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 裏金事件について「根本的な解決を図ろうと思ったら、企業・団体献金を禁止することに踏み込まねばならない」と強調。自民党・麻生派や旧石破派についての新たな問題も解明されていない。

2024-11-05 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年11月5日(火)

国会「かつてない光景」

BS朝日 山添氏、総選挙結果を議論

 日本共産党の山添拓政策委員長は3日放送のBS朝日番組「朝まで生テレビ!」に出演し、総選挙の結果を巡り、政治とカネの問題、新たな国会の状況などについて各党代表らと議論しました。

 自民・公明の与党が過半数割れした選挙の結果について、山添氏は「大きな要因は裏金事件だ」と指摘。最終盤に自民党の裏金非公認候補への2千万円配布を「しんぶん赤旗」が報じたことを挙げ、共産党として「大いに貢献できた」と述べました。

 選挙結果を受けた国会は「かつてない光景だ」と指摘。首相指名選挙について「共同通信の世論調査では自公政権の継続を望まないという方が53%。これが民意だ」として、石破政権の延命に協力することは「民意に沿う対応ではない」と強調しました。

 さらに、仮に自公が政権を維持したとしても「これまで自民党が妨害してきた課題が前進するチャンスだ」と指摘。選択的夫婦別姓や企業・団体献金の禁止も「賛成する会派が合わされば多数派になる」と述べました。

 裏金事件について「根本的な解決を図ろうと思ったら、企業・団体献金を禁止することに踏み込まねばならない」と強調。自民党・麻生派や旧石破派についての新たな問題も解明されていないとして、特別国会で政治倫理審査会を開催するよう呼び掛けました。

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自民党の森山裕幹事長は23日、党支部への「活動費として支給した」と認めました。石破茂首相は非公認を「政治への信頼を回復するため」と説明していましたが、事実上の裏公認であり、有権者をだました形です。

2024-10-24 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年10月24日(木)

非公認に2000万円 自民・森山幹事長認める

裏金議員を“裏公認”

本紙特報に衝撃広がる

 裏金づくりで自民党非公認となった候補者側に同党が政党助成金2000万円を衆院選公示直後に振り込んだという本紙の特報(23日付)が衝撃を広げています。自民党の森山裕幹事長は23日、党支部への「活動費として支給した」と認めました。石破茂首相は非公認を「政治への信頼を回復するため」と説明していましたが、事実上の裏公認であり、有権者をだました形です。


写真

(写真)自民党の森山裕幹事長が総選挙公認候補の党支部に出した通知。10日付で公認料と活動費計2000万円を振り込むと記載されています。

 本紙は、非公認候補が代表を務める自民党支部の会計責任者の証言を報道。この会計責任者は、「党本部から党勢拡大のための活動費」として公示直後に政党助成金2000万円の振り込みがあったと証言しました。政党助成金は税金が原資です。

 森山幹事長は23日にコメントを発表し、「党勢拡大のための活動費として支給したものです」と認めました。

 自民党は公認候補の支部に、公認料500万円と活動費1500万円の計2000万円を10日付で振り込むと通知。森山氏は「候補者に支給したものではありません」としていますが、実際には非公認の支部にも公認支部と同額の2000万円を振り込んでいます。

 本紙の調べでは非公認となった11人のうち、上杉謙太郎(福島3区)、中根一幸(埼玉6区)、三ツ林裕巳(埼玉13区)、平沢勝栄(東京17区)、小田原潔(東京21区)、萩生田光一(東京24区)、細田健一(新潟2区)、高木毅(福井2区)の8氏が自民党の支部長のままでした。

 本紙の特報をうけ、「日経」「毎日」「共同」などが「しんぶん赤旗」が報道したとして速報。インターネットサイト「ヤフー」のリアルタイム検索で「政党助成金2000万円」が一時話題のキーワード1位になり、X(旧ツイッター)でもトレンド上位となりました。

有権者だます行為

 神戸学院大学の上脇博之教授の話 自民党は6月の政治資金規正法改定で裏金づくりの防止策を講じなかった。裏金政党が裏金議員を裏公認した形だ。公認とは政党として信頼する候補であり、非公認とは党として認められない候補のことだ。非公認の無所属候補に、裏で政党しか受け取れない政党助成金を渡していた。有権者をだます行為だ。

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自民党の組織的犯罪である裏金事件や統一協会との組織的癒着に対する国民の怒りと不信が渦巻くもとで、総裁選の候補者はこれらの再調査を拒否したと指摘。

2024-09-28 | 自民党の法律違反の金権腐敗

自民党政治の行き詰まり明らかに

新総裁選出で田村委員長が会見

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(写真)記者会見する田村智子委員長=27日、党本部

 日本共産党の田村智子委員長は27日、党本部で記者会見し、同日の自民党総裁選で石破茂元幹事長が選出されたことを受け、「総裁選を通じて、いよいよ自民党政治全体の行き詰まりが明らかになっている」と主張しました。

 田村氏は、自民党の組織的犯罪である裏金事件や統一協会との組織的癒着に対する国民の怒りと不信が渦巻くもとで、総裁選の候補者はこれらの再調査を拒否したと指摘。物価高騰の問題でも打開策を何ら示せなかったと強調しました。

 総裁選で石破氏が北大西洋条約機構(NATO)を参考にしたアジア版NATOを提唱したとして、「軍事同盟強化、軍拡路線をさらに推進することの表明に他ならない」と指摘。また「憲法9条改憲の旗を大きく掲げた」と批判しました。

 その上で田村氏は「こうした自民党政治と日本共産党は正面から対決し、行き詰まった日本の政治や経済を打開し、真の平和の道を示していく論戦を堂々とやり抜いていきたい」と述べました。

 田村氏は臨時国会での論戦と解散・総選挙の実施について記者に問われ、裏金問題や統一協会との癒着、暮らしと経済、平和と安全保障など「新しい政権が何をやるのかということを、きちんと時間をとって国会の審議で示し、国民が判断できるようにしていくことが求められている」と指摘。また、震災に加え豪雨災害に見舞われた能登半島の災害対策の補正予算、旧優生保護法の被害者補償法の成立などの緊急の課題があるとして、「予算委員会を含む審議を行った上で、国民に信を問うことを求めていきたい」と語りました。

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政策を何の反省もなく、取り入れる無節操ぶりです。

2024-09-12 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年9月12日(木)

総裁選 きょう告示

自民行き詰まり深刻

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(写真)裏金自民党政治と戦争できる国づくりを終わらせようと声を上げる人たち=8月19日、衆院第2議員会館前

 自民党総裁選が12日告示されます。岸田文雄首相が退陣を表明したもと、過去最多の9人が出馬を表明。候補者が乱立し、内輪の争いを繰り広げています。しかし、どの候補も国民の政治不信の大本にある自民党政治そのものを切り替える展望は示していません。総裁選自体が自民党の深刻な行き詰まりを示しています。

 総裁選では、国民の厳しい批判に追い詰められた候補者が「選択的夫婦別姓の実現」「政策活動費の廃止」などと主張する場面も生まれています。これまで自民党が強固に反対していたはずの政策を何の反省もなく、取り入れる無節操ぶりです。

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(写真)五野井郁夫教授

 高千穂大学の五野井郁夫教授(政治学)は、政権の要職にあった人物が総裁選で突然、政策変更を訴えていることについて「ビックリだ」としながらも、「自民党の中では政策に差異がない。だから、野党の政策を取り入れることで他候補との差異を際立たせようということだ」と解説。「ただ、自民党は総裁選の公約を必ずしも守りません。やはり自民党ではダメだというのを過去の歴史から学ぶ必要がある」と話します。

 一方、総裁選に名乗りを上げる候補者は、みな安倍・菅・岸田と続いた自民党の政治路線を継承・発展させてきました。総裁選では、候補者の中からは「非核三原則の見直し」「憲法9条への自衛隊明記」など軍事大国化の促進や、「解雇規制の緩和」「残業時間の規制緩和」など貧困と格差を拡大させた新自由主義のさらなる推進の声が上がるなど、悪政のさらなる競い合いまで生まれています。

 「総裁選は改憲を含め、戦後の日本が積み上げた民主主義を壊す風潮と、新自由主義的な政策にドライブ(加速)をかける風潮が見られる」と五野井氏。「総裁選のご祝儀相場があるうちに解散・総選挙へという戦略だろうが、有権者が雰囲気に流されないことが大事だ」と警鐘を鳴らします。

