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シン教授は、韓国社会は民主主義と憲政秩序の回復を優先すべきだとして、「長期的に政治の領域において何よりも重要なのは、権力の分散と、権力乱用を制御するための制度改革の完成」だと提言した。

2024-12-19 | 韓国あれこれ・・・
 

「凶暴な大統領ひとり変えたところで解決されない」…

12・3内乱は総体的危機(1)

登録:2024-12-19 01:23 修正:2024-12-19 08:34

 

「時代精神と公論の場の役割」をテーマに 
ソウルで第1回ソーシャルコリアフォーラム開催 
民主主義の退行の背景、原因とは?
 
 
ソーシャルコリア創刊3周年を記念して、18日午後、第1回ソーシャルコリアフォーラムがソウル中区のフランシスコ教育会館で開催され、中央大学のシン・ジヌク教授が総論を提起している=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 「発展した市場経済、リベラルな市民文化、高度な情報通信技術を持つ韓国においては、長期的に独裁体制を維持することはできないだろう。しかし独裁体制の樹立、あるいは少なくとも独裁体制の樹立が暴力的に試みられるということは、いくらでも起こり得るし、独裁の樹立の阻止や打倒のためには多くの犠牲を払わなければならない」(シン・ジヌク中央大学教授)

 歴史博物館に展示されていた戒厳がよみがえり、全国民がリアルタイムで生々しく目撃した2024年12月。1987年以降は廃棄された政治体制だと考えられていた「独裁」。その言葉が37年ぶりに改めて公論の場に登場するというのは、明らかに歴史的退行だ。いくら何でも民主化以前へと歴史の歯車を戻すことはできないだろうという認識と期待は楽観的すぎる態度だったということに気づいた今、中央大学のシン・ジヌク教授は、18日に「時代精神と公論の場の役割」と題して開催された第1回ソーシャルコリアフォーラムで、「それを阻む道は、そのような悲劇はやって来ないだろうという楽観ではなく、それが来ないようにする実践」だと喝破した。

 ソウル中区(チュング)のフランシスコ教育会館で開催されたこの日のフォーラム(主催:ソーシャルコリア、ハンギョレ経済社会研究院、ハンギョレ仕事と人研究所)に最初の発表者として立ったシン教授は、今の韓国社会は「総体的危機」に陥っていると診断する。シン教授は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾と比較して「12・3戒厳事態」は、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)と軍、警察、政府閣僚が組織的におこなった内乱クーデターで、民主主義、憲政、法治、自由、信頼、命といった韓国社会の根本的前提が崩れ落ちた事件」だと指摘しつつ、「今の韓国社会の危機が非常に深く重篤で、決して凶暴な大統領ひとりが変わったところで解決される問題ではないことを証明する」と述べた。シン教授は、12・3事態の前に複数の国際的な評価機関が韓国の民主主義、自由、人権の急激な後退を相次いで報告しつつ、さらに深刻な独裁化の可能性を警告していたとして、世界17~18位を維持していた自由民主主義指数(V-Dem研究所)の47位への低下、報道の自由度ランキング(国境なき記者団)の世界62位への下落などを示した。続いて「一時は世界の賛辞を浴びていた『K-民主主義』の記憶に酔い、急速に独裁化が進んでいることに気づかなかった」として、「そのような退行の過程の末、人々は最終的に、大統領と国防部長官の命令で国軍の最精鋭部隊が国会を占領し、市民に銃を向けるという内乱の破局を迎えるに至った」と述べた。

 シン教授は民主主義退行の背景と原因について、過度に中央集中化された権力構造、政治的両極化と急進主義、陰の権力の強大化、不平等問題の解決の失敗の4つの要因が相互作用して「複合危機」を招いたと分析した。そして、勝者に過度な権力を与える構造のぜい弱さを強調した。「大統領に選出された人物が民主主義、人権、合理的ガバナンスを追求する人物であれば急進的な制度改善が可能だが、もし大統領が民主的規範と価値を無視する人物だったなら、この種の権力構造は非常に危険になる。時には大統領の力を借りて改革も行われたが、『諸刃の剣』の反対側の刃は危険すぎる」

 シン教授は、韓国社会は民主主義と憲政秩序の回復を優先すべきだとして、「長期的に政治の領域において何よりも重要なのは、権力の分散と、権力乱用を制御するための制度改革の完成」だと提言した。

 
 
ソーシャルコリア創刊3周年を記念して、18日午後、第1回ソーシャルコリアフォーラムがソウル中区のフランシスコ教育会館で開催された=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 続いて政治分野の基調提起をおこなった国会立法調査処のイ・グァンフ処長も、民主主義の虚弱さをまず指摘した。イ処長は「戒厳を準備する過程で染みついた前近代的要素が民主主義を脅かしうる状況にあって、最終的な憲政的安全装置(国会による戒厳解除)の他には、権力構造そのものの中にこのような統治を制御しうる制度と民主的な政治慣行が十分に構築されていないということも確認された。1987年に樹立された韓国の民主主義は、軍部独裁への回帰を防げるくらいには堅固だが、統治の内容からそのような可能性をなくし、より良い民主主義へと向かうための基盤は十分ではない」と述べた。そして、今の状態を「民主主義の強固化に至る長い旅程において、霧が立ちこめる『灰色の地帯』をさまよっている」と表現した。

 イ処長は、尹錫悦式の「ポピュリズム的独裁」は「政治的効能感」が低下すれば今後いくらでも再登場しうると述べた。「民主主義の最後の砦である国民が2度(朴槿恵と尹錫悦の弾劾)も民主主義を救ったにもかかわらず、3度目が起これば、その後の政治的効能感の低下は民主主義という制度そのものに対する信頼を低下させる可能性が高い…回復力だけを信じて、民主主義においてはいかなる指導者も誕生しうるというような安易な態度を取っていると、あるいは、よりよい指導者の育成と選出に不断に努めないと、民主主義は『慢心のわな』にはまってしまうだろう」

 イ処長は、政治が復元されないと、民主主義はいつでも再び危機に直面する恐れがあると警告する。政治の復元を困難にする政治嫌悪と慢心のわなから脱するためには、実際の国民の生活の質をよりよくして「政治的効能感」を高めなければならないと提言する。

 最後にイ処長は、「1度目の戒厳は悲劇に、2度目の戒厳は喜劇に終わった。3番目の戒厳はポピュリズム的なやり方であらわれ、ファシズムにつながる恐れがある」と述べた。(2に続く)

リュ・イグン|ハンギョレ経済社会研究院先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 
 

「凶暴な大統領ひとり変えたところで解決されない」…

12・3内乱は総体的危機(2)

登録:2024-12-19 08:28 修正:2024-12-19 08:48
 
 
ソーシャルコリア創刊3周年を記念して、18日午後、第1回ソーシャルコリアフォーラムがソウル中区のフランシスコ教育会館で開催され、参加者が記念撮影をおこなっている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

(1の続き)

 続いて福祉分野の発表をおこなった仁荷大学のユン・ホンシク教授(社会福祉学)は、「弾劾だけでは、もう一人の尹錫悦(ユン・ソクヨル)を防ぐことはできない」として、「尹錫悦大統領を弾劾して新政権が発足すれば、尹錫悦政権が蹂躙(じゅうりん)した民主的手続きと権利は復元されるだろう。しかし、韓国社会の持続可能性を脅かす構造的リスクは解消されない可能性が高い」と述べた。それは「選挙は毎回途方もなく期待されたが、例外なく途方もない失望に帰結した。部分的な制度変化と公的福祉の量的拡大を除けば、どれだけ政権交代をしても社会経済的リスクを作り出す生産方式の根本的な変化は作り出せなかった」からだと指摘した。そして、今回の弾劾は政権交代にとどまらず、生産と分配(および再分配)のあり方の改革を含む「体制転換」の出発点にしなければならないと提案した。ただしユン教授は、権力構造の改革は必要不可欠だとしつつも、「矛盾しているが、私たちに必要な権力構造は民主主義を安定的に維持しうる分権化されけん制が可能な権力構造であると同時に、韓国社会が直面する社会経済的な危機を効果的に改革していく強力な権限を持つ権力構造でなければならない」と述べた。

