夏休みが終わって二週間 すっかり日常が戻ってきたのは それはそれで良いことなのだろう
旅の最後についてまだ書いていなかった
弘前を出て旅の最後の地である秋田に向かう
寄り道も考えたが 天気も次第に下り坂
早めに秋田に入り 赤レンガ郷土館だけは見ておこうと少し散策
夕方は日本海の夕日を見る計画
チェックインを済ませて汗を流し ベッドの上に寝転ぶ
旅で出会った素敵なものたちを心の中で反芻しながら 満たされた気分に浸る
ふと気がつくと ありゃりゃ~ 転寝をしてしまったようだ
夕刻5時を過ぎている
頑張れば 電車もバスもまだ間に合う時間だったが 疲れもあったのだろう もう面倒になった
昼間も雨が少し降ったし 天気も下り坂
此処だけは入ってみたいと思っていた居酒屋も 諦めた
翌朝は雨
西に旅をしていたらさぞかし悲惨な旅になっただろうと思うと 地震や大雨にも遭わずに旅が出来た事
そのことだけでも 相当ラッキーだったと思う
もういい
帰ろう
夕刻に乗るはずの新幹線を 10時に変更した
駅のショッピングセンターでお土産を買おうとぶらついていたら あの杢目銅が目に入った
私には少し大きめのサイズだが 指輪が気に入ったので 自分の誕生日とこの旅の記念にと買い求める
東京でも なかなかお目にかかることは無いだろうと思い 姉に別のかたちのペンダント・ヘッドをもう一つ
我が家に帰宅したのは午後3時で 早速洗濯
こうして今年の夏休みが終わり 猛暑を感じることもないまま 今 夏が終わろうとしている
豪華な旅館で上膳据膳 ゆったりとした温泉と名所巡り
そんな旅は 私には当分無さそうな気配
今回も5泊中 まともな夕食は2回だけだった
それでもハタハタ寿司も 横手の町興しになっているソース焼き蕎麦も食べたし
角館の 煉瓦蔵を持つ味噌・醤油の醸造元では 美味しい漬物の味見もした^^
弘前では郷土料理の 貝味噌焼きも頂いた
そして何より 沢山歩いて 美味しいものをお腹イッパイ見た
郷土が自慢の人の笑顔にも あまりに当たり前としてその郷土に生きる人の笑顔にも出逢った
それは 旅人である私の目がそう見たかっただけだと言われればそれまでだし
確かに どこでどう生きようと 人の生活 営みには 共通する悩みも喜びもあるはずだ
別段 彼らが羨ましいという思いはない
ただ 生まれも育ちも東京という私には もしもそれが地方だったら
また少しだけ 別の人生や考え方を持った人間であったかもしれないと それが奇妙でもあり 面白くもあるだけ
さて せっかちな私は早くも来年の夏のことを考えている
平成の大修理を終える唐招提寺も見たいし 一番の心待ちは 今はまだブルーシートに覆われている忠太の伝道院
何しろ 全てはこの忠太から始まったのだから
旅は 愉しいものだ
だが あらゆる理由で 望む時に望む旅ができるとは限らない
さまざまな状況の中で 計画し 時に修正をし 諦めもし 選択と決断に迫られながら自分なりの旅をする
これは 日常と何ら変わるものではない
日常もまた愉しいものだと思える自分で いつもありたいと願っている