一部の人々は咳やくしゃみもした。「ゲズントハイト2(Gesundheit-2)」という名のこの収集器具は、直径5マイクロメートル以下の微細なエアロゾルも検知する。

 研究陣がこれらの粒子を分析したところ、アルファ、デルタ、オミクロンに感染した人々の吐き出したエアロゾルには、変異前のウイルスやガンマ株をはじめとする別の変異株の感染者よりはるかに多くのウイルスの粒子が含まれていた。特にデルタとオミクロンの感染者では、微細なエアロゾルに含まれるウイルスの量が大きなエアロゾルの5倍にのぼった。スウェーデンのルンド大学のエアロゾル専門家マリン・アルスベド教授は、国際学術誌「ネイチャー」に「これは呼吸、会話、叫び、咳、くしゃみなど、実際にエアロゾルを吐き出すあらゆる状況から得られる標本を収集して出た結果だということが懸念される」と述べた。

 研究陣は続いて、実験室で細胞に感染者のエアロゾルを吹き付ける実験を行った。その結果、デルタとオミクロンの感染者のエアロゾル標本のうちの4つが細胞に感染したことを確認した。

 
 
鳥インフルエンザ情報共有の国際推進機構(GISAID)に登録された新型コロナの変異株の現状//ハンギョレ新聞社

人によって排出量が大きく異なるのはなぜ?

 研究陣は、実験参加者の飛沫に含まれるウイルスの量は、検出できないほどの少量から「スーパースプレッダー」に迫る水準に至るまで、個人の差が非常に大きかったと明らかにした。例えば、オミクロンに感染したある人は、アルファやデルタの感染者の最大値より1000倍多いウイルスの粒子を放出した。

 研究陣は、このような差がなぜ生じるのかはまだ分からないが、年齢をはじめとする生物学的要因と関連がある可能性があると語った。また、他の人とは異なる行動パターンも影響を及ぼしうると付け加えた。例えば、スーパースプレッダーレベルのウイルスを排出した人は、他の人よりも頻繁に咳をした。しかし、3つの変異株の平均ウイルス排出量に統計上の有意な差はなかった。

 研究陣は、コロナ感染者の吐き出すウイルスの量がインフルエンザ感染者の吐き出す量に比べて少ないことに注目した。以前の検出データと比較したところ、インフルエンザ感染者のウイルス量の最大値はオミクロン感染者のそれの2.4倍だった。コロナ感染者の平均ウイルス排出量はインフルエンザ感染者と比較するとおよそ100分の1だった。研究陣は、これは将来、より多くのウイルスを排出するコロナの変異株が現れうることを示唆すると述べた。マリン・アルスベド教授は「この点は懸念すべき」だと語った。

 研究陣は「したがって今回の研究結果は、換気およびろ過システムを修理して室内の空気の質の改善に投資するよう、政府に迫るべきであることを意味する」と強調した。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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Kさんは4日の本紙のインタビューで「つい今しがたあったことなのに、よく思い出せないという現象がひどい」、「会社での業務はよく記憶しておくことが大切で、記憶力だけは良かった。

2022-05-06 | コロナから命を守るために

コロナ重症後遺症

「頭脳20年老化、IQマイナス10」に匹敵

登録:2022-05-05 03:02 修正:2022-05-05 08:18
 
韓国でも「認知力低下」訴え相次ぐ 
3日、英国研究陣の研究でも確認 
「統計的に有意ではないが、方向性は正しいだろう」
 
 
                   電子顕微鏡で見た新型コロナウイルス=出典:NIAID//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルスに2回感染したKさん(35)は先日、電話していた時に言おうとしていたことが思い出せず、しばらくのあいだ考え込んでしまった。感染以前にはなかった現象だ。単語が思い出せない。文章を書く時も同じだ。感染前には書くことに自信があったが、最近は文章を構成することも難しい。人の顔を忘れることも増えた。

 Kさんはデルタ株が流行していた昨年12月末にコロナに感染し、重い肺炎の症状で苦しみ、2週間入院した。3月にはオミクロン株にも感染した。Kさんはコロナ感染後、明らかに認知能力に変化があったと感じる。

 Kさんは4日の本紙のインタビューで「つい今しがたあったことなのに、よく思い出せないという現象がひどい」、「会社での業務はよく記憶しておくことが大切で、記憶力だけは良かった。今は文章を書く時に文脈もよく把握できない」と話した。

 Kさんに見られる認知能力の低下とコロナには因果関係があるということが、研究で立証された。英国のインペリアルカレッジとケンブリッジ大学の研究陣は3日(現地時間)、医学ジャーナル「eClinicalMedicine」に掲載した論文で、コロナ入院患者の認知能力の損傷は20年ほどの老化の進行に相応し、いわば50歳の人の認知能力が70歳の人のそれになるものだと発表した。また、頭脳の処理速度IQは、感染前に比べほぼ10低下すると付け加えた。研究対象は、2020年3月10日から7月31日までの間にケンブリッジのアデンブルック病院に入院した46人のコロナ感染者。平均年齢は51歳で、うち16人はコロナ治療当時、人工呼吸器を使うほど重症だった。

 研究陣は彼らに対して、陽性判定から6カ月後に推論、問題解決能力などを追跡調査した。対象者は、研究対象以外の6万6000人あまりの対照群の同じくらいの年齢、教育水準の人と比較された。その結果、重症患者は対照群に比べ、感染後の言語分析推論などでは共通して単語を覚えることが難しく、問題を解決する速度も遅かった。研究陣は、研究対象者の脳の前頭葉におけるブドウ糖の消費量が減少したことを確認したが、これは上の結果と一致する。

 研究陣は、コロナの後遺症による認知障害は他の神経障害などが原因で発生する認知症とは異なることをつかんだ。研究陣は、一部の患者は感染から10カ月たっても認知力の改善が非常に遅いことを確認した。続いて研究陣は、この事例について「統計的に有意ではないものの、方向性は正しいだろう」とし「患者の一部は認知力が完全には回復しない可能性が高い」と付け加えた。

 研究陣は認知力の減退について、ウイルス感染も直接の原因になりうるが、より大きな原因は、脳に対する酸素または血液の供給の不足▽血液の凝固による大小の血管の詰まり▽微小出血などである可能性が高いと見ている。また、新たに身体の炎症反応や免疫システムによる損傷などが影響を及ぼした可能性も高まっていると述べている。

パク・チュニョン、チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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くらしと営業を根本的に立て直すためには、日本経済の体質を変える抜本的な改革をすすめなければならないが、当面のくらしと営業を守るために、緊急に補正予算を編成し、次の対策をとるよう求める。

2022-04-16 | コロナから命を守るために

コロナ危機と物価高騰から

くらしと営業を守る緊急の経済対策

―政府に対し、ただちに補正予算の検討に入ることを求める―

2022年4月15日 日本共産党国会議員団

 コロナ危機によって景気の低迷、生活の困難が長期に及んでいるところに、ガソリン、食料品、電気料金をはじめ物価の高騰がおそいかかり、くらしと営業は深刻な打撃を受けている。ところが政府は、いまだにその対策をとろうとしていない。

 現在の物価高騰と国民生活の困難は、(1)コロナからの経済回復にともなう世界的な需要増による国際価格の高騰、(2)日銀の「異次元の金融緩和」政策による円安誘導と輸入価格の上昇、(3)ロシアのウクライナ侵略と経済制裁によるエネルギーや小麦価格の上昇、という複合的な要因によるものである。

 この間の新自由主義、アベノミクスによって日本経済が「もろくて弱い経済」になってしまっているなかで起きていることが、国民のくらしと営業に一層深刻な打撃を与えている。

 したがって、くらしと営業を根本的に立て直すためには、日本経済の体質を変える抜本的な改革をすすめなければならないが、当面のくらしと営業を守るために、緊急に補正予算を編成し、次の対策をとるよう求める。

【価格対策】

○消費税を直ちに5%に引き下げ、インボイスは中止する。

○原油価格高騰対策として

 ・トリガー条項の発動を含む卸売価格の引き下げをはかる。

 ・飲食店、運輸業、中小製造業など事業用燃油の価格を引き下げる。

 ・農業、漁業用の燃油価格を引き下げる。

○小麦の政府売り渡し価格を引き下げる。

○消費税納税困難事業者に対する減免措置を実施する。

○急激な物価高騰に対応して生活保護基準を引き上げること。

【生活困窮対策】

○住民税非課税世帯に限定せず、困窮者に対する給付金を拡大する。

○小学校休業等対応助成金、支援金を継続する。

○小中学校の給食費を無償化する。

○アルバイト収入が減少した学生等への生活支援給付をおこなう。

○特例貸付制度利用者に対する返済免除の要件を緩和する。

○住宅確保給付金の対象拡大と延長をおこなう。

【社会保障】

○年金減額をストップする。

○後期高齢者の医療費窓口負担増を凍結する。

【賃金引き上げ】

○最低賃金を時給1500円に引き上げる(10兆円規模の中小企業への賃金引き上げ支援)。

○大企業への内部留保課税を新設し、税収増、不公平是正をはかるとともに賃金引き上げに誘導する。

○ケア労働者へのまともな賃上げを実現する。

【中小企業・営業対策】

○事業復活支援金を少なくとも持続化給付金並みに拡充し、家賃支援等給付金を再支給する。

【農業対策】

○過剰米の国による全量買い上げを実施する。

○水田活用の直接支払い交付金に係る交付要件減額方針を見直す。

○肥料・配合飼料価格安定のための財政措置を新たにもうける。

【エネルギー対策】

○再生可能エネルギーによる自給率の抜本的向上をはかり、ロシア産石炭の輸入禁止を理由とした、原発依存をやめる。

○九州電力ですでに行われ、新たに四国電力、東北電力が実施した太陽光発電等の再生可能エネルギーの「出力抑制」を中止する。

【財政・金融対策】

○円安を誘導し、輸入物価を引き上げる「異次元の金融緩和」政策からの抜本的転換をはかる。

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いよいよ京都府知事選挙;府民の暮らしを守るきょうとを!憲法を暮らしの中に生かそう!  

