昨日だったか 何の番組だったかも忘れた
というのも食事の片付けの時だったか キッチンのラジオのスイッチを入れただけで 格別耳を傾けたいと思ったわけではなかったから
番組の途中だったこともあって 地方での移住生活についての話らしいとわかったものの 話はほとんど終わりに近かった
ゲストの女性が最後に この土地に住む人を「土の人」 移住者を「風の人」と呼んでいて 両方で「風土」を作っていく というような話をした
ラジオ局のパーソナリティーは「素晴らしい」と感動し 私も なるほどねえ それで「風土」かと
たまたま平松洋子さんの『父のビスコ』という本を読んでいて 故郷である倉敷とそこでの家族との記憶などを書いたものだったこともあって 故郷と呼べるものがある人はいいなあと思ったりしていたので ラジオでの「風土」の話を思い出して あらためて検索してみた
そして 玉井袈裟男という人の名を知った
農学者であり 社会教育者であり 「風土舎」を立ち上げて地域作りの活動をした人だそうだ
『風土舎創立宣言』には この「風の人・土の人」という考えが示されている
地方再生や農業に根付いた活動をする人々にとってはよく知られた考えだったのかもしれないが 番組の中ではゲストやゲストの周辺でのみ語られているように聞こえたので 出典があることを話して欲しかったな
その宣言は詩のようでもあるのだけれど そこにはこんな文章がある
「・・・土は風の軽さを嗤い 風は土の重さを蔑む
愚かなことだ・・・」
両者が互いを排除するのではなく 相互作用によってまた新しい風土を生み出していく
「・・・魂を耕せばカルチャー 土を耕せばアグリカルチャー
理想を求める風性の人 現実に根をはる土性の人 集まって文化を生もうとする」
農学者だったこともあって活動の中心は農業にあったが この考えはもっとグローバルな視点でも十分に通じるのではないかと 私は思う