 日本共産党の小池晃書記局長は10日の会見で「誰が選ばれるにせよ、政治の抜本的転換が必要だ。自民党政治をもとから変えるためには、いよいよ日本共産党の躍進が必要な状況だ」と訴えました。

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次期戦闘機の開発を受注したのは三菱重工です。同社が2022年までの10年間に自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金した額は3億2700万円。一方、防衛省の中央調達・・・

2024-08-14 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年8月14日(水)

追及 自民裏金事件

軍需産業の献金 巨額受注で還流

 安倍政権から岸田政権へと続く大軍拡の推進によって、武器などを受注する軍需産業が空前の利益を得ています。自民党への巨額の献金が、その何倍もの受注となって還流する―。自民党と軍需産業の癒着の構造があります。

 通常国会では、英国・イタリアとの次期戦闘機の共同開発・生産、第三国への輸出を推進する政府間機関「GIGO」を設立する条約が自民党などの賛成で承認されました。

兵器の開発も

 次期戦闘機の開発を受注したのは三菱重工です。同社が2022年までの10年間に自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金した額は3億2700万円。一方、防衛省の中央調達(武器や燃料などの購入)の契約額は過去10年(14~23年度)で4兆4843億円にも上ります。

 同社は、岸田政権が安保3文書に基づいて導入を進める敵基地攻撃能力保有に関する兵器の開発も引き受けています。12式地対艦誘導弾、島しょ防衛用高速滑空弾、極超音速誘導弾、潜水艦発射型誘導弾といったミサイルなどを大量受注しています。

 次期戦闘機の開発には、IHIと三菱電機も参画。自民党への献金は過去10年でIHIが1億円、三菱電機が1・9億円です。両社は過去10年の中央調達受注額トップ10(表)に入っています。これらの軍需産業は防衛省・自衛隊から天下りを受け入れています。カネと人、利権と癒着がはびこっています。

国民増税狙う

 ビジネスチャンス拡大を狙う軍需産業は、自民党政治を動かしてきました。22年4月に経団連が出した「防衛計画の大綱に向けた提言」は、「防衛産業基盤の整備・強靱(きょうじん)化に資する政策を体系的に実施すると表明する必要がある」と強調。政府が主導する武器輸出体制の強化を要求しました。

 同年12月に閣議決定された安保3文書の一つ「国家防衛戦略」では「必要に応じた企業支援を行うこと等により、官民一体となって防衛装備移転を進める」と軍需産業支援を表明。23年には軍拡財源法はじめ軍需産業支援法、防衛装備品基盤強化法などが次々成立し、早くも要求が反映されます。

 さらに、今年の通常国会では、兵器の共同開発を推進するために民間企業でも同盟国・同志国と同等の秘密保全体制を整備する経済秘密保護法が成立。海外での受注機会の拡大を狙う軍需産業側の要求が背景にありました。

 同法で秘密を扱う資格者を認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の対象を民間労働者に拡大することについて、経団連は「セキュリティー・クリアランスは、企業が国際共同研究開発等に参加する機会を拡大することにも資する」とし、同法の早期成立を要求していました。

 今年2月、防衛省が設置した安保3文書に基づく大軍拡を推進するための「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」で、座長の榊原定征経団連元会長が軍事費について「見直しをタブーとせず」として、さらなる増額に言及。同会議のメンバーには三菱重工の宮永俊一会長も加わっています。大軍拡による受注で利益を得る企業が、軍事費増額の議論をするメンバーという異常さです。

 軍需産業がばく大な利益をあげる大軍拡の財源確保には国民への増税が狙われます。政治のゆがみが極まっています。

防衛省中央調達トップ10社の契約額、天下り受け入れ人数、自民党への企業・団体献金
  受注企業 中央調達 契約額(2014~23年度) 天下り人数(2013~22年度) 自民党への企業・団体献金(2013~22年)
三菱重工 4兆4843億円 33 3億2700万円
川崎重工 1兆9724億円 29 2950万円
日本電気 1兆1137億円 42 1億5300万円
三菱電機 1兆581億円 37 1億9100万円
富士通 7564億円 21 1億4800万円
東芝インフラシステムズ(※2016年度以前「東芝」) 5341億円 32 5700万円
IHI 4873億円 24 1億円
小松製作所 2670億円 8000万円
日立製作所 2660億円 12 3億6750万円
10 日本製鋼所 1971億円 (※加盟する「日本鉄鋼連盟」による献金・6億6000万円)
防衛省資料、政治資金収支報告書などから作成。自民党への献金は政治資金団体「国民政治協会」に対するもの。天下りは防衛省・自衛隊から。本省課長相当以上、自衛官1佐以上を対象
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改定案は第14章で一連の新しい関与の枠組みを規定し、政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば地方自治体に指示ができる「指示権」を新たに導入します。

2024-06-12 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年6月12日(水)

地方自治 内側から壊す

地方自治法改定案 参考人が批判

参院総務委で伊藤議員質問

 地方自治法改定案の参考人質疑が11日、参院総務委員会で行われました。龍谷大学の本多滝夫教授は、改定案は地方公共団体に対する国の関与を抑える「関与法定主義」「関与最小限度の原則」を地方自治法の内側から壊すものだと批判。早稲田大学の小原隆治教授は、憲法が保障する地方自治の本旨を否定するものであり、立法事実(法律の根拠となる事実)もないと述べました。

 改定案は第14章で一連の新しい関与の枠組みを規定し、政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば地方自治体に指示ができる「指示権」を新たに導入します。

 日本共産党の伊藤岳議員は「指示権」の発動の前段階である「資料及び意見の提出の要求」「事務処理の調整の指示」から、すでに国の関与が動きだすのではないかと質問。本多氏は「条文を素直に読む限りはそうだ」と答弁しました。

 現行法は自治事務に関する指示について、「国民の生命、身体又は財産の保護のため、『緊急に』自治事務の的確な処理を確保する必要がある場合等特に必要と認められる場合を除き設けてはならない」と規定しています。

 伊藤氏は、総務省が「『緊急に』とは、特に必要と認められる場合の例示として規定されている」と説明し、改定案に緊急性を関与の要件にしなくてよいともとれる姿勢を示していると質問。本多氏は「緊急性は当然求められるべきだ」と答弁し、小原氏は「新設の第14章はいらないと思っているため、そもそも(新たな関与の)規定自体がいらない」と主張しました。

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総がかり行動実行委員会は4日、衆院第2議員会館前で、企業・団体献金の禁止と自民党政治の転換を求めて緊急行動を行いました。

2024-06-05 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年6月5日(水)

市民の怒り わからぬか

裏金問題で国会前

写真

(写真)自民党政治を終わらせようとアピールする人たち=4日、衆院第2議員会館前

 自民党の裏金事件を受けた政治資金規正法改定案の審議が続く中、総がかり行動実行委員会は4日、衆院第2議員会館前で、企業・団体献金の禁止と自民党政治の転換を求めて緊急行動を行いました。100人の参加者(主催者発表)が「自公は国民の声を聞け」と訴えました。

 憲法9条を壊すな!実行委員会の高田健さんは主催者あいさつで、改定案をめぐる動きは市民の批判に端を発しているが、裏金事件の全容解明には背を向けたものだと批判。自民党、公明党、維新の会が合意した改定案は市民の声に挑戦するような法案だと強調し、「自民党はこの間の選挙で連戦連敗だ。市民の怒りが見えていない自民党に審判を下す闘いを広げよう」と呼びかけました。

 憲法共同センターの高橋信一さん(憲法改悪阻止各界連絡会議事務局長)は「自公維の改定案は政治資金パーティー券購入者の公開基準を20万円超から5万円超に引き下げるというが、これでは抜け穴は防げない」と批判。戦争をさせない杉並1000人委員会の林健さんは「改定案は泥棒自身に泥棒を捕まえる縄をなわせるようなものだ」と話しました。

 日本共産党の穀田恵二国対委員長、立憲民主党の逢坂誠二衆院議員、社民党の新垣邦男衆院議員があいさつ。穀田氏は「私たちは今、世論の高まりを背景に闘っている。この闘いをさらに発展させ、自民党政治を終わらせよう」と述べました。