2022-02-11 | コロナから命を守るために

                            京都府知事選挙出馬表明・梶川憲氏

1
出馬の決意
コロナ禍の選挙です。お亡くなりになった皆さんに哀悼の意を表し、今も闘病中の皆さんに、お見舞いを申し上げます。医療現場や公衆衛生現場、エッセンシャルワークにご奮闘いただいているすべての皆さんに、心から敬意を申し上げ、皆さんの奮闘が報いるには、政治の責任があるとの思いから、立候補を決意いたしました。「失業給付額が少なく、シングルで両親と2人の子ども、両親の年金も少なく生活に困っている」相談に寄せられる声です。「入院できず、しんどそうな患者さんのことを思うと、寝られなかった」医療や保健所に働く皆さんから、労働組合に届いた声です。
コロナ禍2年。今、京都は、重大な岐路に立っていると思います。
知事が府民の声と向き合わず、国待ち、国通りばかりだからです。
保健所を少なくしてきたことを「メリットがあった」といい、「暮らせない」と学生が訴えたことに、「一部の意見」と言い、北山エリア計画で市民の要請に対しても「一部の意見」と返す。目の前で苦しむ府民を、10万筆の署名を「一部」と言うのか。一方ですすめるのは無批判に国の事業です。
北陸新幹線計画や原発の再稼働ではありませんか。
いま問われているのは、人と環境、歴史ある京都の地と街や里山を、伝統と文化と生業を、水を、守れるかどうかです。
いま必要なのは、これまで脈々と培われてきた、府民と職員がつくりあげてきた京都の自治の力です。同時に、国にもきっぱり意見を言い、トコトン府民市民に寄り添うリーダーが必要です。


「府民とともに」人も環境も かがやく京都 をめざします。
いまこそ、知事を交代し、府政集団の底力を発揮する先頭に立とうと、出馬を決意しました。
京都府政が直面している重大な課題と挑戦を、4つ述べます。


一つに、命綱の公共の役割をよみがえらせることです。
熱が出て「感染」と言われ、子どもを抱いたまま、お年寄りを前に、途方に暮れる、府民にとって、いつどんな時でも、命綱が公共の役割です。
保健所を減らし続けてきた国と府政の結果、京都市を含め23箇所あった保健所が8箇所になってしまいました。その結果は、府民にとっては、命の危機に相談する先がない事態であり、職員にとっては、目の前の命に寄り添えない悔しさです。
保健所を地域に再建します。住民の中に入り、市町村と医療機関、福祉関係団体の力を合わせる「かなめ役」=保健所の役割を、コロナ禍の教訓から復活させます。「救われた」と住民が思える孤立しない京都を、府政のリーダーシップでつくる決意です。
当面緊急に、

  • 府知事が専門機関と連携し、予見的・積極的に情報を府民に提供します。

②公的医療体制を拡大し、

  • 自宅療養を健康観察だけでなく、地域の医療者が電話やオンラインも含めて

 

2
医学的サポートができる体制をとり、その支援をおこないます。

④介護や障害福祉などケアを必要とする住民に対するサービスが安全・安心のもとで実施できるよう、事業所に対し、予防策と情報の共有・資機材の支援と検査など徹底支援を行なう。

⑤自宅待機者への生活支援の体制を市町村と連携してすすめる。

⑥政令市では、以上の緊急策を行政区単位で実施できるよう、協力します。


土木事務所は災害時の命綱です。災害で途方に暮れる府民のもとへ、災害現場に駆け付けられない悔しさです。土木事務所を地域に配置し直します。
同時に、公共の力で、子どもからお年寄りまで、いのちを守り育むことです。財布を気にせず安心して医療にかかれる、教育を受けられる、無償化の施策をさらに推し進めます。
せめて学校給食ぐらいは全員に、あたたかく、無償で提供できる、市町村の努力をしっかり支える府政をひらきたい。


二つは、格差社会の犠牲をつくらず、地域経済の主役、働く者や中小企業・小事業者を支える府政をつくることです
コロナ禍で格差社会の犠牲が、非正規労働者と女性の犠牲に表出しました。特に京都は、非正規率でも女性の自死率でも高い。どれほど辛い思いが地域を覆っているか。こんな犠牲を繰り返す京都を続けていいのかという課題です。
災害や感染症などは避けられませんが、今回の犠牲は政治の力で避けられます。
女性の副知事をつくります。誰もが普通に暮らせるために、時給換算で1500円をめざし、まず京都府の発注する仕事で、賃金を底上げし安定雇用をつくる仕組みをつくります。事業主が安心して賃上げできる環境は、直接支援で府が支えます。市町村にも働きかけて、そのお金を地域に循
環させて、仕事を興し、中小企業や小事業所の皆さんと地域の活力を蘇らせる。持続可能な循環型の地域経済を作ります。消費税減税やインボイス制度中止など、生業と消費を支え、個人事業主を守る立場から国に地方の声を届けます。
私は、労働運動を通じて、労働者だけでなく、多くの地域経済を支える中小企業の皆さんとも話し合ってきました。従業員を見ながら「彼らに少しでも賃金を上げられたらなあ」とつぶやいた社長さんの顔、コロナ禍で、必死に生業を続けて年を越えた皆さんが、もうだめかと苦しむ。京都は
廃業がたいへん多い、ここに明日の希望を描くのは、府政の仕事ではありませんか。
昨年6月府議会で「直接的な支援を中小企業・小規模事業者へこそ」との国への府議会意見書を、いったい知事はどう読んだのか。私は、コロナ対策の地方交付金を使って、住宅改修助成金や商品券など、本当に苦労・工夫して地域を守り、経済を循環させようと奮闘されてきた市町村や商工会など現場の皆さんの努力に出会ってきましたが、ここに京都の地域を持続させようとする底力をみました。今なら間に合う。府政がここを徹底応援すれば、輝かせることができる、皆さんの苦労に報いる府政をつくりたい。

三つに、原発の再稼働に反対し、なくす先頭に知事が立ちます。
福島原発事故から、10年を過ぎてまた3・11が近づきました。若狭の原子力発電所が、京都府庁と60キロという近い距離にある京都を、もう一度認識したいと思います。

 

3
知事の権限の有無は理由になりません。まず言わねば始まりません。私は、原発再稼働は反対です。命の危険には、より実効的な計画を市町村の皆さんと一緒につくる。40年ごえの原発稼働などという無謀ですから、危機感を持って、ダメだと言わないと誰が府民の命を守るのかという思い
です。原発の矛盾を立地県の皆さんに負わせてきた歴史でした。今度は私たちが、もうやめようと表明する番です。気候危機に全世界が向き合うときだからこそ、再生可能エネルギーへの転換の先頭に、京都が立つことを宣言します。