 環境分野の発表を担当した檀国大学のチョ・ミョンレ碩座教授は、現在の政治や社会的危機と同様、気候危機も深刻だとして、「韓国は『気候後進国』だが、特に尹錫悦政権ではグリーン転換のエンジンが止まっていた。気候危機をグリーン転換の機会とすべきだ」と述べた。そのためにグリーンニューディールの再推進と、国家政策の優先順位のグリーン転換中心への再設定を提案した。

 ソウル科学技術大学のチョン・ホンジュン教授(経営学)は、韓国の「二重労働市場」問題を指摘してから、同一労働に対する同一水準の補償、労働基本権の死角地帯の解消、セーフティーネットの着実な拡大などを労働分野の実践案として提示した。

 漢陽大学のイ・チャンミン教授(経営学)は、尹錫悦政権を「右派ポピュリズム」の枠組みで分析しつつ、現政権が執着した「健全財政と減税」、「釜山万博と財閥トップとの伝統市場の視察」、「金融投資所得税の廃止」を例示した。イ教授は続いて「右派ポピュリズムはまだブラックボックス(実体が分からない)だ。2000年代以降、西欧中心に復興したもので、再分配という左派ポピュリズム風の共通した議題もなく、リーダーのみが過剰な自信をほとばしらせているから」だとして、「政策決定者は社会厚生の最大化を追求する社会制度の設計者だという幻想から脱し、彼らの私益追求を阻まなければならない」と述べた。

 
 
18日、ソウル中区のフランシスコ教育会館で開催された第1回ソーシャルコリアフォーラムで、円卓討論が行われている=リュ・イグン先任記者//ハンギョレ新聞社

 忠南大学のユン・ジャヨン教授(経済学)は、こんにちの時代精神は「ケア社会の構築」だとして、持続可能な社会の構成にケアは必要不可欠な要素となりつつあると述べた。ユン教授はまた「ケアを個人や家族ではなく社会全体の責任とするために、ケアが再構成されなければならない」と語った。

 専門家による7つの分野の発表後に行われた円卓討論には、中央大学のイ・チャンゴン教授(元ハンギョレ新聞記者)の司会で、中央大学のシン・グァンヨン名誉教授、韓国労働組合総連盟のチョン・ムンジュ事務処長、民主労働研究院のイ・チャングン研究委員、グリーン転換研究所のキム・ビョングォン研究委員、ソウル科学技術大学のキム・ヨンスン教授、生産と抱擁金融研究会のキム・ヨンギ会長(亜州大学教授)、延世大学のチェ・ヨンジュン教授、参与連帯のイ・ジヒョン事務処長らが参加した。

 総括論評をおこなったシン・グァンヨン名誉教授は、憲法裁判所で弾劾が認容されたら、その後どうするのか、という問いを投げかけ、「(学者同士の議論にとどまらず)韓国の政策形成過程についての研究と、効率的な政策形成に影響を及ぼしうる民主的な政策形成システムの構築が模索される必要がある」と述べた。シン教授は、政策で社会を変化させることができればと思うと付け加えた。

リュ・イグン先任記者|ハンギョレ経済社会研究院 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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チョン氏は、尹大統領の弾劾に反対している与党を強く批判した。「(国民の力には)現実感覚がないようにみえる。国民の力はこの数年間、国民を欺いてきたのではないかと疑っている」と話した。

2024-12-12 | 韓国あれこれ・・・
 

「尹大統領、過度なアルコールで国政遂行は不可能」

韓国の保守論客の評価

登録:2024-12-12 00:53 修正:2024-12-12 08:19
 
 
                    今月3日夜、非常戒厳を宣布している尹錫悦大統領=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 「保守の論客」チョン・ギュジェ氏が、保守勢力が陰謀論的な世界観に陥ったことが12・3内乱へとつながったという趣旨の見解を示した。

 チョン氏は9日のCBSラジオ「パク・チェホンの一本勝負」に出演し、違憲かつ違法な12・3内乱について「保守全体が陰謀論的な世界観に陥っていた。保守全体の水準が非常に低下した」として、「(12・3内乱は)その結果」だと主張した。内乱罪容疑者の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が起こした内乱の背景には極右勢力が提起してきた不正選挙陰謀論などがある、という一部の主張と軌を一にするものだ。

 3日の非常戒厳宣布の際、京畿道果川(クァチョン)の中央選挙管理委員会に侵入した戒厳軍は、選管の電算室で事前投票に関連するサーバを撮影している。10日の国会国防委員会全体会議に出席した国軍防諜司令部のチョン・ソンウ第1処長は、「選管のサーバをコピーするとともに、丸ごと持ってくるよう指示したのは誰か」と共に民主党のホ・ヨン議員に問われ、「(国軍防諜司令部の)ヨ・インヒョン司令官に口頭で指示された」と答えた。

 
 
                              保守の論客、チョン・ギュジェ氏=ユーチューブより//ハンギョレ新聞社

 チョン氏は「大統領をはじめとする龍山(ヨンサン)の少なからぬ人たちが、いわゆる陰謀論的世界観に深く浸っていると思う。(与党の)国民の力を支持するかなりの数の人たちに陰謀論、ねじ曲げられた歴史観、手段の軽視、目的中心の世界観が非常に深く浸透している」と述べた。

 また「尹大統領はすでに過度なアルコールで国政が遂行できない段階に到達しているだろうと思う」として、「そのような状況が1年以上続いてきたが、秘書たちがよこしまな宦官(かんがん)のようにかばっている」とも述べた。

 チョン氏は、尹大統領の弾劾に反対している与党を強く批判した。「(国民の力には)現実感覚がないようにみえる。国民の力はこの数年間、国民を欺いてきたのではないかと疑っている」と話した。

 ただし同氏は、国民の力の態度は数日以内に変化するだろうとの見通しを示した。同氏は「国民の力の議員たちには『裏切り者トラウマ』があるからああなのだと思うが、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾での裏切り者フレームと今回の状況とはまったく異なる。おそらく2~3日以内に見解は大きく変わるだろう」、「大統領に対する(捜査機関の)質問事項が完成すれば、国民の力の議員たちは不可避的にであれ弾劾に判を押すことになるだろう」と述べた。

 チョン氏は、国民の力のハン・ドンフン代表をはじめとする与党関係者が大統領弾劾の代案として主張している「秩序ある退陣」についても、「だまし」だと批判した。同氏は、韓国経済新聞の論説委員だった時代に、朴元大統領の弾劾局面において「秩序ある退陣」という概念を初めて提示した張本人だ。

 チョン氏は「(秩序ある退陣は)朴元大統領は政治的には失敗と判定されたのだから、名誉を保ったまま撤退する時間を与えようということだった。朴大統領が(辞任の)期限をまず決めて、与野党がワンポイントで任期短縮改憲をすれば名誉ある退陣ができる、というものだった」として、「ハン代表は国民の力の大権、党の主導権を握るための腹案として使おうと考えてあのような話をしているが、だまそうとしているもの」だと指摘した。

 さらに、「(大統領退陣の)ロードマップは、ハン代表には示すこともできないし、資格もない。何の憲法的な裏付けもない」、「しかも尹大統領は容疑者になった。容疑者に対しては速やかな捜査と逮捕があるのみ」だと付け加えた。

シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 またパク議員は、クァク司令官は12月3日より前の1日に非常戒厳についての内容を知っていたと主張した。パク議員は「クァク司令官はどこに行くべきか(知っていた)。

2024-12-11 | 韓国あれこれ・・・
 

「特戦司令官、12・3内乱の2日前には戒厳を知っていた」

登録:2024-12-10 23:41 修正:2024-12-11 12:01

 

パク・ポムゲ議員、クァク・チョングン特戦司令官の供述を公開 
「尹が国会の入口を破壊して議員どもを引きずり出せと指示」 
 
 
クァク・チョングン陸軍特殊戦司令官が10日午後、国会国防委員会全体会議の証人席に立ち、考え込んでいる=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 12・3内乱で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が主要指揮官であるクァク・チョングン陸軍特殊戦司令官(中将)に電話し、「国会の入口を破壊して中に入り、(議員たちを)引きずり出せ。まだ議決定足数に達していない」と指示していたことが10日に暴露された。

