台風が去り 比較的からっとした気持ちの良い日になった
どうあれ8月最終日であり 夏の終わりがそう遠いものではないことを 朝晩の空気や虫の音 太陽が教えてくれる
ここ数日 歩こうと決めていたことを今日実行した
目的地は図書館 4駅分でほぼ5キロ
丁度良い距離だ
地図を持たなくても見当でわかり ほとんど線路際に近いところを歩けば行きつく
風もあり 暑さもほどほどで歩くのも苦にならない
出勤のひとたちが駅に吸い込まれていくのを横目に 私は 悪いけれど満員電車なんかには乗らないよとばかり 密かな優越感のようなものを抱きながら通り過ぎていく
沿線の風景は大きく変わり マンションが増え 老人ホームやケアハウスのような昔は見なかった建物も随分と目につくようになっていた
駅に近い場所にあるお屋敷の門を見た時 そうだった ここにそれがあったのだと思い出した
子供の頃から幾度となく見てきたそれは 線路が高架になってから目にすることもなくなり いつしか忘れていた
門は昔のままだったが 一部はマンションになり おそらく奥のほうに地主の住居があるのだろう
ずっと住み続けてきた場所だからどの駅にも懐かしい記憶があるが 駅舎はもう昔の面影はどこにも無い
その変遷を見てきたはずなのに こうして歩いてみるとあらためてそれを感じる
小さな川にかかる橋を渡った時 40年以上も前に車窓から見ていた風景が思い出された
護岸整備がされる前のことで 鉄橋と呼ぶにはあまりにも小さいその箇所を渡る時には走る音が変わる
草が生い茂り木々がうっそうと生えた 長い両駅間の真ん中ほどのところで 20年ほど前に高架に伴って駅が新設され 開発も進んだ
落雷のせいだったか 姉が高校生の頃にちょうどそこで電車が止まり 降りて歩いて帰ってきたことがあった
電車から降りるのも 歩いて帰ってくるのも怖かったと言っていたが 確かにあの当時は夜ともなれば真っ暗だっただろうし それを聞いた父が 若い娘にそんな危険なことをさせたのかと鉄道会社に憤慨していたような記憶がある
ちょうど1時間で図書館に着いた
2時間ほど館内の本を見て回り 4冊借りることにした
計画では帰りは電車に乗るつもりだったが この距離なら帰りも歩けるとふんだ
世界には何キロも歩いて学校に通う人 水汲みに行く人もいるのだから
帰りは 立ち並ぶ家の外壁や屋根の色 窓やドアなどを眺めながら帰った
正午に家に到着
久しぶりに歩いたせいか 右の股関節と左の膝に少しぎくしゃくしたものを感じる
ほぼ毎日の駅の階段の上り下りも 往復2キロの徒歩も無くなった生活を続けてきた結果だろう
それでも疲労感は全く無く 汗を流してからビール付きの昼食をとる
夏の終わりの小さな小さな冒険をして これで心置きなく秋を迎えられそうだ
どうあれ8月最終日であり 夏の終わりがそう遠いものではないことを 朝晩の空気や虫の音 太陽が教えてくれる
ここ数日 歩こうと決めていたことを今日実行した
目的地は図書館 4駅分でほぼ5キロ
丁度良い距離だ
地図を持たなくても見当でわかり ほとんど線路際に近いところを歩けば行きつく
風もあり 暑さもほどほどで歩くのも苦にならない
出勤のひとたちが駅に吸い込まれていくのを横目に 私は 悪いけれど満員電車なんかには乗らないよとばかり 密かな優越感のようなものを抱きながら通り過ぎていく
沿線の風景は大きく変わり マンションが増え 老人ホームやケアハウスのような昔は見なかった建物も随分と目につくようになっていた
駅に近い場所にあるお屋敷の門を見た時 そうだった ここにそれがあったのだと思い出した
子供の頃から幾度となく見てきたそれは 線路が高架になってから目にすることもなくなり いつしか忘れていた
門は昔のままだったが 一部はマンションになり おそらく奥のほうに地主の住居があるのだろう
ずっと住み続けてきた場所だからどの駅にも懐かしい記憶があるが 駅舎はもう昔の面影はどこにも無い
その変遷を見てきたはずなのに こうして歩いてみるとあらためてそれを感じる
小さな川にかかる橋を渡った時 40年以上も前に車窓から見ていた風景が思い出された
護岸整備がされる前のことで 鉄橋と呼ぶにはあまりにも小さいその箇所を渡る時には走る音が変わる
草が生い茂り木々がうっそうと生えた 長い両駅間の真ん中ほどのところで 20年ほど前に高架に伴って駅が新設され 開発も進んだ
落雷のせいだったか 姉が高校生の頃にちょうどそこで電車が止まり 降りて歩いて帰ってきたことがあった
電車から降りるのも 歩いて帰ってくるのも怖かったと言っていたが 確かにあの当時は夜ともなれば真っ暗だっただろうし それを聞いた父が 若い娘にそんな危険なことをさせたのかと鉄道会社に憤慨していたような記憶がある
ちょうど1時間で図書館に着いた
2時間ほど館内の本を見て回り 4冊借りることにした
計画では帰りは電車に乗るつもりだったが この距離なら帰りも歩けるとふんだ
世界には何キロも歩いて学校に通う人 水汲みに行く人もいるのだから
帰りは 立ち並ぶ家の外壁や屋根の色 窓やドアなどを眺めながら帰った
正午に家に到着
久しぶりに歩いたせいか 右の股関節と左の膝に少しぎくしゃくしたものを感じる
ほぼ毎日の駅の階段の上り下りも 往復2キロの徒歩も無くなった生活を続けてきた結果だろう
それでも疲労感は全く無く 汗を流してからビール付きの昼食をとる
夏の終わりの小さな小さな冒険をして これで心置きなく秋を迎えられそうだ