四つに、北陸新幹線延伸計画に反対します。

環境破壊の巨大風力発電や北山エリア計画など、住民の合意なき大型開発はまずストップして、やり直します。
京都の街も里山も自然も環境も水も、そして、人の営みも、脈々と受け継がれてきたものが南北に長い京都府を覆っています。その地域にある産業を育み、伝統産業を受け継ぎ、農林漁業を続けてきました。これを大深度の巨大トンネルを穿つ北陸新幹線計画は、それだけでも、京都をズタズタにします。そして、そのお金のツケは、京都府民全員に将来にわたって大きな負担になります。
この計画は、100 年が問われる失策です。
住民あっての地域・街づくり、この観点から、大型開発は、見直します。
そして、エネルギーを地産地消でつくり、自治体がこれをコーディネートする。それは、新しい仕事興しの挑戦です。里山を次の世代に引き継いでいく、ここに住み農林漁業で働き暮らすことができるよう支援をしていきます。
私は、乙訓の地に生まれてずっと、京都の皆さんに育てていただきました。子育て・保育・教育
から街づくりまで、地域の住民運動の輪の中に居ました。そこには、一人ひとりを大切にする地方政治の姿が、いつも問われていました。
そして城陽市で公立小学校の教員になり、地域のお父さんお母さんと夜遅くまで懇談会、その中で、子どもの顔も見られない深夜労働の親の働き方が、労働組合運動へ背中を押しました。誰に寄り添っていくのか、大切なことを保護者の皆さんから学びました。
いま一番好きなキャッチフレーズは「『一人の仕方ない』から、『みんなで変える』」。
阪神大震災からのボランティアに立ち上がる労働組合や年越し派遣村。「人間の連帯」のすばらしさです。これを京都府は、職員のボランティア休暇制度をつくって背中を押しました。
しかし、あの 2011 年 3・11。福島原発事故以来の原発なくせと集まった首相官邸デモで、私は、一人ひとりが声をあげていく、新しい動きの中から、あらためて、政治・行政の役割を痛感しました。
高校生のとき、知事から渡された憲法手帳があります。当時の知事から託された思い、名前は憲ですが、憲法を暮らしに生かす府政は、私の仕事だと決意を新たにしています。
労働組合出身ですので、無所属で出馬します。梶川プランの趣旨に賛同いただける皆さんは、オールウエルカムです。政党や政治グループ、市民運動や個人の皆さんに、心から一緒にと呼びかけます。
「峠の向こうの春」を呼び込む決意で、知事選挙出馬を表明いたします。

4

梶川憲<府政 重点プラン>
「府民とともに」――人も環境も かがやく京都へ

女性副知事実現、声なき声を知事室へ。現場第一、暮らしの身近なところへ府政を。

1、公共の力で、いのちを守り育む。
保健所や土木事務所を地域に再開し、地域のネットワークをつくり、どこに住んでも、感染症対策や災害対策が届き、命と暮らしを丸ごと守る。
医療費・教育費の無償化への流れを拓く。

2、府が発注する仕事で、時給1500円以上と安定雇用、地域経済を潤す。
地産地消を学校給食から。地域の仕事興しなど、市町村の地域経済を守る努力を徹底応援する。
奨学金返済支援、地域の主役、若者の定住を支援。
消費税減税やインボイス制度中止など、地方の声を国に届ける。

3、原発は止めて、なくす。府民を守るために国に対しても行動する。
米軍基地など、いのちや暮らしと両立できないものは、なくす。

4、環境破壊をやめて、持続可能な京都をつくる。
北陸新幹線延伸計画をストップ。
北山エリア計画など街壊し、大型風力発電による環境破壊でなく、公共事業は住民とともに。

 

梶川 憲の経 歴
1959年9月6日 京都府乙訓郡向日町(現向日市)生まれ 62歳
向日市立向陽小学校、事務組合立乙訓中学校(現勝山中学校)を卒業。
1975年 府立向陽高校第一期生 生徒自治会の立ち上げに携わる。
1978年 京都教育大学入学発達障害教育を学ぶ、1982年卒業
1982年 城陽市立今池小学校教諭
1986年 京都教職員組合の専従執行委員、青年部長
1991年 京都地方労働組合総評議会事務局次長(兼務)
2001年 京都教職員組合書記長
2008年 京都地方労働組合総評議会事務局長
2015年 京都地方労働組合総評議会議長 現職
家 族 妻、長女、次女、長男
趣 味 旅行・温泉と音楽、山や自然の写真、スキーなど
京都府向日市に在住

 

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「今はオミクロン株の特性に合致する防疫・医療管理システムを導入すべき時だ。従来の先制的できめ細かい3T(検査、追跡、治療)戦略から、大規模な感染者・隔離者の発生に対応しつつ社会必須機能の維持に集中

2022-02-08 | コロナから命を守るために

韓国政府「今月末には1日の感染者13~17万人」…

集中管理群のみをモニタリング

登録:2022-02-08 01:51 修正:2022-02-08 07:22
 
先制的3T(検査、追跡、治療)を放棄
 
 
中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長(疾病管理庁長)が7日、政府ソウル庁舎のブリーフィング室でオミクロン対応防疫・医療システム改善策を発表している/聯合ニュース

 韓国で2月末には1日に13万から17万人の新型コロナウイルス感染者が発生すると予想されることから、自宅療養者の管理システムは60歳以上や基礎疾患を持つ50代などの高リスク「集中管理群」中心へと変更される。そのほかの無症状・軽症の一般管理群は、自宅療養キットや電話モニタリングなしで自ら健康を管理しつつ、呼吸器専門クリニックなどの町内の病院や医院で非対面診療を受けることになる。

 中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長(疾病管理庁長)は7日の中央災害安全対策本部(中対本)の定例ブリーフィングで「疾病庁と国内外の複数の専門家の予測によると、オミクロン株の影響で2月末ごろには国内の1日の感染者が13万~17万人ほどにまで増加する」とし「今はオミクロン株の特性に合致する防疫・医療管理システムを導入すべき時だ。従来の先制的できめ細かい3T(検査、追跡、治療)戦略から、大規模な感染者・隔離者の発生に対応しつつ社会必須機能の維持に集中する方向へと防疫対応戦略を転換する計画だ」と述べた。改編されたシステムの大半はこの日から運用される。ただし、自宅療養モニタリングの緩和措置は準備期間を置き、今月10日から全国的に実施する計画だ。

 今後、その時点で入院を必要としない自宅療養者は「集中管理群」または「一般管理群」に分類される。集中管理群は自宅療養管理を担当する医療機関に割り当てられ、現在のように1日2回の定期的な有線モニタリングが実施される。集中管理群は60歳以上、または服用薬処方対象となっている50歳以上で危険性の高い基礎疾患を持つ人(糖尿、高血圧などの心血管疾患、慢性腎臓疾患、喘息を含む慢性肺疾患、がん、過体重など)、免疫力が低下している人などだ。一般管理群は保健所の案内に従って自ら健康状態を管理し、必要に応じて呼吸器専門クリニックなどの呼吸器診療指定医療機関や町内の病院・医院で非対面診療が受けられる。また各市郡区や市・道が24時間運営する「在宅管理支援相談センター」で夜間医療相談ができる。

 政府は、集中管理群をモニタリングする532の自宅療養管理医療機関を650にまで拡充し、管理可能人員を約20万人にまで増やせば、1日の感染確認が21万人になっても耐えられると予測している。一般管理群に必要な非対面診療は、コロナ禍発生直後の2020年2月24日から一時的に認められており、医薬品の配送は同居家族の受領が原則だが、独居高齢者などへは保健所が配送を行う。小児青少年感染者については、町内の医院のほか、在宅管理支援相談センターで小児青少年科医が常時診療するシステムを整備する予定だ。在宅管理支援相談センターは、ソウルは7日から、その他の地域では10日から運営が行えるよう準備を進めている。

 自宅療養キットは集中管理群の患者を中心に配布される。構成品もこれまでの7種から解熱剤、体温計、酸素飽和度測定器、洗浄用消毒薬、自己検査キットの5種へと簡素化(黒ビニール袋、総合感冒薬が除外)する。親の要請などに従って、必要なら小児用キットが支給できる。隔離者への生活必需品の支給を続けるかどうかも、同居家族の必須の外出が認められているため、各地方自治体が現場の条件に合わせて決めることとし、その業務に投入されていた人材は防疫業務に振り替える。

 政府は、自宅療養者に緊急事態が発生した際にはコロナ専門応急専用病床を用いるほか、家族などの共同隔離者のために救急病棟内にコホート隔離区域などを設置する。現在は55ある外来診療センターも112カ所確保して感染症専門病院の診療科目を追加開設するとともに、コロナ用分娩・透析病床などの特殊疾患基盤も拡充する。

 疫学調査と接触者隔離の方式も、オミクロン株の拡散に合わせて改編する。感染者が自らオンラインアンケートにアクセスし、接触者などを記録する「自己記入式調査書」が導入され、調査項目も単純化される。感染者は隔離解除の際、保健所への通報は特に必要なく、7日後に自動解除され、濃厚接触者の管理基準もそれに合わせ、一括して7日に調整される。同居家族は保健所ではなく感染者から共同隔離の通知を受け取り、隔離解除後はワクチン未接種の家族も追加隔離は必要なく、3日間だけ生活守則を自主的に順守すればよい。共同隔離されていた家族からさらに感染者が発生しても、対処が簡素化されて当事者が7日の隔離を受けるだけになる。政府は地方自治体の公務員によるGPSを用いた自己隔離管理アプリなども廃止し、その人員を防疫・治療業務に投入する。

 中対本のクォン・ドクチョル第1次長(保健福祉部長官)は、高危険群の重症・死亡の防止に集中する防疫・医療システムへの改編について「限られた資源を効率的に用い、高危険群の重症・死亡被害を防止するため」とし「危険度が低い一般患者管理群はもう少し日常的な水準の対応システムに転換して国民の不便を最小化し、オミクロン株の流行による社会的負担の軽減を達成するという目的もある」と述べた。