 共に民主党のパク・ポムゲ議員はこの日の国会国防委員会での懸案質疑で、「昼食後にここにいらっしゃるクァク司令官に会おうと言われて、国会某所で会った。VIP尹錫悦が2回目の電話で国会内にいる議員を外に引きずり出せ(と指示した)」として、上のように述べた。続いてパク議員は、「クァク司令官は、そうなると、ドアを壊して中に入れば人々が無数に負傷したり、全員死んだりすることもありうるわけで、移動を中止させて現位置への進入を禁止してじっとしていろ、入るなと言ったという」と付け加えた。

 またパク議員は、クァク司令官は12月3日より前の1日に非常戒厳についての内容を知っていたと主張した。パク議員は「クァク司令官はどこに行くべきか(知っていた)。しかし(それを話せば)旅団長たちが共犯者になってしまうことを懸念して、旅団長たちには話せなかった」と語った。続けて「この点についてクァク司令官は、1日に非常戒厳を事前に知っていたということを検察には供述していない」として、「すでに非常戒厳の関係者の口裏が合わせられていたため供述しなかったという」と説明した。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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大統領が非常戒厳を宣布した後、3日夜と4日未明に国会本庁への進入を試みた陸軍特殊戦司令部(特戦司)と首都防衛司令部(首防司)などは、当時の作戦記録を残していなかったことがわかった。

2024-12-06 | 韓国あれこれ・・・
 

【独自】「非常戒厳で出動した兵力、司令部に作戦記録残さなかった」

登録:2024-12-06 06:18 修正:2024-12-06 07:15

 

軍関係者「国防部長官が特殊戦司令官と首都防衛司令官に口頭で指示…部隊参謀たちは知らされなかった」
 
 
尹錫悦大統領が非常戒厳を宣布した中、4日未明、ソウル汝矣島の国会議事堂に兵士たちが進入を試みている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が非常戒厳を宣布した後、3日夜と4日未明に国会本庁への進入を試みた陸軍特殊戦司令部(特戦司)と首都防衛司令部(首防司)などは、当時の作戦記録を残していなかったことがわかった。

 軍関係者は5日、「兵力出動はキム・ヨンヒョン(当時国防部)長官が特戦司令官、首防司令官に直接指示して(出動が)行われたため、これらの部隊の参謀たちは状況について全く知らされず、関連の記録も探すのが難しいと聞いている」と語った。兵力が出動するとき、該当の部隊は状況日誌、作戦日誌を分単位で詳しく記録しなければならない。特別な状況が起きれば、別途詳報を作成する。

 ところが、国会に出動した部隊の関係者は「キム・ヨンヒョン長官が直で司令官に口頭で指示し、司令部参謀の中でどの部隊がどこに行って何をしたのか把握している人がおらず、関連の記録も探すのが難しい」と語った。通常、合同参謀本部-司令部-該当する部隊の指揮系統を通じて上級部隊の作戦指示があれば、これを受けた部隊の指揮統制室が指揮部、参謀などに伝えて共有するが、今回はそうではなかったということだ。もし、合同参謀議長-戒厳司令官-司令部に作戦指示が下れば、参謀たちが共有し、関連記録も残るはずだが、当時戒厳司令官に任命されたパク・アンス陸軍参謀総長は、これらの兵力を全く統制できなかった。

 今回の非常戒厳の際には、特戦司の707特殊任務団、第1・第3空輸(空挺)特戦旅団、首防司の軍事警察特任隊(SDT)などが動員された。彼らが属しているイ・ジヌ首防司令官、クァク・チョングン特戦司令官と、警察庁長に京畿道果川市(クァチョンシ)の中央選挙管理委員会の統制を要請したヨ・インヒョン防諜司令官は、まだ職に留まっている。この日、国会国防委全体会議で野党「共に民主党」のファン・ヒ議員は「内乱に準ずる戒厳に動員された指揮官を解任しないのか」とし、内乱罪を問われる証拠を隠滅し、2回目の非常戒厳を試みる可能性について懸念を示した。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 与党「国民の力」のハン・ドンフン代表は6日、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の早急な職務執行停止が必要だと判断した」と述べた。国会の大統領弾劾訴追案の表決に参加し、賛成票を投じるという意味だ。

2024-12-06 | 韓国あれこれ・・・
 

【速報】

韓国与党代表、尹大統領の弾劾に賛成票示唆…「職務停止が必要」

登録:2024-12-06 10:40 修正:2024-12-06 10:55

 

「尹大統領、主要な政治家を逮捕して果川に収監しようとした」
 
 
与党「国民の力」のハン・ドンフン代表が6日午前、ソウル汝矣島の国会で開かれた最高委員会議で発言している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 与党「国民の力」のハン・ドンフン代表は6日、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の早急な職務執行停止が必要だと判断した」と述べた。国会の大統領弾劾訴追案の表決に参加し、賛成票を投じるという意味だ。

 ハン代表は同日朝、国会で開かれた与党の緊急最高委員会議で、「尹大統領は違法戒厳が過ちだと認めもしない。そのため尹大統領が大韓民国大統領の職務を遂行し続ける場合、今回の非常戒厳のような極端な行動が再現される恐れが大きい」と述べた。

 ハン代表は「戒厳令宣布当日、尹大統領が主要な政治家などを反国家勢力という理由で高校の後輩であるヨ・インヒョン防諜司令官に逮捕するよう指示した事実、大統領が政治家の逮捕のために政府機関を動員したという事実を、信頼できる根拠を通じて確認した」とした。さらに「ヨ・インヒョン防諜司令官には、そのように逮捕した政治家を果川(クァチョン)の収監場所に収監しようとしたという具体的な計画があったことも把握された」と補足した。

 続いて「私は昨日、準備のない混乱によって国民と支持者に被害が及ぶのを防ぐために、今回の弾劾が可決されないよう努力すると述べた。しかし、新たに明らかになっている事実などを考慮すると、大韓民国と国民を守るために尹大統領の早急な職務執行停止が必要だ」と明らかにした。

ソン・ヒョンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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 国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は日本政府に対し、日本軍慰安婦被害者の賠償請求など権利保障の努力を強化し拡大しなければならないと再度指摘した。

2024-11-02 | 韓国あれこれ・・・
 

国連女性差別撤廃委、

日本政府に「慰安婦問題は未解決…被害者の権利保障に努力を」

登録:2024-11-01 11:24 修正:2024-11-01 11:25

 

女性差別撤廃委、夫婦同姓規定の見直しなども勧告
 
 
日本軍「慰安婦」被害者メモリアルデーを迎え、ドイツ・ベルリンのミッテ区にある「平和の少女像」の前で開かれた集会に参加した市民たちが、少女像の前に花を置いている=ベルリン/チャン・イェジ記者//ハンギョレ新聞社

 国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は日本政府に対し、日本軍慰安婦被害者の賠償請求など権利保障の努力を強化し拡大しなければならないと再度指摘した。

委員会は日本政府に向けて「戦争犯罪と反人道的犯罪の公訴時効排除」、「被害者の立場での賠償」が必要だという点を繰り返し強調した。

 29日(現地時間)、ホームページに公開した「国連の女性差別撤廃条約に対する日本政府の定期履行報告」で「慰安婦の権利問題解決に関する当事国(日本)の努力を評価する」としつつも「被害・生存者の真実と正義、賠償に対する権利保障のための努力を持続し、拡大する必要がある」と明らかにした。

 続けて、日本政府に向けて以前行なった勧告に再度言及し「国連経済社会委員会(ECOSOC)が国際法に基づいて採択した『戦争犯罪と反人道的犯罪には公訴時効がない』という原則を受け入れなければならないという点を繰り返し想起する」と強調した。

 委員会は2016年3月、日本政府に対する「定期履行報告書」でも第2次世界大戦時の日本軍慰安婦被害者の救済策が不十分だとし、強く批判した経緯がある。

 当時委員会は「われわれの最終見解は、慰安婦問題は(韓日政府間の2015年12月28日合意にもかかわらず)まだ解決されていない問題だということ」だと指摘。また、「(日本政府の)指導者や当局者が責任を軽んじる発言で被害者に改めて心的苦痛を与えている」とし、「慰安婦問題を『最終的かつ不可逆的に解決される』とする合意の発表は被害者中心のアプローチを十分に取らなかった」とも指摘した。「最終的かつ不可逆的解決に合意した」という一年前の2015年の韓日慰安婦合意の不当さを指摘したのだ。