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政治資金規正法は、政治資金の収受は「国民の疑惑を招くことのないように…公明正大に行わなければならない」と規定しています。これを長年、踏みにじってきたのが自民党です。

2024-05-16 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年5月16日(木)

主張

「政策活動費」

使い道不明の裏金は廃止せよ

 本気で問題を改革しようという姿勢はまったく感じられません。自民党の裏金事件を受けた政治資金改革をめぐり、自民・公明両党が9日、大筋で合意した政治資金規正法改定案の中身です。問題の大本にある企業・団体献金の禁止に踏み込んでおらず、「政治改革」の名に値しません。

 政治資金パーティーについては、券購入者の公開基準を現行の20万円超から引き下げるというだけで、企業・団体献金の抜け穴という役割はそのままです。公開基準の金額さえ合意していません。政治家の責任強化についても抜け道を残しました。

■「闇金」の温床に

 なかでも闇に置かれたままなのは、政党から議員個人に支出されている「政策活動費」です。

 「政策活動費」とは政治資金規正法に規定されたものではなく、自民党が幹事長や政調会長、国対委員長ら党幹部に渡す“つかみ金”です。それでは外聞が悪いので「政策活動費」などともっともらしい名前をつけているだけです。

 政治資金規正法は「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」、政治資金の収支の公開と透明性を求めています。マスメディアは「政策活動費の使い道の公開義務はない」などと報道していますが、本来、何に使ったか政治資金収支報告書に記載すべきものです。

 政治資金規正法は、政治資金の収受は「国民の疑惑を招くことのないように…公明正大に行わなければならない」と規定しています。これを長年、踏みにじってきたのが自民党です。

■税金で選挙買収?

 二階俊博元幹事長は約5年の在任中、手にした政策活動費は約50億円に上ります。全額使途不明、事実上の裏金です。2022年の政治資金収支報告書によると自民党は幹部15人に計14億1630万円の政策活動費を支出しています。最多は茂木敏充幹事長の9億7150万円で、同年の参院選公示前後に同氏には1億3000万円が渡されています。巨額の資金が何に使われたのか全く不明です。

 自民党には幹部が選挙応援に入る際、政策活動費を「陣中見舞い」として渡すという慣行があります。自民党の収入の3分の2は国民の税金である政党助成金です。税金が「裏金」となり、使途を明らかにできない飲み食いや選挙応援、買収にも使われた可能性があります。

 今回の自公合意では、政党から支払いを受けた議員の側が党に使途を報告して、党の政治資金収支報告書に記載するとされました。しかし、使途の公開範囲も、どんな形で報告するかも決まっていません。

 自民党は自公協議の中で、「政治活動の自由」を理由に、政党から議員個人への支出段階における「調査研究」とか「党勢拡大」とか大まかな項目の公開にとどめるべきだと主張していました。それでは、いままで同様、使い道は闇に葬られたままです。

 公開できない金を「政策活動費」の名でブラックボックスに入れているわけで、そのブラックボックス自体を廃止すべきです。そうすれば当然、使途の全面公開になります。キッパリ廃止するしかありません。

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企業・団体献金を温床にした今回の裏金事件は、特定の企業(業界)が特定の政治家に賄賂を渡し政治をゆがめるのでなく、主要派閥がそろって政治資金収支報告書を偽造していた党ぐるみの組織的犯罪です。

2024-03-20 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年3月20日(水)

主張

自民党大会

裏金を解明せずに危険な暴走

 「深い反省の上に、政治の信頼回復に向けて、私自身が先頭に立って自民党改革、政治改革を断行することをお約束する」。岸田文雄首相・自民党総裁は17日の党大会の演説で裏金事件についてこう豪語しました。しかし討論もなく拍手のみで採択された運動方針には裏金解明の「か」の字もなく、首相の言葉はむなしく響きます。

証人喚問で真相を語れ

 党則・規律規約で処分を強化すると言いますが、真相解明抜きにまともな処分ができるはずがありません。しかも、企業・団体献金を温床にした今回の裏金事件は、特定の企業(業界)が特定の政治家に賄賂を渡し政治をゆがめるのでなく、主要派閥がそろって政治資金収支報告書を偽造していた党ぐるみの組織的犯罪です。特定議員の処分では済まされません。

 真相解明に背を向け妨害する自民党の姿勢は驚くばかりです。党大会を前後して衆参両院で政治倫理審査会(政倫審)が開かれました。日本共産党など野党側は自民党調査で判明した裏金議員83人(衆院51人、参院32人)の出席を求めていますが、弁明に応じたのは安倍派幹部ら8人と二階派幹部1人の計9人にとどまります。

 しかも真相を隠す弁明ばかりです。20年以上前に始まったとされる安倍派の裏金システムはだれが何のためにつくったのか。参院選の年に改選議員に裏金が全額還流していたのは選挙買収のためではないのか。2022年4月にいったん決まった還流の廃止が、安倍晋三元首相死去後の同年8月に「復活」した経緯に当時の派閥幹部はどう関与していたのか―。こうした問いに安倍派幹部らは「覚えていない」「一切関与していない」「(資金は)秘書に任せていたので知らない」の一点張りです。

 岸田首相は党大会で、茂木敏充幹事長に裏金議員の処分内容を具体化するよう指示し、自らを含む党幹部が全国各地で党員らの声を聞く「政治刷新車座対話」に取り組むとも述べました。しかし、裏金議員たちの大半はなおも説明を拒み、口を開けば裏金づくりが自然現象で生まれたかのような言い訳です。「党員の声を聞く」車座対話よりも、いまやるべきは「国民に真相を語る」証人喚問です。

 重大なのは、党ぐるみの組織的犯罪の認識も反省もできなくなった自民党が、財界・大企業と米国の要望に応えることで生き残りに活路を求めていることです。

 党大会の運動方針は、国民が求める消費税減税には目を向けず、官民投資や新たな法人税額控除の創設など財界向けの政策を列挙しています。敵基地攻撃能力保有と大軍拡、殺傷武器輸出解禁など米国言いなりで「戦争国家づくり」に突き進む方向を強めています。岸田首相は憲法改定について「総裁任期中に実現するとの思いのもと、今年は条文案の具体化を進める」と踏み込みました。

国民的大運動を広げて

 これらは、自民党が国民に語るすべをなくしたがための暴走政治にほかなりません。世論調査では国民の9割が裏金議員の説明に「十分に説明したとは思わない」と答えています。「裏金事件で揺れる自民党に増税や改憲を語る資格はない」との怒りが全国で広がっています。自民党政治を終わらせる国民的大運動をさらに広げようではありませんか。

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松井陣営では「裏金問題が影響」(元自民党衆院議員)と分析しているが、「読売」によると、政治資金問題を判断材料に「する」が51%で、そのうち最多の25%が福山氏に投票すると回答している。

2024-02-01 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年2月1日(木)

京都市長選 「横一線」の衝撃

金権腐敗に怒り 福山氏に共感

記者座談会

 京都市長選(2月4日投開票)は「つなぐ京都2024」の弁護士、福山和人氏(62)=日本共産党も参加する「民主市政の会」推薦=が、元民主党参院議員の松井孝治氏(63)=自民、公明、立民、国民推薦=と激しく競り合い、文字通りの大激戦・大接戦のまま最終盤を迎えました。選挙戦の様相を担当記者で話し合いました。


写真

(写真)田村智子委員長(左から2人目)とともに支持を訴える福山和人市長候補=1月29日、京都市山科区

  松井氏と福山氏が「激しく競り合う」(「京都」)、「横一線」(「読売」)との報道は衝撃を与えているね。

  松井陣営は、危機感を燃やし、「951票差の16年前より競り合っている」(西脇隆俊知事)と引き締めに躍起だ。

  自民党や公明党は独自に調査をしているが、メディア調査と傾向がほぼ一致している。福山氏支持が伸び、無党派層や女性で福山氏が松井氏を上回っている。

  松井陣営では「裏金問題が影響」(元自民党衆院議員)と分析しているが、「読売」によると、政治資金問題を判断材料に「する」が51%で、そのうち最多の25%が福山氏に投票すると回答している。

  松井氏は金権腐敗の自民党丸抱えだというだけじゃない。告示直前に政治資金パーティーを開いた。会費1万円でミネラルウオーター缶1本というのだから驚く。

  維新らに担がれたものの、9回の政治資金パーティーのうち8回が参加者なしという「架空パーティー」だったことが発覚し、維新らから推薦を取り消された候補者がいるが、松井陣営も負けていない。