イム・ジェヒ、チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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チウ教授は「最も重要なのは、健康な若い成人の参加者を対象にした感染試験において、深刻な症状や臨床的懸念が全くなかったということ」と述べた。

2022-02-07 | コロナから命を守るために

36人にコロナウイルスを注入して分かった3つのこと

登録:2022-02-05 03:48 修正:2022-02-05 09:18
 
世界初のコロナ「人体誘発試験」 
1)潜伏期、5~6日ではなく平均2日 
2)ウイルスの最大の増殖場所は鼻の中 
3)「迅速抗原検査」も良い診断法
 
 
               新型コロナウイルス粒子(オレンジ)の電子顕微鏡写真=米国NIAID提供//ハンギョレ新聞社

 昨年2月に英国で実施された世界初の新型コロナウイルスの「人体を使った誘発試験(Human Challenge Trial)」の結果が出た。

 人体を使った誘発試験とは、人体を意図的にウイルスに感染させ、人体がどのように反応するかを調べるもの。効果的な疾患予防法と治療法を開発するためのものだが、試験の過程でややもすると命の危険に陥ることもあり得るため、倫理的な批判もある試験だ。

 インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)が主導する英国の共同研究チームは、コロナに感染したりワクチンを打ったりしていない18~30歳の健康な36人の成人男女に対して人体誘発試験を行い、感染時点からウイルス消滅時点までの全過程を精密に観察した。

 研究チームが国際学術誌「ネイチャー」の出版前の論文集「リサーチスクエア(Research Square)」に発表した試験結果によると、試験参加者はウイルスにさらされてから平均で2日後に症状が現れはじめた。

 
 
       感染者たちは鼻水、のどの痛みなどの一般的な風邪の症状を示した=ピクサーベイ//ハンギョレ新聞社

感染5日後にウイルス数値がピーク

 症状は気道から始まり、ウイルスの量は感染5日後にピークに達した。ウイルスが最も多く検出されたのは鼻の中(鼻腔)だった。

 参加者の半分にあたる18人が感染し、このうち16人は鼻づまりや鼻水、くしゃみ、のどの痛みのような軽症の、あるいはひどくない風邪の症状を示した。一部の参加者には頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感、発熱の症状が現れた。13人は一時的に嗅覚を喪失したと語った。しかし、嗅覚は3人を除いて90日以内に正常に戻った。残りの3人も3カ月後には、症状が好転しつつあると述べた。肺には何の症状も現れなかった。

 試験に用いられたウイルスは、変異が出現する以前のコロナパンデミック初期の感染者から採取したもの。研究チームは、試験参加者の鼻にウイルスを少量注入し、その後2週間にわたり病院で感染の進行状況を集中的に観察した。しかし、2人の参加者はウイルス注入前に抗体反応を示し、分析対象から除外された。

 
 
                        人体誘発試験で肺の機能を測定している参加者=H-VIVO提供//ハンギョレ新聞社

口より鼻からの感染リスクの方が高い

 コロナは、概して症状が現れる前までは感染しているかどうかが分かりにくいことから、今回の人体誘発試験には、ウイルスにさらされた直後から人体に起きる反応に関する詳細なデータを初めて確保したという意味がある。研究チームが今回の試験で得た成果は大きく3つ。

 第1に、潜伏期間の短さ。

 18人の感染者の潜伏期間は平均42時間だった。既存の推定値である5~6日よりはるかに短かった。潜伏期間後に感染者の鼻や喉から採取した検体はウイルス量が急激に増加していた。

 第2に、ウイルスの増殖が最も活発な場所は鼻の中(鼻腔)だった。

 ウイルスが最初に本格的な増殖を始めた場所は喉だった。喉は感染から40時間後、鼻は感染から58時間後にウイルス陽性反応を示した。しかし、ウイルスの最高数値は喉より鼻の方がはるかに高かった。これは口よりも鼻からウイルスが体外に排出される危険性の方が高いことを意味する。また、マスクをする時は、口と鼻を両方隠さなければならないということも意味する。無症状の人もウイルスの数値に大きな違いはなかった。

 
 
                             英国の迅速抗原検査キット=ノーサンプトン大学提供//ハンギョレ新聞社

週2回の迅速抗原検査で高い信頼性

 第3に、迅速抗原検査(lateral flow tests)の有用性。

 研究チームによると、鼻の中に綿棒を挿入して検体を採取する迅速抗原検査の結果が、感染力のあるウイルスが存在するかどうかを判別する良い指標となる。迅速抗原検査の結果は、感染過程全般にわたってPCR検査の結果とよく合っていた。ただし、ウイルス数値が低い感染当初、およびウイルス死滅時点では正確さが低下した。

 研究チームは「迅速抗原検査は被検査者のウイルスに感染力があるか、隔離状態を解除しても良いかどうかを判断する際に、信頼できるデータを提供する」とし「迅速抗原検査を週2回行えば、感染力のあるウイルスが70~80%生成される前に診断できる」と語った。

 この研究を率いた感染内科のクリストファー・チウ(Christopher Chiu)教授は、「感染初日や2日目には敏感度(感染者を陽性と判断する能力)が低いこともありうるが、繰り返し使用すればウイルスの拡散の抑制に大きな役割が果たせる」と語った。

 
 
                  コロナウイルスの粒子模型=インペリアル・カレッジ・ロンドン提供//ハンギョレ新聞社

デルタ株の人体誘発試験も計画

 研究チームは、今回の研究が人体による誘発試験のひとつのモデルを示していると評価した。研究チームは報道資料で「ロンドンのロイヤルフリー病院で行われたこの画期的な試験では、すべての参加者が軽い症状のみを示すことで、再び実施しても支障はないということを示した」とし「これは今後のコロナワクチンと治療薬の試験のための研究の基盤を築くもの」と主張した。チウ教授は「最も重要なのは、健康な若い成人の参加者を対象にした感染試験において、深刻な症状や臨床的懸念が全くなかったということ」と述べた。参加者に注入されたウイルスは、感染を引き起こすための最小限の量だった。これは感染力が最も高い時に、鼻腔内の1滴の飛沫から発見される量と同程度。

 研究チームは今後、同量のウイルスにさらされたにも関わらず、ある人は感染し、ある人は感染しない理由を確認する計画だ。ネイチャーは、風邪を誘発する従来のコロナウイルスが新型コロナに対する免疫効果を誘発した可能性、それすらも必要としない強力な先天的免疫力の保有者である可能性などに言及している。

 また、条件が整い次第、ワクチンを接種した人々を対象としたデルタ株についての人体を使った誘発試験も計画している。これに向け、現在は試験用のデルタ株を確保する作業を進めている。

 
 
一部の研究者は、参加者が直面しうる健康リスクについての倫理問題を提起している=H-VIVO提供//ハンギョレ新聞社

試験で得られる利益?…まだ約束手形

 しかしネイチャーによると、一部の研究者は、試験参加者に降りかかりうるリスクを受け入れてまで実施するほど、今回の研究成果が重要なものなのかについて、疑問を提起している。例えば米国メリーランド大学のメーガン・デミング教授(ウイルス学)はネイチャーに対し、「感染した参加者の4分の1以上に6カ月以上にわたり嗅覚や味覚の異常が見られた」とし「これが今回の試験で現れた最も深刻なリスクとみられ、注視し続ける必要がある」と述べた。同氏らは、人体誘発試験を通じて得られる科学的、社会的利益は、現在のところは約束手形であり、まだ手に入らない状態だと言う。

 今回のコロナ人体誘発試験の参加者には、4565ポンド(約72万円)の補償金が支給された。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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テドロス事務局長は、オミクロン株の症状は既存の変異株よりひどくはないものの、危険を過小評価してはならないとし「世界のほとんどの地域において、憂慮されるほど死者が増えている」と指摘した。

2022-02-03 | コロナから命を守るために

オミクロンの登場からわずか10週で感染者が全世界で9千万人増

登録:2022-02-03 01:21 修正:2022-02-03 07:45
 
WHO「2020年の感染者総数より多い」 
オミクロンの登場以降、再感染率も上昇
 
 
WHOは1日(現地時間)、オミクロン株が登場して10週間で、全世界の感染者が2020年の1年間の感染者総数より多い9000万人に達したと発表した。WHOのシンボルマーク=ジュネーブ/AP・聯合ニュース

 世界保健機関(WHO)は1日(現地時間)、新型コロナウイルスのオミクロン株が登場してわずか10週間で、全世界で感染者が9000万人増加しと発表した。WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長はこの日、オンラインによるメディアブリーフィングでこのように述べ、この規模は2020年の1年間の感染者総数より多いと指摘した。APなどが報じた。

 テドロス事務局長は、オミクロン株の症状は既存の変異株よりひどくはないものの、危険を過小評価してはならないとし「世界のほとんどの地域において、憂慮されるほど死者が増えている」と指摘した。さらに「一部の国において、コロナの伝播を遮断することは不可能だとか、伝播の遮断は必要ないなどといった話が広まっていることを懸念する」と付け加えた。