 今回も委員会は、前回の勧告から8年がたっても依然として問題が残っているという点を再び強調した。委員会は女性差別撤廃条約に対する主要国家の是正を一定期間ごとに審査して報告書を出すが、拘束力はない。

 また、「選択的夫婦別姓」の導入も勧告した。日本では結婚後、主に女性が夫の姓を名乗る「夫婦同姓」を根幹に維持してきているが、性差別だという議論と共に、女性が社会的に受ける被害を改善する要求の声が大きかった。委員会は2003年、2009年、2016年に続き今年も日本政府に夫婦別姓導入を強く勧告した。委員会は前回の審査で「日本で結婚後に配偶者の姓に従う制度は、職場生活だけでなく私生活でも多くの日本女性に悪い影響を及ぼしている」と批判した。一方、日本政府代表団は審査で「夫婦別姓は国民の意見が分かれる事案であり、日本社会全体で家族の存在方式に関する重要な問題であるため、幅広い国民の理解を得る必要がある」として明確な答を避けた。

 委員会は、皇室が男系男子に皇位を継がせることを規定した皇室典範についても、「男系男子だけの皇位継承を認めることは、(国連の)条約目的と趣旨に反する」と指摘した。委員会は「この問題について委員会が指摘するのは権限範囲を外れるという当事国(日本)の立場に留意する」としながらも「皇位継承で男女平等を保障するために他国の事例を参考にするよう」勧告した。先の審査で日本政府はこの問題に関して「皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項であり、女性差別撤廃条約の趣旨に照らし(委員会が)取り上げることは適切でない」という立場を明らかにしている。委員会はこの他にも最終見解に、日本政府が同性結婚を認めることなどを含めた。委員会の審査は国際法上拘束力はないが、女性差別撤廃という理念実現のために国際社会で尊重されている。

東京/ホン・ソクジェ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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 仲邑三段は対局後、「準決勝でホ・ソヒョン四段に勝ち、決勝に進出して満足していたが、このように優勝までできてとてもうれしい」と語った。

2024-09-08 | 韓国あれこれ・・・
 

韓服着た仲邑菫三段、韓国棋院移籍後初勝利で喜び

登録:2024-06-11 09:08 修正:2024-06-11 10:15
 
プロ春香部決勝でオ・ユジン九段破る
 
 
仲邑菫三段が10日、全羅北道南原市のケベク韓屋で開催された「第7回国際囲碁春香選抜大会プロ春香部」決勝で、オ・ユジン九段と対局している=韓国棋院提供//ハンギョレ新聞社

 3月から韓国で客員棋士として活動している日本の仲邑菫三段が、移籍後初の優勝を手にした。

 仲邑菫三段は10日、全羅北道南原市(ナムウォンシ)のケベク韓屋で行われた「第7回国際囲碁春香選抜大会プロ春香部」決勝で、オ・ユジン九段に232手で中押し勝ちし、頂点に立った。優勝賞金は1千万ウォン(約114万円)。

 国際囲碁春香選抜大会はこれまでアマチュアにのみ出場機会を与えてきたが、今年からプロ春香部を新設。仲邑三段がトロフィーの持ち主となった。

 女子部国内ランキング10位の仲邑三段は準決勝までにパク・チヨン初段、キム・ヒス初段、キム・ウンソン六段、ホ・ソヒョン四段を破った。決勝では国内4位のオ・ユジン九段と対戦し、逆転、再逆転を繰り返しながら勝利を手にした。

 
 
仲邑菫三段が10日に開催された「第7回国際囲碁春香選抜大会プロ春香部」決勝で、オ・ユジン九段と局後の検討を行っている=韓国棋院提供//ハンギョレ新聞社

 仲邑三段は対局後、「準決勝でホ・ソヒョン四段に勝ち、決勝に進出して満足していたが、このように優勝までできてとてもうれしい」と語った。

 今大会には韓国棋院に所属する32人の女子プロ棋士が出場し、オ・ユジン九段は300万ウォンの準優勝賞金を手にした。

 一方、アマチュア部門ではイ・ユン選手がアマ春香部で優勝し、全国女性団体戦月梅部では水原(スウォン)チームが優勝した。

キム・チャングム先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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再分配も普遍的なものではなく脆弱世帯に限った選別的再分配であるという問題点を抱えている。特にひとり親世帯への支援は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の最低水準にとどまっている。

2024-06-23 | 韓国あれこれ・・・

韓国のMZ世代の女性が結婚や出産を避ける理由【寄稿】

登録:2024-06-22 09:42 修正:2024-06-22 12:00

 

リュ・インギョン|慶熙大学公共大学院社会福祉学科外来教授
 
 
                                                 ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 家族福祉論を講義した今学期、学生たちに結婚するかどうかを尋ねた。35人いる学生のうち、結婚したいといった学生は約70%で、残りの30%は結婚しないと答えた。子どもを産むかどうか尋ねると、50%が「産む」と答え、「産まない」が30%、「よく分からない」が20%だった。なぜ結婚や出産をしないつもりなのかと問うと、男子学生のほとんどは「金がないから」、女子学生のほとんどは「キャリア断絶が怖いから」と答えた。男子学生たちは結婚を家父長的地位を得るものだと考え、稼げなければ結婚や出産に「責任は負えない」と考えている。一方、女子学生たちは、結婚しても職場生活を続けるという仮定の下で「主養育者になった時にキャリアが断絶する恐れがある」と考えているのだ。

 韓国では、高学歴女性の増加に伴って、女性の社会活動を受け入れるか、すなわちキャリアか出産と子育てかをめぐって悩む女性が増えた。先日、出産とキャリアについてあるジャーナリストと女子学生との間で繰り広げられた論争は、メディアによって急速に拡散された。この論争では、結婚と出産をあきらめてキャリアを築きたいという女子学生と、結婚や出産をあきらめなくてもキャリアは十分に築けるという既成世代との立場の違いが、はっきりと表れた。

 韓国の家族政策におけるワークライフバランス政策、出産休暇、育児休職制度は、出生率の向上に効果はなかった。制度があっても実際には実施されていないケースも多かった。韓国の家族政策は政策と呼ぶに値するものがほとんどないまま、現在まで進められてきたのだ。また、家族政策があったとしても、互いに相反する部分が多い。少子高齢化現象が突然迫ってきたため、準備する時間がなかったのも一つの理由だ。韓国の家族政策は、出産と子育てをする親のうちの1人に労働を放棄させて親の労働力を制限する。再分配も普遍的なものではなく脆弱世帯に限った選別的再分配であるという問題点を抱えている。特にひとり親世帯への支援は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の最低水準にとどまっている。

 一方、家族主義的な政策を展開するドイツは、国内総生産(GDP)の3%ほどの予算を策定し、家庭と仕事の両立と出生率の向上のために支出している。税を減免したり十分な養育休暇を付与したりするだけでなく、子育て時間と勤務時間を柔軟に調整できるようにしている。また、新たな家族政策を推進するにあたっては十分な世論を形成し、受け入れられやすいようにしている。

 フランスはGDPの3.8%の予算を家族政策のために策定しているが、教育政策に含まれる児童手当まで含めれば、GDPの約4%に達する。フランスの家族政策は70年間続いてきた。ひとり親家庭や未婚母家庭の貧困リスクや社会的リスクを抑えるなど、両性平等、児童福祉、そして社会正義の向上に努めている。

 韓国も、労働時間の短縮などで親子が共に過ごす時間を増やすよう努めている。放課後保育教室、結婚移住女性や移住労働者家族の社会参加は、雇用率の低さと出産の両極化の解決に向けた政策の最初の段階だと考えられる。

 にもかかわらずMZ世代が結婚と出産を敬遠するのは、自分たちの親が直面せざるを得なかった子育て戦争を見て育った彼らが、親のような苦しみを味わいたくはないからだ。自分の親が高齢化するにつれ高齢者の介護費用が非常に大きいことに気づいたMZ世代の親たちは、子どもたちが成長すると自らの老後のためにもはや責任を負おうとしない。今や孫の養育のために自分の人生をあきらめたりはしないのだ。