  岡野八代さん(同志社大学教授)、上脇博之さん(神戸学院大学教授)ら5氏がよびかけた「こんな金権腐敗政治を許していいのか」とのアピールへの賛同が広がるなど全国的に注目されている選挙だ。

  「政治家の仕事は、金を集めることではなく、市民の声を集めること」という福山氏の訴えはわかりやすいね。

  その市民の声に応えるかどうかが、市長選の大きな争点になっている。「京都」によると、4期16年の門川大作市政を「評価せず」が63%。「全く評価しない」(29%)と答えた人の4割超が福山氏を支持している。

政策論戦 勝負あり

  福山氏は「行財政改革」の名で削られた住民サービスを元に戻すことをはじめ「すぐやるパッケージ」(「子育て全力応援5つの無償化」と「4つの安心」)を提案。市予算のわずか1%でできると財源も示して反響をよんでいる。

市民の声を反映

  200回を超えるタウンミーティングなどで寄せられた市民の声を反映したものだから「私の願いが政策になっている」と実感できる。

  自民党の国会議員が「明快で具体的」と認めるほどだ。

  ところが、反響の広がりにあわてたのか、松井陣営は財源問題でかみついた。ビラで「本当にできるのですか?」と問い、「ウソです」と全面否定した。「『財源はある!あとはやる気だけ』と市民に誤解を生じる主張をする人に市長を任せることはできません」とまでいうのだからあきれる。

  いえばいうほど、松井陣営の「やる気」のなさが際立つだけだ。福山氏の反論は明快だ。「優先順位の問題」「(地元負担が)何千億円になるかもわからない北陸新幹線の京都延伸の抜本的見直しはいえない。ダブルスタンダード(二重基準)じゃないか」

  勝負ありだね。市の予算は2年連続黒字なのに、松井氏は、削減した住民サービスを元に戻す気もなければ、市民の切実な願いに応える気もない。

  政策論戦では太刀打ちできないとみてか、またぞろ反共攻撃が激しくなっている。“共産党が支援しているからダメ”“資本主義に反対だからダメ”というものだ。松井陣営の反共法定ビラは公明党が主体になって作成したと認めているが。

  日本共産党の田村智子委員長は京都市で「『共産党』とレッテルを貼って市民の要求を封じ込め、共同を壊そうということであり、市民への妨害・攻撃だ」と批判した。

  田村さんが「(自民党政治と)もっとも対決してきた日本共産党が市民と手をつないで何が悪いのか」「資本主義を乗り越えて、人間の自由が全面的に花開く社会を私たちは目指している。何が問題なのか」と訴えると大きな拍手が起きていたね。

  「つなぐ京都2024」も「これは、つなぐ京都2024に集う私たち全員にかけられた攻撃」だとし、一人ひとりの願いを大切にした市政実現のために、福山市長を実現しようとよびかけている。

  共産、れいわ、新社会、無所属の議員や代表が街頭に立ち、個人として社民党、立憲民主党サポーターや、かつて「オール京都」の側にいた経済人なども福山氏を応援するなど輪は広がっている。

  4年前の市長選でも、現職陣営は、著名人の名前を勝手に使った反共意見広告を出し、著名人たちから抗議されて謝罪に追い込まれたね。

願い抑える企み

 C 共産党京都府委員会は31日、会見を開いて声明を出した。声明では、現職後継陣営の反共攻撃は「陣営の政策的破たんを物語る」ものであり、「カネの力で政治を歪(ゆが)める自らの悪政を覆い隠し、市民の切実な願いを抑え込む企(たくら)み」と批判し市民との共同で勝ち抜くと表明した。

 B 「横一線」にまで追い上げた。あと一歩だ。最終盤、松井陣営は猛烈な組織締め付けとともに、どんな攻撃を仕掛けてくるかわからないが、攻撃をはねかえし、一人でも多くの人に声をかけ、「京都に『福』がきた」という結果を何としても出したいね。

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岸田首相は「外部の有識者の目も加えて実態を明らかにする」と述べるだけで、不法行為に使われた事実はないと断言できませんでした。

2024-01-30 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2024年1月30日(火)

全容解明 自民の責任で

裏金問題 塩川・山添氏が追及

関与政治家の証人喚問要求 衆参予算委

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員、山添拓参院議員は29日、自民党派閥裏金問題をめぐっての衆参の予算委員会で、国民の怒りと不信が広がる中、何よりも求められるのは徹底的な真相解明だと述べ、自民党の責任で全容を明らかにするよう迫りました。


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(写真)質問する塩川鉄也議員=29日、衆院予算委

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(写真)質問する山添拓議員=29日、参院予算委

 塩川氏は、岸田文雄首相が岸田派の約3000万円の不記載事件を「流用とか、裏金となったとかではない」と言い訳したことに対し、「収支報告書に記載しなければ、裏金そのもの。違法行為だ」と批判。「政治資金の収支を国民監視・批判のもとに置くことが法の根本であり、民主主義の根幹を脅かすような背信行為は許されない」と強調しました。また塩川氏は、自民党の安倍派や二階派でもほとんどの議員が疑惑について説明していないと指摘。実態解明として「全議員を対象に調査を行うのか」とただしました。

 岸田首相が「まずは関係者から」などと述べたのに対し、塩川氏は「関係者とはどの範囲か」「収支報告書を修正した議員しか対象にしないかのように聞こえる」と重ねて追及。岸田首相は「範囲を限定することなく、必要な聞き取りを行う」と答えざるを得ませんでした。

 山添氏は「裏金は何に使われたのか」と追及。安倍派では2019年と22年の参院選の年は改選となる参院議員にノルマを設けず、集めたパーティー収入全額をキックバックしたとされているとして「これは事実か。裏金が選挙買収などに使われた事実はないと断言できるか」とただしました。

 岸田首相は「外部の有識者の目も加えて実態を明らかにする」と述べるだけで、不法行為に使われた事実はないと断言できませんでした。

 山添氏は「断言できないこと自体が深刻だ。安倍派をはじめ裏金作りに関与したすべての政治家の証人喚問を求める。裏金作りの経過と使途の全体を党として調査し、委員会に報告を求める」と迫りました。

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岸田文雄首相は「岸田派解散」方針を持ち出しましたが、事件の全容を国民に説明していません。疑惑隠ぺいを許さず徹底追及が不可欠です。

2024-01-20 | 自民党の法律違反の金権腐敗

 

自民派閥裏金事件

中枢政治家の責任逃れ許すな

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、東京地検特捜部は政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で安倍派と二階派の会計責任者を在宅起訴し、岸田派の元会計責任者を略式起訴しました。一方、安倍派の歴代事務総長を含む中枢幹部7人の立件は見送りました。パーティー収入での裏金づくりは派閥ぐるみの疑いが深まっています。派閥を取り仕切ってきた有力政治家の責任を不問に付すことはできません。岸田文雄首相は「岸田派解散」方針を持ち出しましたが、事件の全容を国民に説明していません。疑惑隠ぺいを許さず徹底追及が不可欠です。

億単位の裏金を組織的に

 安倍派では、時効にかからない2018~22年の5年間でパーティーに関する収入約6億7500万円が政治資金収支報告書に記載されていなかったとされます。同派の議員側では還流分約5000万円が未記載だった大野泰正参院議員と秘書が在宅起訴され、4000万円超が未記載の谷川弥一衆院議員と秘書は略式起訴となりました。安倍派の大半の議員は還流を受けているとされ、池田佳隆衆院議員は逮捕されています。

 しかし、同派の塩谷立座長、高木毅事務総長、下村博文元文科相、松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相の事務総長経験者、世耕弘成前参院幹事長、萩生田光一前政調会長については起訴されませんでした。裏金の経過や目的を知る立場であり、自身も裏金を手にしていただけに、検察の結論に国民は納得できません。システムとして違法行為をしていた政治家の責任こそ厳しく追及されなくてはなりません。