 WHOは、世界の6つの大陸のうち4つの大陸で死者が増えていると明かした。

 WHOのコロナ技術責任者のマリア・バンケルコフ氏は「今は防疫関連の規制を一斉に解除すべき時ではない」とし「規制解除はゆっくり一つずつ行われなければならない」と指摘した。マイケル・ライアン緊急事態対応チーム長も、ワクチン接種率の高い国は防疫規則の緩和に対してより多くの選択肢があるが、現在の感染症の状況や高危険群の人口、医療の現実などを評価して規則緩和の可否を決めるべきだと強調した。同氏は「他国の動向を検討する必要はあるが、やみくもに従ってはならない」と述べた。

 一方、オミクロン株の拡散に伴ってコロナウイルス再感染率が急激に高まっているとロイターがこの日報じた。ロイターは、英国のウイルス再感染率は昨年12月6日以前の6カ月間では2%程度だった一方、今年に入ってからは10%に達していると指摘した。英国保健安全保障庁の資料にもとづいた分析だ。

 同庁の資料分析責任者スティーブン・ライリー氏は「オミクロン株が広がる前、再感染率は低い水準を保っていたが、最近は状況が変わった」とし、これを反映してコロナ感染者の集計基準を変更したと語った。同庁は、感染確認から90日が過ぎて再び感染が確認されれば再感染と認め、感染者統計への集計を開始した。

 イタリア国立衛生研究所によると、同国ではオミクロン株が拡散する以前は再感染率が1.5%程度だったが、最近は3%にまで高まっているという。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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韓国蔓延!日本より先を進む、大統領も参謀会議で「オミクロン株対応体制の全国拡大と関連の準備を急いで進めよ」と・・・

2022-01-27 | コロナから命を守るために

韓国「2月に最大12万人」予想…

非常事態を防ぐシナリオはあるのか

登録:2022-01-27 08:00 修正:2022-01-27 08:41
 
疾病管理庁の短期予想の分析結果 
2月末に最小3万人・最大12万人 
政府省庁別に業務継続計画を準備 
「医療スタッフの隔離基準などに弾力運用が必要」
 
 
26日、新規感染者数が表示されている地下鉄ソウル駅のデジタル総合案内図には、この日発表された新規感染者数の13012人に対して、最後の「2」が抜けた「1301」人が表示されている。担当業者は、感染者が4桁の数まで表示されるようになっており、今後システムを修正する予定だと明らかにした/聯合ニュース

 オミクロン株の感染拡大の余波で、新型コロナの新規感染者が初めて1万人を超えた。政府は、29日から全国単位でハイリスク群を中心にPCR検査が可能になるよう、オミクロン株対応体制に転換することにした。急激な感染拡大が予想される状況において、患者の管理だけではなく、保健医療や教育などの社会の必須機能が止まらないようにする対応策も、急いで整備しなければならない状況だ。

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防疫当局「来月の感染者は最大12万人」

 中央防疫対策本部(防対本)は、26日0時基準の新型コロナの新規感染者は1万3012人だと明らかにした。前日の8571人より4441人増え、わずか1週間で2.24倍に急増した。

 防疫当局は、このような感染者の急増傾向はしばらく続き、来月は最大12万人の1日の感染者が出る可能性があると予測した。疾病管理庁が21日に数理モデリングで出した「短期予測結果」の分析によると、デルタ株に対するオミクロン株の感染力を2.5倍と仮定する場合、1日の感染者は今月末は7000~8000人、2月中旬には1万5000~2万1000人、2月末は3万2000~5万2000人に増加する。オミクロン株のデルタ株に対する感染力を3倍と仮定する場合、1日の感染者は今月末は8000~1万人、2月中旬には2万7000~3万7000人、2月末は8万~12万人台になると予想される。

 感染者増加に政府は、29日からオミクロン株対応体制を全国に拡大すると明らかにした。光州(クァンジュ)、全羅南道、平沢(ピョンテク)、安城(アンソン)など4カ所で実施中の地域医療機関の迅速抗原検査(自主検査キット)を、29日からは全国に拡大するということだ。これを受け、29日には全国256カ所の選別診療所で迅速抗原検査が可能になる。来月3日からは、全国の呼吸器専門クリニック431カ所と、指定された町内病院・医院が検査と診療の役目を果たす。この日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も参謀会議で「オミクロン株対応体制の全国拡大と関連の準備を急いで進めよ」と述べ、「町内病院・医院による新型コロナの検査と治療システムも初めて施行するものであるので、初期には足りない点もあるはずだ。医療界とよく協議し対処せよ」と指示した。

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町内病院が在宅治療も行う「ワンストップ在宅治療」検討

 政府は、オミクロン株対応体制への転換とともに、大韓医師協会などの医療団体とともに「ワンストップ在宅治療モデル」を協議している。これを受け、新型コロナの診療に参加する町内病院・医院を募集中だ。

 このモデルは、町内病院・医院が新型コロナの検査を行い、診療・在宅治療のモニタリングまですべて担当する「町内主治医」のような考えだ。現時点では現呼吸器専門クリニックが診断と治療を可能にしているが、町内病院も診断検査と在宅治療ができるように転換するというのが政府の計画だ。

 このモデルが施行されると、町内医院が閉まる午後6時から翌日午前9時まで、防疫当局と自治体が運営するセンターが、患者の管理を引き受けるものとみられる。ソウル市医師会のパク・ミョンハ会長は本紙の電話インタビューで、「町内医院が24時間体制をとるのは難しいと判断し、深夜応急コールに対応するセンターが設けられるようだ」とし、「まだ、補償や細かい運営体制をとる場合については、協議がさらに必要な点」だと述べた。ただし、空間的な限界により動線の分離や診断検査などに制約がある町内医院をどのようにして参加させるのかについては課題となっている。

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「社会の必須機能の麻痺」に備えシナリオ別の計画が必要

 感染者の急増を受け、社会の必須機能の麻痺に対する対策を急がなければならないという声も大きい。たとえば、保健医療界の集団感染などにより、病院医療機関の機能が麻痺したり、ケア・教育・治安・消防などでも、オミクロン株の感染者が続出し十分に機能できなくなることを防がなければならないという話だ。

 政府は、各省庁別に感染者急増の場合の業務継続計画(BCP)を作っている。中央防疫対策本部のコ・ジェヨン危機コミュニケーションチーム長は、「ガイドラインを提供し、各省庁で社会の必須機能の維持のために必要な重要業務を選定し、BCPを作るよう要請した」とし、「例えば、ケアや教育、治安などの分野で非常時の組織をどう構成しなければならないのか、優先順位となる重要業務が何なのか、在宅勤務の活性化など、非常時における計画を立て、期間内に感染病の拡大防止措置をとるよう提案した」と言及した。

 専門家らは、感染者の急増に備え、より具体化したBCPを準備しなければならないと指摘した。翰林大学医学部のキム・ドンヒョン教授(社会医学)は、「防疫状況にともなう確診者の発生規模に応じた非常時の計画がなければならない。感染者が3万、5万、10万になった場合のシナリオ別に準備しなければならない」と指摘した。

 特に、保険・医療スタッフの感染により保健所や病院の運営が困難になった場合の対応策が用意されなければならないという声も出ている。ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は、「医療スタッフもこれまでの基準にしたがい隔離するが、(医療スタッフが)広範囲に感染した場合、症状がなく最小の隔離器間を経た医療スタッフは少し早く職場に出るなど、隔離基準を弾力的に運用する必要がある」と述べた。

パク・チュニョン、チャン・ヒョヌン、イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「各自が自分の命に責任を持つことを心がけるべき。家族同士でも離れているべきで、食事などが重ならないよう努めなければならないほど注意すべき」

2022-01-26 | コロナから命を守るために

迫りくるオミクロン…

感染したかなと思ったら、60歳未満はどうすべきか

登録:2022-01-26 02:36 修正:2022-01-26 07:57
 
[自分がかかった時の対処法]
 
 
25日午後、京畿道の安城市保健所で、関係者が26日から適用されるオミクロン株対応診断検査システムの案内を取り付けている/聯合ニュース

 今月26日から光州(クァンジュ)、全羅南道、平沢(ピョンテク)、安城(アンソン)の4地域はオミクロン対応システムへと本格的に転換される。保健所の選別診療所はPCR検査を高危険群に集中し、その他の対象者に対しては選別診療所や呼吸器専門クリニックなどで迅速抗原検査を実施することを骨子とする。4地域以外の地域では当面、現行どおり誰でも選別診療所と臨時選別検査所でPCR診断検査が受けられる。しかし感染者数がPCR検査の力量(検査を1日に85万件にまで拡大すれば感染者数は1万人まで)を超えれば、全国の検査システムも近く重症化のリスクが高く迅速な治療が必要な60歳以上などの高危険群の早期診断に集中せざるを得なくなる。感染者の増加によってPCR検査の結果の確認に1日以上かかるようになれば、高危険群が適切な時期に飲む(経口用)治療薬の処方が受けられなくなることもありうるからだ。本紙は中央事故収拾本部(中収本)および中央防疫対策本部(防対本)の発表、新型コロナウイルス関連指針、専門家の助言などにもとづき、オミクロン対応システム転換後の対処法をまとめた。