 家族の中で出産と子育てを解決しようとした既成世代の過去は、もはや現在には適用しえない。では、女性が出産したら誰が育ててくれるというのか。

 近いうちにフィリピンから第1陣として100人の家事労働者が入国するが、給与は206万(約27万7000円)ウォンと定めたという。これは、最低賃金で計算すると、夫婦のうち一方の月給を家事労働者に支給しなければならないということを意味する。共働きの新婚夫婦には大きな負担にならざるを得ない。このような拙速政策の下で結婚し、家事と子育てによるストレスを抱えながら職場の仕事も並行する。そのようなことはしたくない。それが一般的なMZ世代の考え方だ。結婚しないのではなく、できずにいるのだ。

 結婚と少子化の問題に即効性のある解決策はない。先に提示したドイツとフランスのケースを参考にして韓国での示唆点を探り、韓国の実情に合った現実的で持続可能な政策を展開すべきだろう。

 
//ハンギョレ新聞社

リュ・インギョン|慶熙大学公共大学院社会福祉学科外来教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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仲邑菫三段は10日、全羅北道南原市(ナムウォンシ)のケベク韓屋で行われた「第7回国際囲碁春香選抜大会プロ春香部」決勝で、オ・ユジン九段に232手で中押し勝ちし、頂点に立った。優勝賞金は1千万ウォン

2024-06-11 | 韓国あれこれ・・・
 

韓服着た仲邑菫三段、韓国棋院移籍後初勝利で喜び

登録:2024-06-11 09:08 修正:2024-06-11 10:15
 
プロ春香部決勝でオ・ユジン九段破る
 
 
仲邑菫三段が10日、全羅北道南原市のケベク韓屋で開催された「第7回国際囲碁春香選抜大会プロ春香部」決勝で、オ・ユジン九段と対局している=韓国棋院提供//ハンギョレ新聞社

 3月から韓国で客員棋士として活動している日本の仲邑菫三段が、移籍後初の優勝を手にした。

 仲邑菫三段は10日、全羅北道南原市(ナムウォンシ)のケベク韓屋で行われた「第7回国際囲碁春香選抜大会プロ春香部」決勝で、オ・ユジン九段に232手で中押し勝ちし、頂点に立った。優勝賞金は1千万ウォン(約114万円)。

 国際囲碁春香選抜大会はこれまでアマチュアにのみ出場機会を与えてきたが、今年からプロ春香部を新設。仲邑三段がトロフィーの持ち主となった。

 女子部国内ランキング10位の仲邑三段は準決勝までにパク・チヨン初段、キム・ヒス初段、キム・ウンソン六段、ホ・ソヒョン四段を破った。決勝では国内4位のオ・ユジン九段と対戦し、逆転、再逆転を繰り返しながら勝利を手にした。

 
 
仲邑菫三段が10日に開催された「第7回国際囲碁春香選抜大会プロ春香部」決勝で、オ・ユジン九段と局後の検討を行っている=韓国棋院提供//ハンギョレ新聞社

 仲邑三段は対局後、「準決勝でホ・ソヒョン四段に勝ち、決勝に進出して満足していたが、このように優勝までできてとてもうれしい」と語った。

 今大会には韓国棋院に所属する32人の女子プロ棋士が出場し、オ・ユジン九段は300万ウォンの準優勝賞金を手にした。

 一方、アマチュア部門ではイ・ユン選手がアマ春香部で優勝し、全国女性団体戦月梅部では水原(スウォン)チームが優勝した。

キム・チャングム先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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メッセージの辞書的な意味は「あることを知らせたり主張したりするために伝える言葉」だ。政治の分野ではキャッチフレーズやスローガンという意味でも使われる。

2024-04-26 | 韓国あれこれ・・・
 

「尹錫悦のことは考えるな」…

韓国与党の総選挙でのメッセージ「大すべり」の理由

登録:2024-04-25 08:37 修正:2024-04-25 09:10

 

[ハンギョレS]イシュー 
4・10総選挙でのメッセージを振り返る 
イ・ジェミョン、「政権審判」選択と集中 
ハン・ドンフン、「イ、チョ審判」で反撃も逆効果 
チョ・グク、「パトス」刺激する鮮明さ 
専門家「直観的に感じられるようにすべき」
 
 
国民の力のハン・ドンフン非常対策委員長が9日、ソウル江東区のお月様子ども公園で演説している=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 

 韓国政治史において大衆に強く刻みつけられた政治メッセージは、1956年の第3代大統領選挙で野党民主党が掲げた「生きていけない、変えてみよう」だった。自由党はこれに対し「変えたところで意味がない」と応酬した。2004年の第17代総選挙で民主労働党の掲げた「金持ちに税金を、庶民に福祉を」も注目された。「バカだな、問題は経済だ」(1992年、ビル・クリントン)は、今でも語られる政治メッセージの古典だ。2024年の4・10総選挙で与野党を率いた各党の代表は、どのようなメッセージを打ち出し、どのような成果を得たのだろうか。

ブランドバッグ、長ネギが「政権審判」の素材に

 先月28日、総選挙の公式選挙運動の初日。共に民主党のイ・ジェミョン代表はソウルの龍山(ヨンサン)駅広場で選挙対策委員会の出陣式を行い、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権を標的とした「政権審判」を前面に掲げた。大統領室から1キロあまりしか離れていない場所で出陣式をおこなったことからして、それを意図したものだった。

 
 
共に民主党のイ・ジェミョン代表が4日、釜山市釜山鎮区の市民公園の入り口で演説している=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 イ代表の総選挙メッセージは「選択と集中」が特徴だった。民主党の選挙対策委員会は公式選挙運動の開始に際し、すべての候補者の陣営に「総選挙演説メッセージ参考資料」を配布した。この資料には、キム・ゴンヒ女史のブランドバッグ授受、楊平(ヤンピョン)高速道路特恵疑惑など、尹錫悦政権の10大失政が掲載されている。イ代表はこのような失政を「政権審判」の素材として用いることで一貫していた。

 またイ代表は、「長ネギ」という象徴を用いて物価問題を集中的に利用した。自ら長ネギを手に取って演説をおこなったりもした。経済破綻を強調して「政権審判」というメッセージを強めるための戦略だった。このように「政権審判」というメッセージを重視した結果、少子化や青年雇用などの民生政策はよく見えなかったとの批判も浴びた。

 9日の最後の演説でも、イ代表は龍山駅広場で「政権審判」を強調した。選挙運動の最初と最後で、いずれも「政権審判」を強調したのだ。

「ゾウのことは考えるな」と言ったのに

 国民の力のハン・ドンフン非常対策委員長は、野党の「政権審判」に対抗するために「犯罪者審判」へとフレームを転換しようとした。米国の認知言語学者ジョージ・レイコフは自著『Don't Think of an Elephant(ゾウのことは考えるな)」で、フレーム概念を説明した。一方がうまいフレームを作ってしまうと、もう一方は反論するだけでは効果がない。「ゾウのことは考えるな」と言われると、本当にゾウを思い浮かべるというのだ。

 ハン委員長は「イ、チョ(イ・ジェミョンとチョ・グク)審判」を掲げ、「善良な検事」と「犯罪者勢力」の対決というフレームを作ろうとした。野党の候補であるイ代表と祖国革新党のチョ・グク代表がいずれも裁判を抱えていることを利用し、司法リスクを強調して野党の「政権審判」に対抗することを意図したものだった。公式の選挙運動初日の先月28日のソウル麻浦(マポ)での応援演説でも、ハン委員長は「私たちは政治改革と民生改革、犯罪者を審判するという覚悟で今回の選挙に打って出た」とし、「『イ、チョ審判』を行わなければならない。これはネガティブではなく民生」だと述べている。

