どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

人の声がする

2009年01月30日 | 日記
ポール・オースターの ナショナル・プロジェクト・ストーリーを読み始めている

ラジオ番組から生まれた リスナーの投稿文を集めたものだ

アメリカは 良くも悪くも歴史の柵の無い国で 正義は一つって思ってるところがあるけど

でも 9・11は 色々な意味でカンフル剤だったようだ


かなり昔に僅か数回しか聴いたことがないのだが これを読んでいて思い出したのは何故かHNKのラジオ深夜便

高齢者と 病気と闘う人(特に入院中の人)には 人気があるようだった

大した話でもないのに ごくごく普通の人の話なのに

妙に人懐っこくて 感動でも心が温まるというのでも無いのだが そう 人の声がすると言ったらよいかな

そんなことを感じるトシになったのだと ちっとも悲しくもなく そういう自分を楽しんでいる
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終わってはいない

2009年01月29日 | 日記
今日は母の命日

その日の朝 出勤する私に 行ってらっしゃいと寝室から声をかけてくれた

外は寒いでしょ?

冬だもの 当たり前 行ってきま~す


母が亡くなったと 職場で父からの電話を受け取った夕方 

帰りの黄昏時の色と空気

私は何を考えながら帰ったのか 

激しい感情の起伏はあったものの 良好に向かいつつあったのに


深い悲しみと共に 失望や寂寥感 身体の真ん中を貫くような喪失感 

母を救えなかった という自分を苛む気持ちと 何処かで安堵感にも似た感情もあったように思う

終わったんだ 終わってしまったんだ


ISMSの会議+食事会で 23時の帰宅

朝は 4年前の母の最期の声を思い出しながら出勤したのだが 結局 今日はそれだけで・・・

そうして忙しい日常に流された


母の記憶は今もなお鮮明で あらゆる場所と時間のその姿も声も 現実のようにはっきりと思い出せるのだが

それでも時折 もう一度本物に触れたいと思うこともある

終わってはいない

終わるのは 私の命が尽きた時なのだ

最近は そんな気がしている
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自分の身体から出たものを確認する

2009年01月27日 | 日記
たとえば 歯を磨いた時

あるいは 朝のトイレ

洟をかんだ時

ちょっと失礼して ガスを出した時

耳掃除とか 爪きりでも

自分の身体から出したものを確認したりは しない?

いや フェチとかそういうことじゃなく・・・

今日も健康なようだ とか 時に びっくりするようなこともあるが

意識してのことではなくても 自然とそうしている 私は


口から出た言葉にも 自分の身体から出た息と同じ感覚を持っていたいね
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友人の家出事件

2009年01月25日 | 日記
昨年のことだが 友人と飲んでいた時に 話が大学時代のことになった

友人が私と最初に言葉を交わしたのは校舎のスロープのところだったのを はっきりと覚えている と言い出した

続いて彼女の家出事件にまで話は発展し ちょっと酔っていたのだろうか あの時の恩は一生忘れないと


その事件は 今では大笑いなのだが 卒業後に起こった

当時の私は悩み多く 家族間のことも自分自身の人生も袋小路といった感じだった

姉と二人で部屋を借りて生活するという今では何の不思議も無いようなことを やっとの思いで両親に話す

父は 此処に家があるのに何で家を出るのだ と かなりのショックと怒りと寂しさを顕わにした

それでも まとまったお金を私たちに用意してくれた(その必要は無かったのだが これが親の愛なのだろう)


