一日が終わり 眠りにつく
いつもと変わらぬ朝がくると信じて
だが それは時々裏切られる
良い事もあるし悪い事も 幸運なこともあれば不運なことも
我が家では 下水道が完備された時 それまで使っていた井戸を残すことにした
このあたりでは かなり珍しい
知らない人のためにだが 井戸といっても がちゃがちゃと汲み上げるものではない
自動ポンプというものがあり 蛇口をひねるとう~んと静かに音を立てて 夏には冷たい水を 冬には暖かい水を
昨日の朝 いつものように蛇口をひねったら 赤い水が出た
と思ったら 水が出なくなった
昔 何度かこんなことがあったように思う
そんな時は 親が注し水をしていたのを思い出した
ところが さて どこから入れるのかがわからない
一つ 栓らしいものを見つけた
それが固くて なかなか開かない
渾身の力で回したら 手応えがあった
薬缶に水を入れて何度か水を注してみたのだが ごぼごぼと吸い取るだけ吸い取って 何も変化はない
水道やさんを呼ぶしかないと判断したのだが それがどこかも私は知らなかった
あの親ならば 絶対に説明書や領収書などを残しているはずだ
だが その場所がわからない
滅多に入らない部屋を あたりをつけて捜索したのだが 皆目わからない
情けなくなってきた
私は家のことを親に任せきりで 親も自分たちの家だという責任と愛情から 私はほとんど関与せずにきた
そのツケが次第に回ってきているのを感じた
まさかと思う場所に それはあった
ケースの中にしまわれた書類の中に 「井戸・ポンプ関係」と 父の字で書かれた袋を見つけた
井戸の修理やポンプを交換した時期など それまでの経緯がすべて記載されていた
それを頼りに 私は電話をかけた
何度かけても留守番電話だ
嫌な予感がする
時間を置いてかけてみたら やっと年配の女性が出た
廃業していた
仕方なく 誰かを紹介してくれと頼んだ
そうして やっと来てくれた
ホースで水道の水を流し込んだら なんとか動き始めた
喜んだのもつかのま 彼が帰ったあとで 今度は一定の間隔でモーターが回っていることに気がついた
再び電話をした
井戸は 地下10メートルの水脈まで管を通してあり その先にジェットという部分があるそうだ
そこに問題があって そのために水を吸い上げようと回るのだそうだ
ポンプはすでに15年を経ている
もう寿命なのではないかときいたら いや まだ大丈夫だろうという返事だった
ポンプは 木製の囲いの中にあり その上に鉄板のフタがついている
こうしてきちんとしているから とても15年前のものとは思えないと言われた
部品の交換には 一日を要する
土曜日にやってもらえるかと言ったら あまり感触が良くなかった
少なくとも 一ヶ月先になるという
以前の水道やさんはとても良心的だといって 両親が気に入っていたのを覚えている
だからこそ 同じところに頼もうと思ったのだ
ところが 時代の流れなのだろう
こんな仕事はあまりしたくない といったような感じだったのも 私をがっかりさせた
朝食も取らぬまま 朝からバタバタして そうしてどっと疲れた
がっかりもし 親に感心もし 我が身の不甲斐なさも知り わずかな出来事に疲れる自分にも腹立たしかった
いっそ 井戸を使うのをやめようかとも考えた
井戸水はタダだと思うかもしれないが ポンプが動いた時間に応じて下水道料金を取られる仕組みになっている
いつかポンプも壊れるだろう
無くても そう困るわけでもないんだ
だが 親が残したものだ
井戸水が自慢だった
それに 以前 災害が起こった時には利用させてもらえるか といった書類が送られてきたきたことがある
いつか 誰かの役に立つことがあるかもしれない(大地震なら 無理かもしれないが)
もうちょっとだけ なんとか残そうと決めた
感謝と反省と 懺悔にも似た気分になって いつまでたってもだめな子供だとあらためて思い知らされた
こんなんで ゴメンね!
