犬も歩けば棒にあたると言うが 災いに遭うとも 幸いに遇うとも受け取れる
とにかく動けということと思って 今日は徘徊に出かける
まずは国立近代美術館 特別展は「アジアのキュビズム」だったが 私のお目当ては 風船画伯の谷中安規
版画家だが 一世を風靡した棟方志功とはまるで作風が違う
モダンで飄々としていて どこかユーモラスでもあり メルヘンチックでもある
内田百けん(文字化けしたので)ら 小説家に愛されたのも頷ける
もう少し多くの作品を見たかったが 実物に会えたのは嬉しかった
戦後まもなく餓死したというのも どこか彼の最後らしくて 悲しくも納得
この後 工芸館にも足を運ぶ 実は近代美術館のチケットでここも入れるのだが
それが無くても 私はこの建物が大好きなのだ
このあたりは商業施設が無いのも魅力である
何しろ 歩いている人が圧倒的に少ない 但し走っている人は 多いけれど
東京の真ん中では 昔の丸の内もそうだったが 今はもう駄目である
工芸館のドアは未だにノブを手で回して開けるのだが これも嬉しい どこか緊張感が漂う
以前にもあったのだろうか 高浜かの子作 夢の中に遊ぶ という作品がとても可愛くて気に入ってしまった
それにしても 日本人の草花や身近な昆虫に対する観察眼には 改めて感心
写実性にかけては 西洋に劣るという通年があったように思うが そんなことはない
ちゃんと見ているし しかも美的感覚が素晴らしい
バッタを小箱の蒔絵の図案にしちゃうなんて もう 惚れ惚れ
感動したところでお決まりのビール…といきたいが 近くには無い
そこが魅力でもあるのだが こういう時は辛い
先月だったか徘徊した時は また暑い日だったので あまりの店の無さに 呪いの言葉を吐きそうになった
今日は幾分日差しも弱く 気温も低めだったので 東京まで歩くことにした
途中でお堀の向こう 柳越しに面白い建物発見 是非見に行かねば
東京銀行協会ビルヂング それが建物の名前だった
今流行りの 旧建築物の一部を残して高層ビルにしたもの
低層部は なかなか良い しかし 継ぎ足されたノッポ君 やっぱり邪魔だな~
邪魔と言えば 写真を撮る時 いつも思うこと 信号が邪魔 でなければ標識とかね
ふと気がつくと この建物をスケッチしている人が…絵になるものね~ 気持ち判るよ~
多分 その人の絵は…その低層部だけとみたね いや 見てないけど 絵を描く人なら絶対そうすると思う
この建物を見て すっかり調子に乗った私は また別のチョイ面白いもの発見
明らかに合体というか 移植手術しましたっていう建物
面白いのは正面屋上に 男性と女性の像があることだ
二人とも何かを手にしている
桜に工の文字の記章が なんとも言えない
帰宅して調べたところ 男性はハンマー 女性は糸巻きを手にしているらしい
なるほど 石炭と紡績という2大工業を表現したというわけか
今ならなんだろ ICチップと車? 経済に疎いもので 想像できませんが
ここでまた写真をパチリ
と 突然 爽やか青年が声をかけてきた どうやら同好の士のようだ
ひとしきり話をして別れる 私が年下好みだったらビールに誘ったのに 残念!って 向こうが断るか~~
最後に東京駅を… ステーションホテルの中に入ってみた
古色蒼然!
ここではビールにありつけず 最寄の駅で やっとこさビールとお寿司にありついて満足~
とまあ こんな暢気な一日でした