そうして姉との二人の生活が始まった矢先のことだった

友人が両親と喧嘩をした

聞けば 化粧道具のセットをローンで購入したという

働き始めたばかりでの分割払いに 親は経済観念の無さを責めたのだ

確かに私の親の世代ならば よほどの大きな買い物以外には ローンも借金

私も未だにカードも持たず 分割で物を買った事が無いくらいだ
 

もう家を出るから しばらくおいて欲しいと言う

姉もこの友人とはすでに顔見知りであったし 自分たちだけの生活にウキウキしていたところだったので

二人も三人もどうってことない という 半ば合宿気分だった


私と友人は 朝仕事に行く

自営業の姉は午後からで 夕方帰る私たちが夕食の支度をして姉の帰りを待つ

勿論彼女から生活費を取ったりはしなかった

時々 彼女も仕事帰りに食材を買ってくることもあった

そんな生活が2週間ほどだったか 続いた

友人のお姉さんが時々様子を見に部屋に寄り 両親との橋渡しをし そして友人はやがて帰っていった


実はその間に友人と一緒に部屋を探しに行ったのだが 支払える家賃と部屋に大きなギャップがあった^^

いくらなんでもあんな生活は出来ないと まぁ 家出気分も萎えてしまったのだろう


その時のことを彼女は言ったのだ

今の私だったら とてもあんなことは出来ない 迷惑だっただろうにと思うと・・・

私はこう言った

あの時はそれもまた楽しかったし 何よりも私ではなく 姉がそういう大きい人なのだと


―余談だが 姉が私にお弁当を作って大学まで持ってきてくれたことがある

学生が多く降りる地下鉄の駅を出ても 校舎は二手に分かれており 姉はよく知らない

なんとなく前を歩いている女の子の後をついて行けばよいかと

そうしたら なんとその目印だった子が校門のところで姉を待つ私と話し始めているではないか

それがこの友人だった―


今になって思うと あれが若さかなと思う

その後私は家に戻り 両親の最期まで時を共に過ごした

友人はというと両親健在の家を出て 部屋を借りての独り暮らしを続けている

概ね 不満のタネは自分自身にあるというホッファーさんの言葉を知る以前に 遅まきながら気がつき

処し難い自分と付き合っていく覚悟も強さも 齢の為せる技のせいか なんとか身につけた

自分の人生を振り返ってみても 自分の中では辛かったこともあったはずなのに

それがどんどん希釈されて 愉快な思いでばかりが蓄積されていくのも 私が偉いからだと言いたいところだが

本当の事を言えば すべては私と深く関りあった人たちのお蔭なのだという気がしている


後日談一つ:前にも書いたのだが 私と姉が家を出てからのこと 

        二人の生活も新婚気分で楽しかったな と ずっとあとになって父が言った

        母の命日まで あと数日
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私はこう思うし こうありたい

2009年01月23日 | 日記
以前 此処の日記に 躾という漢字は 身が美しいと書く といった内容を記したことがある


電車の中 特に朝のラッシュでの立ち居振る舞いには 誰しもが一過言あることだろう

化粧をする女性も珍しくは無くなったが それを立ったままであの混雑の中でしているのを見た時には

化粧をしない私ではあるが 驚きを通り越してそのテクニックに感心してしまった

最近は女性ばかりではない

地下鉄の通路で ジージーと音がする

何かと思って辺りを見回したら 若い男性が髭を剃りながら歩いていた

それ以後 同じ男性のジージーに何度か遭遇している


全て法律で規制されているわけではない

だから 何をしようと自由というわけなのだな

子供の頃 教室でちょっとした言い争い―特に男女間で―になると それって法律で決められているのか とか

へ~ 誰が決めたの?何時?どこで?何時何分?なんていう下らない科白が飛び交ったものだが

それは 12歳以下の子供だから許されるイノセントの世界


気取ったりすかしたり自意識過剰だったりは野暮

けれど 人ごみの中を歩く時 ちょっと我が身を横にしたり 鞄がぶつからないように抱えたり

そういう配慮って 美しくない?


同じビルの労働者とロビーで出会ったら 朝の挨拶をする

そのロビーに入って来る人が居たら エレベーターをちょっと止めて待つ

自分がボタンの傍にいたら 何階ですかと尋ねて押す

誰もが急ぐ朝だからこそだ


しなくてもよい

罰則は何ひとつ無い

ただあるのは お互いに気持ちが良いだろうということだけ


こんなことを言いたくなったのは 帰りの電車で そこそこの老紳士がスポーツ紙を読んでいて

ラッシュというわけでもなく 折り畳んでいたから それはそれでいいのだが

ふと見たら 彼が読んでいたのは明らかにその手の新聞によくある小説のところだった

別に小説自体に何の異論も差別も無いが それはこっそり何処かで読んで欲しいなぁ と思ったわけで

見栄を張れとは言わないけれど 私にはカッコ悪いことに見えてしまうのだ


冴えない容貌でも 振る舞いの美しさでイイ男(女)に見えることもある

どんなに容貌に気遣い 高価なものを見につけようとも それゆえ一層貧相な人格を見てしまうこともある

何がカッコイイかは 人によって違うだろうけれど 私はこう思うし こうありたいと思う
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