 安倍派では還流の仕組みは20年前に存在していたとされます。法律をかいくぐる脱法手法を誰が考え、慣習化したのかにメスを入れなければ再発防止はできません。

 二階派でも5年間で収入約2億6400万円が不記載でした。

 岸田派は18年から3年間のパーティー収入約3000万円が記載されていませんでした。麻生派や茂木派でもパーティー収入を巡る不記載は指摘されており、各派閥の問題ではなく、自民党内でまん延していた実態を浮き彫りにしています。岸田首相は岸田派の法律違反について「事務的ミス」と繰り返すだけで、構造的な問題を明らかにする姿勢がありません。

 政治資金規正法は、政党や政治家の政治活動を国民の不断の監視と批判の下に置くため、政治資金収支報告書の提出を義務付けています。同法を踏みにじり、不記載や虚偽の記載を続けてきたことは、国民を裏切り、民主政治の根幹を揺るがす犯罪です。絶対に曖昧にできません。

金権腐敗の根を断とう

 自民党内では岸田首相をはじめ有力幹部が「派閥の解散」を言い出しているのは、重大なすり替えです。真っ先に行うべきは、なぜ違法行為がまかり通り、温存されたかの徹底的な調査と真摯(しんし)な反省です。国会で全てを明らかにした上で、パーティー券を含めた企業・団体献金の全面禁止を決断すべきです。時事通信の世論調査(12~15日実施)では、自民党の支持率は14・6%で過去最低水準です。国民の怒りと不信は自民党政治そのものに対してです。金権腐敗の根を断つ世論を広げ政治を変えましょう。

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今年から始まった男女別の賃金公表制度の結果、日本経団連役員企業の女性の賃金は男性の4~8割と軒並み低く、企業規模が大きくなるほど、男女格差が大きいことも判明しています。

2023-10-28 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2023年10月27日(金)

小池書記局長の代表質問 参院本会議

 日本共産党の小池晃書記局長が26日の参院本会議で行った、岸田文雄首相の所信表明演説(23日)に対する代表質問は次の通りです。


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(写真)質問する小池晃書記局長=26日、参院本会議

「賃金が上がらない国」からの転換こそ

 日本共産党の小池晃です。会派を代表して、岸田文雄総理に質問します。

 総理は所信表明で、「経済、経済、経済」と連呼し、「コストカット型経済」の「30年ぶりの変革を果たす」と大見えを切りました。しかし、コストカットのために非正規ワーカーを増やし、先進国で唯一、「賃金が上がらない国」にしたのは誰か。大企業減税を繰り返し、その穴埋めに消費税を立てつづけに増税したのは誰か。どれもこれも自民党が、財界言いなりにやってきたことです。必要なのは「反省、反省、そして転換」ではありませんか。

内部留保を賃上げに環流させる施策を

 経済対策の第一のポイントは「供給力の強化」ですが、具体策はもっぱら大企業向け減税です。しかしこれでは、大企業の内部留保が500兆円を超えて積み上がる一方、30年にわたり働く人の賃金が上がらないというゆがみを、ますますひどくするだけです。

 内部留保を賃上げや設備投資に環流させる、具体的で実効性のある施策こそ必要ではありませんか。

 わが党は、「経済再生プラン」で、大企業の内部留保に時限的に課税し、5年間で10兆円程度の税収を中小企業支援に回す、最低賃金を、総理が言うような2030年代半ばでなく、速やかに時給1500円に引き上げることを提案しています。

 総理は「二重課税に当たるから慎重に」と言いますが、法律上、二重課税の定義はなく、禁止されていません。財界が「二重課税だ」と反対するから、手を出せないのですか。お答えください。

女性の低賃金なくし、男女賃金格差の是正を

 男女賃金格差の是正も急務です。

 今年から始まった男女別の賃金公表制度の結果、日本経団連役員企業の女性の賃金は男性の4~8割と軒並み低く、企業規模が大きくなるほど、男女格差が大きいことも判明しています。大企業は、コース別採用や全国転勤等を要件とした雇用管理、派遣、非正規化などさまざまな形で、「安上がりの労働力」として女性差別を続け、女性の低賃金構造を温存してきました。

 男女賃金格差の公表は一歩前進ですが、同一価値労働同一賃金の原則を徹底し、女性の低賃金をなくし、男女賃金格差を是正すべきではありませんか。答弁を求めます。

 自公政権は「女性活躍」を掲げてきました。しかし、その結果は非正規雇用の増大でした。なぜ女性が非正規雇用の7割を占めているのか。なぜ男性より賃金が低いのか。総理には、その原因が、男性には長時間労働、女性には家事・育児・介護という、性別役割分業を前提とした雇用慣行にあるという認識はありますか。

 日本共産党は、非正規ワーカーの待遇改善と賃上げのために、「非正規ワーカー待遇改善法」を提案しています。フリーランスやギグワーカーを含め、非正規ワーカーに焦点をあてた待遇改善に踏み出すことは、ジェンダー平等を推し進め、男性も含むすべての人に人間らしい働き方、生き方を広げることにもつながります。

 総理。この課題に、政府をあげてとりくむべきではありませんか。

場当たり的な「所得税減税」でなく消費税減税を

 総理は、経済対策の第二のポイントとして、「国民への還元」をあげています。しかし、期限付きの所得税減税は、場当たり的な対応にすぎません。しかも、減税の後には、大軍拡のための増税が狙われています。「1年限りの減税の直後に恒久的な増税」などというのは、国民を愚弄(ぐろう)するものではありませんか。

 「国民に還元する」なら、なんといっても消費税の減税です。

 消費税減税は、確実に消費に結びつきます。家計支援になるのはもちろん、景気対策、とりわけ中小企業支援になります。政府は、「消費税は社会保障の財源だ」といいながら、導入以来34年間の消費税収509兆円に対して、法人3税の税収は317兆円減り、所得税と住民税は289兆円減りました。結局、大企業や富裕層減税の穴埋めになっただけではありませんか。

インボイス制度は廃止せよ

 10月から始まったインボイス制度で、課税業者になった小規模事業者やフリーランスには、年間15万円もの負担が加わり、「1カ月分の収入が消える」と悲鳴が上がっています。これは税率引き上げを伴わない大増税です。政府が激変緩和措置などを打ち出してからも、反対の声は広がり、「ストップ・インボイス」のネット署名は56万を超えました。総理はどう受け止めていますか。地域を支える業者の仕事や、文化芸術にとりくむ人たちの夢が、税制によってつぶされることなど、あってはならないのではありませんか。

 総理は「複数税率のもとで適正な課税を行うため」とインボイス実施を正当化しますが、複数税率になってから4年間、インボイスなしで対応できています。重大な支障があったというなら、具体的にお示しください。政府が反対の声に耳を貸さず、インボイス制度に固執するのは、今後さらなる消費税増税を行うための「地ならし」だからではありませんか。

 消費税は廃止をめざし、5%に緊急減税し、複数税率をやめ、インボイス制度は廃止すべきです。お答えください。

医療現場の声は「健康保険証の存続」

 マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」は、利便性の向上どころか手間が増大し、トラブル続出です。マイナ保険証の登録件数は増えていますが、利用率は低下する一方で、8月はわずか4・7%でした。利用率が減り続けている原因はいったいどこにあるのですか。国民がマイナ保険証を信頼していないことの表れではありませんか。

 全国保険医団体連合会の調査では、回答があった7070の医療機関のうち87・8%が、来年秋以降も健康保険証の存続を求めています。総理に「聞く力」が残されているなら、現場の声に応えるべきではありませんか。答弁を求めます。

介護負担増やめ、人材確保へ処遇改善を

 政府は来年度の介護保険改定にむけ、現行では1割負担となっている人の利用料を2倍にすることなどを検討しています。物価高騰と年金の目減りにあえぐ高齢者に、医療費に続く負担増の追い打ちをかけようというのですか。

 政府はこれらを、「現役世代の負担軽減のため」と説明していますが、介護を必要とする高齢者が、負担増によってサービスの利用を減らしたり、断念したりすれば、そのしわ寄せは、介護離職などで現役世代にのしかかります。総理にはそうした認識がありますか。

 厚生労働大臣が、来年度の報酬改定による介護職の賃上げについて、「月6000円程度が妥当」と発言したことが、介護関係者の驚きと失望を呼んでいます。厚労省の統計でも、介護職の平均給与は、全産業平均より月7万円も低くなっており、「月6000円では1桁足りない」という声が上がるのは、当然ではありませんか。介護人材の確保と定着のためには、抜本的な処遇改善策が必要ではありませんか。お答えください。