韓国で認可されている自己検査キットは3種類

 高危険群に該当する人は、現在と同じく選別診療所ですぐにPCR検査が受けられる。60歳以上と保健所からPCR検査要請案内を受け取った疫学的な関連者、医師の所見を所持している人、感染脆弱施設の従事者、迅速抗原検査の陽性者などがこれに当たる。

 60歳未満などの高危険群ではない対象者に与えられた選択肢は大きく次の3つ。選別診療所訪問▽呼吸器専門クリニック受診▽自己検査キットの使用だ。保健所の選別診療所を訪問すれば、PCR検査の対象者でない人には迅速抗原検査(自己検査キット)でまず検査が行われる。防対本は、症状のある人に対しては呼吸器専門クリニックなどの指定医療機関で診療と専門家の扱う迅速抗原検査を受けることを勧めている。保健福祉部の資料「呼吸器専門クリニックの現況」サイトで住居地近くのクリニックが探せる。高危険群ではない対象者は、抗原方式の自己検査キットを薬局などで購入し、家庭で検査することもできる。食品医薬品安全処が国内向けに認可している製品はラピジェン(BIOCREDIT COVID-19 Ag Home Test Nasal)▽SDバイオセンサー(STANDARD^TM Q COVID-19 Ag Home Test)▽ヒューマシス(ヒューマシス・コビッド-19ホームテスト)の3社の製品だ。

「感染確認」最終的な基準は今もPCR

 オミクロン株の流行においても、感染者かどうかを判断する最終的な基準はPCR検査の結果だ。迅速抗原検査で陽性と出たら優先検査対象者となり、選別診療所でPCR検査が受けられる。独自に検体を採取できる呼吸器専門クリニックは、再度検体を採取してPCR検査機関に検査を依頼できる。専門家は、陽性と確認されれば、なるべく自家用車などの他人との接触を最小化できる手段を用いて選別診療所に行くことを勧めている。

 問題は、迅速抗原検査で陰性と出た時だ。国内で認可されている3つの製品は、概して特異度は99%以上だが、敏感度は90%以上だ。敏感度とは、その検査キットが実際の感染者に対してどれだけ正確に陽性を示せるかを表す指標。実際にはコロナ感染者の100人に10人が「陰性」となる可能性があるということだ。専門家は、迅速抗原検査で陰性と示されも、発熱や呼吸器の症状の有無を検討し、症状が見られた場合には2~3日以内に改めて医療機関を受診する一方、その間は個人防疫を徹底し、不必要な外出などの接触は避けるよう勧めている。

接種完了者が感染確認された際には7日間隔離

 防対本は隔離に関して、予防接種完了者を3次接種完了者または2次接種後14~90日以内の人と規定し、26日から全国に新たな隔離基準を適用した。予防接種完了者は感染が確認されても最短隔離期間は7日で、未接種者など接種完了者でない人は10日間。在宅治療者も隔離期間が7日間の健康管理に短縮され、予防接種未完了者に対しては7日間の隔離後に、特に管理はされないが外出ができない3日間の「自主隔離」が適用される。

 従来は10日だった濃厚接触者の隔離期間も7日に短縮され、予防接種完了者はこれに代えて日常生活を送りつつ感染の疑われる症状が出れば検査を受ける手動監視にすることも可能にした。

自律的な防疫守則の順守が重要

 専門家は、オミクロン対応システムへと転換すれば個人の役割がより大きくなるだけに、市民の自律的な防疫守則の順守が重要だと診断する。高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は「各自が自分の命に責任を持つことを心がけるべき。家族同士でも離れているべきで、食事などが重ならないよう努めなければならないほど注意すべき」と述べた。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学教室)は「慌てず、保健当局の指示をよく守り、自主隔離を順守することが最も重要だ。今の危険は私たちが十分に抑え込める危険なのだという認識も重要だろう」と述べた。

イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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専門家は、複数の薬を組み合わせて使えば、耐性を持つウイルスの登場の防止に役立つと指摘する。

2022-01-24 | コロナから命を守るために

飲むコロナ治療薬は登場したものの…「カギは耐性の抑制」

登録:2022-01-24 02:05 修正:2022
 
米国の保健当局と研究者は方策に苦心 
「耐性の生じない抗ウイルス薬はない」 
複数の薬を組み合わた投与の効果について研究
 
 
飲むコロナ治療薬が本格的に供給されたことで、ウイルスが治療薬に対して耐性を持つのを防ぐことがカギとして浮上している。ファイザーのパクスロビドの生産工程=フライブルク/AFP・聯合ニュース

 米国などで飲む新型コロナウイルス感染症の治療薬の供給が本格的に開始された中、ウイルスがこの治療薬に対する耐性を持つのを防ぐことが新たな課題として浮上している。

 米国の経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は22日(現地時間)、米国の保健規制当局と研究者は、コロナウイルスに飲む治療薬に対する耐性が生じる可能性を懸念し、これを防ぐ方策について苦心していると報じた。現在までのところ、米国で承認を受けた飲む治療薬はファイザーのパクスロビドとメルクのモルヌピラビルの2種類。これらの治療薬はコロナ禍に対処するための画期的な手段として期待されているが、問題は耐性だと同紙は伝えた。専門家の指摘によると抗ウイルス薬は、単独で服用すればウイルスがそれに対する耐性を確保する可能性が高い。

 メリーランド大学ボルティモア・カウンティ校のキャサリン・セリラトキー教授(医薬化学)は「いつかはウイルスに耐性ができる余地があるということを、私たちは知っている」とし「(ウイルスが)コントロールを脱する前に機先を制し、芽のうちに摘み取らなければならない」と述べた。ピッツバーグ大学の感染症専門家、ジョン・メラス教授も「35年間、抗ウイルス分野で働いているが、耐性が生じない薬は見たことがない」と述べた。

 ただし、まだ治療薬に対する耐性が生じる徴候は現れていない。ファイザーとメルクの研究者は、薬の効果を評価するために実施した臨床試験では耐性は現れていないと明らかにしている。食品医薬品局(FDA)は両社に対し、耐性について観察を怠らず、毎月報告書を提出するよう求めている。FDAは「すべてのウイルスは耐性を確保する可能性があり、この点でコロナウイルスも例外ではない」と指摘した。

 専門家は、複数の薬を組み合わせて使えば、耐性を持つウイルスの登場の防止に役立つと指摘する。米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)エイズ研究室長のカール・ディーフェンバッハ博士は「スイスチーズには穴があるが、複数のチーズを重ねると何も通過できなくなることと似ている」と表現した。同氏は、国立衛生研究所が様々な種類の治療薬を確保すれば、これらを組み合わせた治療法を試みるつもりだと付け加えた。

 ファイザーも新たな抗ウイルス薬の開発作業を行っており、必要ならばどのような組み合わせに効果があるのか研究すると表明している。同社は昨年、国際学術誌「ネイチャー」に発表した論文で、パクスロビドを米国の別の製薬会社ギリアドの抗ウイルス薬「レムデシビル」と共に処方すればよく作用すると明らかにしている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メルクもモルヌピラビルをレムデシビルなどの別の薬と共に投与する研究を行っている。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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韓国政府の相次ぐ行政命令にも関わらず、新型コロナ患者のための病床の確保は遅々として進まず、保健医療の現場は非常事態となっている。

2021-12-20 | コロナから命を守るために

韓国、重症患者1000人台に…

「重症患者だけでなく一般診療まで麻痺の危険性」

登録:2021-12-20 02:37 修正:2021-12-20 08:43
 
政府の病床確保対策、思うように効果上がらず 
新規感染者の減少と重症者の増加は時間差のため 
重症患者、1~2週間前の感染者数と比例 
病床稼働率、臨界値の75%を超えたが 
政府の「病床効率化対策」に医協「反対」 
 
 
新型コロナウイルス感染症の重症患者が125人で過去最多を記録した今月19日午前、新型コロナ専門病院のソウル中浪区のソウル医療院に仁川南東消防署の救急車に乗った新型コロナ患者が者が移送されている/聯合ニュース

 週末の間に新型コロナウイルス感染症の新規感染者は減ったが、重症患者は増え、初めて1000人を超えた。韓国政府の相次ぐ行政命令にも関わらず、新型コロナ患者のための病床の確保は遅々として進まず、保健医療の現場は非常事態となっている。