いつもと変わらぬ朝がくると信じて
だが それは時々裏切られる
良い事もあるし悪い事も 幸運なこともあれば不運なことも
我が家では 下水道が完備された時 それまで使っていた井戸を残すことにした
このあたりでは かなり珍しい
知らない人のためにだが 井戸といっても がちゃがちゃと汲み上げるものではない
自動ポンプというものがあり 蛇口をひねるとう~んと静かに音を立てて 夏には冷たい水を 冬には暖かい水を
昨日の朝 いつものように蛇口をひねったら 赤い水が出た
と思ったら 水が出なくなった
昔 何度かこんなことがあったように思う
そんな時は 親が注し水をしていたのを思い出した
ところが さて どこから入れるのかがわからない
一つ 栓らしいものを見つけた
それが固くて なかなか開かない
渾身の力で回したら 手応えがあった
薬缶に水を入れて何度か水を注してみたのだが ごぼごぼと吸い取るだけ吸い取って 何も変化はない
水道やさんを呼ぶしかないと判断したのだが それがどこかも私は知らなかった
あの親ならば 絶対に説明書や領収書などを残しているはずだ
だが その場所がわからない
滅多に入らない部屋を あたりをつけて捜索したのだが 皆目わからない
情けなくなってきた
私は家のことを親に任せきりで 親も自分たちの家だという責任と愛情から 私はほとんど関与せずにきた
そのツケが次第に回ってきているのを感じた
まさかと思う場所に それはあった
ケースの中にしまわれた書類の中に 「井戸・ポンプ関係」と 父の字で書かれた袋を見つけた
井戸の修理やポンプを交換した時期など それまでの経緯がすべて記載されていた
それを頼りに 私は電話をかけた
何度かけても留守番電話だ
嫌な予感がする
時間を置いてかけてみたら やっと年配の女性が出た
廃業していた
仕方なく 誰かを紹介してくれと頼んだ
そうして やっと来てくれた
ホースで水道の水を流し込んだら なんとか動き始めた
喜んだのもつかのま 彼が帰ったあとで 今度は一定の間隔でモーターが回っていることに気がついた
再び電話をした
井戸は 地下10メートルの水脈まで管を通してあり その先にジェットという部分があるそうだ
そこに問題があって そのために水を吸い上げようと回るのだそうだ
ポンプはすでに15年を経ている
もう寿命なのではないかときいたら いや まだ大丈夫だろうという返事だった
ポンプは 木製の囲いの中にあり その上に鉄板のフタがついている
こうしてきちんとしているから とても15年前のものとは思えないと言われた
部品の交換には 一日を要する
土曜日にやってもらえるかと言ったら あまり感触が良くなかった
少なくとも 一ヶ月先になるという
以前の水道やさんはとても良心的だといって 両親が気に入っていたのを覚えている
だからこそ 同じところに頼もうと思ったのだ
ところが 時代の流れなのだろう
こんな仕事はあまりしたくない といったような感じだったのも 私をがっかりさせた
朝食も取らぬまま 朝からバタバタして そうしてどっと疲れた
がっかりもし 親に感心もし 我が身の不甲斐なさも知り わずかな出来事に疲れる自分にも腹立たしかった
いっそ 井戸を使うのをやめようかとも考えた
井戸水はタダだと思うかもしれないが ポンプが動いた時間に応じて下水道料金を取られる仕組みになっている
いつかポンプも壊れるだろう
無くても そう困るわけでもないんだ
だが 親が残したものだ
井戸水が自慢だった
それに 以前 災害が起こった時には利用させてもらえるか といった書類が送られてきたきたことがある
いつか 誰かの役に立つことがあるかもしれない(大地震なら 無理かもしれないが)
もうちょっとだけ なんとか残そうと決めた
感謝と反省と 懺悔にも似た気分になって いつまでたってもだめな子供だとあらためて思い知らされた
こんなんで ゴメンね!