「食料自給率の目標達成」を政府の責務とすべきだ

 持続可能な経済社会にする上で、食料の自給は最重要課題です。

 しかし、日本の農業は深刻な危機に直面しています。低い米価に苦しむコメ農家、搾れば搾るほど赤字になる酪農家。豪雨被害、夏の猛暑、干ばつ、高温障害が追い打ちをかけ、生産者は悲鳴を上げています。いま政府に求められているのは、懸命に頑張っている生産者を離農に追い込まないような緊急支援ではないか。答弁を求めます。

 コロナ危機に加えて、ロシアによるウクライナ侵略で、世界の農産物需給は不安定化し、食料危機が現実的になっています。ところがわが国の食料自給率はカロリーベースで38%、6割もの食料を外国に依存しています。しかも、この10年間で農業者は3割減少し、東京都に匹敵する面積の農地が失われました。危機的な状況ではありませんか。

 食料・農業・農村基本法は食料自給率の向上、国内生産の増大を掲げていますが、今まで食料自給率目標を一度も達成したことがなく、その検証や分析もされていません。「自給率の目標達成」を政府の責務にすべきではありませんか。答弁を求めます。

国民に負担を強いる大阪・関西万博は中止、カジノ計画は断念せよ

 大阪・関西万博は、工事が遅れ、建設費用も膨れ上がっていますが、総理は、「オールジャパンで進める」と述べています。しかし、日本国際博覧会協会は、遅れ解消に向けて、来年4月からの建設労働者の時間外労働の上限規制を、万博工事だけ適用除外するよう政府に要請したといいます。法律を守れば建設ができない、労働者の命を犠牲にしなければならない。こんな事業は、すでに破綻しているのではありませんか。

 会場建設費用は、2350億円と当初見積もりの2倍近くに膨らみ、これで収まるかどうかもわかりません。国民の「身を切る」ような事業に、理解が得られると思いますか。お答えください。

 そもそも、建設工事の遅れと費用の上振れの原因は、軟弱地盤と土壌汚染の夢洲(ゆめしま)での開催に固執したことにあります。その狙いは夢洲カジノ計画の推進です。莫大(ばくだい)な費用がかかり、カジノ業者だけではとうてい不可能なインフラ整備を、国策である万博を口実に、公費ですすめるためにほかなりません。

 命と安全が守られず、多大な負担を国民に押し付ける大阪・関西万博は中止し、カジノ計画はきっぱり断念すべきです。答弁を求めます。

統一協会問題――財産保全と自民党との癒着の実態解明が必要

 政府が、統一協会への解散命令を裁判所に請求したのは、被害者の声が動かした結果です。二つのことを求めます。

 ひとつは、財産保全のための、特別な法律制定に向けた与野党協議です。被害者を泣き寝入りさせてはなりません。統一協会の持つ財産を、海外に流出させずに、急いで保全しなければなりません。総理は「各党の動きを注視する」といいますが、それでいいのか。党派を超えて実現する先頭に立つべきではありませんか。

 今ひとつは、統一協会と自民党との、癒着の全体像を解明することです。文部科学大臣は、「遅くとも昭和55年ごろから」被害があったと述べています。ならば、癒着の実態も、過去にさかのぼって、徹底調査すべきではありませんか。お答えください。

くらし・平和・財政を危機にさらす大軍拡は中止せよ

 来年度概算要求における軍事費は、米軍再編経費を加えると8兆円です。30年近く5兆円前後で推移してきたものが、岸田政権発足後わずか2年で2・5兆円もの増加です。2・5兆円あれば、いったい何ができるか。義務教育の給食費を無償化し、高校授業料の完全無償化をし、大学入学金を廃止し、大学学費を半分にすることができます。税金の使い方が完全に間違っています。

 イージス・システム搭載艦は、昨年、安保3文書を決定したときには、今後5年間で4000億円と説明していたのに、今年度2200億円、来年度3800億円、計6000億円もすでに盛り込んでいます。1年もたたないうちに、なぜ2000億円も上回ることになったのか。GDP(国内総生産)2%という総額ありきの大軍拡で、完全にタガが外れているのではありませんか。

 くらしも平和も財政も危機にさらす大軍拡は中止すべきです。答弁を求めます。

沖縄を再び戦場にするな。辺野古新基地建設は断念を

 いま沖縄では、敵基地攻撃可能な長射程ミサイルの配備によって、再び戦場にされることへの不安と怒りが広がっています。

 今月14日から行われている日米共同訓練では、沖縄県の2度にわたる自粛要請を無視して、陸上自衛隊のオスプレイが初めて新石垣空港に降り立ち、負傷兵を後方に輸送する訓練が行われました。まさに沖縄が戦場になることを想定した訓練ではありませんか。

 玉城デニー知事は6月、敵基地攻撃を可能とする装備の県内配備を行わないよう政府に要請しました。沖縄への配備はもちろん、敵基地攻撃能力の保有そのものをやめるべきではありませんか。

 政府は、辺野古新基地建設のための設計変更を知事に代わって政府自ら承認するための代執行訴訟を提起しました。強権的なやり方を絶対に認めるわけにいきません。

 沖縄の米軍基地は、米軍占領下で、国際法にも違反して、住民の土地を一方的に奪ってつくられたものです。そのもとで沖縄県民は、米軍機の墜落や昼夜を分かたぬ爆音、環境汚染、米軍関係者が引き起こす事件・事故に苦しめられてきました。

 沖縄県民が辺野古新基地建設に一貫して反対の意思を示してきたのは、こうした歴史を無視し、新たな基地を押し付け、将来にわたって固定化するものだからです。

 政府の計画自体に根本的な問題があるにもかかわらず、それを受け入れないからといって、国が強権を発動し、知事の権限を取り上げ、基地建設を強行するなど、決してやってはならないことではありませんか。

 玉城デニー知事は、政府に対し沖縄県との話し合いに応じ、対話によって解決策を見いだすことを求めています。代執行に向けた手続きを中止し、県との話し合いに応じるべきではありませんか。

 県民は、3度の県知事選挙や県民投票などで、新基地建設反対の意思を明確に示してきました。県民の民意を正面から受け止め、普天間基地の即時運用停止・閉鎖・撤去、辺野古新基地建設の断念を決断すべきです。以上、総理の答弁を求めます。

イスラエルとパレスチナ双方との関係を生かし、停戦交渉を促せ

 イスラエル・ガザ紛争による人道危機が深刻です。

 日本政府は、無差別攻撃を行ったハマスを非難するだけでなく、イスラエルがガザ地区を封鎖し、水も食料も断ちきり、住民を大量に殺りくしていることをなぜ厳しく批判しないのですか。最悪の人道危機をもたらす大規模侵攻の中止を求めるべきではありませんか。

 政府はイスラエル、パレスチナ双方に関係を持っていることを生かし、停戦に向けた交渉を促すべきではありませんか。答弁を求めます。

改憲でなく憲法の実現こそ日本政治の最優先課題

 日本国憲法前文は「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と平和的生存権を定めています。そして、憲法9条は、一切の戦争と武力の行使・武力による威嚇を放棄し、他国に先駆けて戦力の不保持、交戦権の否認を規定し、国際社会での積極的な軍縮推進を憲法上の責務として、わが国に課しています。

 今こそ、この憲法の理念に基づく平和外交が必要ではありませんか。お答えください。

 憲法を変えるのではなく、実現することこそ、日本政治の最優先課題であることを訴えて、質問を終わります。

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今年から始まった男女別の賃金公表制度の結果、日本経団連役員企業の女性の賃金は男性の4~8割と軒並み低く、企業規模が大きくなるほど、男女格差が大きいことも判明しています。

2023-10-27 | 自民党の法律違反の金権腐敗

2023年10月27日(金)

小池書記局長の代表質問 参院本会議

 日本共産党の小池晃書記局長が26日の参院本会議で行った、岸田文雄首相の所信表明演説(23日)に対する代表質問は次の通りです。


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(写真)質問する小池晃書記局長=26日、参院本会議

「賃金が上がらない国」からの転換こそ

 日本共産党の小池晃です。会派を代表して、岸田文雄総理に質問します。

 総理は所信表明で、「経済、経済、経済」と連呼し、「コストカット型経済」の「30年ぶりの変革を果たす」と大見えを切りました。しかし、コストカットのために非正規ワーカーを増やし、先進国で唯一、「賃金が上がらない国」にしたのは誰か。大企業減税を繰り返し、その穴埋めに消費税を立てつづけに増税したのは誰か。どれもこれも自民党が、財界言いなりにやってきたことです。必要なのは「反省、反省、そして転換」ではありませんか。