 だが、このようなフレーム転換戦略は「政権審判」に比べて破壊力が弱かった。先の大統領選挙で尹錫悦候補の掲げた「公正」と「常識」というメッセージは民意に刺さったが、「イ、チョ審判」は良い反応が得られなかった。国民の力の内部では、むしろ「政権審判」を想起させるという批判の声もあがった。ユ・スンミン前議員は4日のCBSラジオの番組「キム・ヒョンジョンのニュースショー」で、「イ、チョ審判」について「野党の土俵に乗るもの」と指摘した。「審判」というメッセージは「政権審判」を連想させるため、有権者の怒りの投票へとつながりうる、との批判だった。

 ハン委員長はしかし、「イ、チョ審判」とのメッセージを強めるために、便法融資と暴言で批判にさらされた民主党のヤン・ムンソク、キム・ジュンヒョクの両候補に犯罪者フレームをはめ、戦線を拡大した。ハン委員長はソウルの清渓川(チョンゲチョン)でおこなった最後の演説でも、「大韓民国は産業化と民主化を同時に成し遂げた偉大な国であり、我々はそれを成し遂げた偉大な国民」だとしつつ、「何でもできるように犯罪容疑者たちに渡すのは非常にもったいないではないか。虚しすぎるではないか」と述べた。

 カン・ウォングク元大統領府演説秘書官は、「政治メッセージは大衆が情緒的に同意し、直観的に感じられるようにしなければならない。だが『イ、チョ審判』は共感を得ることが難しかった」とし、「現政権は検察政権というイメージが強いが、審判という単語が検察のイメージとオーバーラップし、逆効果になった」と指摘した。カン元秘書官はまた、「ハン委員長が失政を反省し、残りの3年間で変身するというメッセージを発していれば、もう少し共感を得られただろう」と付け加えた。

「与党はうそでも未来を見せるべきだった」

 
 
祖国革新党のチョ・グク代表が8日、京畿道城南市の慰礼中央広場で市民に支持を訴えている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 チョ・グク代表のメッセージは鮮明さが特徴だった。代表的なものが「3年は長すぎる」で、政権発足から2年もしないうちに行われた総選挙で掲げる「政権早期終息」の意志を込めたメッセージだった。「小選挙区は民主党、比例代表は祖国革新党」を意味する「地民比祖」も、祖国革新党を象徴するメッセージとなった。

 チョ代表は自身のメッセージを強めるための戦略として、大衆演説を適切に用いた。アリストテレスは『弁論術』で、他人を説得するためのロゴス(理性的な論理)、パトス(聴き手の感情と欲望)、エートス(話し手の人格と倫理性)を強調した。チョ代表はその中でも大衆の感情、パトスを刺激した。「もうやめろ」、「びびったね」などの、国民の力を標的にした釜山方言による発言が代表的な例だ。このような戦略によってチョ代表は、不公正や偽善の象徴から、現政権に怒る市民の熱望を背負う政治家になった。チョ代表はソウル鍾路区(チョンノグ)の世宗文化会館前でおこなった最後の演説で「光化門(クァンファムン)は朴槿恵(パク・クネ)政権を早期終息させた『ろうそく名誉革命』の象徴的な場所」、「私たちの誰もが思っているのは、この2年はうんざりしたということ、残りの3年は長すぎるということ」と強調した。

 慶煕大学フマニタスカレッジのキム・ジンヘ教授は、「政治メッセージは、大衆の視線をどこに向けるかを考えなければならない。野党は政権党の失政に、与党は未来に目を向けさせるメッセージに焦点を当てるべきだった。チョ・グク代表は言葉の現場性と方言の民衆性をよく生かして大衆を直ちに反応させ、心を激しく動かした」と指摘した。そしてキム教授は「(与党は)『偉大な普通の人々の時代』(1987年、盧泰愚(ノ・テウ))のように、うそであっても政権勢力が設計する未来を見せるべきだった」と付け加えた。

チョン・ヒョクチュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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成均館大学医学部非対委は同日、教授たちに週1回の休診日を決めて休息を取るよう呼び掛ける勧告文を出した。これに先立ち、蔚山大学医学部非対委は23日に「週1回の休診」を決議した。

2024-04-25 | 韓国あれこれ・・・
 

韓国の医学部教授らの集団休診に、

がん患者ら「死を宣告するもの」反発

登録:2024-04-25 06:10 修正:2024-04-25 07:12

 

忠南・蔚山・円光大学医学部なども休診決定 
「5大病院」の教授らも参加あるいは検討に乗り出す 
 
 
医学部の教授らが辞表を提出してから約1カ月が過ぎ、辞職が現実化しうるという懸念が起きている中、24日、ソウルのある大学病院で教授が棟内を移動している/聯合ニュース

 いわゆる「5大病院」(主要上級総合病院)をはじめ、全国の主要大学の医学部教授たちが外来診療と手術を週1回行わないことにする案を決定、あるいは検討している。医療空白の長期化で救急医療システムの中枢である圏域救急医療センターの運営に「赤信号」が灯ったにもかかわらず、医学部の教授たちまで集団行動に参加している。患者は医学部教授の休診決定に「死を宣告するようなもの」だと批判した。

 「5大病院」と呼ばれるソウル大学・セブランス・ソウル聖母・ソウル峨山・サムスンソウル病院を付属病院とするのは、ソウル大学をはじめ延世大学、カトリック大学、蔚山大学、成均館大学の5大学の医学部だ。ソウル大学医学部・病院教授協議会非常対策委員会(非対委)は、30日に休診するのをはじめ、周期的な休診も考慮していると24日に発表した。延世大学医学部非対委は同日、週1回の休診などを含む案件で教授会議を行っており、カトリック大学医学部非対委は26日に休診するかどうかを決める計画だ。成均館大学医学部非対委は同日、教授たちに週1回の休診日を決めて休息を取るよう呼び掛ける勧告文を出した。これに先立ち、蔚山大学医学部非対委は23日に「週1回の休診」を決議した。

 
 
ソウル大学医学部の教授らが30日に緊急・重症・入院患者を除く分野で全面的に休診すると発表した24日午前、病院にソウル大学医学部・ソウル大学病院教授協議会非常対策委員会の立場を示す文が貼られている/聯合ニュース

 全国各地の医学部も週1回の休診に合流している。この日、慶尚国立大学医学部・病院教授会非対委は「30日に手術と外来診療を休診する」と発表した。これに先立ち、22日には忠南大学病院・世宗忠南大学病院非対委が、23日には円光大学医学部非対委が「週1回の休診」を決議した。忠北大学病院と釜山大学病院非対委所属の教授たちは、すでに個別に診療を減らしているという。啓明大学医学部の教授たちも、今月中旬から毎週土曜日に休診していると明らかにした。

 医療現場では混乱が生じている。教授たちが休診を決めた病院の一部では、患者に「正常な診療を予定」していると説明している。忠南大学病院は23日、非対委が発表した金曜日の休診が「病院側の公式の政策ではなく、正常に診療を行う方針」だと明らかにした。円光大学病院の関係者も同日、ハンギョレに「休診は非対委の立場であり、病院の原則は正常な診療を維持すること」だとし、「数カ月前から予約されていた診療などが(教授たちの休診決議で)突然取り消されるのはありえないこと」だと語った。

 患者の懸念はさらに高まっている。韓国がん患者権益協議会はこの日、声明を出し「上級総合病院が週1回の手術と外来診療を止めるのは、がん患者に死を宣告して闘病の意志をくじくもの」だとし、「週1回の診療停止発表の即刻撤回」を求めた。

 さらに救急医療現場は非常事態となった。保健福祉部は同日、圏域救急医療センター43カ所中の重症救急疾患(27カ所)のうち、18カ所が一部の疾患に対する診療制限のメッセージを出したと発表した。診療制限メッセージは、救急救命センターの処置後、後続診療が不可能であることを意味しており、中央救急医療センターの総合状況板に表示される。専攻医の集団行動の初期である3月の第1週には、10カ所が診療制限メッセージが出したが、同月の最後の週には14カ所に増えた。その後、13~16カ所の水準だったが最近また増えたということだ。専攻医の離脱に続く医学部教授の診療縮小などによる影響のためだ。圏域救急医療センターは、重症救急患者中心の診療と災害対応のための拠点病院の役割を果たす。

