私が生まれた時 すでに二人の祖父は他界していたが ふたりの祖母は80歳を過ぎるまで生きていたので 高齢者の姿はそれなりに知っていた
そして両親が亡くなるまで一緒に暮らしたこともあって 年を取るとはどういうことかを日々の生活の中で身近に見てきた
青春時代や 社会の一員となって働くようになった時 あるいは結婚し 親になったとしても 当たり前だけれど誰にとってもそれは初体験であり なってみなければ やってみなければわからないことだらけだ
そして 年を取ることも同じ
話には聞いていた 高齢者が集まれば健康の話になり 時として病気自慢(するしかないのだが)になったりというのも 最近ではわかるようになってきた
とはいっても個人差はあるし 誰もが全く同じような年の取り方をするわけではない
祖母には祖母の 親には親の高齢人生があったように 私には私だけの高齢人生があり パートナーが欲しいと思う若い人たちや どう生きていったら良いのか人生の岐路で悩んでいる働き盛りの人たちが 日々 新しい体験をするのと同じように 私もまた初体験の日々だ
昨日できなかったことが今日はできるようになる幼子とは逆で 昨日できたことも今日はできなくなるかもしれないが それはそれ
いつからか 階段を一段飛ばしで駆け下りることもしなくなったし 信号の変わりそうな横断歩道を走って渡る時の最初の一歩に躊躇することもあるけれど どんな変化も笑って受け入れていく人でありたいなあ