内部留保を賃上げに環流させる施策を

 経済対策の第一のポイントは「供給力の強化」ですが、具体策はもっぱら大企業向け減税です。しかしこれでは、大企業の内部留保が500兆円を超えて積み上がる一方、30年にわたり働く人の賃金が上がらないというゆがみを、ますますひどくするだけです。

 内部留保を賃上げや設備投資に環流させる、具体的で実効性のある施策こそ必要ではありませんか。

 わが党は、「経済再生プラン」で、大企業の内部留保に時限的に課税し、5年間で10兆円程度の税収を中小企業支援に回す、最低賃金を、総理が言うような2030年代半ばでなく、速やかに時給1500円に引き上げることを提案しています。

 総理は「二重課税に当たるから慎重に」と言いますが、法律上、二重課税の定義はなく、禁止されていません。財界が「二重課税だ」と反対するから、手を出せないのですか。お答えください。

女性の低賃金なくし、男女賃金格差の是正を

 男女賃金格差の是正も急務です。

 今年から始まった男女別の賃金公表制度の結果、日本経団連役員企業の女性の賃金は男性の4~8割と軒並み低く、企業規模が大きくなるほど、男女格差が大きいことも判明しています。大企業は、コース別採用や全国転勤等を要件とした雇用管理、派遣、非正規化などさまざまな形で、「安上がりの労働力」として女性差別を続け、女性の低賃金構造を温存してきました。

 男女賃金格差の公表は一歩前進ですが、同一価値労働同一賃金の原則を徹底し、女性の低賃金をなくし、男女賃金格差を是正すべきではありませんか。答弁を求めます。

 自公政権は「女性活躍」を掲げてきました。しかし、その結果は非正規雇用の増大でした。なぜ女性が非正規雇用の7割を占めているのか。なぜ男性より賃金が低いのか。総理には、その原因が、男性には長時間労働、女性には家事・育児・介護という、性別役割分業を前提とした雇用慣行にあるという認識はありますか。

 日本共産党は、非正規ワーカーの待遇改善と賃上げのために、「非正規ワーカー待遇改善法」を提案しています。フリーランスやギグワーカーを含め、非正規ワーカーに焦点をあてた待遇改善に踏み出すことは、ジェンダー平等を推し進め、男性も含むすべての人に人間らしい働き方、生き方を広げることにもつながります。

 総理。この課題に、政府をあげてとりくむべきではありませんか。

場当たり的な「所得税減税」でなく消費税減税を

 総理は、経済対策の第二のポイントとして、「国民への還元」をあげています。しかし、期限付きの所得税減税は、場当たり的な対応にすぎません。しかも、減税の後には、大軍拡のための増税が狙われています。「1年限りの減税の直後に恒久的な増税」などというのは、国民を愚弄(ぐろう)するものではありませんか。

 「国民に還元する」なら、なんといっても消費税の減税です。

 消費税減税は、確実に消費に結びつきます。家計支援になるのはもちろん、景気対策、とりわけ中小企業支援になります。政府は、「消費税は社会保障の財源だ」といいながら、導入以来34年間の消費税収509兆円に対して、法人3税の税収は317兆円減り、所得税と住民税は289兆円減りました。結局、大企業や富裕層減税の穴埋めになっただけではありませんか。

インボイス制度は廃止せよ

 10月から始まったインボイス制度で、課税業者になった小規模事業者やフリーランスには、年間15万円もの負担が加わり、「1カ月分の収入が消える」と悲鳴が上がっています。これは税率引き上げを伴わない大増税です。政府が激変緩和措置などを打ち出してからも、反対の声は広がり、「ストップ・インボイス」のネット署名は56万を超えました。総理はどう受け止めていますか。地域を支える業者の仕事や、文化芸術にとりくむ人たちの夢が、税制によってつぶされることなど、あってはならないのではありませんか。

 総理は「複数税率のもとで適正な課税を行うため」とインボイス実施を正当化しますが、複数税率になってから4年間、インボイスなしで対応できています。重大な支障があったというなら、具体的にお示しください。政府が反対の声に耳を貸さず、インボイス制度に固執するのは、今後さらなる消費税増税を行うための「地ならし」だからではありませんか。

 消費税は廃止をめざし、5%に緊急減税し、複数税率をやめ、インボイス制度は廃止すべきです。お答えください。

医療現場の声は「健康保険証の存続」

 マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」は、利便性の向上どころか手間が増大し、トラブル続出です。マイナ保険証の登録件数は増えていますが、利用率は低下する一方で、8月はわずか4・7%でした。利用率が減り続けている原因はいったいどこにあるのですか。国民がマイナ保険証を信頼していないことの表れではありませんか。

 全国保険医団体連合会の調査では、回答があった7070の医療機関のうち87・8%が、来年秋以降も健康保険証の存続を求めています。総理に「聞く力」が残されているなら、現場の声に応えるべきではありませんか。答弁を求めます。

介護負担増やめ、人材確保へ処遇改善を

 政府は来年度の介護保険改定にむけ、現行では1割負担となっている人の利用料を2倍にすることなどを検討しています。物価高騰と年金の目減りにあえぐ高齢者に、医療費に続く負担増の追い打ちをかけようというのですか。

 政府はこれらを、「現役世代の負担軽減のため」と説明していますが、介護を必要とする高齢者が、負担増によってサービスの利用を減らしたり、断念したりすれば、そのしわ寄せは、介護離職などで現役世代にのしかかります。総理にはそうした認識がありますか。

 厚生労働大臣が、来年度の報酬改定による介護職の賃上げについて、「月6000円程度が妥当」と発言したことが、介護関係者の驚きと失望を呼んでいます。厚労省の統計でも、介護職の平均給与は、全産業平均より月7万円も低くなっており、「月6000円では1桁足りない」という声が上がるのは、当然ではありませんか。介護人材の確保と定着のためには、抜本的な処遇改善策が必要ではありませんか。お答えください。

「食料自給率の目標達成」を政府の責務とすべきだ

 持続可能な経済社会にする上で、食料の自給は最重要課題です。

 しかし、日本の農業は深刻な危機に直面しています。低い米価に苦しむコメ農家、搾れば搾るほど赤字になる酪農家。豪雨被害、夏の猛暑、干ばつ、高温障害が追い打ちをかけ、生産者は悲鳴を上げています。いま政府に求められているのは、懸命に頑張っている生産者を離農に追い込まないような緊急支援ではないか。答弁を求めます。

 コロナ危機に加えて、ロシアによるウクライナ侵略で、世界の農産物需給は不安定化し、食料危機が現実的になっています。ところがわが国の食料自給率はカロリーベースで38%、6割もの食料を外国に依存しています。しかも、この10年間で農業者は3割減少し、東京都に匹敵する面積の農地が失われました。危機的な状況ではありませんか。

 食料・農業・農村基本法は食料自給率の向上、国内生産の増大を掲げていますが、今まで食料自給率目標を一度も達成したことがなく、その検証や分析もされていません。「自給率の目標達成」を政府の責務にすべきではありませんか。答弁を求めます。

国民に負担を強いる大阪・関西万博は中止、カジノ計画は断念せよ

 大阪・関西万博は、工事が遅れ、建設費用も膨れ上がっていますが、総理は、「オールジャパンで進める」と述べています。しかし、日本国際博覧会協会は、遅れ解消に向けて、来年4月からの建設労働者の時間外労働の上限規制を、万博工事だけ適用除外するよう政府に要請したといいます。法律を守れば建設ができない、労働者の命を犠牲にしなければならない。こんな事業は、すでに破綻しているのではありませんか。

 会場建設費用は、2350億円と当初見積もりの2倍近くに膨らみ、これで収まるかどうかもわかりません。国民の「身を切る」ような事業に、理解が得られると思いますか。お答えください。

 そもそも、建設工事の遅れと費用の上振れの原因は、軟弱地盤と土壌汚染の夢洲(ゆめしま)での開催に固執したことにあります。その狙いは夢洲カジノ計画の推進です。莫大(ばくだい)な費用がかかり、カジノ業者だけではとうてい不可能なインフラ整備を、国策である万博を口実に、公費ですすめるためにほかなりません。