 ただ、一部で懸念している「最悪の医療混乱」までは進まないというのが大方の見通しだ。全羅北道のある大学病院の教授は「非対委などで週52時間以内に診療を縮小すると言った後も、現場でこれを実際に適用するケースはほとんどなかった」と語った。すでに教授たちが休診中の忠北大学病院の関係者も「教授たちは金曜日に予定されていた外来診療を完全に取り消したのではなく、他の曜日に移す方法などで週1回休診に参加している」と話した。

キム・ユンジュ、イ・ジョンヨン、チョン・ホソン、イム・ジェヒ、ソン・ジミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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韓国と米国が4日から14日までの11日間、韓米合同演習「自由の盾」(FS・フリーダムシールド)を実施する。

2024-03-04 | 韓国あれこれ・・・
 

韓米、4日から合同演習

「自由の盾」実施…北朝鮮の対抗措置を注視

登録:2024-03-04 06:09 修正:2024-03-04 07:12
 
4~14日の11日間…米空母が参加する可能性も 
北朝鮮、「北侵戦争演習」と強く反発
 
 
4日から14日まで行われる韓米合同演習「自由の盾(フリーダムシールド)」の実施を翌日に控えた3日、京畿道平沢市の在韓米軍基地キャンプ・ハンフリーズで偵察機「RC-12X」が離陸している。滑走路の周辺に米軍の攻撃ヘリ「アパッチ」が並んでいる/聯合ニュース

 韓国と米国が4日から14日までの11日間、韓米合同演習「自由の盾」(FS・フリーダムシールド)を実施する。これまで北朝鮮はこの演習を「北侵戦争演習」だとして強く反発してきたため、北朝鮮がミサイルや軍事偵察衛星の発射などで対抗した場合、朝鮮半島の緊張が高まるものとみられる。

 韓国と米国は先月28日、訓練日程を公開し「今回の演習は地海空、サイバー、宇宙資産などを活用した多領域作戦と、北朝鮮の核による脅威の無力化などに重点を置き、実戦的に行う」と述べた。今回の演習には、北朝鮮の核挑発の抑止と防止演習に重点を置き、北朝鮮が核兵器を使用するシナリオは含まれなかった。同シナリオは8月の韓米合同演習の際に含まれる見通しだ。

 もともとこの演習は兵力と装備は動かさず、コンピューター・シミュレーションを使って作戦計画などを身につけ状況に対応する指揮所演習(CPX)だったが、両国は訓練期間中、北朝鮮の巡航ミサイルの探知および打撃訓練、合同空中打撃訓練、合同戦術実射撃訓練、合同空対地爆撃訓練、双鷹訓練(大隊級の合同空中訓練)など各種の野外機動訓練を並行して実施する。演習の実戦効果を高める野外機動訓練は、昨年の同じ訓練の時の23回から今年は48回へと2倍以上増えた。訓練期間に米国の空母、戦略爆撃機のような戦略資産が朝鮮半島に展開される可能性があるという。

 韓米軍当局は、訓練期間中に北朝鮮が各種ミサイルの発射、軍事偵察衛星の打ち上げなどを行う可能性があるとみて、北朝鮮に対する警戒態勢を強化する方針だ。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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処罰には猶予を設けたが、特別法が公布されれば、犬農場、犬の処分・流通施設、犬肉の飲食店などは、地方自治団の首長に3カ月以内に施設の名称、住所、規模および営業施設を申告しなければならない。

2024-01-10 | 韓国あれこれ・・・

36年の論争に終止符…韓国「犬食禁止法」可決

登録:2024-01-10 06:33 修正:2024-01-10 08:24
 
[アニマルピープル] 
食用犬の飼育・処分・流通・販売が禁止…処罰は3年間猶予
 
 
昨年9月19日、犬農場から救助された「トダミ」が犬の食用禁止を求めるイベントに参加し、国会本館の前でポーズを取っている=キム・ジスク記者//ハンギョレ新聞社

 「犬食禁止特別法」の制定案が国会本会議を通過し、過去30年以上続いてきた長年の「犬食論争」が幕を下ろした。動物保護団体は1月9日、ソウル汝矣島にある国会議事堂の前で歓迎の記者会見を開き、「大韓民国が生命尊重に向けての新たな歴史を開いた」と評した。

 同日午後、国会は本会議を開き、「犬の食用目的の飼育・処分および流通などの終了に関する特別法」(特別法)制定案を通過させた。法案は在籍議員298人のうち210人が出席し、賛成208票、棄権2票で可決された。

 特別法は、食用目的で犬を飼育・処分・流通・販売する行為を禁止する内容を含んでいる。具体的には、食用目的での犬の飼育・繁殖と処分、犬を用いて作った食品または加工品の取得・運搬・保管、販売とあっせん行為の禁止▽犬食の終了による廃業または転業に対する支援の根拠▽犬の飼育農場の運営禁止および犬食終了履行計画書の提出・履行などを定めている。

 今後、食用目的で犬を処分した場合は、3年以下の懲役または3000万ウォン(約330万円)以下の罰金、飼育・繁殖・流通・販売した場合は、2年以下の懲役または2000万ウォン(約220万円)以下の罰金に処されることになる。ただし、「飼育・処分・流通・販売などの禁止」に違反した場合の罰則条項は、法案公布から3年が経過してから施行するよう猶予期間を設けた。

 
 
京畿道始興市にある犬農場の檻の中にいるイヌたち=韓国ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル//ハンギョレ新聞社

 処罰には猶予を設けたが、特別法が公布されれば、犬農場、犬の処分・流通施設、犬肉の飲食店などは、地方自治団の首長に3カ月以内に施設の名称、住所、規模および営業施設を申告しなければならない。また、6カ月以内に廃業または転業に対する「犬食終了履行計画書」を提出する。あわせて、猶予期間内でも履行計画書を順守しているかどうかを地方自治体が定期的に点検できるようにした。

 廃業・転業履行計画書を提出した企業に対しては、転業支援の根拠条項を設け、経済活動を続けていけるよう支援する内容を入れた。ただし、常任委員会である農林畜産食品海洋水産委員会が、犬食禁止のために発議された法案5件をまとめて委員会の決議案として採決した際に含まれていた「正当な補償」の文言は、法制司法委員会を経て削除された。「正当な補償が行われるよう、廃業などに必要な支援を行わなければならない」という当初の文言は、「廃業などに必要な支援を行わなければならない」に変わった。違法な犬食関連業者にまで過度な補償が行われる可能性があるという懸念が反映されたためだ。

 動物保護団体は本会議の直後、国会本庁の前で記者会見を開き、歓迎の意を表明した。「犬食禁止のための国民行動」は、「伝統という名のもと、大韓民国の動物福祉の成長を引き下げてきた犬食の終了を非常に歓迎する。特別法の可決は、ただちには犬食の終了を意味しない。今後、完全な犬食の終了のため、政府はすみやかに手続きを履行し、犬農場などの犬食用の施設の転業・廃業を誘導しなければならない」と述べた。

 
昨年10月、動物権対国民連帯のメンバーがソウル汝矣島の国会前で「犬食禁止特別法」制定を求めて叫びながら行進している=動物権行動KARA提供//ハンギョレ新聞社

 犬食をめぐる論争は、1988年にソウル五輪の開催が確定し、国際社会が韓国の犬食文化を批判したことで始まった。国外世論を沈静化するため、五輪期間中はソウル市が自主的に補身湯(ポシンタン=犬肉のスープ)の販売を禁止したが、その後はうやむやになった。1991年に動物保護法が制定されたが、それでも犬食は「伝統食文化」と認識され、動物虐待の範囲から除外された。転機となったのは、1999年に当時ハンナラ党のキム・ホンシン議員が犬肉を畜産物に含める改正案を発議し、2002年の韓日ワールドカップを控えふたたび論争が加熱してからだ。犬食合法化の試みは、現在の「動物権行動KARA」や「動物自由連帯」などの市民社会団体が結集するきっかけとなった。

 その後、「伝統食文化」という主張と「動物虐待」という世論が衝突したが、最近は動物福祉への認識が広がり、伴侶動物と暮らす人の数が増え、国民の93.4%(アウェア2023「犬食に対する国民認識調査」)が犬肉を食べる意向はないと答えるなど、消費は事実上終了に向けての手続きを踏んでいた。