 中央防疫対策本部(防対本)は19日0時現在、重症患者数は1025人と発表した。前日の重症患者が1016人で新型コロナの感染拡大以来初めて1000人を上回ってから、増加傾向が続いている。重症患者1000人は医療崩壊を防ぐ現場のマジノ線とされる。実際、防疫当局は重症患者が1000人を超えれば、全体の保健医療体制にも悪影響を及ぼしかねないと予測した。中央事故収拾本部防疫総括班長のパク・ヒャン防疫総括班長は14日、定例ブリーフィングで「重症患者が1000人以上発生すると、新型コロナ重症患者病床をさらに確保しなければならないため、他の一般診療にも影響を及ぼす可能性がある」とし、「重症患者が重症病床で治療を受けられず、中等症病床にとどまる状況もあり得る」と述べた。

 感染者数は減少したが、重症患者が増加したのは「時間差」のためだ。現在発生する重症患者は、1~2週間前に発生した新規感染者数と年齢構造の影響を受けている。12月第1週(5~11日)に60歳以上の感染者の割合が35.8%でピークに達し、その影響で週末の間に重症患者数が増えたという分析だ。疾病管理庁の資料によると、12月第3週(12~15日)は60歳以上の感染者の割合が31.7%で小幅に減少した。60歳以上人口のワクチン追加接種率が高くなった効果とみられる。19日午前0時現在、60代以上のうち3回目の接種完了率は56.5%。ソウル大学のキム・ユン教授(医療管理学)は、「先週から80歳以上の感染者の割合が減り、介護施設での集団感染も減ったため、重症患者も急増していない。当分は重症患者の増加が緩やかになるとみられる」と説明した。

 全国的に雪が降るなど寒波が押し寄せたため、検査件数が減り、新規感染者数が減った可能性があるという分析もある。同日の新規感染者数は6236人で、先週の日曜日(6689人)より少なかった。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は、「寒波と雪の影響で、検査を待っていた人たちが途中で帰宅するケースもあるが、このため、新規感染者が一時的に減ってから、来週再び増加する可能性もある」と指摘した。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は16日、政府ソウル庁舎で開かれた中央災害安全対策本部(中対本)の緊急ブリーフィングで、「流行が悪化する場合、12月中に約1万人、来年1月中には最大2万人まで新規感染者が発生する可能性があり、流行がこのまま続く場合は、12月には1600~1800人、多くは1900人まで重症患者が発生することあり得ると予想している」と述べた。

 一方、全国の重症患者病床の稼働率は先月28日以後引き続き臨界値(75%)を上回っており、状況は良くない。前日午後5時基準で、全国の重症患者病床の稼働率は79.1%(1337床のうち1058床が使用中)。ソウルや仁川(インチョン)、京畿道など首都圏の重病患者病床の稼働率は85.9%(837床のうち719床)で、状況がさらに悪い。政府は重症患者病床があっても患者の世話をする医療スタッフが不足し、余裕病床を確保する問題などで100%活用が難しいため、稼動率が75%を上回るのは危険だと説明した。

 現場で診療に当たっている医師たちは、すでに至る所で問題が生じていると口をそろえた。オム教授(感染内科)は「前日も夜に新型コロナの重症患者2人(人工呼吸器患者1人、エクモ患者1人)が救急救命センターに運ばれてきたが、集中治療室に空きがなく、救急救命センターの陰圧隔離室で病床が空くのを待っている」とし、「既存の中等症患者のうち重症患者病床で治療しなければならない患者も待っており、現在の医療現場はマヒ寸前」だと説明した。

 現在、増えつつある重症患者を受け入れて看病する病床の確保が急がれるが、政府の病床確保はあまり進展がみられない。防疫当局が段階的な日常回復(ウィズコロナ)後、追加で確保した重症患者病床は約170床に過ぎない。焦った政府は、重症患者病床の効率を高めるため、今月17日に「新型コロナの症状発現後20日」が過ぎた重症患者は転院(ステップダウン)するよう病床運営指針を改正した。しかし、現場の医療陣が反発しており、それさえも容易ではない見込みだ。大韓医師協会は「(病状の発現から)20日が過ぎれば、新型コロナ重症患者でもほとんど感染力が低くなるが、一部でも感染力のある患者がいれば、医療機関の集団感染につながる可能性がある」として、政府の方針に反対している。これを受け、政府は「絶対的な基準ではなく、(20日が過ぎても)感染力がある可能性があるため、隔離解除の判断は現場の(医療陣の)声を聞いて調整している」と説明した。

 一方、週末には一時、疾病管理庁が管理する新型コロナの「電子問診票」の接続にエラーが発生し、検査に支障が生じた。18日、ソウル駅広場にある選別検査所などは午前9時から検査を始める予定だったが、午前10時ごろまで疾病庁のサーバーに接続できず、手書きで記録する方式で検査を行った。トラブルが発生したため、検査を受けようとした市民は氷点下の寒さの中30分近く待つなど、不便を強いられた。疾病庁は同日午前に発生した問題について、「最近、検査依頼が増え、速度を改善するため、システム機能変更を夜明けに実施して、午前9時から変わった機能に対するモニタリングを行っていたところ、予想外の負荷で(サーバーの)速度が著しく遅くなった」とし、「午前9時25分ごろに性能が改善し、9時45分からは検査依頼機能が正常化した」と説明した。

イ・ジェホ、クォン・ジダム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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今月10日、キム・ブギョム首相は「危機局面からの転換が難しいと判断された場合、政府は強力な距離措置などを含む特段の防疫対策を決定するしかない」と述べたが、これに関する具体的な検討が行われている。

2021-12-13 | コロナから命を守るために
 

韓国、1週間で死亡401人、一日重症者894人で最多…

政府「特段の防疫対策」検討

登録:2021-12-13 03:10 修正:2021-12-13 08:2
 
12日、中央防疫対策本部の集計 
 
先週の死亡者、直前の週に比べ30%増加 
全国の重症患者病床稼働率も80%に達し 
「防疫強化」を日常回復支援委の案件に 
 
 
11月28日午前、ソウル松坡区保健所に設けられた「新型コロナ選別診療所」で、防護服の隙間をテープで塞いだある医療関係者が、同僚と会話をしている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 韓国で新型コロナウイルス感染症の新規感染者が連日7千人前後を記録するなど、感染拡大が続く中、新型コロナによる週間死亡者数と一日の重症者数がともに過去最多を記録した。病床が空くのを待っている患者も最大規模で、医療システムが十分に機能していないことを受け、韓国政府が11日から日常回復支援委員会の防疫・医療分科に防疫強化の案件について諮問するなど、早ければ今週半ばに「特別防疫対策」を発表する可能性があるとみられる。

 中央防疫対策本部の集計によると、12日0時現在の一日の新型コロナによる死亡者は43人で、ここ一週間(12月5日~12月11日)で401人が死亡した。新型コロナの感染拡大が始まって以来、週間死亡者数としてば最大規模だ。10日には1日80人が死亡し、一日死亡者数も過去最多を記録した。

 死亡者数はここのところ急激に増えている。一日平均死亡者が43人だった直前の週(11月27日~12月4日)に比べ、先週の一日平均死亡者は57人で、14人も増えた。1カ月前(週間一日平均死亡者16人)に比べて3倍以上多く、第3波当時よりも2倍以上多い。第3波がピークを迎えた今年1月第1週(1月4日~10日まで)の週間死亡者は163人、1日平均死亡者は23人だった。防疫当局は今月9日、「(新規感染者のうち60歳以上の)高齢者の割合が2~3カ月前までは20%だったが、現在は30%半ばまで上昇した」と理由を説明した。

 感染拡大の勢いが衰えない中、病床も連日飽和状態であり、重症患者も急速に増えている。同日現在の重症患者は894人、1日以上病床が空くのを待っている患者も1739人で、過去最大規模だ。前日午後5時現在、全国の新型コロナ重症患者専門病床1276床のうち1031床が使われており、稼働率は80.8%。特に、首都圏内の重症患者病床の稼働率は86.5%に達する。同日の新規感染者は6689人で、7日から一日7千人前後の新規感染者が発生している。

 
 
一日の新規感染者6689人、重症者894人を記録した今月12日、ソウル駅広場の臨時選別検査所を訪れた市民が順番を待っている/聯合ニュース

 韓国政府は今月6日から、首都圏と非首都圏の私的な集まりの人数をそれぞれ6人と8人に減らし、今月10日には18歳以上の追加接種の間隔も6カ月から3カ月に短縮するなど、相次いで対策を打ち出しているが、専門家らは感染拡大や病床不足などを解決するには不十分だと指摘する。嘉泉大医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学科)は本紙との電話インタビューで、「流行の規模を減らさなければ、この状況はこれからも続く」とし、「人同士の接触を制限する措置が取られるべきだが、損失補償と連携しなければ実効性がないだろう」と述べた。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「短期間で流行を食い止めるためには、もっと強力な措置が必要だ。自営業者の損失補償を確実にするという前提の下、午後6時以降は営業中止にし、社会・経済的活動を制限する『ロックダウン』案についても議論しなければならない」と提案した。