 命と安全が守られず、多大な負担を国民に押し付ける大阪・関西万博は中止し、カジノ計画はきっぱり断念すべきです。答弁を求めます。

統一協会問題――財産保全と自民党との癒着の実態解明が必要

 政府が、統一協会への解散命令を裁判所に請求したのは、被害者の声が動かした結果です。二つのことを求めます。

 ひとつは、財産保全のための、特別な法律制定に向けた与野党協議です。被害者を泣き寝入りさせてはなりません。統一協会の持つ財産を、海外に流出させずに、急いで保全しなければなりません。総理は「各党の動きを注視する」といいますが、それでいいのか。党派を超えて実現する先頭に立つべきではありませんか。

 今ひとつは、統一協会と自民党との、癒着の全体像を解明することです。文部科学大臣は、「遅くとも昭和55年ごろから」被害があったと述べています。ならば、癒着の実態も、過去にさかのぼって、徹底調査すべきではありませんか。お答えください。

くらし・平和・財政を危機にさらす大軍拡は中止せよ

 来年度概算要求における軍事費は、米軍再編経費を加えると8兆円です。30年近く5兆円前後で推移してきたものが、岸田政権発足後わずか2年で2・5兆円もの増加です。2・5兆円あれば、いったい何ができるか。義務教育の給食費を無償化し、高校授業料の完全無償化をし、大学入学金を廃止し、大学学費を半分にすることができます。税金の使い方が完全に間違っています。

 イージス・システム搭載艦は、昨年、安保3文書を決定したときには、今後5年間で4000億円と説明していたのに、今年度2200億円、来年度3800億円、計6000億円もすでに盛り込んでいます。1年もたたないうちに、なぜ2000億円も上回ることになったのか。GDP(国内総生産)2%という総額ありきの大軍拡で、完全にタガが外れているのではありませんか。

 くらしも平和も財政も危機にさらす大軍拡は中止すべきです。答弁を求めます。

沖縄を再び戦場にするな。辺野古新基地建設は断念を

 いま沖縄では、敵基地攻撃可能な長射程ミサイルの配備によって、再び戦場にされることへの不安と怒りが広がっています。

 今月14日から行われている日米共同訓練では、沖縄県の2度にわたる自粛要請を無視して、陸上自衛隊のオスプレイが初めて新石垣空港に降り立ち、負傷兵を後方に輸送する訓練が行われました。まさに沖縄が戦場になることを想定した訓練ではありませんか。

 玉城デニー知事は6月、敵基地攻撃を可能とする装備の県内配備を行わないよう政府に要請しました。沖縄への配備はもちろん、敵基地攻撃能力の保有そのものをやめるべきではありませんか。

 政府は、辺野古新基地建設のための設計変更を知事に代わって政府自ら承認するための代執行訴訟を提起しました。強権的なやり方を絶対に認めるわけにいきません。

 沖縄の米軍基地は、米軍占領下で、国際法にも違反して、住民の土地を一方的に奪ってつくられたものです。そのもとで沖縄県民は、米軍機の墜落や昼夜を分かたぬ爆音、環境汚染、米軍関係者が引き起こす事件・事故に苦しめられてきました。

 沖縄県民が辺野古新基地建設に一貫して反対の意思を示してきたのは、こうした歴史を無視し、新たな基地を押し付け、将来にわたって固定化するものだからです。

 政府の計画自体に根本的な問題があるにもかかわらず、それを受け入れないからといって、国が強権を発動し、知事の権限を取り上げ、基地建設を強行するなど、決してやってはならないことではありませんか。

 玉城デニー知事は、政府に対し沖縄県との話し合いに応じ、対話によって解決策を見いだすことを求めています。代執行に向けた手続きを中止し、県との話し合いに応じるべきではありませんか。

 県民は、3度の県知事選挙や県民投票などで、新基地建設反対の意思を明確に示してきました。県民の民意を正面から受け止め、普天間基地の即時運用停止・閉鎖・撤去、辺野古新基地建設の断念を決断すべきです。以上、総理の答弁を求めます。

イスラエルとパレスチナ双方との関係を生かし、停戦交渉を促せ

 イスラエル・ガザ紛争による人道危機が深刻です。

 日本政府は、無差別攻撃を行ったハマスを非難するだけでなく、イスラエルがガザ地区を封鎖し、水も食料も断ちきり、住民を大量に殺りくしていることをなぜ厳しく批判しないのですか。最悪の人道危機をもたらす大規模侵攻の中止を求めるべきではありませんか。

 政府はイスラエル、パレスチナ双方に関係を持っていることを生かし、停戦に向けた交渉を促すべきではありませんか。答弁を求めます。

改憲でなく憲法の実現こそ日本政治の最優先課題

 日本国憲法前文は「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と平和的生存権を定めています。そして、憲法9条は、一切の戦争と武力の行使・武力による威嚇を放棄し、他国に先駆けて戦力の不保持、交戦権の否認を規定し、国際社会での積極的な軍縮推進を憲法上の責務として、わが国に課しています。

 今こそ、この憲法の理念に基づく平和外交が必要ではありませんか。お答えください。

 憲法を変えるのではなく、実現することこそ、日本政治の最優先課題であることを訴えて、質問を終わります。

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敵基地攻撃で重大なのは「米軍と自衛隊が融合するように一体化するもとで行使されることだ」と指摘。

2023-02-01 | 自民党の法律違反の金権腐敗

敵基地攻撃で日米が「融合」

IAMD 「専守防衛」逸脱 極超音速弾

志位委員長 危険性正面から追及 衆院予算委

 「『安保3文書』は、『専守防衛』という戦後の歴代政権が掲げてきた安全保障政策を根底から覆す重大な内容だ」―。日本共産党の志位和夫委員長は31日の衆院予算委員会で、岸田政権が「反撃能力」の名で敵基地攻撃能力を保有し、5年間で43兆円という空前の大軍拡を強行する「安保3文書」の違憲性と危険性について正面から追及しました。(関連)


写真

(写真)質問する志位和夫委員長=31日、衆院予算委

 志位氏は、敵基地攻撃で重大なのは「米軍と自衛隊が融合するように一体化するもとで行使されることだ」と指摘。その重要な取り組みの一つが「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)だと告発しました。

 岸田文雄首相はIAMDが日米同盟強化の大きな柱だと認める一方、「自衛隊と米軍はおのおの独立した指揮系統だ」と言い張りました。志位氏は、米インド太平洋軍が進める「IAMD構想2028」で「同盟国や友好国が絶対に重要」「シームレス―切れ目のない融合が必要」と二つの点が強調されていると指摘。「自衛隊だけは『独立した指揮系統に従って行動』をするなどということはありえない」とただしました。

 志位氏は、これまで政府が違憲としてきた敵基地攻撃能力保有について「憲法解釈を変更したか否か」と質問。「専守防衛」についても、1972年に田中角栄首相が「防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく」と明言したことをあげ、「敵基地攻撃とは両立しないことは明らかではないか」とただしましたが、岸田首相は「憲法、国際法、国内法の範囲内だ」と繰り返すだけでまともに答えられませんでした。

 志位氏は、日本が持とうとしている「極超音速誘導弾」はマッハ5を超える極超音速で飛行し、迎撃を困難にして他国に脅威を与えるものだと指摘。「多くの国際社会はわが国の取り組みを否定していない」と強弁する岸田首相に対し、志位氏は「首相のいう国際社会はG7(主要7カ国)、アメリカを中心とした軍事ブロックだ」と述べ、首相答弁の破綻を明らかにしました。

 最後に志位氏は、評論家の故・加藤周一氏の言葉を引用し、「平和を望むならば、戦争を準備せよではない。平和を望むならば、平和を準備したほうがいい」と平和外交を進める重要性を訴えました。

 統合防空ミサイル防衛(IAMD) 米国が2013年ごろから同盟国と一体に地球規模で構築している、敵基地攻撃能力と弾道ミサイル防衛など「防空」を一体化したシステム。中国やロシアのミサイル脅威を念頭に、地球規模での「防空」網を構築。米統合参謀本部(JCS)のドクトリン(教義)によれば「攻勢作戦」として、相手から攻撃を受ける前にミサイル基地や滑走路、指揮統制機能を破壊する先制攻撃です。

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