 政界では、第20代国会(2016~2020年)で数件の犬食禁止関連の法案が発議されたが、結局は立法につながることはなかった。しかし、前回の大統領選の際、「共に民主党」のイ・ジェミョン候補と「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補がともに公約として掲げ、第21代国会(2020年~現在)でも、ハン・ジョンエ議員、イ・ホンスン議員、アン・ビョンギル議員などの様々な与野党の議員が関連法案を発議し、立法に結び付けた。

 過去30年にわたり犬食の禁止活動を繰り広げてきた動物権活動家たちは歓迎した。動物自由連帯のチョ・ヒギョン代表は「犬食が禁止される日が来るとは、感激で信じられない。犬食はこれまで多くの動物福祉問題の障害物だった。これで、大韓民国の動物運動にも一歩進む踏み台が用意された」と述べた。動物権行動KARAのチョン・ジンギョン代表も「KARAの前身の『アルムプム』は、食用犬問題を伝える『ヌロンイを生かす運動本部』から始まった。今日は大韓民国の時代錯誤的な慣習が正常化した歴史的な日」だと評した。

キム・ジスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 女性信者に性的暴行を加えた疑いで起訴されたJMS(キリスト教福音宣教会)教主のチョン・ミョンソクに重刑が宣告された。

2023-12-24 | 韓国あれこれ・・・
 

「信者を性的暴行」JMS教主に懲役23年…

「まったく反省なし」=韓国

登録:2023-12-23 08:47 修正:2023-12-23 11:03
 
 
JMSのチョン・ミョンソク教主。ネットフリックスのドキュメンタリー「すべては神のために:裏切られた信仰」より//ハンギョレ新聞社

 女性信者に性的暴行を加えた疑いで起訴されたJMS(キリスト教福音宣教会)教主のチョン・ミョンソクに重刑が宣告された。

 大田(テジョン)地裁刑事12部(ナ・サンフン裁判長)は22日、準強姦や強制わいせつなどの容疑で拘束起訴されたチョン氏に対する一審で、懲役23年を言い渡した。チョン氏には10年間の身元情報公開・告知、児童・青少年関連機関と障害者福祉施設への10年間の就業制限、15年間の位置追跡電子装置の付着命令も下された。検察は懲役30年を求刑していた。

 裁判所は「被告人は、自らをメシアと称したことはなく、信者の自由な行為だったと主張するが、礼拝や行事の動画などで自らメシアと称していたことが確認されており、被害者が脱退前に作成したメモや日記帳などと教理の内容を見れば、反抗が不可能な状況だったと判断される。従順だった女性信者の人的信頼と心身微弱状態を利用して罪を犯した」と述べた。続けて「被告人は同種の犯行で10年の懲役を科せられながら、またも同種の罪を何度も犯したうえ、見え透いた嘘で不正行為を隠そうとして犯行をすべて否認したり、被害者を無実の罪で告訴したりしており、まったく反省していない」と量刑理由を説明した。

 チョン氏は2018年2月から2021年9月にかけて、忠清南道錦山郡珍山面月明洞(クムサングン・チンサンミョン・ウォルミョンドン)の修練院などで23回にわたり香港国籍の信者Aさん(29)に性的暴行、強制わいせつを行い、2018年7月から同年12月にかけて5回にわたり別の外国人信者Bさん(30)に強制わいせつをおこなった容疑で拘束起訴された。AさんとBさんを含め、現在までにチョン氏を強制わいせつや性的暴行で捜査機関に告訴した女性は21人にのぼる。

 先にチョン氏の共犯として起訴されたJMSのナンバー2のK氏(44、別名チョン・ジョウン)には、懲役7年が言い渡されている。他の3人の教会幹部にも1年6カ月~3年の懲役刑が宣告されている。ナンバー2のK氏は、被害者であるAさんにパジャマを渡しながら「ここで主を守りながら寝ろ」と指示した。別の幹部は、Aさんがチョン氏に性的暴行を受けたと訴えた際、「それが神様の劇的な愛」と述べており、Aさんを月明洞の修練院に連れてきた後、チョン氏が犯行を行っている間に現場近くで待機してもいた。

 チョン氏は自らを「メシア」と称して信者たちを洗脳し、犯行におよんだ。チョン氏は2001年8月から2006年4月にかけて、4人の女性信者に性的暴行や強制わいせつをおこなった罪で懲役10年を宣告され服役し、2018年2月に出所したが、出所するやいなやまたも犯行を開始。この過程でナンバー2のK氏をはじめ、数人のJMS関係者がチョン氏の犯行と隠蔽を助けたことが明らかになっている。

 裁判を前に、一部からはJMSの関係者に「犯罪団体組織罪(刑法第114条)」を適用すべきだとの声もあがっていた。しかし検察は、彼らの犯行を「組織的」と見なしつつも「JMSが犯罪を共同で行うことを目的として組織され、活動したとは考えがたい」として犯罪団体組織罪を適用しなかった。

チェ・イェリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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性的マイノリティが依然として嫌悪にさらされている韓国社会の後進性を示す断面だ。宗教であれ、世俗であれ、 すべての差別をなくすべきだ。

2023-12-22 | 韓国あれこれ・・・
 

ローマ教皇庁の「同性カップルの祝福」許可を受け、

韓国社会も省察を

登録:2023-12-21 06:41 修正:2023-12-21 09:24
 
 
ローマ教皇庁教理省は18日(現地時間)、同性カップルが望んだ場合は、カトリック司祭による祝福を認めるとう内容を盛り込んだ宣言を教皇フランシスコの承認を得て発表した。写真は2022年12月25日、教皇フランシスコが法王庁バルコニーで群衆に手を振る姿/AFP・聯合ニュース

 ローマ教皇庁が18日(現地時間)、カトリック司祭の同性カップルに対する祝福を認める教理文書を発表した。同性愛をタブー視してきたカトリックが画期的な転換の一歩を踏み出したといえる。世の中ですでに普遍的人権として位置づけられている性的マイノリティの権利が、保守的宗教でもこれ以上無視できない状況に至ったことを象徴的に示す事件だ。依然として性的マイノリティの権利を受け入れるのに遅れを取っている韓国社会と宗教界が省察の契機にすべき出来事だ。

 ローマ教皇庁教理省が教皇フランシスコの承認のもとで発表した「祝福の司牧的意味をめぐる宣言『フィドゥチァ・スプリカンス』」という宣言文は、誰も司祭の祝福から排除されてはならないという内容を骨子としている。宣言文は「祝福を要請することは人間が処した数多くの具体的状況で超越と慈悲、神へと進むことに開かれていることを示す」とし、教理的、道徳的欠陥を理由に祝福からも排除する厳格な形式主義から抜け出すべきだと指摘した。これに先立ち、教皇フランシスコは10月、トランスジェンダーも洗礼を受けることができ、代父母になることができるという教理省の指針も承認するなど、変化を予告した。

 しかし、今回の教皇庁の宣言には、同性結婚そのものは認めていないという限界がある。司祭の祝福は結婚式のような儀礼で行われてはならず、ほかの集いや機会で行われるべきだという条件も付いている。しかし、宗教界では司祭の祝福を認めただけでも重大かつ劇的な変化だとみている。わずか2年前まで、教皇庁は同性結合を祝福できないという立場を示したことがあるからだ。一部のプロテスタント宗派はすでに教会で同性同士の結婚式を挙げることを認めており、性的マイノリティも聖職者に任命するなど、さらに一歩進んだ動きを見せている。性的マイノリティ問題で最も保守的だと知られているカトリックでも変化が始まっている点が注目に値する。

 このような世界的な流れからすると、韓国社会の現実はあまりにも立ち遅れている。8日、イ・ドンファン牧師はクィア文化祝祭に参加し、性的マイノリティの祝福式を執り行ったという理由で、教会の裁判で波紋を宣告された。「同性愛に賛成あるいは同調する行為」を禁止した教会法に違反したという理由からだ。先月には大邱(テグ)のホン・ジュンピョ市長が6月に開かれた大邱クィア文化祝祭行事を妨害した容疑で告訴されたこともあった。性的マイノリティが依然として嫌悪にさらされている韓国社会の後進性を示す断面だ。宗教であれ、世俗であれ、 すべての差別をなくすべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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