韓国国防部長官
「日本自衛隊の韓半島進入、米国が要請しても拒否可能」
2015年09月21日中央日報日本語版
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韓民求・国防部長官(写真=中央日報DB) |
韓民求(ハン・ミング)国防長官は21日、日本の安保法案制定・改正で自衛隊が韓半島(朝鮮半島)に進入する可能性について米軍の要請があっても拒否できると明らかにした。
韓長官は同日、国防部で開かれた国政監査で「北朝鮮が戦争を起こせば戦作権を持つ米軍が自衛隊に(韓半島に)入ってくるよう要請すれば拒絶できるのか」という質問に対して「できる」と答えた。
引き続き「戦時作戦統制権は米軍が持っているのはでなく、韓米軍統帥権者が一緒に決めること」としながら「われわれ大統領の許諾なしには(進入)できない」と説明した。
韓長官はまた「集団的自衛権を含む今回の改正が、韓半島の安保に影響を及ぼす事項に対して韓国政府の要請と同意がなければならないという立場を明らかにした」と強調した。
しかし、韓国ハンギョレ新聞は、
[ニュース分析]戦時作戦権なき韓国、米国が自衛隊の派兵を要請すれば制止困難
韓米日三角同盟の強化への圧力が増す見込み
米軍の後方支援の名目で
釜山など非戦闘地域への派兵が可能に
韓国軍を直接支援できるように
「(集団的自衛権を行使できる)いわゆる存立危機事態とは、日本と密接な国が攻撃される場合、これを排除(武力で解決)することだ。この場合でも、他国の領域には入らないと言うが、よくわからない」(小川敏夫・民主党参議院)
「たとえば、隣国(北朝鮮を指す)が米国を攻撃する。これにより、Aという国(北朝鮮)と米国は戦争状態になる。その後、A国からのミサイル攻撃を警戒 している米国の艦船に対するミサイル攻撃があった場合は、新3要件(集団的自衛権の行使の要件)に該当する可能性があるので、この艦船への攻撃は、(集団 的自衛権を通じて)阻止する。しかし、A国にわが国の自衛隊が行って米国と共に戦って、A国を攻撃することはできない」(安倍晋三首相)
今月19日未明、安倍政権が集団的自衛権の行使を骨子とした安保法制を通過させたことで、日本の自衛隊が今後、朝鮮半島事態にどこまで介入できるかをめぐり議論が巻き起こっている。
安倍首相が8月24日の参議院予算委員会などで明らかにした内容によると、日本が今回行使することにしたのは、韓国が1960~70年代にベトナムに大 規模な軍隊を派兵したのと同じような、完全な形の集団的自衛権ではないため、自衛隊の戦闘部隊を海外に派兵することはないということだ。安倍首相は朝鮮半 島事態と関連し、北朝鮮が米国のイージス艦などを攻撃する状況だけが集団的自衛権行使の例に挙げた。
それなら、自衛隊が朝鮮半島に上陸する可能性は全くないのだろうか?
そうではない。日本は1997年に制定された周辺事態法を今回、重要影響事態法に改正し、当初、米軍に限定されていた後方支援(兵站)の範囲を「米国な ど他国軍」に拡大しており、米国の武力行使と一体化する可能性があるとして禁止してきた弾薬補給や発進準備中の戦闘機などへの給油も可能にした。また、 「非戦闘地域」という概念を大きく拡大して「現に戦闘行為が行われていない現場」であれば、自衛隊の兵站部隊が後方支援活動を行うことができるようにし た。
朝鮮半島で戦争が発生した場合、韓国軍と米軍が前方で戦い、自衛隊の兵站部隊が「現に戦闘行為が行われていない」釜山などに上陸して後方支援を行うこと もできる体制が作られたことになる。日本はこの場合、自衛隊が米軍だけでなく、韓国軍を直接支援できるように相互軍需支援協定(ACSA)を締結すべきだ と主張している。これは、今後、韓米日3角同盟を強化しようという日米の圧力が一層強まることを示唆するものでもある。もちろん日本は、後方支援は「当該 外国等の同意がある場合に限る」(重要影響事態法2条4)という内容を盛り込んだ。
ハン・ミング国防長官は21日、これと関連し、国会法制司法委員会の国政監査で、「戦時作戦権は連合司令官が韓米2カ国の大統領の統帥指針に従って実行 するものであるため、韓国大統領が許さない場合は(自衛隊は進入)できない」と述べた。しかし、これは原則論を確認しただけで、韓国が「作戦上、自衛隊の 上陸が必要である」という米軍の要求を拒否するのは現実的に不可能であると思われる。
より大きな問題は、韓国と日本の間で意見の隔たりがある場合だ。現在韓日間の最大の争点は、安倍首相が提示した事例のように、日本が米国の艦船を守るた めに、北朝鮮を攻撃する場合、韓国の事前の同意が必要かどうかだ。これに関連し、韓国政府は「朝鮮半島の安保と韓国の国益に関する問題」については韓国の 同意が必要だという立場を表明しているのに対して、日本は「北朝鮮は国連に加入した独立国家」(元防衛相)として、これを受け入れられないという態度を示 している。日本が集団的自衛権を掲げ、朝鮮半島事態に介入する場合、偶発的な衝突に終わるかもしれないハプニングが東アジアを揺るがす全面戦争に拡大する 可能性も排除できない。
現在安倍首相は「自衛隊の戦闘部隊の海外派兵はない」と述べている。この約束が守られるかどうかもわからない。小川議員も19日の質疑で「首相は海外派 兵をできないと言っているが、法律には『出来ない』とは書いていない」と指摘した。さらに、自民党は、平和憲法を覆す改憲まで進めている。安倍首相の法律 解釈がいくらでも変わるか可能性があるということを意味するもので、南北関係を改善して、中国と日米の間でバランス外交を追求しなければならない韓国とっ ては、大きな悩みの種になっている。
東京/キル・ユンヒョン特派員、パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2015-09-21 20:00
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/709795.html?_fr=mt2訳H.J