 韓国政府も距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の強化など追加防疫措置のための議論を進めている。今月10日、キム・ブギョム首相は「危機局面からの転換が難しいと判断された場合、政府は強力な距離措置などを含む特段の防疫対策を決定するしかない」と述べたが、これに関する具体的な検討が行われている。

 政府は11日から、防疫政策諮問機構である日常回復支援委員会の防疫・医療分科に書面で追加防疫案件とともに意見を求めている。防疫・医療以外の分科の日常回復支援委員の意見まで聞き入れ、早ければ今週半ばごろ防疫強化対策を発表するものとみられる。中央災害安全対策本部(中対本)会議は13日に保健福祉部長官、15日と17日にはキム・ブギョム首相の主宰で開かれる予定だ。

パク・チュニョン、クォン・ジダム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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オミクロン株の感染が発生した仁川のある飲食店では「空気感染」の情況が確認され、防疫当局が神経を尖らせている。

2021-12-09 | コロナから命を守るために

韓国のオミクロン株感染者、マスク姿でレジ接客しただけで感染か

登録:2021-12-08 02:03 修正:2021-12-08 09:35
 
仁川の飲食店経営者、感染者を会計時に接客しただけで感染確認 
防疫当局「密閉した空間では空気感染もあり得る…既存の変異株と比較するのは困難」
 
 
今月7日、大邱市寿城区のある飲食店で、防疫関係者らが一般防疫とともに抗菌・抗ウイルスの特殊コーティング防疫を行っている/聯合ニュース

 南アフリカ共和国で初めて確認されてから、韓国国内にも流入した新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」がM仁川(インチョン)を越えて首都圏に広がっている。オミクロン株の感染が発生した仁川のある飲食店では「空気感染」の情況が確認され、防疫当局が神経を尖らせている。

 中央防疫対策本部(防対本)は7日、オミクロン株の感染者12人が追加で確認され、累積感染者は36人だと発表した。同日新たに確認された感染者12人のうち3人は、3日にエチオピアのアディスアベバから出発した飛行機に乗って帰国した韓国人で、空港検疫所で感染が確認された。 彼らは南アフリカ共和国への渡航歴があったものの、韓国人であるため入国が認められ、隔離施設でオミクロン株へ感染が確認された。

 8人は本人が仁川弥鄒忽区(ミチュホルグ)の教会の信徒または信徒の家族や知人で、教会と関連する感染と分類された。その中には、ソウルの大学に通う留学生3人も含まれており、ソウル市当局が警戒を強めている。留学生たちはいずれも先月28日に教会を訪れて感染した。

 残りの1人は、これに先立ち、地域で感染拡大が起きた仁川の飲食店経営者Aさんであることが確認された。Aさんは疫学調査の結果、客だった60代のオミクロン株の感染者Bさんと、会計の時以外は全く顔を合わせていないことが確認され、これまでの変異株より感染力が強いのではないかという推測が出た。AさんはBさんが飲食店に滞在している間、ずっとマスクをつけていたという。

 防疫当局もAさんが空気感染した可能性があると分析している。防対本のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は「飲食店利用者を通じて従事者が感染したケースと見られる。密閉した空間で一緒にいた場合は空気感染もあり得る」とし、「新型コロナウイルスのアルファ株やデルタ株も、カラオケボックスや教会のような3密(密集・密接・密閉)環境では飛沫電波を越えて空気伝播の可能性が高かった事例があった」と説明した。ただし、パクチーム長は「現在の状況では(オミクロン株の空気感染の可能性を)従来の変異と比較するのは難しい」とし、「海外の事例を見る限り、デルタ株より感染力が高く、(空気感染の)可能性も念頭に入れて対応している」と付け加えた。

 変異株への感染が疑われ、疫学関係者として追加された6人のうち2人は京畿道地域の居住者であり、オミクロン株による感染拡大が事実上始まったという分析もある。これまで防疫当局によって疫学関連者と分類された事例はいずれもオミクロン株への感染が確認されたためだ。韓国政府はエチオピアから入国したオミクロン株の感染者3人と飛行機で濃厚接触した34人に対しても疫学調査を実施している。

 防対本は同日0時基準の新規感染者は4954人だと発表した。重症患者も774人で過去最多だった。死亡者数は64人で、4日(70人)に続き、最多を記録した。重症患者数が増え続けたことで、重症患者専門病床の稼動率は全国基準で78.2%、首都圏基準で83.6%を示し、不安な状況だ。首都圏で上昇が空くのを待っている患者は計919人だ。

 韓国政府は病床の確保に拍車をかけているが、準重症病床の確保は難航している。中央事故収拾本部のパク・ヒャン防疫総括班長は「先月、(病床動員の)行政命令は準重症を中心に下され、454病床を確保する目標だったが、現在166病床程度確保された」とし、「ただ、中等症病床は692床を目標にしていたが、目標を少し上回る844病床が確保され、今後さらに増える状況」と説明した。

 同日の新型コロナによる死亡者の中には10歳以下の子どもも含まれた。防対本はブリーフィングで「10歳未満の子ども一人が先月25日に症状が現れ、今月2日に感染が確認されたが、入院治療中に死亡した」と説明した。死亡した子どもは基底疾患を患っていたが、死亡した原因がはっきり確認されず、防疫当局は医務記録を確認し、死因を分析する予定だ。

 先月28日、10歳未満の子どもが新型コロナで命を落としてから2例目だが、12歳以下の子どもに対するワクチン接種はまだ検討段階にとどまっている。防対本は「専門家の諮問と研究を通じて5~11歳の子どもに対するワクチン接種を検討しているが、今月中に結論が出るのは難しい」とし、「米国で12歳未満の子どもに接種するワクチンは小児用ワクチンで成人用と違い、新たに国内許可の手続きが必要だ」と説明した。

イ・ジェホ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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今夏、日本では菅義偉前政権の失政からデルタ株の被害を広げました。そのことへの深い反省を踏まえ、医療・検査体制の総点検と強化を図ることが急務となっています。

2021-12-01 | コロナから命を守るために

オミクロン株

医療・検査体制の点検と強化を

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者の報告が世界各国で相次いでいます。日本でも30日、空港検疫で入国者から国内初の感染が確認されました。世界保健機関(WHO)は、世界的なリスクは非常に高く、さらに拡散する可能性があると指摘しています。日本政府は30日から外国人の入国を原則停止しました。水際対策は一層厳格に行われなければなりません。今夏、日本では菅義偉前政権の失政からデルタ株の被害を広げました。そのことへの深い反省を踏まえ、医療・検査体制の総点検と強化を図ることが急務となっています。

リスクを迅速に把握する

 新しい変異株は南アフリカで感染拡大が確認されました。WHOは26日、「オミクロン株」と命名し、警戒の位置づけを高めました。日本の国立感染症研究所も警戒度が最も高い「懸念すべき変異株」にリスク評価を引き上げました。南アフリカでデルタ株からオミクロン株に急速に置き換えがすすんだことから「著しい感染・伝播(でんぱ)性の高さが懸念される」としています。

 オミクロン株の感染力の強さや重症化リスク、ワクチン効果への影響など詳細はまだ分かっていません。それだけに、監視の体制を強め、性質や危険性について解明することが急がれます。

 なにより水際対策です。これまで日本では、海外からの変異株流入を防ぐ対策で後れをとり、深刻なまん延を引き起こしてしまいました。空港検疫など入国検査のあり方を改めて点検し、検査の精度を向上させ、新たな変異株を迅速に検知できるようにしなければなりません。

 各国で次々と感染者が確認されている中で、日本でも入国検査でつかめなかった感染者がいる可能性も念頭に置く必要があります。変異株かどうかを早期につかむためのPCRをはじめとする検査体制の拡充・強化、ゲノム解析の徹底などが求められます。

 今年の夏、政府は、感染力が強いと指摘されていたデルタ株の危険を軽視し、緊急事態宣言下で東京五輪を強行しました。感染爆発を招いた過ちから教訓を学ぶことが重要です。いま日本国内の感染は落ち着きをみせています。こういう時だからこそ、保健所や医療が危機時に機能するかをチェックし、備えを万全にしていくべきです。岸田文雄政権はまだまだ不十分な医療・検査の体制を整えるために力を注ぐ時です。

 感染数の減少の中で、行動制限が緩和されてきていますが、感染状況に厳重な注意を払い、リスクがあれば行動の制限を再び強化するなどの機敏な判断と対策も重要になっています。その際、営業や暮らしに打撃とならないよう補償などの対策が不可欠です。

正確な情報の発信が重要

 国民一人ひとりにとっては、新しい変異株であっても基本的な予防対策(3密の回避、マスクの着用、手洗いの徹底など)は変わりません。専門家からは引き続きワクチンの重要性が強調されています。スムーズに接種を進めることは政府の責任です。

 正確な情報の発信が、実効性のある感染症対策を進める大前提です。国民に説明しない政治では信頼も協力も得られません。政府の姿勢があらためて問われています。

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