子供の頃 服は作ってもらうか 買ってもらうか あるいはお下がりっていうのもあったっけ
作ってもらう時は 服地から注文をつけた
買ってもらう時は 親と一緒に選ぶ事もあったが 親が一人で買ってくることもあった
当然そんな時は 気に入らない物もある
私は これは好き これは嫌いだとはっきり言うのだが(今後の為もあるしね) 姉は違った
私が気に入った物には大喜びするのに対して 姉は気に入っても気に入らなくても 大した反応を示さない
そうしていつまでたっても気に入らない(のだろう)物は身につけない
母が尋ねても そのうち…と言って濁し 決して気に入らないとは言わない
服に限らず 姉は何でもそうだった
母が後年 よく笑いながら話していた
意思表示をするのにも お互いの関係の密度は大いに左右する
他人であれば 私だってそうは顕著に反応を示さない
時には心と裏腹の事だって言う
つまらないものですが…
まぁ~ 結構なものを…
そういう事
何が正直で 何が思いやりで 何が誠実なことか
それは 当たり前だがケース・バイ・ケースだろう
姉には姉の思いやりがあり 私には私なりの正直さが
理解し合って遠慮の無い関係が一番だが それでも性格や立場や思考の違いで限界はある
誰にでも限界があるという事を悟り それを読み取って行動する
それが正直であり 思いやりであり 誠実さでは無いか
そして限界点を知るためには やはり理解し合う作業が無くてはならない
限界点は遠ければ遠いほど良い
目の前にある人もいるが そういう人は見なかった事にする
第一 あまりに目に近い物は 見えないものだ
後日談だが 姉は大学生になっても服を買ってもらっていたが 私は自分で買うハメになった
正直者は損をすると つくづく思った